六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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どうも、コロナにかかっていた茶漬けです。

症状自体は軽症だった為、そこまで大した事は無かったのですが、頭えぐい程回らなかった……

とにかく!今回ようやく辿り着いたピックアップデュエル編決勝戦。ティアドロップvs花衣君の試合は前編後編別れての2話制となっております。

……となっておりますが、実はデュエルの大元は完遂しており、後はミスが無いかの確認作業のみなので、ちょっと間の置いた投稿になりそうです。




揺れ落ちる花を掴むかのように

 

 自分の前世が知れると言ったら、皆はどうするのだろうか。

 

 自分なりの考えだが、多分興味無い人が大半だろう。

 

 理由は1つ、意味がほぼ無いからだ。前世の記憶を知ったからどうなるというのか? 

 

 例えば自分が未来を知れる力があるとすれば、最悪な未来を回避出来て自分の思った通りの人生が歩めるかもしれない。

 

 だが逆に過去を知ったらどうなるか。いや、そもそも誰でも思い出という過去を知れる能力がある。前世を知れるなんて、その延長線に過ぎない。

 

 もしそれが自分よりも善人で、優秀だったら……今の自分が否定されたようで生きていける自信が無くなるかもしれない。

 

 そんな俺は今まさに自分の過去、前世の事を知れるチャンスがやってきた。ティアドロップとのデュエルに勝てば、俺は自分の前世である六花精華カイリと閃刀騎ーカイムと事を皆の口から聞ける。

 

 多分間違いなくカイリやカイムは俺なんかよりも善人だ。だけど俺は、自分がどんな奴だったか知ってみたい。それに、俺を桜雪花衣()と呼んでくれて、見てくれる人がいてくれる事実は変わらないのだから。

 

「随分と良い目をしてますよ。また貴方の良い所を見つけました 」

 

「それはどうも。勝てば俺は俺の過去を 」

 

「私が勝てば、花衣様は私の言う事をひとつ聞いてもらいますよ。ふふ、それが叶う時が楽しみです 」

 

 ティアドロップはもう勝ちを確信しているように笑った。その態度に俺はムッとしてしまい、絶対勝ってやると心に誓った。

 

『それでは決勝戦! 花衣選手vsティア選手のデュエルをここに宣言します! デュエル……開始! 』

 

「「デュエル!」」

 

 桜雪花衣vsティア

 

 開始と共にコイントスが始まり、俺から見てコインは裏。つまり、ティアドロップが先行か後攻を決めれる権利を得た。

 

「先行は私から行きます。私のターンです 」

 

 やはり先行を取ってきたか……六花も閃刀姫もどちらかと言えば先行を取って妨害するタイプだ。だが、ティアドロップにはレゾンカードである六花の誓いと六花聖華ティアドロップがある。後攻でも充分盤面をひっくり返せるから油断はできない。

 

「魔法カード【エクスチェンジ】発動。貴方と私の手札のカード1枚を交換します 」

 

「いきなり【エクスチェンジ】!? 」

 

 彼方さんとのデュエルと同じような始め方で驚きつつも、ティアドロップの手札が俺の目の前に現れた。

 

 ティアドロップの手札は六花絢爛、強欲なウツボ、六花精シクラン、そして成金ゴブリンの4枚だ。

 

 悪くも無く、良くも無い手札と言った所だろうか。ここで取るべきカードは……成金ゴブリンだろうか? 

 

 六花絢爛を加えてティアドロップの展開を邪魔する考えもあるが、俺のメインデッキに六花は居ない。いるのはエクストラデッキにいる【六花聖ティアドロップ】だけだ。他の2枚も俺のデッキには使えそうになく、消去法で俺は成金ゴブリンを選択した。

 

「俺は【成金ゴブリン】を加える 」

 

「では私は【魔法の教科書】を貰いますね 」

 

 ティアドロップが俺の手札から取ったのは魔法の教科書というOCG化されてないカードだ。

 

 あのカードは武藤遊戯が使っていた速攻魔法であり、発動した時、全ての手札を捨てたデッキの上からカードを1枚ドローし、それが魔法カードなら速攻魔法としてその場で発動出来るカードだ。

 

 フィールド魔法なら直ぐに設置出来るし、永続魔法でも直ぐに発動出来、その場でとどまる。

 

 物語では武藤遊戯はあのカードを使ってアニメ効果の天よりの宝札を使い、手札を6枚にして攻撃力6000のオシリスでオベリスクを打ち破った。厄介なカードを持っていかれたが、あのカードなら問題ない。

 

「魔法カード【六花絢爛】を発動し、【六花のひとひら】を手札に加え、さらに魔法カード【強欲なウツボ】を発動。手札の【六花精シクラン】と【六花のひとひら】をデッキに戻し、3枚ドロー 」

 

 これで墓地には3枚の魔法カードが貯まった。そして手札にあったひとひらとシクランを戻したとなれば、ティアドロップが出る行動は…………

 

「私は手札から【閃刀起動ーエンゲージ】を発動。デッキから【閃刀機ーイーグルブースター】を加え、1枚ドロー。そして【閃刀姫ーレイ】を通常召喚! 」

 

 閃刀姫ーレイ

 レベル4/戦士族/ATK1500/DED1500

 

『ティア選手、最初は【閃刀姫】で勝負するつもりだ! 』

 

 やはり閃刀姫か……あの手札なら手札丸ごと交換出来るから来るとは思っていた。

 

「私は【閃刀姫ーレイ】を素材にしてリンク召喚! 【閃刀姫ーハヤテ】をリンク召喚 」

 

閃刀姫ーハヤテ

LINK1/リンク/機械族/ATK1500

 

「更に魔法カード【貪欲で強欲な壺】発動。デッキの上から10枚裏側除外し、2枚ドローし、カードを4枚伏せてターンエンド 」

 

 1ターン目終了

 

 ティア 残り手札1枚

 

 残りライフ8000

 

 ①②③④□

 □□□□□

 ⑤ □

 □□□□□

 □□□□□

 

 ①②③④:伏せカード

 ⑤:閃刀姫ーハヤテ

 

 桜雪花衣 残り手札5枚

 残りライフ8000

 

(【ハヤテ】を残した……? どういう事だ? )

 

 普通、閃刀姫で残すのなら、エンドフェイズ時に自分の墓地にあるカード以外の閃刀魔法カードをデッキに加えられる閃刀姫ーシズクが望ましい。しかもシズクがいれば墓地の魔法カードの数×100相手モンスターの攻撃力を下げられる。

 

 にも関わらず、ティアドロップはハヤテを残した。何を狙ってるんだ? ……とにかく、俺はやれる事をやれるだけだ。

 

「俺のターン、ドロー。早速お前のカードを使わせて貰うぞ。魔法カード【成金ゴブリン】を発動。お前のライフを1000回復し、1枚ドローする 」

 

 ティア 残りライフ8000→9000

 

「魔法カード【テイクオーバー5】発動。デッキの上から5枚墓地に送り、俺はこのカードが墓地に存在する限り、フィールド以外からカードを墓地に送れない 」

 

 よし、あのカードは墓地に送られてない。これなら行けるはずだ。

 

「俺は【サイキックリフレクター】を通常召喚 」

 

 サイキックリフレクター

 レベル1/サイキック族/ATK400/DEF300

 

「【サイキックリフレクター】の効果発動。デッキから【バスター・ビースト】を手札に加え、【バスター・ビースト】の効果で自身を墓地に捨て、【バスターモード】を手札に加える 」

 

『よくある展開の1つだな。これで花衣選手はレベル6から9のシンクロモンスターを出せる 』

 

「俺は【サイキック・リフレクター】の効果発動。手札の【バスターモード】を相手にみせ、墓地の【バスター・ビースト】を特殊召喚し、そのモンスターのレベルを4つまで上げられる 」

 

 ここで俺がシンクロ召喚出来るモンスターは2体。1つはレベル8のスターダストドラゴンで、もう1つはレベル7のクリアウィング・シンクロドラゴンだ。

 

 だが、クリアウィングの効果はレベル5以上のモンスターの効果しか無効にできない。つまり、レベルを持たないエクシーズモンスターやリンクモンスターとは相性が悪い。つまり、俺が出すべきモンスターはスターダストだ。それに、俺のデッキにはもう1つのスターダストが眠っている。

 

「俺は【バスタービースト】のレベルを3つあげて7にする! 」

 

 バスター・ビースト レベル4→7

 

「レベル7となった【バスター・ビースト】とレベル1の【サイキック・リフレクター】でチューニング! 飛翔せよ! 【スターダスト・ドラゴン】! 」

 

 スターダスト・ドラゴン

 レベル8/シンクロ/ドラゴン族/ATK2500/DEF2000

 

『ここで【スターダスト・ドラゴン】が来たァ! 』

 

「更に俺はスケール4の【オッドアイズ・ファントムドラゴン】とスケール8の【オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン】でペンデュラムスケールをセッティング! 」

 

『これで花衣選手はレベル5から7のモンスターのペンデュラム召喚が可能だ 』

 

「俺が出すのはこれだ!来い!【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】! 」

 

 オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

 レベル7/ペンデュラム/ドラゴン族/ATK2500/DEF2000

 

「バトルだ! 俺は【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】で【閃刀姫ーハヤテ】に攻撃! この瞬間、【オッドアイズ・ファントム・ドラゴン】の効果で攻撃力が1200アップする 」

 

「ならば私は伏せカードを発動。【閃刀機ーイーグルブースター】。このターン【ハヤテ】の戦闘破壊は無効になります 」

 

「だがダメージを受けてもらうぞ。しかも攻撃力がアップし、【オッドアイズ】は戦闘ダメージを2倍にする 」

 

「いいえそれもさせません。永続罠発動【ガードブロック】。この戦闘ダメージを無効にし、カードを1枚ドローします 」

 

「 ん? それって確かレイも使ってなかったか? どれだけ似てるんだお前とレイは 」

 

「好きで似せている訳ではありません。それよりも戦闘を行った為【ハヤテ】の効果を発動させます。私はデッキから【閃刀空域ーエリアゼロ】を墓地に送ります 」

 

 そうか、戦闘ダメージを与えるんじゃなくて、戦闘を行った後に効果が発動するからハヤテの効果が発動するのか、ハヤテを残す事なんてあまりないから少し驚いた。

 

「だけど【スターダスト】の攻撃が残ってる。俺は【スターダスト・ドラゴン】でもう一度【ハヤテ】に攻撃だ! 」

 

「永続罠発動【スピリット・バリア】。私の場にモンスターがいる限り、私は戦闘ダメージを受けません 」

 

「今度は彼方さんが使っていたカードか……! 」

 

「【ハヤテ】が戦闘を行ったので私はデッキから【閃刀術式ージャミングウェーブ】を墓地に送ります 」

 

 完全にティアドロップにあしらわれた……! もうこれ以上俺が出来ることは無い。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド 」

 

 2ターン目終了

 

 ティア 残り手札2枚

 

 残りライフ9000

 

 ①②□□□

 □□□□□

 ④ □

 □□□□⑥

 ⑦□⑨□⑧

 

 

①:伏せカード

 ②:スピリット・バリア

 ④:閃刀姫ーハヤテ

 

 

 ⑥:オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

 ⑦:オッドアイズ・ファントム・ドラゴン

 ⑧:オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン

 ⑨:伏せカード

 

 桜雪花衣 残り手札1枚

 残りライフ8000

 

 ティアドロップにダメージを与えるどころかカードを1枚ドローさせてしまった。ちょっとやばい状態だな……

 

「私のターン、ドロー。では、行きますよ。まず私は【閃刀姫ーハヤテ】をリンク素材にし、【閃刀姫ーカガリ】をリンク召喚。その召喚時効果で墓地から【閃刀起動ーエンゲージ】を加え、発動します 」

 

「やっぱりそう来るよな……! 」

 

「【エンゲージ】発動。デッキから【閃刀術式ーベクタードブラスト】を手札に加え、1枚ドロー。そして【ベクタード・ブラスト】を発動。お互いデッキの上から2枚墓地に送りますが…… 」

 

「俺の墓地に【テイクオーバー5】があるからフィールド以外から墓地には送れない……か 」

 

 ティアドロップのデッキから2枚墓地に送られ、送ったカードはエリカとひとひらか……どっちも墓地効果があるから侮れない。ここはあれを使うか……

 

「この瞬間俺は罠発動! 【バスターモード】! 【スターダスト・ドラゴン】をリリースし、デッキから【スターダスト・ドラゴン/バスター】を特殊召喚! 」

 

 バスターモードの光を纏ったスターダストは、その光を青い鎧へと変え、新たなモンスターとして生まれ変わった。

 

 スターダスト・ドラゴン/バスター

 レベル8/ドラゴン族/ATK3000/DEF2500

 

『バスター化した【スターダスト】は自身をリリースしてどんなカード効果も無効に出来るぞ! これでティアドロップ選手の展開を止める算段か! 』

 

「私は【六花のしらひめ】を特殊召喚し、手札から【六花絢爛】をリリースして発動 」

 

「させるか! 【スターダスト・ドラゴン/バスター】の効果発動。このカードをリリースしてその効果を無効にして破壊する! 」

 

 これで六花絢爛の効果は無効になり、コストにした六花のしらひめは墓地に言った。

 

「効果は無効にされましたが、リリースされた事により墓地の【六花精エリカ】と手札の【六花精プリム】の効果が発動。墓地と手札から特殊召喚させて貰います 」

 

 六花精エリカ

 レベル6/植物族/ATK2100/DEF1000

 

 六花精プリム

 レベル4/植物族/ATK800/DEF1800

 

(ん?プリムだって?という事は、あの端っこにある伏せカードが【魔法の教科書】なのか…… )

 

「更に魔法カード【三戦の才】の発動。さっき花衣様は私のターンで【スターダスト・ドラゴン/バスター】の効果を使いましたよね? 」

 

「それ引いたのかよ……! 」

 

 引きの良さも良すぎる……! さすが決勝戦まで駒を進めたと言うべきか。手強すぎる。

 

「私はカードを2枚ドロー。更に魔法カード【エンシェント・リーフ】発動。ライフが9000以上の時、2000ライフ払う事でカードを2枚ドロー 」

 

 ティア 残りライフ9000→7000

 

「俺の発動した【成金ゴブリン】のライフ回復が仇になったか…… 」

 

「はい。花衣様の愛というライフ、有難く使わせていただきます 」

 

 ティアドロップはああ言っているが、恐らく最初のターンのエクスチェンジの時、ティアドロップは成金ゴブリンを選ばせるような手札であえて発動したんだろう。

 

 あの時の手札なら、俺が選ぶのは間違いなく成金ゴブリンだとティアドロップは予測していた。完全に俺のやることを読まれてるな……これ。

 

「私は【六花精シクラン】を通常召喚 」

 

 六花精シクラン

 レベル4/植物族/ATK1800/DEF800

 

「行きますよ。私は【六花精プリム】と【六花精シクラン】でエクシーズ召喚!ランク4【六花聖ストレナエ】! 」

 

 六花聖ストレナエ

 ランク4/エクシーズ/ATK2000/DEF2000

 

「【六花聖ストレナエ】の効果発動。エクシーズ素材を1つ取り除き、墓地から【六花絢爛】を手札に加え……手札の【六花精ボタン】の効果発動!【六花聖ストレナエ】をリリースして特殊召喚! 」

 

 六花精ボタン

 レベル6/植物族/ATK1000/DEF2100

 

「ボタンの効果で【六花来々】を手札に加えます。更に【六花聖ストレナエ】の効果により、エクストラデッキからランク5以上の植物族エクシーズモンスター【六花聖ティアドロップ】を特殊召喚! 」

 

 六花聖ティアドロップ

 ランク8/エクシーズ/植物族/ATK2800/DEF2800

 

「更に【六花精ボタン】と【六花精エリカ】で【六花聖カンザシ】をエクシーズ召喚! 」

 

 六花聖カンザシ

 ランク6/エクシーズ/植物族/ATK2400/DEF2400

 

「そしてフィールド魔法【六花来々】を設置し、効果で私は【六花の薄氷】をセットします。そして【閃刀姫ーカガリ】を素材に【閃刀姫ーシズク】をリンク召喚し、ターンエンドです 」

 

「このエンドフェイズ時【スターダストドラゴン/バスター】はフィールドに戻る 」

 

「私も【シズク】のエンドフェイズ時、効果で【閃刀術式ーアフターバーナー】を手札に加えます 」

 

 3ターン目終了

 

 ティア 残り手札3枚

 

 残りライフ7000

 

 ①②③□□

 □⑤④□□ ⑦

 ⑥ □

 ⑧□□□⑨

 ⑩□⑫□⑪

 

 桜雪花衣 残り手札1枚

 残りライフ8000

 

 ①:伏せカード

 ②:スピリット・バリア

 ③:伏せカード(六花の薄氷)

 ④:六花聖ティアドロップ

 ⑤:六花聖カンザシ

 ⑥:閃刀姫ーシズク

 ⑦:六花来々

 

 ⑧:スターダスト・ドラゴン/バスター

 ⑨:オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

 ⑩:オッドアイズ・ファントム・ドラゴン

 ⑪:オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン

 ⑫:伏せカード

 

『お互い、ジリジリと盤面を固めて行っている状況ですが、花衣選手が苦しそうだ。まるでゆっくりと体に巻き付くツタのようだ! 』

 

 ツタか、確かに言い得て妙だ。

 

 この状況だと、まずフィールドの六花聖ティアドロップのリリース効果と六花来々でセットされた六花の薄氷の効果をどうにかしないといけない。

 

 六花の薄氷で俺のフィールドのモンスター効果の発動は無効にされ、ティアドロップでモンスターをリリースされれば俺のモンスターは問答無用でリリースされる。そして極めつけは……フィールド魔法の六花来々だ。これで六花の薄氷のリリースコストをこっちに押し付けられる為、これを防ぐ手段は無い。

 

 六花の薄氷の効果コストのリリースで1体、そのリリース効果で俺の場のモンスターのコントロールを得るのに1体、そしてティアドロップのリリース効果で1体。

 これだけで俺のモンスター3体は失う。

 

 スターダストの効果を使えば……いや、それじゃあ結局六花の薄氷で無効にされる。この状況を覆すには……

 

「俺のターン、ドロー。魔法カード【カップ・オブ・エース】発動! コイントスをして表なら俺が、裏ならお前が2枚ドローする! 」

 

『ここに来てギャンブルカード!!確率は五分五分。果たしてどうなるか! 』

 

 今の手札ではあのモンスターが来ないと使えないカードだ。墓地に必要なカードはある。アレさえ来てくれれば……! 

 

 フィールドでコイントスが始まり、結果を見るのが怖くてたまらず目をつぶる。

 

 耳に金属と地面がぶつかる甲高い音が入り、浅く早い呼吸と早まる心臓の鼓動と共に目を開けると、コインの柄は……表。つまり、俺のドローが確定した。

 

「……よし、2枚ドローする! 」

 

 だがここから本番だ。2枚ドローする中でアイツを召喚できるカードが来なければ状況は最悪な事になる。祈るようにドローし、その思いは通じた。

 

「来てくれたか……! 俺はチューナーモンスター【ジャンク・シンクロン】を召喚! 」

 

 ジャンク・シンクロン

 レベル3/チューナー/戦士族/ATK1300/DEF1500

 

「更に俺は【テイクオーバー5】で墓地に行った【ボルト・ヘッジホッグ】の効果を使い、特殊召喚! 」

 

 ボルト・ヘッジホッグ

 レベル2/機械族/ATK800/DEF800

 

「何をしようと無駄ですよ。罠発動【六花の薄氷】をリリースして発動。そして【六花来々】により、貴方の【スターダスト・ドラゴン/バスター】 をリリースします 」

 

 スターダストの周りに突然吹雪が襲いかかり、スターダストは雪と共に消えてしまった。

 

 相変わらずとんでもないカードだな。一刻も早く除去したい所ではあるが、俺のデッキに伏せカードを破壊できるカードは少ない。だったらもうここでそれを出すしかない。だが……

 

「【六花の薄氷】の効果により、【ジャンク・シンクロン】の効果を無効にし、コントロールを得ます 」

 

「これを待っていた! 罠発動! 【シンクロ・マテリアル】! これで俺はお前のフィールドにいる【ジャンク・シンクロン】を素材にしてシンクロ召喚できる! 」

 

『なんと! あのカードは確か1ターン目から伏せていたカードだぞ!? この状況を見越していたというのか!? 』

 

「俺もお前の事を知っているつもりだからな。必ずお前は【六花来々】と【六花の薄氷】を使って俺のモンスターの動きを封じると思っていた 」

 

「ふふ、やはり私たちは一心同体ですね 」

 

「そ、そんな事より、俺はお前のフィールドの【ジャンク・シンクロン】と【ボルト・ヘッジホッグ】でシンクロ召喚! 」

 

 ティアドロップのフィールドにいるジャンク・シンクロンはティアドロップのコントロールから離れ、腰にあるエンジンの紐を引っ張ってエンジンを起動すると、3つの光の輪となってボルト・ヘッジホッグをつつみ、新たなモンスターへと変わっていく。

 

「シンクロ召喚!出てよ!【ジャンク・ウォリアー】! 」

 

 ジャンク・ウォリアー

 レベル5/シンクロ/戦士族/ATK2300/DEF1500

 

『ここで【ジャンク・ウォリアー】の登場! がしかし、花衣選手のフィールドにはレベル7の【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】しか存在しない為、攻撃力はそのまま! 』

 

『しかも【シンクロ・マテリアル】を使ったターン、バトルフェイズは行えない。この後の展開をどうするかだな 』

 

 確かにこのターン、俺はバトルを行えない。だが、それでも出来る事はある。ペンデュラムスケールもギリギリ5から7だから、手札のこのモンスターもペンデュラム召喚可能だ。

 

「俺はペンデュラム召喚を行い、レベル5の【オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン】をペンデュラム召喚! 」

 

 オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン

 レベル5/ペンデュラム/ドラゴン族/ATK1200/DEF2400

 

「レベル5が2体……なるほど、狙いは分かりました。だとしたらあのモンスターを召喚させる訳には行きません。私は【六花聖ティアドロップ】の効果を発動。エクシーズ素材の【六花聖ストレナエ】を墓地に送り、【オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン】をリリース! 」

 

「俺は墓地の【スキル・プリズナー】を除外し、効果を発動。【オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン】を選択しし、選択したモンスターが対象になった相手モンスターの効果を無効にする。お前の【ティアドロップ】の効果、無効にさせて貰うぞ 」

 

「【テイクオーバー5】で墓地に行っていたカードですか……侮れませんね 」

 

「そしてようやく揃った! 俺はレベル5の【ジャンク・ウォリアー】と【オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン】でエクシーズ召喚! 頼むぞ! ランク5【エトランゼ・ファルコン】! 」

 

 RR-エトランゼ・ファルコン

 ランク5/エクシーズ/鳥獣族/ATK2000/DEF2000

 

「そして俺は、【エトランゼ】と【オッドアイズ】でリンク召喚! 召喚条件は【モンスター2体】! リンク2【プロキシードラゴン】! 」

 

 プロキシードラゴン

 LINK2/リンク/サイバース族/ATK800

 

「更に魔法カード【リンク・バースト】発動。リンクモンスターの【プロキシードラゴン】を破壊し、お前のフィールドの【閃刀姫ーシズク】を破壊し、1枚ドローする 」

 

「ここでの墓地の【閃刀姫ーレイ】の効果は使いません 」

 

 これで俺の手札は0。ここであのカードを引かなければ俺の負けは確定的だ。この盤面を覆せるのは、全てを焼き尽くす灼熱の業火を使うアイツしかない。

 

「……魔法カード【貪欲な壺】 を発動。墓地の【スターダスト・ドラゴン】【スターダスト・ドラゴン/バスター】【プロキシードラゴン】【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】【ジャンク・ウォリアー】を戻して2枚ドローする 」

 

 カードを引き、ゆっくりとカードが表向きになると……引いたカードはアイツのカード、ソウルシェイプフォースだった。

 

「来てくれたか、空のカード! 俺は【RUM-ソウルシェイブフォース】を発動! 俺のライフを半分払い、墓地の【RR】エクシーズモンスターを特殊召喚する 」

 

 桜雪花衣 残りライフ8000→4000

 

 

「そして、そのモンスターのランクが2つ上のエクシーズモンスターを特殊召喚出来る! 【エトランゼ・ファルコン】のランクは5。よって俺はランク7のモンスターを特殊召喚出来る!」

 

 エトランゼ・ファルコンの全身が炎に包み込まれ、炎と共に空高く飛び立った。飛び立ったエトランゼの体は大きく変貌し、太陽を背に炎の翼を持った龍へと生まれ変わった。

 

「来い! ランク7【覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン】!! 」

 

 覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン

 ランク7/エクシーズ/ペンデュラム/ドラゴン族/ATK3000/DEF2500

 

「……よし、体は何とも無いな 」

 

 ポルーションの時のような体から湧き出る痛みは感じず、いつも通りの俺だ。これなら問題なくデュエルに集中出来そうだ。

 

「【レイジングドラゴン】の効果発動!エクシーズ素材を一つ取り除き、相手フィールドのカード全てを破壊する! 」

 

 レイジングドラゴンの炎の翼が鞭のように伸び、ティアドロップのフィールドのモンスターやカードに触れた瞬間、消え去った。本物のティアドロップ達では無いのは分かっているが、やっぱり来るものがある。

 

 やるせない気持ちをぐっと堪え、更地になったティアドロップのフィールドを見て攻撃を仕掛けようとしたが、俺はこのターン攻撃出来ない。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド 」

 

 4ターン目終了

 

 ティア 残り手札3枚

 

 残りライフ7000

 

 □□□□□

 □□□□□

 □ □

 □□①□□

 ②□□④③

 

 桜雪花衣 残り手札0枚

 残りライフ4000

 

 ①:覇王烈龍オッドアイズ・レイジング・ドラゴン

 ②:オッドアイズ・ファントム・ドラゴン

 ③:オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン

 ④:伏せカード

 

 何とか凌いだが状況は変わらない。あっちの手札は3枚でこっちは0……かなり押されている。正直、このターンでどうこうできる自信は無い。

 

「私のターン、ドロー。苦しそうな状況ですが手は緩めません。私は魔法カード【閃刀術式ーアフターバーナー】発動。【レイジング・ドラゴン】を破壊し、更に追加効果で【アーク・ペンデュラム・ドラゴン】を破壊します 」

 

「ぐっ……! 」

 

 2体のドラゴンが炎によって消え、同時にアークペンデュラムを破壊されたから効果も使えない。こればかりは本当にきつい……! 

 

「魔法カード【カップオブエース】発動。少し運試しと行きますか 」

 

もしここで表を出されて2枚ドローされたら……少しばかりキツイ。確率は五分五分。何とか裏を出ろと祈ったが、祈りは届かず表が出てしまい、ティアドロップは2枚ドローした。

 

「まだ終わりません。魔法カード【手札抹殺】を発動。手札を全て墓地に送り、その枚数分ドロー。そして、私が捨てたカードは【代償の宝札】。このカードが効果で墓地に送られた時、更に2枚ドロー 」

 

「という事は……手札5枚!? 」

 

「魔法カード【閃刀機ーホーネットビット】を発動。【閃刀姫ートークン】を特殊召喚し、更に【閃刀姫】が特殊召喚されたので手札の【閃刀姫ーロゼ】を特殊召喚 」

 

「ロゼまで出てきたか…… 」

 

「まだまだ来ますよ?私はこの2体で【閃刀姫ージーク】をリンク召喚 」

 

 閃刀姫ージーク

 LINK2/リンク/戦士族/ATK1500

 

「更に魔法カード【貪欲な壺】発動。墓地の【閃刀姫ーカガリ】【六花聖ティアドロップ】【六花聖カンザシ】【六花聖ストレナエ】【閃刀姫ーレイ】をデッキに戻し、2枚ドロー 」

 

『このタイミングで2枚ドロー!! ティア選手、容赦なく追い詰めます! 』

 

「手札の【閃刀姫ーレイ】を通常召喚 」

 

「さっきデッキに戻したレイをここで持ってこれたのか!? 」

 

 閃刀姫ーレイ

 レベル4/戦士族/ATK1500/DEF1500

 

「この【閃刀姫ーレイ】を素材に、【閃刀姫ーカガリ】をリンク召喚 」

 

 閃刀姫ーカガリ

 LINK1/リンク/戦士族/ATK1500

 

 ジークのリンク先は上と下。カガリをリンク先にリンク召喚は可能だ。

 

 そしてティアドロップが今まで使用した魔法カードの枚数は15……いや、確か俺はティアドロップの成金ゴブリンを使ったのと、2ターン目のハヤテへの攻撃で2枚墓地に送ってしまったから18枚。つまり、カガリの攻撃力は3300となる。

 

 閃刀姫ーカガリ ATK1500→3300

 

 なるほど、この時の為に1ターン目にハヤテを残して置いた訳か……3000ならなんとかできるカードはあるが、それより多いとなると大分カードが絞られる。最も、今の状況も大分ヤバいけどな……

 

「ですがモンスターを召喚できるのはここまでみたいです。私はこのままバトル! 【閃刀姫ージーク】でダイレクトアタック!」

 

(ダメだ、今この伏せカードは使えない……! )

 

 ジークの振り下ろしの攻撃はフィールドに亀裂を走らせ、その衝撃は風となって俺へと届いた。ロゼらしい容赦ない攻撃だ。

 

 桜雪花衣 残りライフ4000→2500

 

「続いて【閃刀姫ーカガリ】でダイレクトアタック! 」

 

『この攻撃が決まれば花衣選手の敗北! しかし伏せカードを使用していない事から勝負あったか!? 』

 

「罠発動! 【星墜つる地に立つ閃珖(スターダスト・リスパーク)】! 俺のライフより攻撃力が高いモンスターの攻撃宣言時に発動し、その攻撃を無効にしてエクストラデッキから【スターダスト・ドラゴン】を特殊召喚! 戻ってこい! 」

 

 ジークの振りかざす大剣から守るように周りに白い粒子が舞い散り、その粒子が龍の形を象ってく。

 

 やがて粒子はスターダスト・ドラゴンへと生まれ変わり、俺のフィールドへと戻って来た。

 

「やはり倒れませんか。……カードを2枚伏せて、ターンエンドです 」

 

 5ターン目終了

 

 ティア 残り手札1枚

 

 残りライフ7000

 

 □①②□□

 □□□③□

 □ ④

 □□⑤□□

 ⑥□□□□

 

 桜雪花衣 残り手札1枚

 残りライフ2500

 

 ①②:伏せカード

 ③:閃刀姫ーカガリ

 ④:閃刀姫ージーク

 

 ⑤:スターダスト・ドラゴン

 ⑥:オッドアイズ・ファントム・ドラゴン

 

 ……やっぱり精霊だからか? とんでもなく強くないな、ティアドロップ。1ターン1ターンがギリギリの状況……出せるカードも限られている。

 

 そこまでして俺がモンスターだった頃の話をしたくないのか、あるいはそんなに俺に何かして欲しい事があるのか……多分後者の方が強いんだろうなぁ。

 

 ティアドロップが俺にして欲しい事……なんか想像つくような出来ないような、考えれば考えるほど思いついたりはするが、そのどれもが違うようにも思える。まるで空中でひらひらと動く花びらを掴むかのような話だ。

 

 そしてそれは、このデュエルに対しても言える。

 

 フィールドにはスターダスト、そして手札は1枚だけ。絶望的では無いにしろ、俺のこの次の1枚には全てがかかっている。

 

「……行くぞ!俺のターン! 」

 

 願わくば、揺れ動く花びらを掴める事を祈って俺はカードをドローした。

 

 

戦ってみたい決闘者は?(性格からの判断でも可)

  • 逆境を覆す奇跡のドローの持ち主花衣
  • ルールの枠を外れて自分の土俵で戦う焔
  • 圧倒的な制圧力で立ち塞がる空
  • 相手の手を読み、その手を封殺する彼方
  • 健気にライフを回復し続けて粘り勝つ花音
  • 連続墓地蘇生から妨害する霊香
  • 1ターンで全ての展開をやり遂げる雀
  • 全破壊から一気に勝負を決めるカレン
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