六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
ついにこの時がやってきた。俺にとっては決勝戦よりも大事な試合。Aブロック2回戦第1試合……カンザシとのデュエルが始まろうとしていた。
これに勝てば俺は準決勝で待っている彼方さんと戦うことが出来、天音ちゃんを誘拐した犯人の要求には応える事が出来る。だが負ければ……要求は二度と応えられず、天音ちゃんがどうなるか分からない。
だから負ける訳には行かない。彼方さんのエールも貰ったんだ。勝ってみせる。
『ピックアップデュエルもついに2回戦に突入し、今まさにAブロックの2回戦第1試合が始まります! その場にいるのはこの2人! 【桜雪花衣】選手と【カンザシ】選手です! 』
Mixさんの紹介と同時にフィールドのライトが動き、俺とカンザシを照らした。
『果たして勝つのは逆境を乗り越える奇跡のドローの持ち主の花衣選手か、それとも相手を絡め取り有無を言わせないカンザシ選手なのか!? いよいよデュエルが開始…… 』
いよいよデュエルが始まろうと俺とカンザシはデュエルディスクを構えたが、何故かMixさんがデュエル開始の宣言を行わず、俺はおかしいと思いMixさんに顔を向け、焦らしに焦らしたMixはさっきまでの勢いを捨て、緩い感じの態度に変わった。
『……と! 言いたいですが、先程連絡があって遅れてきたもう1人の司会者が到着しましたのでまずその人からご案内致します! 』
「んがっ! 」
思わず俺は漫画のようにその場でずっこけながら落胆し、さっきまでの緊張感を無くしてしまった。
結構こっちは真剣に望んでいるだけどなぁ……まぁ、誰も事情を知らないから無理もないが。
『それでは! 今日この大会に来たのは〜? なんと! あのレゾンの代表取締役の【天道白夜】さんです! 』
「何っ!? 」
驚きは俺だけでじゃなく周りの人も同じようであり、会場にはざわめきやどよめきが埋まった。だがその埋まりは直ぐに出てきた女性の圧によって直ぐに吹き飛ばされた。
太陽に照らされた白金の髪に、白いスーツを着こなしていた女性を見た者はまるで棘のある花を見るかのように見惚れるも気圧されていた。
「紹介されたがレゾン代表取締役の白夜だ。少々業務を片付けてから向かった為に到着が遅れた。この試合からは私も実況側に参加する 」
『はい! という事で来たのは世界的に大有名! いや、知らない人は居ないほどの代表取締役の天道白夜さんです! いや〜まさかこの人が来るなんて私も思っていませんでした! 』
「こちらこそ中々興味深い催しに招き感謝している。それに面子も興味無い。良いデュエルを期待している 」
白夜さんは俺の事をじっと見つめ、その目に見られた俺は何故か背中に寒気が走った。
(何だこの感じ……俺はあの人を怖がっているのか? )
目つきは鋭いが恐怖を感じる程では無い。そのはずなのになぜか恐怖という感情が渦巻いてしまう。
(それにあの目……どこかで見た事あるような…… )
不思議と惹かれ、それと同時に恐怖すら感じるこの感覚に心がざわめき、そのざわめきを沈めるように無意識に胸の部分の服を掴んだ。
『では、ゲストも来たことなので早速始めましょう! 花衣選手、カンザシ選手、準備は良いですか? 』
「こちらは問題ありません 」
「あ……あぁ。俺も大丈夫です 」
急いで右目につけているDバイザーを起動してホログラムのデュエルフィールドを形成させ、デュエルの準備を完了した。Mixさんは端末で互いのデュエルディスクとDバイザーの起動を確認し、ヘッドホンのマイクの位置を調整し、声を上げた。
『それでは行きましょう! Aブロック2回戦第1試合! デュエル開始──!! 』
「「デュエル! 」」
桜雪花衣vsカンザシ
デュエル開始と同時にコイントスが行われ、コインの結果はカンザシが表となった。
「では、先行は私から貰います。手始めに私は魔法カード【フェイク・ヒーロー】を発動。手札の【HERO】となのつくモンスターを特殊召喚します。私は【E・HERO シャドー・ミスト】を特殊召喚 」
E・HERO シャドー・ミスト
レベル4/戦士族/ATK1000/DEF1500
『おっと! いきなり初動展開の要の【シャドー・ミスト】が来ました! 』
「【シャドー・ミスト】が特殊召喚に成功した時、デッキから【チェンジ】速攻魔法をデッキから手札に加えます。私は【マスク・チェンジ】を手札に加えます 」
あのカードがあると言う事は、カンザシもM・HEROを持っているという事か。しかも闇属性のM・HEROと言えばやはりあのモンスターしかいない。
「早速私は【マスク・チェンジ】を発動。【シャドーミスト】を墓地に送り、エクストラデッキからこのモンスターを特殊召喚します 」
カンザシが魔法カードを発動した瞬間、シャドーミストの上空から黒い金属で出来たマスクを装着すると、体の装甲が変化し、しなやかな装甲が鋭くなり、マスクを被ったシャドーミストは獣の様な荒々しい立ち姿となった。
「私は【M・HERO ダーク・ロウ】を特殊召喚! 」
M・HERO ダーク・ロウ
レベル6/戦士族/ATK2400/DEF1800
『で、出たァァ! 相手を問答無用で墓地に送るカードを除外させるカード! これは花衣選手キツくなりそうです! 』
確かに今出させるのはキツすぎる……! 俺のデッキの大半は墓地にあるカードを使って展開を繋ぐカードが多いからあのカードは天敵見たいなものだ。
だが、これで終わりじゃない。彼方さんは言った。カンザシが使うコンボは俺に何もさせない凶悪なコンボだと。
「更に私は【アルカナフォースⅥ-THE LOVERS】を通常召喚 」
アルカナフォースⅥ-THE LOVERS
レベル4/天使族/ATK1600/DEF1600
「【アルカナフォース】…… 」
召喚した時にコイントスをし、表裏によって効果が発動するカテゴリーだが、俺にとってはそれだけじゃない。天使族には似合わない不気味なフォルムをしたモンスターを見たと同時に、脳裏にはある男の姿が思い浮かべた。運命を味方に付けたある男……斎王琢磨。
彼の運命力は異常とも言え、作中ではその運命力で自分に有利な効果を出し続け、相手を苦しめていた。
そんなデッキを今カンザシが使っているのだが、コイントスの様なギャンブル要素があるカードをカンザシがなんの下準備をせずに使うとは考えにくい。どう出る……?
「まずはこのモンスターの効果を決める為コイントスを行ないます。上手くいくといいですが 」
そう言ってカンザシのフィールドにコインが出現し、コインは弾かれて宙を漂い、やがて重力に従って地面に落ちると、コインの結果は表が出た。
「表の場合は【アルカナフォース】をリリースして召喚する際、このモンスターは2体分として扱います。ふふ、幸先いいですね 」
つまりレベル7以上のアルカナフォースモンスターをアイツ1体で済ませられるということか。野放しにはしては置けないが、残念ながら俺の手札には攻撃力1600以上のモンスターは存在しない。
しかもカンザシの場にはダークロウがいる。最優先に相手にするのはアイツだから、結局の所野放しにするしかない。
「さらに私は魔法カード【アルカナリーディング】を発動。コイントスを行い、裏表によって効果が変わります 」
またコインが出現し、今度も同じような演出でコイントスがされたが、今度は裏が出た。
「あら残念。裏の場合は相手はデッキから好きなカードを手札に加えられます」
「え、どれでもいいのか? 」
「はい。貴方の好きなカードをどうぞ 」
そう、これがアルカナフォースの特徴でもあり弱点でもある面だ。表なら自分の有利な効果。裏なら相手が有利になる効果が多い為、相当リスクリターンが大きいカテゴリーだ。ともかくここは効果に甘えて何か手札に加えよう。
「じゃあ……俺は【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】を加える 」
「今、ドローフェイズ以外に手札を加えましたね? 」
「え? ……あっ! 」
「相手がドローフェイズ以外にカードを手札に加えた時【ダーク・ロウ】の効果発動! 相手の手札をランダムに捨てます! 」
ダーク・ロウのツインアイが光り出すと、表示されている俺の手札の1枚であるソニック・ウォリアーが捨てられてしまった。
これだけならまだ良い方だ。だが問題はここからだ。ダーク・ロウが存在する限り、墓地に送られるカード全ては除外されてしまう。ソニック・ウォリアーは墓地には行かずに除外され、これでソニック・ウォリアーはこのデュエルでは使えなくなってしまった。
『なんと! 相手に有利な効果が筈が相手への妨害の効果になった 』
『ほう、有利な効果を逆手にとったか。良い使い方だ 』
確かに良い使い方だけどこっちにしてみれば折角手札に加えたのに問答無用でランダムに除外されるのは良い迷惑だ。だが幸いにも加えたカードは除外されてないのが救いだ。これならまだ戦える。少しのホッとしたのつかの間、まだカンザシは仕掛けてきた。
「まだ行きますよ? 永続魔法【愚者の種まき】を発動 」
「あのカード……! やはり来たか 」
そう、アレが彼方さんが言っていたカードの愚者の種まき……あのカードは本来ならまだOCG化されていないカードの1枚だが、この世界では普通に使えるカードのようだ。
「早速【愚者の種まき】を使用しましょう。自分フィールドの【アルカナフォース】モンスターを対象にし、その後コイントスを行い、対象になったモンスターの攻撃力の300ポイントにつき1枚コイントスの結果により、私が貴方のデッキの上から墓地に送ります 」
「デッキ破壊か……! 」
「表なら私のデッキを、裏なら貴方のデッキからカードを墓地に送ります 」
またコイントスが始まり、今度の結果は裏……つまり俺のデッキが墓地に送られる……が。
「私が対象にした【アルカナフォースⅥ-THE LOVERS】の攻撃力は1700。つまり、5枚です。ですが【ダークロウ】が存在しているので墓地には行かず除外してください 」
「笑顔で嫌な事を言う……! 」
俺のデッキから5枚のカードが除外され、最悪なデッキ破壊が開始された。現代の遊戯王は墓地は第2の手札とされており、安易なデッキ破壊は逆に自分の首を絞める行為だが、除外なら別だ。俺が知っている限り除外を軸に戦うカテゴリーは焔が使う不知火だけであり、あのカードがあれば何とかなるはずだが……俺のデッキには不知火は2枚しか無い。
しかも俺のデッキには同名カードが無い。ただでさえ綱渡りの様なデッキなのにこうも簡単に無力化されたらキツい……!
「私はカードを1枚伏せてターンエンド 」
1ターン目先行
カンザシ 残り手札0枚
残りライフ8000
□①②□□□
□□③④□
□ □
□□□□□
□□□□□
花衣 残り手札5枚
残りライフ8000
①伏せカード
②愚者の種まき
③M・HERO ダーク・ロウ
④アルカナフォースⅥ-THE LOVERS
「俺のターン、ドロー! 」
デッキは少し破壊されたがまだ大丈夫だ。まずはダークロウを何とかするしかない。
「俺はスケール8の【オッドアイズ・ファントム・ドラゴン】とスケール4の【EM・オッドアイズ・ユニコーン】をペンデュラムスケールにセッテング! 」
俺の上空に2体のモンスターが現れ、天空に蒼い宝石の振り子が出現し、それぞれのスケールが表示された。
「これでレベル5から7のモンスターを同時に召喚可能! 」
振り子が大きく左右にゆっくり振り、俺は1枚のカードをデュエルディスクに置く。
「俺はレベル7の【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】をペンデュラム召喚! 」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
レベル7/ペンデュラム/ドラゴン族/ATK2500/DEF/2000
「これで【ダークロウ】を破壊できる! 俺は【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】で【M・HERO ダーク・ロウ】に攻撃! この時、ペンデュラムゾーンにいる【オッドアイズ・ファントム・ドラゴン】の効果発動! 」
ペンデュラムスケールにいるファントムドラゴンに紫色のオーラが放たれ、放たれたオーラはオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに乗り移った。
「もう片方のPスケールがオッドアイズモンスターの時、【オッドアイズ・ファントム・ドラゴン】の効果により【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】の攻撃力は1200ポイントアップする 」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK2500→3700
「更に【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】がバトルする時のダメージは2倍だ! 行けオッドアイズ! 」
オッドアイズの宝石が光輝き、オッドアイズから放たれた波動に紫の波動が入り交じり、ダークロウに向かって行った。
ダークロウは両手で波動を押し返すように受け止めいたが、攻撃力の差が浮き出るようにダークロウは押し返されていた。あのまま破壊してくれる良いんだが……
「そうは行きません。罠発動【バイバイダメージ】。【ダークロウ】を対象にし、対象のモンスターは戦闘や効果では破壊されません 」
「だがダメージは受けてもらうぞ! 」
攻撃力の差は1300だが、オッドアイズの効果で2倍のダメージを与える為、カンザシに与えるダメージは2600になる。
カンザシ残りライフ8000→5400
「ここで【バイバイダメージ】の効果! 戦闘ダメージを受けた場合、その倍のダメージを相手に与える! 」
「なっ!? オッドアイズの効果で戦闘ダメージは2倍になっているから……その倍は5200!? 」
ダークロウは意地でオッドアイズの攻撃を跳ね返すと、跳ね返った波動が俺にも受けてしまい、通常の4倍のダメージを逆に食らってしまった。
桜雪花衣 残りライフ8000→2800
俺が攻撃してきたのにも関わらず一気にライフが半分以上削れてしまった……。
これでライフでのアドバンテージも失ってしまった。
「くそ……俺はカードを1枚伏せてターンエンド 」
1ターン目後攻
カンザシ 残り手札0枚
残りライフ6400
□□①□□
□□②③□
□ □
□④□□□
⑤□⑦□⑥
花衣 残り手札2枚
残りライフ2800
①愚者の種まき
②M・HERO ダーク・ロウ
③アルカナフォースⅥ-THE LOVERS
④オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
⑤オッドアイズ・ファントム・ドラゴン
⑥EM・オッドアイズ・ユニコーン
⑦伏せカード
「私のターン、ドロー。私は【アルカナフォースⅥ-THE LOVERS】をリリース! このモンスターは効果により、2体分のリリースとして扱います 」
『ここで2体分のリリースという事はレベル7以上の【アルカナフォース】! 数が限られてるが果たしてどんなモンスターが出るのか!』
「私は手札から【アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD】を召喚! 」
アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD
レベル8/天使族/ATK3100/DEF3100
「もうこいつが来るのか…… 」
「【THE WORLD】が召喚されたのでコイントスを行います 」
コイントスがまた行われ、結果は表になった。
「永続魔法【愚者の種まき】の効果発動。【THE WORLD】を対象にしてコイントスを行います 」
『この効果で墓地に送られる枚数はなんと10枚! しかも裏が出れば花衣選手はその分除外されてしまいます! 』
(頼むから裏は出ないでくれ……! )
心の底からそう祈ったが、運命は残酷だった。コイントスの結果は……裏となった。
「残念でしたね、旦那様 」
勝ち誇った笑みのカンザシに見られながらデッキの上から10枚のカードが除外されてしまい、しかもその殆どが展開に使う為のカードばかりだった。
「くそ……! 」
「私は【ダークロウ】を守備表示にしてターンエンド 」
2ターン目先行
カンザシ 残り手札0枚
残りライフ6400
□□①□□
□□②③□
□ □
□④□□□
⑤□⑦□⑥
花衣 残り手札2枚
残りライフ2800
①愚者の種まき
②M・HERO ダーク・ロウ(守備表示)
③アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD
④オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
⑤オッドアイズ・ファントム・ドラゴン
⑥EM・オッドアイズ・ユニコーン
⑦伏せカード
『なるほど、戦闘では勝てないと踏んで【ダークロウ】を守備表示に変更したか。あの者は徹底しているな 』
確かに、TheWorldで攻撃してもこっちのPスケールにはオッドアイズ・ファントム・ドラゴンの効果でオッドアイズの攻撃力は攻撃宣言時に1200アップする。戦闘面では問題ないがそれ以外が問題だ。まずはダークロウを何とかするしかない。
「俺のターン! ドロー! 俺はこのままバトルフェイズに入り、【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】で【M・HERO ダーク・ロウ】に攻撃! 今度こそ破壊させてもらうぞ 」
「こればかりは致し方ありません 」
「さらに攻撃宣言時【オッドアイズ・ファントム・ドラゴン】の効果でオッドアイズの攻撃力は上がる! 」
今度こそダークロウを破壊し、ようやくこれで思うように動く事が出来るが、【愚者の種まき】自体はまだ残っている。あのカードで俺のデッキから15枚は除外されてしまっている。
それに、これ以上大量に墓地にカードを送られれば彼方さんから言われた最後の手段が使えなくなる可能性もある。とにかく今は、勝ち筋の道を残すしかない。
「メインフェイズ2に移行し、魔法カード【テイクオーバー5】を発動。デッキの上からカードを5枚墓地に送る 」
もうフィールドにダークロウが存在しないから気兼ねなくデッキを墓地に送れるが、俺が使いたいのはテイクオーバー5の②の効果のドロー効果だ。だがドロー効果は墓地に送ったターンは使えず、次のターンでしか発動出来ない。ここは待つしかない。
「俺はカードを1枚伏せてこれでターンエンド 」
2ターン目後攻
カンザシ 残り手札0枚
残りライフ6400
□□①□□
□□□②□
□ □
□③□□□
④□⑥□⑤
花衣 残り手札2枚
残りライフ2800
①愚者の種まき
②アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD
③オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
④オッドアイズ・ファントム・ドラゴン
⑤EM・オッドアイズ・ユニコーン
⑥伏せカード
『現状静かな展開が続いていますが、じわじわと花衣選手が追い詰められているといったところでしょうか? 』
『デッキの大半が除外されて使え物にならないからな。残りのデッキでどう対処するかが鍵になりそうだ 』
「ではその手段を減らしましょう。私のターン、ドロー。私は手札から【フュージョン・デステニー】を発動。デッキから【D-HERO-ドローガイ】【D-HERO
ダイヤモンドガイ 】【D HERO-ディスクガイ】の三体を墓地に送り、融合召喚します 」
「ここに来て三体のデッキ融合か…… 」
「私は【D-HERO ドミネイトガイ】を召喚! 」
D-HERO ドミネイトガイ
レベル10/戦士族/ATK2900/DEF2600
カンザシの前に鉄の甲冑を着た騎士が立ちはだかった。
だが攻撃力自体はオッドアイズファントムの効果を使えば何とかなる……が、カンザシの表情から何か企んでいるというのは間違いない。
「ここで【愚者の種まき】の効果を発動。対象はもちろん【THE WORLD】です 」
今回何度目かのコイントスが行われ、今度出てきたのは裏だった。これにより、カンザシのデッキから10枚のカードが墓地に送られた。
「あら残念。では次は墓地の【錬装融合】をデッキに加えてシャッフルし、カードを1枚ドロー。そしてその後【ドミネイトガイ】の効果発動。私のデッキの上から5枚カードを確認し、好きな順番でデッキに戻せます 」
カンザシの前に5枚のカードが浮かび上がり、カンザシはどのカードをどの順番に戻すか考えていた。
「なるほど、ではこのような順番で戻しましょうか。私はこのままバトルに入り、【ドミネイトガイ】 で【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】に攻撃します 」
「攻撃宣言時【オッドアイズ・ファントム・ドラゴン】の効果を発動し、俺のモンスターの攻撃力は1200アップする! 」
「私はそのまま攻撃します 」
「何っ!? 」
ドミネイトガイがオッドアイズに向かって斬撃を飛ばしてきたが、オッドアイズは螺旋のストライクバーストを斬撃に向けて放ち、残念はオッドアイズの赤い波動に呑まれ、ドミネイトガイとその波動に巻き込まれて消し炭になった。
「オッドアイズがバトルした時の戦闘ダメージは2倍になる。よって1600のダメージだ! 」
カンザシ 残りライフ6400→5200
「この瞬間、破壊された【ドミネイトガイ】の効果発動。融合召喚したこのモンスターが破壊された時、墓地からレベル9以下の【D-HERO】を3体まで特殊召喚します。私は【ドローガイ】【ディバインガイ】【ダイヤモンドガイ】を特殊召喚します 」
D-HERO ドローガイ
レベル4/戦士族/ATK1600/DEF800
D-HERO ディバインガイ
レベル4/戦士族/ATK1600/DEF1400
D-HERO ダイヤモンドガイ
レベル4/戦士族/ATK1400/DEF1600
「一気に3枚のモンスターを特殊召喚するなんて…… 」
「それだけじゃありませんよ。【ドローガイ】が【HERO】モンスターの効果によって墓地から特殊召喚された時、お互いはカードを1枚ドローします 」
D-HEROもHEROモンスターだから適用されるのか。だがドローできるなら出来るに越した事は無い。甘んじてドローした。
「メインフェイズ2に移行し、【ダイヤモンドガイ】の効果発動。デッキの上をめくり、それが通常魔法なら次の私のターンに発動します。まぁ、【ドミネイトガイ】 の効果によってカードは分かっていますが 」
「そうか、この時の為に【ダイヤモンドガイ】を素材に使った訳か…… 」
しかも先に愚者の種まきを使用することで墓地に大量のモンスターを落とす事で墓地への効果も備えつつある。やっぱり抜け目ないな……カンザシ。
「私が引いたのは【貪欲で強欲な壺】。次のターン私はこのカードを発動した効果が使えます 」
『因みに発動した効果なのでコストであるデッキから10枚のカードを除外しなくても使えます! うーん、ずるい! 』
「確かにキツイな……場には4体のモンスターがいるし、そのまま放置しておく訳には行かないな 」
「あら? どうやら貴方様は次のターンでもあるかのような言い草ですね 」
「は? 」
「私の場には、時間すら操るモンスターがいる事をお忘れなく。私はこれでカードを2枚伏せてターンエンド……そしてこの瞬間フィールドの【アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD】の効果発動! エンドフェイズ時に自分フィールドのモンスター2体をリリースし、相手ターンをスキップします」
「しまった……! 」
「私は【ドローガイ】と【ディバインガイ】をリリースし、貴方のターンをスキップ! 」
アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLDの時計の針が加速し、何周も時間が進むような演出が起こると、デュエルディスクのフェイズ管理機能も加速し、まるで俺のターンが無かったかの様にスキップされ、再度カンザシのターンになった。
「私のターンですね。では1枚ドローして、前のターンで【ダイヤモンドガイ】の効果によって発動が確定している【貪欲で強欲な壺】の効果を発動し、さらに2枚ドローします」
『な、なんという凶悪なコンボだぁぁ! 相手ターンをスキップしたのにも関わらず怒涛の3枚ドロー! まさに時間と運命を支配するこの支配者に花衣選手は為す術がありません! 』
確かにターンが来なければ俺は何もする事が出来ない。俺はカンザシのターンを指を加えて見ている事しか出来ず、カンザシはそんな俺を見て身をよじらせていた。
「あぁ……やめてください旦那様。そんな顔を見たら私……私……もっと貴方の事を縛りたくなってしまいますっ! 」
高揚したカンザシは小さく舌を舐めずり、絶対に俺を離さないと叫んでいる目を向けた。その目を見た俺は背筋が凍りつき、カンザシは更に俺を苦しめてきた。
「私は魔法カード【貪欲な壺】を発動。墓地の【ドミネイトガイ】【テンタクル・プラント】【アルカナフォースⅣ-THE EMPEROR】【ダークロウ】【森羅の水先 リーフ】をデッキに戻し、2枚ドロー! 」
カンザシがデッキに戻したカードの中でこのデュエルでは見てないカードも混じっていた。墓地に送ったタイミングと言えば……愚者の種まきで墓地に送ったモンスター達か?
それよりもこれでカンザシがドミネイトガイで確認したカードを全て手札にある訳だから……カンザシの奴ここまで計算しつくしてドミネイトガイの効果を使ったのかよ……! こっちは何も出来なくて苦しんでいるって言うのに……
「更に【愚者の種まき】 を発動! うふふ、次はどちらが出ますかね? まぁどちらが出ても貴方が苦しむのは変わりありませんが 」
「何だって? 」
コイントスの結果は裏。これで俺のデッキは更に10枚墓地に送られ、もう俺の残りデッキは10枚も無かった。
「さらに魔法カード【Dードロー】を発動!手札の【D-HEROドリルガイ】を捨てて2枚ドローし、私はフィールド魔法【フュージョンゲート】発動! 」
「なっ、【フュージョン・ゲート】って確か……! 」
「そう、お互いのプレイヤーは手札とフィールドのモンスターを除外する事で融合召喚でき、この効果は何度でも使えます! 」
『カンザシ選手ここで勝負を決める気か!? 』
「そして更に罠カード【チェーンマテリアル】を発動! これで私はデッキと墓地からでも融合素材を除外する事で融合召喚が可能! 」
「嘘だろ…… 」
「まず私はデッキの【D-HERO ディフェンドガイ】と【D-HERO ダイナマイトガイ】を除外し、【D-HERO ディストピアガイ】を召喚 」
D-HERO ディストピアガイ
レベル8/融合/戦士族/ATK2800/DEF2400
「【ディストピアガイ】が融合召喚に成功した時、自分の墓地のレベル4以下の【D-HERO】を対象にし、そのモンスターの攻撃力のダメージを与えます。私は【D-HEROドリルガイ】を対象にし、その攻撃力1600のダメージを与えます! 」
ドミネイトガイの手から黄色いビームが俺に突き刺さり、ただでさえ少ないライフを風穴を空けるかのように減って行った。
桜雪 花衣 残りライフ2800→1200
「まずい……! 」
「まだ続きますよ? 続いてデッキの【D-HERO ダイハードガイ】と【精霊冥騎-急還馬】を除外し、【D-HERO デッドリーガイ】を召喚! 」
D-HERO デッドリーガイ
レベル6/融合/戦士族/ATK2000/DEF2600
「更に墓地の【D-HEROドリルガイ】【D-HERO ディスクガイ】デッキの【D-HERO ダガーガイ】で再度【ドミネイトガイ】を融合召喚! 」
D-HERO ドミネイトガイ
レベル10/戦士族/ATK2900/DEF2600
またしてもドミネイトガイが復活し、効果を使うのかドミネイトガイの背後には揺らめいている時計が出現した。
「【ドミネイトガイ】の効果を使い、デッキの上から5枚カードを確認します。そしてこの効果は……貴方に対しても使えます! 」
「何だって!?」
デッキの上の5枚のカードが裏側で俺の目の前に表示され、電子化されたカードはそのままカンザシの所まで移動し、カンザシにこれからドローするカードを見せられた。
(……流石旦那様、1枚目が【インスタント・コンタクト】、2枚目が【フェイバリット・ヒーロー】ですか )
俺のカードを見たカンザシから微かな焦りが見えたような気がした。おそらく、俺にターンを回せば逆転が出来るほどのカードが揃っていたのだろう。それがみすみすカンザシによって遠くなるのが歯がゆい……!
(恐ろしい方です。墓地に【テイクオーバー5】があるのでそれを除外すればこの2枚が引ける。この2枚だけで十分に逆転出来るカードをこの土壇場で引き寄せるとは流石ですが……その後のカードが問題ですけどね )
カンザシは目の前のカードの順番を操作し、操作が完了したのか、電子化されたカードは俺のデッキに戻って行った。
「私はこの順番に入れ替えました。そして私は魔法カード【ドクターD】を発動。墓地の【D-HEROドクマガイ】を除外し、墓地の【D-HERO ドローガイ】を特殊召喚! 」
「まだ出てくるのかよ……! 」
「ターンは終わっていません。私は【ドローガイ】の効果を発動。墓地から特殊召喚された時、お互いにカードを1枚ドローします 」
この場面でも確実に手札を増やし、手数を増やす辺り容赦が無いが、カンザシの容赦の無さはさらに続いた。
「この瞬間罠発動! 【マインドクラッシュ】! 」
「【マインド……クラッシュ】? 」
「カード名を宣言し、相手の手札にそのカードがあれば、相手の手札は全て墓地に送ります」
「なっ……ちょっと待て! さっき【ドミネイトガイ】で俺のカードを見たって事は 」
「そう、必ず当てられるという事です。私が宣言するのは【フェイバリット・ヒーロー】です。ありますよね? 」
まさにさっきドローガイの効果でドローしたカードがそれだ。誤魔化しようがない状況でカード名の通り心が壊れる程のショックを受けながら手札が全て墓地に送られてしまい、どうする事も出来ない状態になった。
「更に【デッドリーガイ】の効果発動。手札を一枚捨て、更にデッキから【D-HERO】を墓地に送って発動。自分フィールドの【D-HERO】の攻撃力は墓地の【D-HERO】の数×200アップします。私の墓地には今【D-HERO】は5体。よって1000ポイントアップします 」
D-HERO デッドリーガイ ATK2000→3000
D-HERO ディストピアガイ ATK2800→3800
D-HERO ドミネイトガイ ATK2900→3900
「攻撃力が変化した事により【D-HERO ディストピアガイ】の効果発動。攻撃力が変化した場合、攻撃力を元に戻す事で相手フィールドのカードを破壊します 」
「ここに来て破壊効果か…… 」
「私が破壊するのは【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】です 」
ディストピアガイから2つの黒いエネルギー弾がオッドアイズに撃ち込まれ、オッドアイズはエネルギー弾を当てられて爆発され、フィールドから去っていった。
「伏せカードじゃないんだな? 」
「旦那様のその伏せカードは最初から伏せられていたカードですが、一向に発動する気配がありません。察するに私のモンスターを除去する様なカードでは無い。もし除去カードなら私の【TheWorld】や【ダークロウ】を破壊しているはずですから 」
「いつ伏せていたかなんてよく覚えているな…… 」
そう、このカードは最初の俺のターンから伏せられたカードだが、これこそが彼方さんから言われた俺の最後の手段だ。
「【チェーンマテリアル】で融合召喚したモンスターはこのターン攻撃は出来ません。ですが貴方の場はがら空きです。私は【アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD】で、貴方にダイレクトアタック! 」
TheWorldの体の所々にある黄色のクリスタルの様な物が光だし、それがひとつに収束し、眩い光の波動がこっちに向かって来た。この攻撃を食らったら確実に負けるその時、可愛いらしくも聞き覚えのある鳴き声が一瞬耳に入った。
_クリクリー!
「速攻魔法発動! 【クリボーを呼ぶ笛】!」
「【クリボー】……!? 」
「俺はデッキから【クリボー】を手札に加える。そしてこのダメージ計算時、クリボーを手札から墓地に送ることで、このターンの戦闘ダメージは0になる! 」
墓地にクリボーを送った瞬間クリボーが俺の前に現れ、TheWorldの攻撃を全身で受け止め、俺はその攻撃から免れたが、クリボーは消滅してしまった。
「ありがとう【クリボー】。お前のおかげで、俺は希望を残せた 」
「希望と言いますが、貴方様の奇跡のドローは【ドミネイトガイ】によって確定しています。逆転出来る要素なんて…… 」
「いや、俺は
「何ですって……? 」
『デッキからカードを加えるか、フィールドに出した時、その後デッキはシャッフルされるな 』
「そう、俺がクリボーを手札に加えられた時、デッキはシャッフルされた! これでお前と俺は次にどんなカードを引くか分からないぞ! 」
「そんな……! 」
『な、なんと! 決められた運命破ったぞ!!』
これがカンザシに対する最後の手段。彼方さんからのアドバイスだ。
_デッキからカードを加えるか特殊召喚するカードですか? 一応【クリボーを呼ぶ笛】がありますけど……
_カンザシが【ドミネイトガイ】の効果で君のデッキを操作したら、すかさずそれを使え。きっと君に幸運を呼ぶ筈だ。
(彼方さん……やっぱり貴方は凄い人だ )
多くはないアドバイスでここまで勝ち筋を残せる事は早々にない。そして、ここから先は俺の問題でもあった。
「……確かにデッキはシャッフルされましたが。状況は変わりませんよ。私は手札の【融合】を発動。この効果に対して、私は【チェーンマテリアル】を使用せず、【ディストピアガイ】と【デッドリーガイ】を融合し、【D-HERO ダスク・ユートピアガイ】を召喚 」
D-HERO ダスク・ユートピアガイ
レベル10/融合/戦士族/ATK3000/DEF3000
「更に魔法カード【ハーピィの羽根帚】を発動。これで旦那様は攻撃力をあげることすら出来ません 」
確かにオッドアイズ・ファントムの攻撃力はどのモンスターにも適用出来る。これが無くなるのは辛い……!
「カードを1枚伏せてターンエンド。そしてエンドフェイズ時【チェーンマテリアル】によって融合したモンスターは破壊されます。私の場の【ドミネイトガイ】は破壊されます 」
「破壊されたって事は…… 」
「そう、【ドミネイトガイ】の効果発動。墓地のレベル9以下の【D-HERO】を3体まで特殊召喚します。私は【ディストピアガイ】【デッドリーガイ】【ドレッドガイ】を特殊召喚」
4ターン目先行
カンザシ 残り手札1枚
残りライフ5200
□②①□□
⑥⑤⑦③④ ⑧
□ □
□□□□□
□□□□□
花衣 残り手札0枚
残りライフ1200
①愚者の種まき
②伏せカード
③アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD
④D-HERO ドレッドガイ
⑤D-HERO デッドリーガイ
⑥D-HERO ディストピアガイ
⑦D-HERO ダスクユートピアガイ
⑧フュージョン・ゲート
「エンドフェイズなのにモンスターをここまで召喚するのか…… 」
「そう、更に【ドレッドガイ】は他の【D-HERO】モンスターの攻撃力分が攻撃力となるので攻撃力は7800になります 」
D-HERO ドレッドガイ ATK7800
「……キツイな。【ダスクユートピアガイ】って確か、モンスターの破壊と戦闘ダメージを無効に出来るんだっけな 」
「そして【デッドリーガイ】は相手ターンでも手札を捨てる事でフィールドの【D-HERO】の攻撃力を上げます 」
「そして攻撃力が変化したら【ディストピアガイ】でカードを破壊できる……か。妨害だらけだな 」
「さぁ、どうします? 素直に諦めるのも1つのデッキですよ? 」
「本気でそう思ってるのか? 」
「……いいえ、貴方はいつでも最後まで希望は捨てない。近くで見ていましたから 」
「だろ? 最後まで皆と戦う。それが俺が出来る精一杯だ。……それに、俺はこのデュエルだけは負ける訳には行かない! 」
観客席にいる彼方さんに目を向け、彼方さんから繋いでもらったこのターンに全てを掛ける。自分の今後を賭けたドローは何度かしたが、他人の命を賭けたドローはその何倍も重かった。
「俺の……ターンっ! 」
だけど引かなければならない。俺を信じてくれている人のために、俺は覚悟を決め、カードをドローした。
運命のドロー。その1枚が来たのは……その名の通り次に託す1枚のカードだった。
(これだけじゃ勝てない。だけど希望はある )
「墓地の【テイクオーバー5】の効果発動! 墓地のこのカードを除外し、カードを一枚ドローする! 」
「そう、それを使うざる負えないです。罠発動【ドローディスチャージ】! 」
「あのカード……ヘレボラスに使ってたカードか? 」
「相手が効果によってカードをドローした時、そのカードを確認し、それがモンスターならその攻撃力分のダメージを与えます。さぁ、運命の分かれ道です! 」
『もしこれが攻撃力1200以上のモンスターなら花衣選手はここで敗北! 果たしてどうなるのでしょうか! 』
ドローしたカードがゆっくりと公開されると、俺はその時が近づく度に勝利を確信した。
「あぁ……そうだな。俺の勝ちだ! カンザシ! 」
俺が引いたカードは……
「そのカードは…… 」
「HEROは次代に受け継がれるのさ! 自分フィールドにカードが存在しない時、この罠は手札から発動できる! 罠発動! 【
E・HERO ネオス
レベル7/戦士族/ATK2500/DEF2000
N・グラン・モール
レベル3/岩石族/ATK900/DEF300
N・グローモス
レベル3/植物族/ATK300/DEF900
N・ブラック・パンサー
レベル3/獣族/ATK1000/DEF500
『花衣選手も負けじとモンスターを大量召喚したぁ! 』
「狙いは融合でしょうがさせません! 【D-HERO デッドリーガイ】の効果! 手札とデッキから【D-HERO】を墓地に送り、自分フィールドの【D-HERO】モンスターの攻撃力アップ! 私の墓地の【D-HERO】はこれで6体! 攻撃力は1200アップ! 」
D-HERO デッドリーガイ ATK2000→3200
D-HERO ディストピアガイ ATK2800→4000
D-HERO ダスク・ユートピアガイ ATK3000→4200
D-HERO ドレッドガイ ATK11400
「攻撃力が変化した事により【ディストピアガイ】の効果発動! 攻撃力を元に戻し、【E-HERO ネオス】を破壊! 」
「墓地の【スキル・プリズナー】の効果発動! 【ネオス】を対象にし、対象に対してのモンスター効果は無効になる。【ディストピアガイ】の効果じゃ【ネオス】は破壊されない! 」
「私が【愚者の種まき】で送られたカードですか……では私は【グラン・モール】を破壊します 」
グラン・モールが破壊されたが、ネオスが残ったのなら問題ない。後はこのカードで、あるモンスターを出す事が出来れば……
「俺は手札から魔法カード【インスタント・コンタクト】を発動。ライフを1000払い、レベル7以下の【HERO】モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する! 俺が召喚するのは【E・HERO フレア・ウィングマン】! 」
フィールドにいきなり炎柱が発生し、その中からフレア・ウィングマンが颯爽として表れた。
E・HERO フレア・ウィングマン
レベル6/融合/戦士族/ATK2100/DEF1600
『花衣選手も負けじとモンスターを召喚していますが、攻撃力が足りない! 手札を使い切った今、この場をどう乗り切るのか! 』
『場に【E・HERO ネオス】が存在している。エクストラデッキに戻すコンタクト融合を使えば乗り切るだろう 』
「どんな事をしても無駄です。【ダスク・ユートピア】が存在する限り、私に対してのダメージは0になります。どのモンスターを攻撃しても無意味です 」
「それはそのモンスターがいたらの話だろ? 」
「何ですって……? 」
「俺は……カンザシのフィールドの【フュージョン・ゲート】を使い、融合する! 」
「そんな! 貴方のモンスターに融合素材なんて……まさかっ! 」
「俺は【E・HEROネオス】と【E・HERO フレア・ウィングマン】で融合! 」
2体のHEROが混じり合い、ネオスの背中からフレア・ウィングマンの翼が生え、光り輝く鎧を来た新たなHEROがここに誕生した。
輝く鎧は夜の闇を輝かせ、何処までも羽ばたける銀色の翼は雄々しく、同時に美しかった。
「これが新しいHERO! 【E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン】! 」
E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン
レベル8/融合/戦士族/ATK3100/DEF2500
『な、な、なんと! 手札0フィールド0からここまで来たァァァァァァ!! なんという奇跡! まさに逆境に立ち向かうヒーローそのもののようだ! 』
「【E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン】が特殊召喚された時、自分フィールドに存在する属性の数だけカードを破壊する! 俺の場の属性は2種類! 俺は【D-HERO ダスクユートピアガイ】と【D-HERO ドレッドガイ】を破壊! 」
ネオスが右手に持っている白銀の剣を持って指定したモンスターに飛び立ち、ネオスは目にも止まらない斬撃で2体のモンスターを破壊した。
「更にこのカードは、墓地のモンスター×300ポイント攻撃力がアップする! 俺の墓地のモンスターは7体! よって2100ポイントアップ! 」
E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマンATK3100→5200
「バトルだ! 【E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン】で【アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD】に攻撃! 」
ネオスの白銀の剣が光輝き、そのままTheWorldの体を一刀両断し、斬られたTheWorldは断末魔も挙げずに爆散した。
カンザシ 残りライフ5200→3100
「【シャイニング・ネオス】が相手モンスターを破壊した時、その元々の攻撃力分のダメージを受けて貰うぞ 」
「……参りましたね 」
ネオスがカンザシの前にたつと、ネオスは翼を広げ、全てのエネルギーをぶつけるかのように光り輝くと、カンザシのフィールドに残っていたモンスターは全て破壊され、カンザシも悔しい紛れの笑顔で光に呑み込まれてしまった。
カンザシ 残りライフ 3100→0
WINNER 桜雪花衣
『き、決まったー! あの絶望的な状況から逆転し、勝利を掴んだのは花衣選手だぁぁ! 』
「勝った……勝ったって事は……! 」
観客席にいる彼方さんの方に顔を向け、あまりの逆転劇に興奮している観客の中から彼方さんを見つけると、彼方さんは良くやったと言うように親指を上げていた。
これで俺は彼方さんと戦える事が決まり、天音ちゃんも戻って来るはずだ。そう分かると急に体が重くなり、そのままフィールドに仰向けになる様に倒れてしまった。
「あらあら、勝ったと言うのにどうしたのですか? 」
カンザシが不思議そうに中腰になって俺を見下ろし、俺は安心しきった力ない声で理由を答えた。
「いや〜ちょっと安心して…… 」
「どうやら訳ありの様ですね。後で詳しく聞かせて貰いますよ 」
「……あぁ 」
カンザシを手を借りて立ち上がり、これでようやく肩の荷が下りた。
『それでは、続いてはBブロックの方に行きましょう! ええと、次の対戦相手は……【先咲花音】選手と【ティア】選手です! フィールドへお越しください 』
「花音とティアドロップか…… 」
「どっちを応援するのですか? 」
「え、そう言われてもな…… 」
正直どっちも応援したいのが本音だ。カンザシもそれを分かっている筈なのにこうして聞いてくるから意地悪な部分がある。
「あんまり困らせるなよ 」
「ふふ、困っている旦那様も大好きなので 」
「っ…… 」
未だに慣れない好意に照れてしまい、デュエルに勝ったのにも関わらずカンザシの手の平で踊らせれているようなからかいに、カンザシには敵わないなと悟った。
「さぁ、早く戻りましょう。聞きたいことが山ほどありますので 」
「あぁ、そうだな 」
カンザシの言う通り、皆に言うべき所が沢山ある。天音ちゃんのことや、新たな敵の事を……。
そして、俺はこの時知らなかった。天音ちゃんの事に関しての肩の荷は軽くなったが、俺や俺の中に付きまとう影は決して拭え無いの物だと、後々思い知る事になるのだと、この時は知る由もなかった。
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