六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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まさか……まさかの蟲惑魔のストラクに新規蟲惑魔のモンスターが三体も追加!?

確かにここでは人気のあるカテゴリーを出してるっちゃ出してるんですが、まさかここまで出てくるとは思わなかった。

だって六花の新規来ました。メルフィーの新規来ました。ほんで銀河眼の新規来ました。え、また閃刀姫の新規来るんですか?

まさか公式……見てるのか?(めちゃ自惚れ)とりあえず後は不知火とRRの新規来れば完璧だな!うん!


華麗なるぶつかり合い

 

「えーー!?天音ちゃんが誘拐された!? 」

 

「声が大きいですよストレナエ 」

大きく声を出したストレナエにカンザシはストレナエの口を人差し指で抑えて声を出さないようにしたが、ストレナエは驚きを吐き出す様にカンザシの指から離れ、また驚きをあげた。

 

「だって天音ちゃんがだよ!?友達にそんな悪い事をする人は許せないよ!今すぐやっつけてくる! 」

 

地団駄を踏んでストレナエは誘拐犯を倒そうと意気込んだが、カンザシに抱き上げられた。

 

「待ちなさい。意気込みは良しですが誰がなんの為に天音ちゃんを拐った理由は分からないのですよ?そんな相手をどうやってやっつけるんですか? 」

 

「うぅ、そうだけどー! 」

 

抱き上げられたストレナエの方にはじたばた手足を動かして抜け出そうとしたが、やはり身長差でその抵抗は無意味だった。

 

やがて暴れたストレナエは疲れに疲れ、諦めた所をカンザシはゆっくりと席につかせた。

 

「しかし誘拐ですか……知らないとはいえ1人の命を危機にさらしてしまう所でした。旦那様、彼方様。大変申し訳ありませんでした 」

 

カンザシは頭を深く下げて謝罪したが、彼方さんはそれを許した。

 

「いや、良いんだ。誘拐犯に悟られない為にこっちは敢えて話さなかったんだ。君達は何も悪くない 」

 

「そう言って貰えるとは……重ね重ねお礼を言います 」

 

「逆にお礼を言うのはこっちだ。ストレナエ、プリム、シクラン。天音と仲良くしてくれてありがとう 」

 

今度は逆に彼方さんが頭を下げた。それ程までに妹に友達が出来たのが嬉しかったんだろう。

 

「??ねぇシクラン、私達感謝されるような事したっけ? 」

 

「え、えーと……どうなのかな。私達も天音ちゃん友達になれて凄く嬉しいし、私達も初めての友達だから…… 」

 

「そうそう!私達も天音ちゃんに合わせてくれてありがとうね、彼方! 」

 

お礼にお礼をかえされ、彼方さんは目を丸くさせた。そして後に何かおかしいのか、彼方さんは込み上げた笑顔を零すように笑った。

 

「ぷっ……はは、まさかお礼返しされるなんて思わなかったよ。あははは 」

 

「何で笑うのー!?ねぇねぇ花衣君、なんで? 」

 

「多分嬉しいから……ですよね? 」

 

「あぁ。……さて、ともかく花衣君が勝った事で誘拐犯の要望はクリアされた。後は気楽に後の試合を見ようか 」

 

彼方さんがデュエルフィールドに顔を向けると、そこにはもうティアドロップと花音が準備を完了していた。

 

『只今より、Bブロック2回戦第1試合を開始します!対戦カードはこちら!レゾンカード【六花聖華ティアドロップ】を所持している【ティア】選手と、【ローズ】カードを主軸としたデッキの【花音】選手!お互い植物族同士の対決は果たしてどちらが勝つのか!? 』

 

「こんな所で決着を付けるとは思いませんでしたが、ここでハッキリさせましょう。花衣様に相応しいのはこの私だと 」

 

「そ、そんな!相応しいなんて……その、私はただ花衣さんとはその…… 」

 

「友人のまま、なんて言わないで下さい。貴方が花衣様に並々ならぬ感情を抱いているのは周知の事実なので 」

 

「はひっ!?ば、バレてたんですか?……あっ 」

 

デュエルが始まるというのに花音は口が滑ってしまったと言わんばかりに慌てて口を塞いでいた。一体何の話をしてるんだ?

 

「いつから花衣様の良さに気づいて好意を持ったのか知りませんが。その程度の愛しか持てない貴方に負ける通りはありません 」

 

「その程度って……そんな、私は…… 」

 

『何やら話し込んでますが時間が押してるのでちゃっちゃとデュエルを開始致しましょう!それでは皆さんご一緒に!せーの! 』

 

「「デュエル! 」」

 

ティアドロップvs先咲花音

 

強引なデュエル開始宣言と共にコイントスが行われると、コインの結果は花音側が表となり、先行は花音となった。

 

「わ、私のターン!えーと……私は【強欲で金満な壺】を発動。エクストラデッキ6枚を裏側除外して2枚ドローします。次にフィールド魔法【祝福の教会-リチューアル・チャーチ】を設置します 」

 

花音が一枚のフィールド魔法を設置すると、デュエルフィールドが教会内部の様な形になり、地面には赤いカーペットが敷かれ、上空には花吹雪が舞い、大きなベルが2つ鳴っていた。

 

「これってまるで…… 」

 

「結婚式場みたいだな 」

 

「彼方さん……それ言ったら 」

 

「旦那様はどのような式場が好みですか?私は当然和式が好みですが、旦那様がおっしゃるのでしたら洋式の方でも構いませんが 」

 

「ちっちっち、洋式と和式を選ぶようじゃカンザシも視野が狭いアルネ〜。ここは中華系が1番ネ! 」

 

「いやいや何言ってるんですか!やっぱりここは基本の洋式です! 」

 

時すでに遅し。六花と閃刀姫達はどんな式場にするの論争が始まり、止まることを知らなかった。

止まらない騒動を見た彼方さんは空いた口が塞がっておらず、俺に向けて謝罪の表情を浮かべた。

 

「あー……すまん 」

 

「大丈夫ですよ。何となく予想は付いてたんで 」

 

「随分と慣れてるな 」

 

「長い事一緒にいますからね 」

 

長いと言っても半年も満たないが、今日まで多くの出来事があったから、過ごした日々は濃厚だった。おかげで皆の事は知れたし、扱い……と言ったら少し悪そうに聞こえるけど、そこも少しずつ分かりだしてはいる。それに、口喧嘩はしているけど所々に互いの意見の尊重もしているし、何より顔が明るく楽しそうだ。

 

数ヶ月という間で俺のデッキにいたから互いに認め合っている所もあるのだろう。

 

さて、デュエルの方に集中だ。フィールド魔法を出した花音だが、何を迷っているのか中々動きを見せなかった。

 

「花音は一体どうしたんだ? 」

 

「恐らくだがフィールド魔法を発動する際のコストを気にしているんだろう。【リチューアル・チャーチ】は発動したら魔法カードを1枚捨て、光属性の儀式モンスターか儀式魔法を手札に加えられる。今後の展開を考えているんだろうな 」

 

「儀式魔法か…… 」

 

儀式魔法を発動し、場に出す儀式モンスターのレベル分手札かフィールドのモンスターをリリースする事でモンスターを召喚出来る方法だが、手札の消費が1番激しい召喚方法でもある。最低でも儀式魔法と儀式モンスター、そしてリリースする為のモンスター計3枚は必要だ。捨てるカードによっては今後を左右しかねないが果たして……

 

「私は【天啓の薔薇の鐘】を捨て、デッキから【機械天使の絶対儀式】を手札に加え、発動します。手札の【薔薇恋人】と【星遺物-『星杯』】をリリースして儀式召喚! 」

 

『レベルの合計は6!果たしてどんなモンスターが出てくるのか! 』

 

「私が出すのはこれです!【サイバーエンジェル-弁天】! 」

 

サイバーエンジェル-弁天

レベル6/儀式/天使族/ATK1800/DEF1600

 

「サイバーエンジェルか…… 」

 

確かGXの天上院明日香がそういうモンスターを使っているのを見た事はあるけど……いまいちどんなカードか掴みずらいテーマの1つだ。儀式テーマというのは何となく分かるが……

 

「彼方さん、【サイバーエンジェル】ってどんな強みがあるカードなんですか? 」

 

「【サイバーエンジェル】自体にはあまり突出した強みが無いが、その代わり他の儀式テーマと組み合わせれる汎用性が高い。むしろ他と組み合わせた方が動きやすい珍しいテーマだ 」

 

「へぇ……他のテーマと組んで初めて力が出せるテーマなのか 」

 

「しかもあのカードはリリースされるとデッキから光属性かつ天使族のモンスターをデッキから手札に加えられる。【六花】はリリース主体で妨害をするから、迂闊にはリリース出来ないな 」

 

しかも花音のデッキがヒロインデッキなら光属性かつ天使族のモンスターは多少なりとも居るはずだ。汎用性は損なわれてはいない。こうして見るとヒロインの方も結構属性や種族が偏ってるな……それに比べて俺の主人公デッキって……よくこれでここまで来れたなって次ぐづく思う。

 

「更に墓地の【薔薇恋人】を捨て、手札から【イービルソーン】を特殊召喚します 」

 

イービルソーン

レベル1/植物族/ATK300/DEF300

 

「【イービルソーン】の効果発動。この子をリリースし、その後貴方に300のダメージを与え、その後同名モンスターを2体まで特殊召喚します 」

 

「その言い草だと【イービルソーン】を2体持っていますね? 」

 

「実は1枚のパックで3枚当たってて……あはは 」

 

謙遜している態度を取っているが、やっている事は豪運以外の何者でもない。確かに落ちているパックはその場所に応じてカテゴリーが決まっているとは説明されたが、同名カードが3枚……しかもイービルソーンはかなり大きい。ここからリンク召喚すれば更に展開は更に進められ、デュエルを有利に運べるはずだ。

 

イービルソーンの効果によってティアドロップは300のダメージを受け、新たにイービルソーンが2体召喚された。

 

ティア 残りライフ8000→7700

 

「更に【イービルソーン】2体でリンク召喚!召喚条件は植物族モンスター2体!来て!【アロマセラフィージャスミン】ちゃん! 」

 

アロマセラフィージャスミン

LINK2/リンク/植物族/ATK1800

 

「ジャスミンを拾っていたのか。やはり縁があるな 」

 

「そういう彼方さんも【銀河眼の光子竜】を3枚も拾ってるじゃ無いですか 」

 

「ん、まぁそうだな 」

 

この大会において同名カードが3枚手に入るおろか、2枚目のカードが手に入ることは殆ど無い。決勝トーナメントで2枚以上の同名カードを使っていた奴と言えば、花音と彼方さんの他に、レッドアイズを使っていたボタンと……見下辺りだろう。それ程カードが集めずらく、逆に集められたらかなりのアドバンテージに……なるとは言い難いが、それでも選択肢は増える。花音のようにシナジーが複数あるデッキなら尚更だ。

 

「私は【アロマセラフィージャスミン】ちゃんの効果発動!リンク先にいるモンスターをリリースして、デッキから植物族モンスターを特殊召喚します。私は【サイバーエンジェル-弁天-】をリリース! 」

 

「えっ、折角出した儀式モンスターをここでリリースするのか? 」

 

「いや、あのモンスターの真骨頂はここからだ 」

 

「【弁天】がリリースされた時に効果発動です!この子がリリースされた時、デッキから光属性・天使族のモンスターを手札に加えます。私は【トリックスター・キャンディナ】を手札に加え、【ジャスミン】ちゃんの効果でデッキから【紅姫チルビメ】を守備表示で特殊召喚! 」

 

紅姫チルビメ

レベル8/植物族/ATK1800/DEF2800

 

「私はカードを1枚伏せてこれでターンエンドです 」

 

1ターン目終了

 

 ティアドロップ 残り手札5枚

 残りライフ7700

 □□□□□

 □□□□□

 □ ①

 □□□□②

 □□③□□

 先咲花音 残り手札1枚

 残りライフ8000

 

①:アロマセラフィージャスミン

②:紅姫チルビメ (守備表示)

③:伏せカード

 

アロマセラフィージャスミンとチルビメ……確かチルビメは他の植物族モンスターを攻撃対象に取らせ無いし、ジャスミンはライフが上回っていたらリンク先のモンスターを戦闘破壊から守る……お互いが守り合うようにしている状態だ。

 

しかもチルビメは相手によって墓地に送られた時、デッキから植物族モンスターを特殊召喚出来る。戦闘に対して無敵であり、除去された時のカバーも問題ない様に見えるが……

 

「私のターン、ドロー。魔法カード【貪欲で強欲な壺】を発動し、デッキから10枚裏側除外してカードを2枚ドロー。そして私は【六花のしらひめ】を手札から特殊召喚 」

 

六花のしらひめ

レベル4/植物族/ATK0/DEF0

 

また俺が聞いた事ない新たな六花モンスターが現れた。

ストレナエと同じような背丈に水色の長い髪、そして水色の氷模様が着いたドレス……というかあの姿って……

 

「ひ、ひひひひとひら!?じゃあ無い?いやでも似てるし……え、えぇ……? 」

 

胸ポケットにいるひとひらをゆっくりと手のひらに乗せてフィールドにいるしらひめと交互に見比べた。比べれば比べる程ひとひらにそっくりだ。氷のような水色の目と髪、そして髪型もそっくり……というか同じだ。という事はつまり……?

 

「あれって……ひとひらが成長した姿なのか? 」

 

手のひらのひとひらにそう尋ねるとひとひらはドヤ顔でこくりと頷き、どっしりと胸を張った。

 

「驚くのも無理は無いよね〜私達だってびっくりしたもん 」

 

「もしかしたら……また今後も成長するかもしれませんね 」

 

「でもここで見せてはダメですよ?他の方から混乱される事間違いないので 」

 

スノードロップとヘレボラス、そして他の皆の反応を見る限り、この現象は普通では無いようだ。ひとひらだけが特別なのか、それとも何かしらの要因があるのか分からないが、頼りになるひとひらがただでさえ成長したんだ。どんな効果があるのか楽しみだ。

 

「【しらひめ】は手札から無条件で特殊召喚出来ます。そしてこの効果を使い、このカードが表側で存在する限り私は植物族しか召喚出来ません 」

 

「え、無条件で特殊召喚ですか!?凄く強い効果をもって成長しましたね……ひとひらちゃん 」

 

「まだまだこれからです。更に私は【ローンファイア・ブロッサム】を召喚 」

 

ローンファイア・ブロッサム

レベル3/植物族/ATK800/DEF300

 

「【ローンファイア・ブロッサム】の効果発動。自分フィールドのモンスターをリリースし、デッキから植物族モンスターを特殊召喚します。私は【ローンファイア・ブロッサム】をリリースし、デッキから【六花精シクラン】を特殊召喚 」

 

六花精シクラン

レベル4/植物族/ATK1800/DEF800

 

「そして、自分フィールドのモンスターがリリースされた事により、手札の【六花精プリム】を特殊召喚! 」

 

六花精プリム

レベル4/植物族/ATK800/DEF1800

 

「私は【しらひめ】と【プリム】でエクシーズ召喚!ランク4【六花聖ストレナエ】を召喚! 」

 

六花聖ストレナエ

ランク4/エクシーズ/ATK2000/DEF2000

 

「更に私は手札からリリースなしで【六花絢爛】を発動。デッキから【六花精スノードロップ】を手札に加えます」

 

「リリース無し?ストレナエをリリースすれば植物族エクシーズをすぐに出せるのに……? 」

 

「私はストレナエの効果発動。エクシーズ素材の【六花のしらひめ】を墓地に送り、さっき使った【六花絢爛】を墓地から手札に加えます 」

 

六花絢爛は1ターンに1度しか使えないカードだ。もうこのターンでは使えない。一体何を狙ってるんだ……?

 

「【しらひめ】が場に残っていないので私は植物族以外のモンスターを特殊召喚出来ます。私は魔法カード【二重召喚】を発動し、もう一度通常召喚を行います。私は【ネクロ・シンクロン】を召喚 」

 

ネクロ・シンクロン

レベル2/機械族/ATK200/DEF200

 

「【ネクロ・シンクロン】の効果で、シクランのレベルをもう2つあげます 」

 

六花精シクラン レベル4→6

 

「私はレベル6の【六花精シクラン】と【ネクロ・シンクロン】をチューニング! 」

 

レベルの合計はレベル8。俺も六花でシンクロ召喚はした事はあるけど、これはピックアップデュエルだ。どんなカードが出るかはその時が来るまで分からない。ティアドロップはどんなシンクロモンスターを出す……?

 

「シンクロ召喚!レベル8【アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン】! 」

 

アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン

レベル8/ドラゴン族/ATK2500/DEF2000

 

「ここでシンクロ素材になった【ネクロ・シンクロン】の効果発動。風属性モンスターのシンクロ素材になった時、デッキからレベル1の植物族モンスターを特殊召喚出来ます。私は【六花のひとひら】を特殊召喚 」

 

六花のひとひら

レベル1/植物族/ATK0/DEF0

 

『ここで展開の要のひとひらが来た! 』

 

「【ひとひら】の効果を使い、私は【六花精エリカ】を墓地に送り、手札の【スノードロップ】の効果で【ひとひら】をリリースし、手札から【スノードロップ】と【光の王マルデル】を特殊召喚 」

 

六花精スノードロップ

レベル8/植物族/ATK1000/DEF2600

 

光の王マルデル

レベル9/植物族/ATK2700/DNF1800

 

「【マルデル】の効果により、私はデッキから植物族の【六花精ヘレボラス】を手札に加えます 」

 

『さぁ植物族特有の展開で次々とモンスターが埋まっていきます!花音選手は少しピンチのようですねー! 』

 

「私は【スノードロップ】の効果発動。対象を【スノードロップ】にし、他のモンスターのレベルを【スノードロップ】と同じレベル8にします 」

 

「これで【マルデル】のレベルは8……来るか 」

 

「私はレベル8の【六花精スノードロップ】と【光の王マルデル】でエクシーズ召喚!ランク8【六花聖ティアドロップ】を召喚! 」

 

六花聖ティアドロップ

ランク8/エクシーズ/ATK2800/DEF2800

 

フィールドに雪と花の風花が振り舞い、その風花の向こうにはもう1人のティアドロップがフィールドに表れた。

 

こうして見ると何だか不思議な感じだ。本物のティアドロップが、六花聖ティアドロップを使っている……字面がとんでも無いなこれ。だが、それは本人が1番感じており、ティアドロップも何かと感じる所があるのだろう。

 

「やはり私自身が目の前にいると少しむず痒いですね。ですが、まだまだ行きますよ。【六花聖ティアドロップ】の効果!エクシーズ素材を取り除き、フィールドのモンスターをリリースします。私は【紅姫チルビメ】をリリース! 」

 

フィールドにいる六花聖ティアドロップが氷の傘先をチルビメに向けると、チルビメの地面から氷の花々が咲いた。その花々と共にチルビメは粒子となってフィールドから消えてしまった。

 

「ですが【チルビメ】の効果発動!このカードが墓地に送られた時、デッキから【紅姫チルビメ】以外の植物族を特殊召喚出来ます! 」

 

「させません。墓地の【六花のしらひめ】の効果を発動 します 」

 

「墓地から効果を……!? 」

 

「相手がモンスター、魔法、罠を発動した時、【しらひめ】をデッキに戻し、私のフィールドの植物族モンスターをリリースする事でそれを無効にします。私は【六花聖ストレナエ】をリリースし、効果を無効! 」

 

「しかもストレナエちゃんがリリースされたって事は…… 」

 

「リリースされた【六花聖ストレナエ】の効果発動!エクストラデッキからレベル5以上の植物族エクシーズモンスターを特殊召喚します。私が特殊召喚するのは【六花聖華ティアドロップ】! 」

 

ストレナエが色とりどりの花と共にフィールドから消え、同時に花の風花から白い花嫁衣装の六花聖華ティアドロップがその姿を表し、人々をまた魅了させた。これでフィールドには、2人のティアドロップがいるというなんとも言えない構図が出来上がった。

 

『こ、これは!ティアドロップが2体!う、美しさが倍となって最早眩しくも思えてしまう! 』

 

六花聖華ティアドロップ

ランク10/エクシーズ/植物族/ATK3500/DEF3000

 

「そしてモンスターが2体リリースされた事により、【六花聖ティアドロップ】の攻撃力は400ポイント上がっています 」

 

六花聖ティアドロップ ATK2800→3200

 

「バトル!【アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン】で【アロマセラフィージャスミン】に攻撃! ! 」

 

 

(何?【六花聖華ティアドロップ】の効果は使わないのか? )

 

あの効果を使えば、モンスターをリリースするかつリリースしたモンスターの攻撃力分攻撃力はアップし、さらに自身の効果で攻撃力が500アップするから、最終的な攻撃力は5800になる。そうしたら相手の場はがら空きになるからワンターンキルを狙えるのに……

 

「ジャスミンちゃんは自分の方がライフが多い時、戦闘では破壊されません! 」

 

「ですがそれもこの攻撃で終わりです 」

 

先咲花音 残りライフ8000→7300

 

「続けて私は【六花聖ティアドロップ】で【アロマセラフィー・ジャスミン】を攻撃! 」

 

今度は花音の方がライフを下回っているからジャスミンは破壊され、花音も戦闘ダメージを受けてしまった。

 

先咲花音 残りライフ 7300→4100

 

「まだ私の攻撃は残っています。【六花聖華ティアドロップ】で、貴方にダイレクトアタック! 」

 

今この瞬間でも六花聖華の効果は使える。もしここでどのモンスターをリリースしても攻撃力は上がり、花音のライフは尽きる……が、ティアドロップは効果を使わなかった。氷の雪崩がそのまま花音へと襲いかかり、花音は3500ものダメージを受けた。

 

先咲花音 残りライフ4100→600

 

「何とか耐え切りました……! 」

 

「ですが風前の灯火です。やはり中途半端な感情しか抱けない貴方は所詮この程度ですか 」

 

「中途半端なんかじゃ……ありませんっ!」

 

「むっ…… 」

 

「罠発動!【イタチの大暴発】! 」

 

花音が罠を発動させると、フィールドに尻尾が刀のようなイタチのモンスターがあらわれ、六花聖ティアドロップの攻撃を阻んだ。

 

「このカードは、自分のライフが相手モンスターの攻撃力の合計が少ない場合に発動出来る罠です。発動した時、相手フィールドに存在するモンスターは攻撃力の合計が私のライフ以下になるようにデッキに戻って貰います 」

 

「??ねぇねぇ、それってどういう事? 」

 

ストレナエが効果の複雑さに頭を悩ませていると、彼方さんは直ぐに答えてくれた。

 

「今花音さんのライフは600だ。つまりティアドロップは、フィールド上のモンスターの攻撃力の合計が600以下になるようにモンスターをデッキに戻すけど 」

 

「今ティアドロップさんの場には攻撃力が600以下のモンスターはいませんね 」

 

「つまり、ティアドロップのフィールドのモンスターは全てデッキに戻るという事か 」

 

「そうはさせません。この瞬間【六花聖華ティアドロップ】の効果を発動。私はこの効果で【六花聖華ティアドロップ】自身をリリース!」

 

イタチがティアドロップにお尻を見せると、イタチはそのお尻からとんでもないほど大爆発を起こし、フィールドのティアドロップとスターダストは爆発に巻き込まれてフィールドから離れてしまった。がしかし、六花聖華の方のティアドロップは寸前の所でフィールドからリリースされ、ソイツだけ墓地へと行った。

 

(……これって、間違いなくアレだよな )

 

現実だったら臭うやつだけど声に出すのは流石に気が引けるので言葉にはしなかったが、フィールドにいる本物のティアドロップはその行動を察し、鼻を守るような口元を手で覆いながらホログラム上の煙を手で扇いで煙をどかそうとした。

 

「くっ……ちょっと行動が下品ですよ! 」

 

「わ、私じゃなくてこのイタチさんに言って下さいよー! 」

 

『因みにそのイタチのモンスターは【火舞太刀】という実際にあるカードだ。なるほど、生意気な顔の通り生意気な行動をする 』

 

火舞太刀はにししとイタズラが上手くいったような笑い方をすると、煙を巻いてそそくさとフィールドから消え去った。なんというタチの悪いモンスターだ……

 

「だがティアドロップは上手いことをしたな。【六花聖華ティアドロップ】を墓地に行かせ、再利用出来る様な状況を作った。もしあの攻撃でリリース効果を使えば、状況は不味かったかもな 」

 

「そうか、そこまで考えていたのか…… 」

 

俺だったらあの攻撃で効果を使っていたのかも知れない。本人だからかもしれないが、俺なんかよりもよっぽどあのデッキを使いこなしている。……まだまだたな、俺は。

 

「ともかくこれ以上動く事は難しいですね。ターンエンドです 」

 

2ターン目終了

 

 ティアドロップ 残り手札2枚

 残りライフ7700

 □□□□□

 □□□□□

 □ □

 □□□□□

 □□□□□

 先咲花音 残り手札1枚

 残りライフ600

 

『最初から両者とも譲らない展開でどちらもフィールドはがら空き!ここからどのような展開を見せてくれるのか! 』

 

「展開って言っても……花音はどうするつもりなんだ?

 

「いや、花音さんの手札には【トリックスター・キャンディナ】がいる。あのカードからリンク3の【トリックスター】を呼べない事は無いが…… 」

 

やはり攻め手がどうしても足りないのか……それに比べ、恐らくティアドロップにはまだ余力はある。死者蘇生の様なカードで墓地から六花聖華ティアドロップが復活し、リリース効果を使えなくてもバトルフェイズを終了させる効果は使える。

 

全ては、花音のドローにかかっていた。花音はデッキに指を置き、静かに目を閉じた。

 

「ティアドロップさん。貴方は私に中途半端な想いしか抱いてないって言いましたよね 」

 

「えぇ。好意も伝えず、付かず離れずの様な態度が気に入りませんでした。この際だからもう一度言います。貴方は花衣様の事をどう思っているのですか? 」

 

「……正直まだ分かりません。だけど、花衣さんを見ると胸が熱くなるんです。心臓が私の体から離れる程動いて、隣に行きたいって言ってるように 」

 

「…… 」

 

「もしかしたら本当に大好きなのかも知れませんね。でも言えない、言ってはいけない様な感じがするんです。だから私…… 」

 

「それは伝えるのが怖いと言う事ですか?もし好意を伝え、否定されたりしたら今の関係が無くなる事が怖いと? 」

 

「……そうかもしれません。だけどこの気持ちは本物です 」

 

心做しか一瞬花音が俺の方に目を向けたような気がした。その後花音は瞬きもせず真っ直ぐとティアドロップを見つめた。

 

「本物だから。嘘偽り無いから……今この時だけは貴方に負けたくない!恋敵の貴方には! 」

 

「だったら勝ってみてください。もっとも、こちらも負けるつもりはありませんが 」

 

「行きます!私のターン、ドロー!私は墓地の【天啓の薔薇の鐘】を除外して、手札の攻撃力2400以上の植物族モンスター【森羅の仙樹 レギア】を特殊召喚! 」

 

森羅の仙樹 レギア

レベル8/植物族/ATK2700/DEF1800

 

「【森羅の仙樹 レギア】の効果!デッキの上を確認し、それが植物族ならそのカードを墓地に送ってカードを1枚ドローできます。だけどそれ以外ならデッキの一番下に戻します 」

 

花音はデッキトップをめくり、ティアドロップにもそれを確認できるようにモニターが表示された。表示された結果、デッキトップの上のカードは……【アロマージ・ジャスミン】だった。

 

「やった……!ありがとうジャスミンちゃん!これにより、ジャスミンちゃんを墓地に捨ててカードを1枚ドロー! 」

 

チラリと花音の影にジャスミンの姿が見えた。ジャスミンは花音のドローを喜び、笑みを浮かべてエールを送っていた。

 

「さらに魔法カード【アドバンスドロー】を発動!レベル8の【レギア】をリリースし、2枚ドロー!……よし、来ました!私は魔法カード【オスティナート】を発動! 」

 

「【オスティナート】?繰り返しって意味か? 」

 

「あら、よく知ってますわね貴方。それは確か音楽用語な筈ですわよ? 」

 

「まぁ……ちょっとだけ 」

 

「【オスティナート】は、自分フィールドにモンスターがいない時に発動できる魔法カードです。私は手札かデッキから【幻奏】融合モンスターの素材を墓地に送り、そのモンスターを融合召喚出来ます! 」

 

『ここに来てデッキ融合カードを引いたぁ! 』

 

「何かデッキ融合するカード多くないですか? 」

 

「そうじゃないと需要が無いからな 」

 

「えぇ…… 」

 

何とも切実な現実だが、そうじゃないと今は割に合わないという事なのだろう。

 

「私はデッキから【幻奏の音姫アリア】と【幻奏の音姫ソナタ】を墓地に送り、エクストラデッキから【幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト】を融合召喚! 」

 

幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト

レベル6/融合/天使族/ATK2400/DEF2000

 

フィールドに橙色の紙にまるで舞台で見る踊り子の様なドレスを着たモンスターがいた。風貌は踊り子だが、右手に指揮棒を持っているから多分指揮者……と言うより、奏者寄りのモンスターだろう。

 

「【シューベルト】のモンスター効果発動!自分か相手の墓地にあるカードを3枚まで除外させます!私は貴方の墓地にいる【六花のひとひら】ちゃん、【六花精エリカ】さん、そして【六花聖華ティアドロップ】さんを除外! 」

 

シューベルトが指揮棒を振り、振った軌跡から音符の波動が流れ出した。流れ出た音符はティアドロップのデュエルディスクに入り、墓地にいるひとひらとシクランと六花聖華ティアドロップを除外させた。

 

しかもひとひらとエリカは墓地から特殊召喚する効果を持っており、特にひとひらは六花の中では要の中の要だ。ここでひとひらを失うのはキツいだろう。

 

「さらに、除外したカード×200ポイント【シューベルト】の攻撃力は上がります。よって攻撃力は600ポイントアップ! 」

 

幻奏の音姫マイスタリン・シューベルトATK2400→3000

 

「まだ終わりません!手札から【トリックスター・キャンディナ】を通常召喚! 」

 

トリックスター・キャンディナ

レベル4/天使族/ATK1800/DEF400

 

「【キャンディナ】の効果発動!デッキから【トリックスター】カードを1枚手札に加えます。私は【トリックスター・フェス】を発動し、【トリックスター・トークン】を2体特殊召喚! 」

 

トリックスター・トークン

レベル1/トークン/天使族/ATK0/DEF0

 

「私は【トリックスター・トークン】2体でリンク召喚!召喚条件は【トリックスター】モンスター2体。来て下さい!【トリックスター・ホーリーエンジェル】!」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル

LINK2/リンク/天使族/ATK2000

 

 

「バトルです!私は全てのモンスターで一斉攻撃です! 」

 

今ティアドロップの手札は六花絢爛と六花ヘレボラスで確定している。しかも墓地には効果が発動するカードはなく、ティアドロップは合計6800のダメージを受けてしまう。

 

ティアドロップ 残りライフ8000→1200

 

「っ……やりますわね 」

 

「私はこれで……ターンエンドです。そしてこのエンドフェイズに【オスティナート】 のもう1つの効果が発動します。このカードで融合したモンスターを破壊し、その素材に使った一組を墓地から特殊召喚します。私は素材に使った【幻奏の音姫アリア】と【幻奏の音姫エレジー】を召喚します」

 

3ターン目終了

 

 ティアドロップ 残り手札2枚

 残りライフ1200

 □□□□□

 □□□□□

 □ ①

 □□②③④ ⑤

 □□□□□

 先咲花音 残り手札1枚

 残りライフ600

 

①トリックスター・ホーリーエンジェル

②トリックスター・キャンディナ

③幻奏の音姫アリア (守備表示)

④幻奏の音姫ソナタ(守備表示)

⑤祝福の教会リチューアル・チャーチ

 

 

『今度は花音選手が優位に立っており、どちらも譲らない展開だ!果たして、このデュエルを制するのはどっちだ! 』

 

『しかも花音選手の場には魔法・罠を発動する度にダメージを与える【キャンディナ】がいる。どちらも200のダメージな為、ティア選手が使える効果は5回が限界だ 』

 

「しかも【ホーリーエンジェル】は効果ダメージを与えれば与える程その分の攻撃力が上がる効果もある。そこは【キャンディナ】を攻撃すれば問題ないが、その代わり戦闘では破壊されない。難しい所だ 」

 

つまり、もしもこのターンで決着を付けるためにはティアドロップは5回の効果の内に花音にトドメをさせるぐらいの攻撃力を持ったモンスターを出さないといけない。

 

「ここまでやるとは思っていませんでした。どうやら、その気持ちに嘘偽りは無いようですね 」

 

「は……はい!勿論です! 」

 

「だったら私もそれに応えます。私のターン、ドロー。……私は、ドローしたこのカードを公開します 」

 

「ドローしたカードを公開……? 」

 

「このタイミングでの公開……あれか! 」

 

彼方さんは何のカードか心当たりがあるように思いついたような顔を浮かべ、その答えはすぐに出てきた。ティアドロップが公開したカードがモニターされると、出てきたカードは魔法カード【ピースの輪】という物だった。

 

4人の手の甲に黒いマジックの様な物が描かれ、それが合わさって1つの円になる様なイラストのカードだ。あれって……もしかしてあの4人の手なのか?

 

「相手フィールドにモンスターが3体以上かつ自分フィールドにモンスターが居ない時、通常のドローで引いたこのカードを公開し、メインフェイズ1に効果を発動。私はデッキから好きなカードを1枚手札に加えます! 」

 

「す、好きなカードを手札に加えられるんですか!? 」

 

あまりの効果の強さに花音は驚きを隠せずにいた。

 

「で、ですが魔法カードが発動したので【キャンディナ】の効果で200のダメージを与えます! 同時にホーリーエンジェルの攻撃力もアップ!」

 

ティアドロップ 残りライフ1200→1000

 

トリックスター・ホーリーエンジェル ATK2000→2200

 

「あと4回……。私は【手札抹殺】を加え、発動!手札3枚を墓地に送り、3枚ドローします 」

 

「これでまた【キャンディナ】の効果で200ダメージ…… 」

 

ティアドロップ 残りライフ1000→800

 

「更に効果ダメージを与えたので【トリックスターホーリーエンジェル】の攻撃力アップ! 」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル ATK2200→2400

 

恐らくこれがティアドロップのラストチャンスだ。手札を全て捨て、新しいカードで逆転できるかどうか、この引きにかかっている。魔法や罠、モンスターの召喚。全ての行動においてティアドロップは今200のダメージを受けることになってるから、ティアドロップが使える効果は……あと3回。

 

たった3回の限られた状況の中で逆転出来るわけが無いと誰もが思っているだろう。だけどデュエルは最後まで何が起こるか分からない。だから皆固唾を飲んでこのドローを見守り、まだかまだかとドローを待ち望んでいる物もいれば、プリムやシクラン、ストレナエの様にあまりの緊張感で胸を抑える人もいる。

 

そして、その時は前触れもなく降る雪のように訪れた。ティアドロップは3枚のカードを引き、ゆっくりと目を開けて3枚のカードを見つめた。

 

「私は手札から【ハネワタ】を墓地に捨て、効果発動!私はこのターン、効果ダメージを受けません 」

 

「そんな……! 」

 

「これでこのカードが使えます。魔法カード【未来への思い】を発動!自分の墓地からレベルの異なるモンスターを3体特殊召喚します。私はレベル4の【六花精プリム】レベル8の【六花精スノードロップ】 レベル9の【光の王マルデル】を特殊召喚! 」

 

『一気に3体のモンスターを特殊召喚したが、【未来への思い】はこのターンでエクシーズ召喚しなければ4000のダメージを受けてしまいます! 』

 

「でもスノードロップの効果を使えばレベルは同じに…… 」

 

「いやそれは無理だ花衣君。【未来への思い】で特殊召喚されたモンスターは効果が無効にされてるからスノードロップでレベルを同じにする事は出来ない 」

 

「かーい君、墓地にはヘレちゃんがいる事忘れて無い〜? 」

 

スノードロップがヘレボラスの頬を人差し指でチョコんと触れてじゃれ合うようにしていた。

 

「そうか、ヘレボラスがいるのなら…… 」

 

「墓地の【六花精ヘレボラス】の効果発動!自分フィールドの植物族をリリースし、墓地からこのカードを守備表示で特殊召喚!私は【光の王マルデル】をリリースし、【六花精ヘレボラス】を特殊召喚! 」

 

六花精ヘレボラス

レベル8/植物族/ATK2600/DEF1200

 

「これで同じレベルのモンスターが揃いました。私はレベル8の【六花精スノードロップ】と【六花精ヘレボラス】でエクシーズ召喚! 」

 

エクシーズ召喚された瞬間、フィールド魔法のリチューアルチャーチの鐘が鳴り響き、青い花束を持った花嫁を祝福しているようだった。花嫁はゆっくりとフィールドに戻ってきた。

 

「ランク8【六花聖ティアドロップ】をエクストラモンスターゾーンに召喚! 」

 

六花聖ティアドロップ

ランク8/エクシーズ/植物族/ATK2800/DEF2800

 

「【六花聖ティアドロップ】のエクシーズ素材を使い、効果発動。私は自分フィールドの【六花精プリム】をリリース! リリースした事により、【六花聖ティアドロップ】の攻撃力は200アップ! 」

 

六花聖ティアドロップ ATK2800→3000

 

「自分のモンスターをリリース!? 」

 

「はい、メインモンスターゾーンにモンスターがいたらこのカードが使えませんからね。魔法カード【閃刀起動ーエンゲージ】発動! 」

 

「せ、閃刀カード!? 」

 

「何を思ってか【六花聖ティアドロップ】が入っていたのと同じパックに入っていたんですよ。そして、このカードもね。私はデッキから【閃刀機ーイーグルブースター】を手札に加え、墓地に魔法カードが3枚あるので更に1枚ドローします 」

 

まさかティアドロップが閃刀カードを使うとはな……ルール上拾っていてもデッキに入れない選択も出来るのに、使っているという事は顔には出さないが認めていると言う事なのだろうか。

 

チラリとレイの方に顔を向けると、レイも何とも言えない顔をしていた。

 

「何か言いたそうだな、レイ 」

 

「いえ……まぁ、似た者同士なのかなって 」

 

「ん? 」

 

似た者同士……?ってどういう事だ?だが、その考えはデュエルの盛り上がりの歓声によってかき消された。

 

「私は【六花聖ティアドロップ】を対象に魔法カード【閃刀機ーイーグルブースター】を発動。これで私は自身の効果以外の効果を受けず、戦闘でも破壊されません 」

 

「っ…… 」

 

「バトル!【六花聖ティアドロップ】で【トリックスター・ホーリーエンジェル】に攻撃!これで貴方のライフは尽きます! 」

 

たしかにこのままの攻撃力の差では花音のライフはここで尽きる。フィールドにいる六花聖ティアドロップはイーグルブースターの推進力を得たかのようにホーリーエンジェルに近づき、氷の傘の形状を剣のように変えて氷の剣を振り下ろした。

 

ホーリーエンジェルは対抗するように鞭をしならせ、ティアドロップに向けて攻撃したが、ティアドロップは氷の剣で鞭を斬り、止まらずなホーリーエンジェルの元まで辿り着いた。

 

「終わりです! 」

 

「まだです!ダメージ計算前、私は手札の【オネスト】を捨てて効果発動! 」

 

「【オネスト】……!? 」

 

「ダメージ計算前にこのカードを手札に捨て、攻撃してきたモンスターの攻撃力分アップさせます。【トリックスター・ホーリーエンジェル】の攻撃力は、【六花聖ティアドロップ】の攻撃力分アップします! 」

 

トリックスターホーリーエンジェル ATK2400→5400

 

攻撃力がアップしたホーリーエンジェルはもうひとつの鞭を持ってティアドロップの手足を縛り付けた。動きを止めたティアドロップにトドメを刺そうとしたが……

 

「速攻魔法【Ai打ち】を発動! 私のモンスターは、このダメージ計算時のみ攻撃力が戦闘する相手モンスターの攻撃力と同じにします! 」

 

ティアドロップATK3000→5400

 

Ai打ちを発動し、フィールドの六花聖ティアドロップはホーリーエンジェルの鞭を凍らせて砕き、そのままホーリーエンジェルの鞭とティアドロップの氷の傘との鍔迫り合いが始まった。両者とも一歩も譲らない攻防に観客たちは叫び、熱狂し、心を躍らせていた。中には応援をする人もいた。

 

「そしてこのダメージステップ終了時、戦闘で破壊されたモンスターのコントローラーはその元々の攻撃力分のダメージを受ける事になります 」

 

「え?私とティアドロップさんのモンスターの攻撃力は同じだから……どっちもライフが0に!? 」

 

「いいえ、私は先程【閃刀機ーイーグルブースター】を発動し、【六花聖ティアドロップ】はこの戦闘では破壊されません! 」

 

「これって……まさか! 」

 

「俺が花衣君にやられた戦法と似ているな 」

 

「……あ、あれか 」

 

そう、この戦法を俺は彼方さんと戦った時の事だ。あの時はティアドロップにイーグルブースターを発動させ、エリカの効果で攻撃力を4000まで引き上げ、彼方さんのレゾンカード、銀河心眼の光子竜を倒した戦法だ。

 

そしてこのターン、ティアドロップは破壊されないということは、戦闘で破壊されるのはトリックスターホーリーエンジェルのみであり、ダメージを受けるのも花音だけだ。

 

ティアドロップの背中からあの時のような氷の羽を広げ、ホーリーエンジェルを押し返す様に前へと押し進み、ホーリーエンジェルは吹き飛ばされ、すかさずティアドロップは氷の傘先を向けて最大出力の氷の嵐を花音事向けて発射した。

 

「……あぁ、負けちゃいましたか 」

 

吹き荒れる風花と氷が合わさった嵐に花音とフィールド上のモンスターは為す術なく巻き込まれ、花音のライフを消し去った。

 

先咲花音 残りライフ700→0

 

WINNER ティアドロップ

 

勝利画面がモニターに映し出され、最後までフィールドに残った六花聖ティアドロップも消え、このデュエルの幕は閉じ、マイクを持ったMixさんは勝者の名前を叫んだ。

 

『勝者、ティア選手ー!!どちらとも譲れないデュエルを押し返したのは六花モンスターを操るティア選手でしたっ!! 』

 

勝者が決まり、勝者を称える歓声を受けたティアドロップだが観客には手を振らず、負けた花音の傍まで歩いた。

 

「お、おめでとうございますティアドロップさん。あはは……勝ったも思ったのに、負けちゃって……えへへ 」

 

「いえ、私は勝った気にも負けた気にもなっていません

 

「へ……えぇ? 」

 

「あの時、私は最後の最後で閃刀姫達のカードを使わなければ負けていました。正直、使わずとも貴方に勝つつもりでしたから 」

 

「て、ティアドロップさん……? 」

 

「だから勝った気にはなっていません。次は私達だけで勝ちます。そして私こそが花衣様に相応しいと完膚なきまでに思い知らせて見せます 」

 

「わ……わわ、私も貴方に負けないように……その、頑張りますからね! 」

 

「……彼方さん、あの二人って何やってるんですか? 」

 

「さぁな。だけど、俺達男には分からないっていうのは確かかな 」

 

ピックアップデュエルBブロック2回戦の第1試合、ティアドロップと花音のデュエルはティアドロップの勝利で終わった。そして最後に残ったのは……

 

「次は私とエリカさんですね。まぁ、負けませんけどね 」

 

「あら、未熟な子供が何かを言っているわね 」

 

「ふん!その減らず口もそこまでですよーだ 」

 

次のデュエルはエリカとレイの対決だが、もう既に勝負が始まっていると言わんばかりの圧だ。

 

シンクロ中心のエリカと、自身である閃刀姫を使うレイ……どうやら、こっちのデュエルもさっきとは負けず劣らずの戦いになりそうだ。

戦ってみたい決闘者は?(性格からの判断でも可)

  • 逆境を覆す奇跡のドローの持ち主花衣
  • ルールの枠を外れて自分の土俵で戦う焔
  • 圧倒的な制圧力で立ち塞がる空
  • 相手の手を読み、その手を封殺する彼方
  • 健気にライフを回復し続けて粘り勝つ花音
  • 連続墓地蘇生から妨害する霊香
  • 1ターンで全ての展開をやり遂げる雀
  • 全破壊から一気に勝負を決めるカレン
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