六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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新たな閃刀姫、【閃刀姫ーアザレア】の情報が出ましたね。あら?Twitterの方では新しい閃刀姫って2人いたような……

まぁ単行本待ちなので何も言えませんが( ̄▽ ̄;)

性能面ではどちらかと言えば汎用寄りって所でしょうか?特殊召喚時に自分や相手のカードを破壊できたり、戦闘するモンスターを墓地の魔法カードを除外するだけで破壊できるって中々強いのでは……?

ううん、2月号のVジャンプ……欲しいかも(三3三)


交差する思い

 

『さぁ……ついにここまで来ました……!参加者全員がカードを拾い、そのデッキでデュエルする場、ピックアップデュエル!その決勝戦がついに始まろうとしています! 』

 

ついに来た決勝戦の時に観客達は大盛り上がりしており、連絡通路のところでも声が丸聞こえだ。

 

薄暗い連絡通路からギャラリー席に戻り、皆の席に戻ると、ティアドロップ達や花音がおかえりと言うように手を振ってくれていた。

 

「おかえりなさい花衣様 」

 

「あぁ。……って、アレ?ロゼはどうしたんだ? 」

 

席を見るとロゼの姿が見当たらず、周りを見渡そうにもこの人混みじゃロゼは見つけられなかった。

 

「それが……少し用があると行って出ていきました。それよりも、レイはどうしたのですか? 」

 

「あぁ、なんかトイレに行った。女の子にはそういう日があるとか何とか言って…… 」

 

「あぁ……それは、そうですね。それは仕方ありません 」

 

「んん?なぁ、女の子の日って」

 

「花衣君っ!それ禁句!言っちゃダメ!! 」

 

「そうですよ花衣さん!絶ッ対に言わないでください! 」

 

スノードロップとヘレボラスから念を押され、更にはエリカやボタン、カンザシまで押さえつけるように念を押された。

 

「いくら花衣でもそれは駄目アル 」

 

「えぇ、そういう時は笑って許して下さい 」

 

「旦那様、詮索は禁止です 」

 

そしてその圧は、花音までも発せられた。

 

「花衣さん、その……そういうのは……言わないで貰えるとありがたいです 」

 

「う、うん……分かった……? 」

 

とりあえず俺は何も言わずに席に座り、話の内容が見えていないストレナエとプリムはキョトンとしていた。

 

「ねぇねぇ、女の子の日って何〜? 」

 

「私達もう女の子なのにね〜 」

 

2人の会話に入りづらい皆は無言を貫き、その2人の間にシクランが入ると少し恥ずかしそうに指をもじもじさせてそっと耳打ちしていた。

 

「あのね、女の子には……〜〜っていうのがあるから、それで……その…… 」

 

どうやらあっちもあっちで大変そうだ。男の俺には縁が無いしな。

 

少しばかりドタバタしたが、いよいよ決勝戦が始まるというのに、まだ呼び出しのアナウンスが無いということは、何かあるのだろうか?

 

『では決勝戦をと言いたい所ですが、まずはここまで勝ち上がってきた決勝戦の2人の熱き戦いをここいらで振り返ってみましょう!白夜さんも途中から来たので、その状況把握の為にという事で、モニターカモン! 』

 

Mixさんが指を鳴らすと、モニターには俺とティアドロップのこれまでのデュエルが映し出された。

 

「まずはこの男、花衣選手から!予選では最初にデュエルに勝利した人物でありますが、デュエルではほぼギリギリの勝利!予選の結果も15位と振るわない戦績です 」

 

モニターにはグリュックさんとのデュエルが映し出され、グリュックさんのとんでもないギャンブルデッキに翻弄された場面が映し出された。

 

そういえば初戦でギャンブルデッキに当たり、対戦相手のグリュックさんは全てのコイントスやダイスロールを全部当てていたし、アフター・グローのカードもなんの細工も無しに引き当て、俺に4000のダメージを与えようとしていた。

 

だが、俺はそれを利用してそのダメージを反射し、勝利を収めた。最初からハラハラするデュエルだったなぁ……

 

『続いてはティア選手のデュエル!対してこちらは妨害主体のデュエルが目立ち、数々の決闘者を退けました! 』

 

予選の状況のVTRが流れ、俺とは違い危なげなく勝利していた。

 

……ここにレイが入ればきっと一言二言あったんだろうが、本当にどこに行ったんだ?

 

___

__

_

 

決勝戦は始まったのだろうか。だとしたら早く用を済ませないと行けない。私は閃刀を取り出し、この深い茂みの中の森に縛っている男達に刃先を向けた。

 

「さて、じゃあ早くしようか。ロゼちゃん 」

 

「えぇ。でも殺しちゃダメ。花衣はそれを望んでない 」

 

「分かってるよ。本当に花衣さんって優しいよね。私だったら許さないのに 」

 

「んー!んー! 」

 

縛り上げた男たちは涙目で何かを叫んでいたが、口に縄を縛っていたから何も聞こえない。聞こえるのは耳触りが嫌な叫び声だけだった。

 

この男達は花衣さんに害を加えた見下の手下だ。予選が終わった直後に捕まえ、ここまで縛り上げた。だが肝心の見下本人が見当たらず、この人達から情報を得てから痛めつけようとしたが……

 

「情報……ありそう? 」

 

「レイが来る前に聞いたけど誰も知らない様子。結局は金の繋がりだし、嘘をつく事も無いから確定情報だと思う 」

 

「そっか……どこに行ったんだろうね。ホーネットビットで感知もしないし、ここから出ていったのかな 」

 

「可能性はありそうだけど……とにかく今はこいつらをどうにかする 」

 

「そうだね。花衣さんに危害を加えたからおしおき……ううん、排除しないとね 」

 

「んー!んんんん!! 」

 

男達はこれから起こる事を悟り、涙を流して必死に懇願の叫びをあげていた。仕方無いので命乞いでも聞いてあげようと1人の男の口元にある紐を剥がすと、颯爽と言葉を吐いた。

 

「た、助けてくれ!俺は言われてやっただけであんな奴の事は知らない!もう手を出さない!だから頼むっ!た、助けてくれっ! 」

 

「…………で? 」

 

「え……? 」

 

「もう手を出さない?そうじゃないんです。貴方方は私達の花衣さんに手を出した。現に花衣さんは死にかけたんですよ?許す訳……無いですよね? 」

 

「て、手を出したのはあの野郎だ!やるならアイツだ!アイツが悪いんだ!!俺は悪くねぇ!死にたくねぇ! 」

 

確かにそうだ。悪いのは見下ただ一人。だけど、この人達は途中で辞めることも止めることもせずに花衣さんを追い込んだ。

 

それだけで許されないし、罪でもある。見せしめに閃刀を口を出した男の右足に突き刺すと、男は声にならない叫びを上げ、白目を向いて泣き出した。

 

「安心してください。死にはしません。ただ死んだ方がマシって言うぐらいの痛みを与えます 」

 

次に1人、更に1人致命傷を避けて閃刀を突き刺し、その後直ぐに怪我を直して元に戻す。

 

その繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰りを続け、やがて叫びは笑い声になって男達は狂い始めた。

 

「がはひゃひゃあがっびざ……だずげっ…… 」

 

「ごろ"し…………が 」

 

「この程度で許す訳……無いっ 」

 

何度も何度も殺さずに傷つけ、ついには男達は気を失った。

 

「……気絶しましたか。まぁ、こんなもんだね 」

 

「一応記憶を改ざんしてこの出来事を無かった事にする。でも、もう二度と花衣には近づかない様に痛めつけたから、コイツらはもう二度と花衣にら近づけない 」

 

「うんうん、やっぱり花衣さんから危険な物は守らないとね。さ、早く花衣さんの所に行こ!早くしないと花衣さんの勇姿が見れなくなっちゃう! 」

 

「でもレイ、花衣が勝ったら……カイムの頃の話をしないとダメ 」

 

「うっ、そうだよね。でもティアドロップを応援するのは……うううん…… 」

 

出来れば花衣さんに過去の事を話したくない。何故ならその話を聞いてまた何処かに行ってしまうかもしれないから。

 

もしそうなったら、私達は花衣さんを繋ぎとめるために花衣さんをどうにかしてしまうかもしれない。昔の私達みたいに。

 

手足を縛ってどこにも行けなくさせ、目を塞いで私以外見れないようにし、檻の中に閉じ込めて私達が居ないと生きていけないようにするかも知れない。いや、心の奥底ではずっとそう思っている。

 

それを無意識に押し込めているだけで、もしも……もしも本当にまたいなくなってしまったらこの心の中の私を抑えられる自信が無い。

 

だから花衣さんには勝って欲しく無い自分がいて、でも恋敵を応援するのもちょっとそれはそれで嫌な自分もいる。なんか負けた気がするから。

 

「うーん、花衣さんの事は応援したい!でもなぁ〜うーん、ロゼちゃんはどう思ってるの?」

 

「分からない。だけど、花衣に悔いを残せたくない。それは確か 」

 

「悔い……か、そうだね。私達がとやかく言う立場じゃないもんね 」

 

もっともな意見だ。もう私たちがどうこうする立場じゃ無いし、花衣さんが勝てば私達はカイムさんの事を話さなければならない。

 

「……でも、その時になったら話さないとね。どんな事になっても、花衣さんは守る。これだけは絶対しないとね 」

 

ロゼちゃんは力強く頷き、私達はこの場を去った。

 

そう、絶対に花衣さんをまもる。例えどんな事をしても、どんな奴が相手でも……絶対に……

 

 

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会場の天井の上、私は見守るようにあの人の勇姿を見届けた。やはりあの人は戻りつつある。このまま行けば近い内に何か刺激を与えればあの人は私の元に戻ってくる事は間違いない。

 

「……いよいよですか 」

 

「結局貴方は最後まであの人の勇姿を見るつもりですか 」

 

どこからともなくポルーションが私の隣に現れ、興味深そうに花衣さんを見つめていた。

 

私はこの人の事が嫌いだ。私の花衣さんに余計なちょっかいを出し、あまつさえ私の役目を奪ったのですから。一応の仲間で無かったら存在を消していました。

 

「順調そうですね。もうあの方をこちら側に戻してもいいのでは? 」

 

「まだです。この程度はまだ序の口です。もっともっと深く、暗く、全てを飲み込む程に……ふふ、こうしてその経過を見るのは心踊ります 」

 

「本当に酔狂な人だ 」

 

「えぇ。だって愛しのあの人が少しずつ私の知るあの人に戻ってくるのを見るのは我が子の成長を見るみたいで……あぁ、昂りが込み上げて来ます 」

 

昂る体を押さえつけ、舐め回すように花衣さんを見つめる。凛々しい目、スラリと少し長い手の指や形、触れ合いたい唇……あぁ、あれがもう少し、もう少しで私が知る物になると想像するだけで光悦が止まらず、私の秘部や胸の奥が火照ってしまう。

 

今すぐ隣や周りにいる全てを壊して手に入れたい。

 

今すぐ貴方を戻したい。

 

今すぐ貴方で支配されたい。

 

今すぐ貴方に……壊されたい。

 

「ふふ……うふふふ、あはははは!あぁ!早く!早く早く早く早く早く早く早く早く早く……早く貴方様に壊されたいです!! 」

 

「ここまで来ると狂気ですね 」

 

「そんな事より、ディペンが見つけた彼はどうなりました? 」

 

「いきなり態度を変えないで下さいよ、恐ろしい。……あの方なら十分に素質はありますよ。まぁ、対した力にはなりはしないと思いますけど 」

 

「まぁ、及第点辺りでしょう。試しにあの人にぶつけて見てください 」

 

「あの方と言うと……花衣さんの方で? 」

 

「いえ、目障りなあの人です 」

 

私は1人の人間に指を指すと、ポルーションは頷いた。

 

「わかりました。では近い内にぶつけてみましょうかね 」

 

「えぇ、決して花衣さんに手を加えないように 」

 

「もし手を出しt」

 

「貴方を永遠に殺し尽くします 」

 

ポルーションが戯言を言う前に深淵のような目を向け、ポルーションは私の前に恐怖の顔を浮かべた。

 

「わかりました。分かっていますとも。ですが、あの方が花衣さんに手を出すと思いますよ?あの方、相当恨みを持っていますから 」

 

「その時は大丈夫でしょう。花衣さんはあんなやつに負けませんから 」

 

「やれやれ、貴方はどっちの味方なんですかね 」

 

そう言ってポルーションは闇の中へと消えていった。私は誰の味方と言っていましたが、答えは1つです。

 

「私の味方は花衣さんだけ、そして私の存在は花衣さんの為にあるんですよ 」

 

あぁ、楽しみです。早く帰ってきてくださいね。

 

その時が来るまで私はずっと見てますからね……。

 

___

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歓声が聞こえる。恐らくもう少しであの子の決勝戦が始まるのでしょう。ですが、今はやるべき事を優先しなければならない。

 

「どうやら始まるようですね。様子を見に行ったらどうですか? 」

 

私はその答えに首を横に振った。お勤めに私情を挟む訳には行きませんし、皆様に迷惑がかかります。すると、ある方が私の前に歩いてきた。

 

「行ってきなさい 」

 

「ですが…… 」

 

「あの方は貴方にとって大切な人でしょう。あの者達を探すだけなら私達で十分です 」

 

「そうですよ、行ってあげてください 」

 

2人は私の背中を言葉で後押しをしてくれた。

 

「……ありがとうございます。それでは失礼します 」

 

心の奥底の嬉しさが足に出ていくように足取りが軽くなり、私はあの子の姿が見える所に移動した。

 

「……あの人と花衣さんって、どういう関係なんですか? 」

 

「ただの主人と従者ですよ。さぁ、私達は私達のお務めをこなしますよ 」

 

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「い、いよいよですね……花衣君が無事で本当に良かったです…… 」

 

蟲惑魔の落とし穴に落ちたり、ポルーションがまた現れたり、準決勝では少し様子がおかしくなったり危ない事にはなりましたが、今の花衣君は正常な様子です。このまま何も無ければ良いのですが……

 

「ハイネちゃーん、調子はどう〜? 」

 

「ひゃぁぁぁぁ!! 」

 

いきなり後ろに同僚のウィッチクラフトが面白がるように現れ、私の心臓が飛び出る程の驚きを与え、思わず涙が溢れてしまう。この人は特にそういうことをしてくるから本当に心臓に悪い。

 

「あはは、いつも良いリアクション取ってくれるから脅かしがいがあるわね。そんなに涙目になっちゃてもう〜 」

 

「や、やめてくださいよ〜! 」

 

「いや〜ハイネちゃん今日凄く頑張ったから労ってあげようかなって。よくあの子を守ってくれたわね。ありがとう、ハイネちゃん 」

 

「はい、まさか花衣さんが蟲惑魔の落とし穴に落ちるなんて思わなかったんですが…… 」

 

「あの子って結構不思議な縁があるからね。デモ女の子ばかりなのがちょっと気になるな〜 」

 

「それは……母親として。ですか? 」

 

「ふふ、本当に困った息子ね 」

 

その人は困りながらも笑っていた。

 

「そういうハイネちゃんはどう思ってるの?昔、結婚する約束をした仲から見て 」

 

それを言われた瞬間、頭の中であの人と過ごした記憶が蘇る。

 

そう言えばあの人が小さい頃、私のお婿さんになるとか言ってましたね。懐かしいです。だけどそれは昔の話、きっと覚えてもいないし、小さい頃の約束なんて……守れる方が珍しい。

 

「……昔の話ですよ 」

 

私は小袋を取りだし、その中の飴を1つ食べた。

 

その時食べた飴は妙に味がしなかった。

 

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_

 

「……ふぅ、やっぱり決勝戦前は緊張するな 」

 

互いの過去戦を終えた後、呼び出しを貰った俺とティアドロップはステージに向かい、ティアドロップだけ先に行ってもらい、俺は緊張を解すように息を整えていた。

 

だが、中々どうして落ち着かない。解けようとしている糸が逆に固く結んでしまうように、 自分がしたいことが出来ずにさらに緊張が止まらずにいた。

 

胸ポケットとにいるひとひらも落ち着いてと言っているのか、忙しない様子だ。そんなひとひらを見て、ようやく俺はこのこびりついた緊張の正体に気づいた。

 

今までは六花達皆がデッキという繋がりがあり、皆がいるから大丈夫という思いが無意識にあったからだ。だが、今はひとひらを除いてその皆は居ない。

 

だから少し、心細いと感じているのだ。今までは少し負けても良い予選やポルーションとの接敵、はたまた天音ちゃんを取り戻す為に負ける訳には行かないデュエルがあったから気づかなったから今更そう感じているのだ。

 

だが時間は止まらない。こうなれば鳴り止まない心臓を抱えたまま行こうとしたその時、後ろから足音が複数聞こえ、振り返ると彼方さん、そして天音ちゃんがいた。

 

「どうやら、まだ緊張しているそうだな 」

 

「彼方さん!……あれ?皆は……? 」

 

「私達を目にしたらきっと圧を感じて決勝に望めないと思うので会いません。ってカンザシが言ってたぞ。ほかの皆もそれに納得して、俺に伝言だけ伝えて来いと 」

 

「伝言? 」

 

「精一杯頑張って。との事だ 」

 

正直、俺はその伝言に驚いた。俺が勝てば、言いたくもない俺の過去、カイリやカイムの過去の話をしなければならないのに……。

 

話すだけなら良いとは思うが、その話を聞いて何かの拍子で記憶が蘇り、また皆から離れる事を彼女達は恐れている。現に俺は何か拍子で所々だが過去の記憶が脳裏に過ぎっているから、かなり昔の話を聞かされると思い出す事は否定できない。

 

それなのに皆は、頑張ってと言ってくれた。それだけで体に付けられた重りが無くなったような気がした。

 

「ほら、天音も何か言ってやれ 」

 

彼方さんの足にしがみついていた天音ちゃんはもじもじしながらゆっくりと近づき、歯切れが悪いけどちゃんと話してくれた。

 

「が……がんば……って!あと、こ、怖く……ならないで……ね? 」

 

「怖く……?どういう事? 」

 

「恐らく俺と君がデュエルした時、君が【覇王龍ズァーク】を出した時の様子だろう。……君はたまにあんな風になるが、一体何なんだ?って言われても分からないか 」

 

俺は首を縦に頷いた。

 

教えられるなら教えて欲しい限りだし、そもそもあれが一体何をきっかけにしてあんな風になるのか分からない。

 

デュエル中では、超融合、シャドウディストピア、オッドアイズレイジング、ズァークを使って俺の様子はおかしくなった。……いや、オッドアイズレイジングドラゴンの時はポルーション相手で怒りが溢れていたから少し違うな。

 

デュエル以外では……ポルーションや蟲惑魔達相手にこの現象が起こった。それも六花達や皆が危険な目にあった時、体の奥の怒りや憎悪が溢れて起こった事だ。

 

そうなると怒りがトリガーとなって起こるのだろうか?だけどそれだと彼方さんとのあの出来事が説明がつかない。

 

カードに影響されたという考えだと元々カードを持っていなかった蟲惑魔達の襲撃に関しても説明がつかない。

 

となれば、俺自身の何かが原因なのだろう。自分自身さえも喰らい尽くすような、あのどす黒い何かが。

 

俺の中にある何かを探るように、胸を人差し指の指に触れると、ふと胸ポケットにいるひとひらが覗き込む様にして俺を心配そうに見ていた。

 

「ってひとひら!?いたのか?」

 

ひとひらはポケットから飛び出し、直ぐさま俺は手のひらを出してひとひらの着地点を作り、ひとひらは手のひらに乗った。

 

「心配してくれるのか?ありがとう。でも、大丈夫だ 」

 

感謝の言葉を述べ、俺はひとひらを天音ちゃんに渡すように手を差し伸べた。

 

「ここから先は俺とティアドロップの対決だ。ひとひらはここまで俺を助けてくれたけど、ここからは俺1人でティアドロップと真正面から挑まないとダメだ。これは……俺とティアドロップ、いや、俺とお前らの勝負なんだから 」

 

俺は過去を知る為に、そしてティアドロップ達、レイとロゼは俺への気持ちをぶつける為にこうして勝ってきた。皆それぞれに想いをのせてこれに望んでいるのだから、それに応えなければならない。

 

「じゃ、行ってきます。天音ちゃん、ひとひらをよろしくね 」

 

「う、うん……仲良く、するね! 」

 

大事そうにひとひらを優しく包み込んだ天音ちゃんの顔を見て安心してひとひらを任せられ、ようやく決勝戦に対する心意気が持てた。

 

「それじゃあそろそろ行きます。彼方さん、何から何までありがとうございます 」

 

「気にするな。そうだ、最後に1つアドバイスだ 」

 

「アドバイス? 」

 

「自分を信じろ。もうこのデュエルは勝ち負けは関係ない。負けたら最悪、君の貞操が危うくなるだけだ 」

 

「いやそれはそれでまずくないですかね……? 」

 

確かにティアドロップならやりかねはしない要望だとは思うが……思わず俺は絶句し、その反応に彼方さんは笑った。

 

「はは、でももう俺や天音のことや周りのことなんて気にせず、やりたい事をやればいい 」

 

「自分を信じる……か 」

 

デッキの事は信じてはいるが、自分の事を信じるのはあまりした事無いかもしれない。その言葉を胸に込め、俺は出口に振り返った。

 

「じゃあ行ってきます。あと、後ろの壁裏にいる皆、行ってくるね 」

 

彼方さんは気づいていたのかと言うように驚きの表情を見せ、俺はこれ以上何も言わずにデュエルフィールドへと足を運んだ。

 

「まさかバレていたとは、流石旦那様ですね 」

 

「さっすが花衣君だね!かくれんぼする時いつも見つけちゃうもん 」

 

「でも色々と鈍いんだよね〜花衣君は 」

 

「ですがそれがあの人の良い所……でもありますし 」

 

「そうそう、可愛らしい反応もまた花衣さんのいい所です 」

 

「それっていい所で言えるアルか……? 」

 

「可愛い?花衣君はかっこいいよね?シクラン 」

 

「う、うん。カッコよくもある……って事かな? 」

 

「相変わらず愛されてますわね。あの花衣という方は。花音さんは良いんですか?何も言わなくて 」

 

「はい。大丈夫です。私は……見守るだけで充分なので 」

 

そして、時間は経っていく。日差しが照らすフィールドの真ん中には、待っていたと言わんばかりのティアドロップが振り返り、それはカードイラストと同じ構図だった。

 

「お待ちしておりましたよ 」

 

「あぁ。待たせたな 」

 

それぞれ所定の位置に付き、ディスクとバイザーを起動する。デュエル開始まで残り秒読みと言ったところだろうか。

 

『いよいよ決勝戦……!ハラハラしますね、白夜さん! 』

 

『目が離せないな 』

 

誰もがこの時を待っていた目を向けられ、いよいよ決勝戦は始まりを迎えた。

 

戦ってみたい決闘者は?(性格からの判断でも可)

  • 逆境を覆す奇跡のドローの持ち主花衣
  • ルールの枠を外れて自分の土俵で戦う焔
  • 圧倒的な制圧力で立ち塞がる空
  • 相手の手を読み、その手を封殺する彼方
  • 健気にライフを回復し続けて粘り勝つ花音
  • 連続墓地蘇生から妨害する霊香
  • 1ターンで全ての展開をやり遂げる雀
  • 全破壊から一気に勝負を決めるカレン
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