六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

81 / 196
ピックアップデュエル編の1話からなんと半年以上。
ようやくピックアップデュエル編が終わります。

めっちゃ長かった……幾度にも修正し、幾度にも間違えたりしましたが楽しい時間でもありました。

ですが物語自体はまだ終わらねぇ!まだ謎の敵や花衣君の謎があるから全然終わんねぇ!

それではピックアップデュエル編最後の試合……果たしてどちらが勝つのか……その目でご覧ください


貴方の事を愛しているから

 

 ピックアップデュエル決勝戦。ティアドロップとの戦いは、ほとんど一方的なデュエルとなってしまった。

 

 俺のライフは2500と少なく、対してティアドロップのライフは7000。しかも、ティアドロップは俺への攻撃を受けておらず、盤面も伏せカード2枚と攻撃力が3300の閃刀姫ーカガリと閃刀姫ージークだ。

 

 対してこっちはスターダスト・ドラゴンとペンデュラムゾーンにはオッドアイズ・ファントム・ドラゴンだ。正直、もうファントム・ドラゴンの効果を使うのは期待できない。

 

 もうここは本当に勝負をかけるしか無い。仮にあの伏せカードがモンスターを破壊するような物だったらスターダストで無効には出来るが、2枚ともそれなら……その時は終わりだ。

 

「……行くぞ!俺のターン、ドロー! 」

 

 このターンで勝つようなカードをくれとは言わない。せめて勝ちへと繋がる物が来れば良い。

 

 そう願ったおかげか俺が引いたカードはまさに、その勝ちへと繋げる物であった。

 

「これなら……!俺は魔法カード【インスタント・コンタクト】発動。俺のライフを1000払い、【E HERO フレイム・ウィングマン】をエクストラデッキから特殊召喚! 」

 

 桜雪花衣 残りライフ2500→1500

 

 E HERO フレイム・ウィングマン

 レベル6/融合/戦士族/ATK2100/DEF1600

 

「そしてこれ!魔法カード【ネオス・フュージョン】発動!場の【フレイム・ウィングマン】とデッキの【ネオス】で融合召喚! 」

 

 場のウィングマンとデッキのネオスがフィールドに現れ、お互いの体が溶け合うと、ネオスの体に銀色の鎧と翼、そして剣が装備された姿が顕になった。

 

「来い!【E HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン】! 」

 

 E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン

 レベル8/融合/戦士族/ATK3100/DEF2500

 

「【シャイニング・ネオス】が召喚された時、フィールドにあるモンスターの属性の数だけカードを破壊できる。フィールドの属性の数は4つ。お前のフィールドのカード全部破壊させて貰うぞ! 」

 

「破壊される前に使わせてもらいます。2枚の罠発動【闇霊術-「欲」】と【無謀な欲張り】。まずは【闇霊術-「欲」】の効果、闇属性の【閃刀姫ージーク】をリリースし、2枚ドロー。そして【無謀な欲張り】で2枚ドロー 」

 

 ここで合計の4枚ドロー……だが、無謀な欲張りの効果でティアドロップは次のターンドローステップを2回スキップされる。伏せカードは使われたが、カガリは破壊され、これでティアドロップのモンスターはがら空きだが……

 

「墓地の【閃刀姫ーレイ】の効果発動。墓地から守備表示で特殊召喚させます 」

 

「やっぱりそう来るよな…… 」

 

 そしてレイの効果を使ってエクストラデッキから閃刀姫ーカイナを特殊召喚すれば……ネオスの攻撃を無効にさせ、ノーダメージで抑えられる。

 

 だがそれはカイナがあればの話だ。今までのティアドロップのデュエルに置いて、カイナを使用した場面は無かった。もうここでやるしかない……!

 

「バトルだ!俺は【シャイニング・ネオス】で【閃刀姫ーレイ】に攻撃! 」

 

 このタイミングでの効果発動は……無い。やはりカイナを持ってなかったのか。これはいい流れだ。

 

 ネオスとレイの鍔迫り合いはネオスが打ち勝ち、レイはフィールドの壁際に吹き飛ばされてしまった。

 

「【シャイニング・ネオス】が相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを受けて貰うぞ 」

 

 レイの効果力は1500。よって、ティアドロップは1500のダメージを受けることになる。やっとまとまったダメージが出せたな……

 

 ティア 残りライフ7000→5500

 

「そして効果ダメージを受けたことにより、俺は墓地の【青い涙の天使】の効果を発動。自分か相手が効果ダメージを受けた時、墓地のこのカードを除外して通常罠を1枚セットする 」

 

 テイクオーバー5で墓地に行ったカードがここでようやく使える。デッキにある通常罠が映し出され、俺が今セットするべきカードは……ブレイクスルー・スキルだろう。これなら少しばかり耐えれる筈だ。

 

「俺はデッキからカードをセット。そして【スターダスト・ドラゴン】でダイレクトアタック! 」

 

 今ティアドロップのフィールドには何も無い。スターダストのシューティング・ソニックの波動がティアドロップを襲い、これでライフはほぼ並んだ。

 

 ティア 残りライフ5500→3000

 

「……墓地の【錬装融合】の効果発動。このカードをデッキに戻して1枚ドロー。カードを1枚伏せてターンエンドだ 」

 

「エンドフェイズ時に墓地のひとひらを特殊召喚させます」

 

 6ターン目終了

 

 ティア 残り手札5枚

 

 残りライフ3000

 

 □□□□□

 □□⑥□□

 □ □

 □□①②□

 ③□□④⑤

 

 桜雪花衣 残り手札0枚

 残りライフ1500

 

 ⑥:六花のひとひら

 

 ①:スターダスト・ドラゴン

 ②:E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン

 ③:オッドアイズ・ファントム・ドラゴン

 ④⑤:伏せカード

 

『ついにティア選手に噛みつけた花衣選手。盤面も逆転こそしてますが手札0に対し、ティア選手は5枚!ドローは出来なくてもこれはかなりのアドバンテージです! 』

 

 確かに5枚という手札はかなりのアドバンテージだ。正直、伏せカード1枚だけじゃ止められる自信が無い。あの手札がこのターンで決着を付けられる物ではないと祈るばかりだ。

 

「私のターン。【六花のひとひら】の効果でデッキから【六花精エリカ】を墓地へ送り、手札の【六花精スノードロップ】 の効果発動。【ひとひら】をリリースし、手札の【六花精スノードロップ】と【六花精ヘレボラス】を特殊召喚 」

 

 六花精スノードロップ

 レベル8/植物族/ATK1200/DEF2600

 

 六花精ヘレボラス

 レベル8/植物族/ATK2400/DEF1200

 

「更にモンスターをリリースした事により、手札の【六花精プリム】と墓地の【六花精エリカ】を特殊召喚 」

 

 六花精プリム

 レベル4/植物族/ATK800/DEF1800

 

 六花精エリカ

 レベル6/植物族/ATK2100/DEF1000

 

「更に【六花精シクラン】を通常召喚 」

 

 六花精プリム

 レベル4/植物族/ATK1800/DEF800

 

「こ、これって…… 」

 

 フィールドにはボタンを除いた六花精が揃っていた。このターンよりも前にも六花精は居たが、ここまで揃っているのは初めてだった。

 

「次は私達全員でお相手いたします。まず、【六花精プリム】と【六花精シクラン】でエクシーズ召喚!ランク4【六花聖ストレナエ】! 」

 

 六花聖ストレナエ

 ランク4/エクシーズ/植物族/ATK2000/DEF2000

 

「続いて【六花精スノードロップ】と【六花精ヘレボラス】でエクシーズ召喚。ランク8【六花聖ティアドロップ】!」

 

 六花聖ティアドロップ

 ランク8/エクシーズ/植物族/ATK2800/DEF2800

 

「魔法カード【死者蘇生】発動。私は墓地の【六花精ボタン】を特殊召喚 」

 

 六花精ボタン

 レベル6/植物族/ATK1000/DEF2100

 

「そして、【六花精ボタン】と【六花精エリカ】でエクシーズ召喚!ランク6【六花聖カンザシ】! 」

 

 六花聖カンザシ

 ランク6/エクシーズ/植物族/ATK2400/DEF2400

 

『こ、これはぁ!全ての六花精を使ってのエクシーズ召喚!これは六花デッキを使う花衣選手の当て付けか!? 』

 

 間違いなくそんな風な意味合いを込めてのこの連続エクシーズ召喚だろう。フィールドには3体の六花聖だけだが、俺には違って見えた。ひとひらから始まり、エクシーズ素材も全て六花精だからだろうか、俺の目には、ティアドロップのフィールドには全ての六花達が立ちはだかっている様にも見えた。

 

「もう前のターンのようにいきませんよ? 」

 

「どうかな?今の所【六花聖ティアドロップ】ぐらいしか俺のモンスターを突破出来ないぞ 」

 

「それはどうでしょう?【六花聖ストレナエ】の効果発動。エクシーズ素材を1つ取り除き、墓地から【六花来々】を手札に加えます 」

 

「【六花来々】の効果で【六花の誓い】をセットしようとしてるな……だったらさせない!罠発動【ブレイクスルー・スキル】!【ストレナエ】の効果は無効にさせて貰うぞ 」

 

 だがこれで、六花聖ティアドロップの効果を無効にする手段は無くなった。上手く使わされたな……だが、フィールドには3体のモンスターがいる。ここしかこの伏せカードを使うタイミングは無い。

 

「ここでやられる訳には行かない!罠発動【スリーストライク・バリア】!【スターダスト】はこのターン戦闘では破壊されない! 」

 

「【六花聖ティアドロップ】の効果発動。エクシーズ素材を1つ取り除き、【シャイニング・ネオス】をリリース。そしてリリースした事により【六花聖ティアドロップ】の攻撃力はアップ 」

 

 六花聖ティアドロップ ATK2800→3000

 

「ではモンスターがリリースされた事により【六花聖カンザシ】の効果も発動。墓地の【閃刀姫ーレイ】を効果を無効にし、植物族として守備表示で特殊召喚 」

 

「レイまで呼び出すのか…… 」

 

「バトル!【六花聖ティアドロップ】で【スターダスト・ドラゴン】に攻撃! 」

 

「【スリーストライク・バリア】の効果で【スターダスト】はこのターン戦闘では破壊されない! 」

 

「ですがダメージは受けてもらいます 」

 

 桜雪花衣 残りライフ1500→1300

 

「私はこれでターンエンド 」

 

 7ターン目終了

 

 ティア 残り手札0枚

 

 残りライフ3000

 

 □□□□□

 □③④⑤⑥

 □ □

 □□①□□

 ②□□□□

 

 桜雪花衣 残り手札0枚

 残りライフ1500

 

 ③:六花聖ストレナエ

 ④:六花聖ティアドロップ

 ⑤:六花聖カンザシ

 ⑥:閃刀姫ーレイ(守備表示)

 

 ①:スターダスト・ドラゴン

 ②:オッドアイズ・ファントム・ドラゴン

 

 

 お互い手札0。おそらくここからフィールドの盤面が劇的に変わる事は無い。スターダストをいかに残せるか、それが俺が勝てる条件だ。

 

 ブレイクスルー・スキルを墓地から除外すれば、ティアドロップが使うモンスター効果をもう一度無効には出来る。

 

 だが、六花聖ティアドロップの効果に対して使えば六花聖ストレナエの効果を使われてしまい、墓地の六花来々の効果を発動されてしまい、そこから六花の誓いから六花聖華ティアドロップが召喚されてしまい、全てのモンスターがリリースされて俺の負けは確定となる。

 

 ティアドロップかストレナエを破壊すればどうにかはなると思うが、フィールドにはカンザシがいる。カンザシの効果で破壊は身代わりにされてしまう為、どうしても破壊以外の除去手段が必要となる。だが、俺のデッキで破壊以外の除去手段があるのは……エクストラデッキにいる六花聖ティアドロップのみだ。

 

 つまり、ティアドロップに勝つには俺も六花聖ティアドロップを使うしか無い。だがスターダストだけじゃ六花聖ティアドロップは出せない。あと一体レベル8のモンスターが必要だが……

 

「とにかくドローだ。俺のターン、ドロー!……魔法カード【命削りの宝札】発動。デッキからカードを3枚になるようにドローし、俺はこのターン、お前に対してダメージを与えられず、モンスターも特殊召喚出来ない 」

 

 まさに命削りだが、無いよりはマシだ。

 

「……よし、これなら行けるはずだ……。俺は【カード・ガンナー】を通常召喚 」

 

 カード・ガンナー

 レベル3/機械族/ATK400/DEF400

 

「【カード・ガンナー】の効果で俺は3枚デッキの上から墓地に送り、その枚数×500ポイント攻撃力をアップさせる 」

 

 カード・ガンナー ATK400→1900

 

「バトルだ!【カード・ガンナー】で【六花聖ストレナエ】に攻撃だ! 」

 

『なんと!わざわざ自爆特攻を仕掛けた! 』

 

 カード・ガンナーはストレナエに向けて突撃をかけたが、ストレナエはひらりとその突撃を交わし、逆にカード・ガンナーの頭部に傘をぶつけるとカードガンナーの頭部はへこんでしまい、そのまま爆散した。

 

 桜雪花衣 残りライフ1300→1200

 

「【カード・ガンナー】が破壊され墓地に行った時、カードを1枚ドローする。そして、【スターダスト・ドラゴン】で【六花聖ストレナエ】に攻撃だ! 」

 

 ダメージは与えられなくてもモンスターの破壊はできる。ここでストレナエを破壊できたのは今後の展開を阻害させた良い展開だ。

 

 ティアドロップは次のターンドロー出来ない。手札0で墓地から除外するカードも無い筈だ。あと1ターン、耐えれる筈だ……。

 

「俺はカードを3枚伏せてターンエンド 」

 

 7ターン目終了

 

 ティア 残り手札0枚

 

 残りライフ3000

 

 □□□□□

 □□③④⑤

 □ □

 □□①□□

 ②⑦⑧⑨□

 

 桜雪花衣 残り手札0枚

 残りライフ1200

 

 ③:六花聖ティアドロップ

 ④:六花聖カンザシ

 ⑤:閃刀姫ーレイ(守備表示)

 

 ①:スターダスト・ドラゴン

 ②:オッドアイズ・ファントム・ドラゴン

 ⑦⑧⑨:伏せカード

 

「ガードを固めて来ましたね。いつも花衣様に対してこんな感じなので突破しがいがあるものです 」

 

「ん?どういう事だ 」

 

「この守りを固めて盤面。まるでいつも愛を投げかけているのに素っ気ない花衣様の様だと言っているのです。あの時の夜も結局貴方は抵抗しましたし 」

 

「あの時の夜って? 」

 

「私が貴方を襲うと言ったあの時の夜です 」

 

 ティアドロップのその言葉を耳にした瞬間、その夜の事が頭の中に溢れかえった。

 

 自室のベットの上、静まり返った夜の中、ティアドロップが服をはだけさせていたあの夜……

 

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 」

 

『おっと花衣選手急に叫び出したぞ!?何かあったのか!? 』

 

 あの時の夜に見たティアドロップの姿も思い返し、忘れたくても忘れられなかった。

 

 ティアドロップの麗しい唇、氷の様に美しく透き通った目、白くて絹のような肌、まるでせせらぎの様な綺麗な髪、全てが忘れられなかった。

 

 煩悩を消し去る様に頭を振り、両頬を平手打ちしたり忘れ去ろうとしたが、対戦相手が当の本人、ティアドロップだからどうしても忘れられない。目を合わせるとティアドロップは不敵な笑みを零し、俺の反応を楽しんでいた。

 

「ガードが固いのは前言撤回しますね。ふふ、花衣様はうぶなのですから 」

 

「う、うるさい!ほら、お前のターンだぞ! 」

 

「それもそうですね。まぁ、ドローは出来ませんが 」

 

(くっそ〜何だよあの余裕は…… )

 

 ドローも出来ない今の状況じゃ、このターンでケリを付ける事は恐らく無い。なのに何なんだあの余裕そうな笑みは、まるで勝ちを確信しているかの様だ。

 

 ……まさか、本当にここから勝てる筋があるって言うのか?あるとすれば、やはりレゾンカードのコンボだろうが、それを使う為のストレナエはもういない。どうするつもり何だ……?

 

「墓地の【エアートルピード】の効果発動。墓地のこのカードと水属性エクシーズモンスター【六花聖ストレナエ】を除外し、2枚ドローします 」

 

「なっ、そんなカードいつ…… 」

 

「【手札抹殺】の時、墓地に送ったカードにこれがあったんですよ。そしてそれは、【カップオブエース】で引いたカードでもあります 」

 

「あの時か……! 」

 

 ティアドロップが前のターン、カップオブエースのカードで引いたカードの中にそれがあったのか……。

 

「そしてどうやら、まだ続けられる見たいです。魔法カード【フレグランス・ストーム】発動。【カンザシ】の効果で植物族になった【閃刀姫ーレイ】を破壊し、1枚ドロー。引いたカードは植物族の【六花のしらひめ】。もう1枚ドローします 」

 

 ティアドロップが追加でドローした瞬間、そのドローカードから嫌な予感が感じ取れた。その予感は当たったのか、ティアドロップは妖しく笑い、すかさず今引いたカードを発動した。

 

「どうやら私も幸運が回ったようです。私は【RUM-六花の誓い】発動!このカードに対して、貴方はいかなる効果も発動出来ません 」

 

「なっ……! 」

 

『ここでレゾンカード【六花の誓い】だぁぁぁ! 』

 

 ようやく出たレゾンカードの登場に会場は湧き上がり、湧き上がった歓声を背に、フィールドの六花聖ティアドロップの周りには鮮やかな彩りを持った花と白く輝く雪が舞った。

 

 ティアドロップの周りを舞った花と雪はやがて吹き飛ばされ、その中から白いウェディングドレスを身にまとったティアドロップが姿を変えて現れた。

 

 その美しい花嫁を見た観客達は惚れ惚れしたと言うように声を上げるも、フィールドと本人は、俺しか見ていなかった。

 

 六花聖華ティアドロップ

 ランク10/エクシーズ/植物族/ATK3500/DEF3500

 

「【六花の誓い】によって特殊召喚された【六花聖華ティアドロップ】の効果発動。相手モンスター全てをリリースします! 」

 

「ここでスターダストをやらせる訳には行かない……!罠発動【亜空間物質転送装置】!【スターダスト・ドラゴン】をエンドフェイズ時まで除外する! 」

 

『ですがこれで花衣選手の場はがら空きです! 』

 

「ならそのままバトル!【六花聖カンザシ】でダイレクトアタック! 」

 

「罠発動!【ドレイン・シールド】!その攻撃を無効にし、その攻撃力分のライフを回復させる 」

 

 桜雪花衣 残りライフ1200→3600

 

「では【六花聖華ティアドロップ】でダイレクトアタック! 」

 

 今度は六花聖華の攻撃が通った。無数の氷の槍が降り注ぎ、何とかライフは残ったがそれでも残ったのはたったの100。まさに風前の灯だ。

 

 ティアドロップが俺の伏せカードを警戒してからなのか使わなったが、もしもティアドロップがカンザシをリリースしていたら……危なかった。

 

 桜雪花衣 残りライフ3600→100

 

「カードを1枚伏せてターンエンドです 」

 

「【亜空間物質転送装置】により、【スターダスト・ドラゴン】は戻ってくる 」

 

 7ターン目終了

 

 ティア 残り手札1枚

 

 残りライフ3000

 

 □□⑧□□

 □□③④□

 □ □

 □□①□□

 ②⑦□□□

 

 桜雪花衣 残り手札0枚

 残りライフ100

 

 ③:六花聖華ティアドロップ

 ④:六花聖カンザシ

 ⑧:伏せカード

 

 ①:スターダスト・ドラゴン

 ②:オッドアイズ・ファントム・ドラゴン

 ⑦:伏せカード

 

 

『さぁ、花衣選手のライフは100。手札も0!この状況をどう凌ぐのでしょうか! 』

 

「相も変わらずこの状況か……つくづくよく耐えてるな 」

 

 自分でも思うが、本当にギリギリだ。だからと言って負けるつもりはこれっぽちもない。

 

「俺のターン、ドロー!……希望はある。魔法カード【ホープオブフィフス】!墓地の【E HERO フェザーマン】【バーストレディ】【スパークマン】【ネオス】【シャイニング・ネオス】を墓地に戻し、2枚ドロー! 」

 

 テイクオーバー5とさっきカード・ガンナーで墓地に送ったモンスター達だ。このドローに全てかかっている。

 

「まず1枚目……! 」

 

 1枚目に来たのは……オッドアイズ・ランサー・ドラゴンだった。

 

(よし、あと1枚、これが出せるカードを引けば…… )

 

 ランサー・ドラゴンのレベルは8。スケール9以上のペンデュラムモンスターか、こいつを特殊召喚出来るカードを引ければ……勝機はある。

 

「行くぞ、2枚目! 」

 

 このドローがこの大会における最後のドローになるだろう。どんな結果になろうと、俺は受け入れる。ここまでやってこれたこのデッキを信じ続け、心の中で感謝しながら、俺はカードをドローした。

 

 太陽の光で電子のカードがキラリと輝き、俺の思いに応えてくれた。

 

「……!これなら! 」

 

「良いカードは引けましたか? 」

 

「あぁ、行くぞティア!俺はスケール12の【超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン】をセッティング! 」

 

 青白く輝く柱から銀色の鎧を纏った龍が現れ、これで俺の準備は整った。

 

「これでレベル5から11のモンスターが同時に召喚可能!俺は手札からレベル8【オッドアイズ・ランサー・ドラゴン】をペンデュラム召喚! 」

 

 赤い鱗に二色の眼を持った龍は、まるで槍となる様に鎧を纏っていた。まさに窮地を打ち破る頼もしい姿だ。

 

 オッドアイズ・ランサー・ドラゴン

 レベル8/ドラゴン族/ATK3000/DEF2000

 

「このままバトル!まずは【オッドアイズ・ランサー・ドラゴン】で【六花聖カンザシ】に攻撃だ! 」

 

 オッドアイズはその名の如く槍のように突撃し、フィールドにいる六花聖カンザシも対抗するように巨大な花のバリアを作った。

 

 氷の盾と槍の龍のぶつかり合いは続き、やがては槍の勢いに盾は破られてしまい、矛盾の結果矛が勝利した。

 

 ティア 残りライフ3000→2400

 

「これ以上させません。【六花聖華ティアドロップ】の効果発動。エクシーズ素材を取り除き、フィールドのモンスターをリリース! 」

 

「無駄だ!墓地の【ブレイクスルー・スキル】を除外し、その効果を無効!これで攻撃力アップはしないな 」

 

「ですが貴方のモンスターの攻撃力では私の【六花聖華ティアドロップ】には届きませんよ 」

 

「あぁ。だから、お前の力を借りる事にするさ。罠発動!【ワンダーエクシーズ】! 」

 

 ワンダーエクシーズは発動した時、俺の場のモンスターを使ってエクシーズ召喚出来る罠カードだ。

 

 俺の場のモンスターはレベル8のスターダスト・ドラゴンと同じレベル8のオッドアイズ・ランサー・ドラゴン。そして、俺が持っているランク8のエクシーズモンスターは1体しかいない。

 

「言っただろ。俺のエースはこいつだって 」

 

「えぇ、そうですね。ふふ…… 」

 

「行くぞ!俺は2体のモンスターでエクシーズ召喚!ランク8六花聖ティア…… 」

 

「ですがそれで貴方は負けるのです。罠発動【メタバース】! 」

 

「【メタバース】……? 」

 

『発動した時にフィールド魔法を手札に加えるか、自分フィールドに発動する罠カードだな 』

 

 フィールド魔法を……?ティアドロップが今まで発動してきたフィールド魔法って、六花来々以外には確かセリオンズリングだけだったような……でも、今更あれを発動させてどうするつもりだ?

 

 ティアドロップの手札は無いし、ここで俺が六花聖ティアドロップを場に出して六花聖華ティアドロップをリリースすれば、ダイレクトアタックで俺の勝ち。それは最早揺るがない。なのにティアドロップは、まるでこの時を待っていたかの様に笑っていた。

 

「私が発動するのは……【異次元の古戦場-サルガッソ】! 」

 

「【サルガッソ】?……あっ 」

 

「終わったな 」

 

「??彼方、どういう意味なのかしら? 」

 

「カレン、あのフィールド魔法はエクシーズ召喚に成功した時、そのプレイヤーに500のダメージを与えるフィールド魔法だ。それが【メタバース】の効果によって発動……つまり、花衣君の【ワンダーエクシーズ】が発動する前に設置された。という事は…… 」

 

「……あ、花衣さんは必ずエクシーズ召喚しなければならないという事ですか? 」

 

 そう、チェーン処理で先にフィールド魔法を設置されて、基本的に空撃ちが出来ない遊戯王において、俺は必ずワンダーエクシーズによってエクシーズ召喚しなければならない。

 

 つまり、この瞬間俺の負けは決定したと言う事になる。

 

「やはり【六花聖ティアドロップ】で勝負を決めて来ると思いましたよ 」

 

「まさか、最初からこれを見越したって言うのか? 」

 

「はい。貴方の【魔法の教科書】を目にした時からずっと待ってました 」

 

「俺がもし【六花聖ティアドロップ】を拾わなかったらどうしてたんだよ 」

 

「有り得ませんよ。だって私と貴方は運命の赤い糸よりも深い繋がりで繋がっており、桜雪花衣(貴方自身)の事を何でも知っていますから 」

 

 ティアドロップは光悦した笑みを右手で抱くかのように顔を覆い、心の中から負けを認めた。

 

「……敵わないな 」

 

「はい。だって貴方の事を愛してますから 」

 

 俺がティアドロップを拾う事、そして最後に使う事を確信してなければ使えないこの戦法には正直絶句ざぜる負えない。

 

 今まで俺に勝利を導いた六花聖ティアドロップがまさか敗因になったが、不思議と悔しい気持ちは少なかった。

 

 多分、俺が1番知りたかった事が今この瞬間分かったからかもしれない。カイリやカイムでは無く、俺自身の事をどう思っていたのかを……。

 

 ワンダーエクシーズの効果処理で俺は六花聖ティアドロップを召喚し、その後サルガッソの効果が発動した。

 

 サルガッソの効果ダメージは500。そして俺のライフは100。これを止める術は無く、俺は静かにティアドロップを召喚した。

 

 六花聖ティアドロップ

 ランク8/エクシーズ/植物族/ATK2800/DEF2800

 

 俺のフィールドに六花聖ティアドロップが召喚されると、フィールドの六花聖ティアドロップはくるりとこっちに体を向け、クスリと笑ってこっちに近づいてきた。

 

「最後はお前がトドメをさすってか……? 」

 

 ホログラムの六花聖ティアドロップにそんな事言っても無駄だった。六花聖ティアドロップは頷く事もせず、ただ俺に向けて持っていた花束の中から白い薔薇を抜き、その薔薇を俺に投げつけた。

 

 投げつけられた薔薇は俺の胸を貫き、同時に俺のライフも尽きた。

 

 桜雪花衣 残りライフ100→0

 

 WINNER ティア

 

『け……け……決着ぅぅ!!な、なななんと!勝者は相手のモンスターを逆手に取ったティア選手!!まるで相手の全てを見透かした様な終幕でした! 』

 

 まぁ、実際そうだったからな。しかしまぁ、悔しい負け方だ。

 

「お疲れ様です。花衣様、良いデュエルでした 」

 

「あぁ……お前達全員にしてやられたって感じだ 」

 

 閃刀姫のレイとロゼに、六花精達全員。ティアドロップはこのデュエル、モンスターはそれだけしか使っていない。ピオネやハイペリュトンを出せる所はいくらでもあった筈なのに、敢えてそうしたのは俺が相手だったからなのだろうか。

 

 いずれにせよ、俺はティアドロップに負けてしまった。これで俺の過去を話す話は無しとなり、俺はティアドロップの言う事を1つ聞くという半ば死地に追いやられた様な状態になってしまった。

 

 その事実をティアドロップはもう理解したのか、俺を見て不敵な笑みを浮かべ続けていた。

 

「ふふふ、これで花衣様は1度だけ私の言う事を……どう言った物にしましょうか…… 」

 

 まずい、もうティアドロップの様子がおかしい。これは俺の身が持つかどうか不安になるレベルだ……

 

『さて、これで全てのピックアップデュエル全てのデュエルが終了しました!見事優勝したティア選手は壇上の方にて移動してください! 決勝トーナメントに出場した選手も、ステージの方に移動してください! 』

 

「おや、どうやら考えに浸っている暇は無いですね。では花衣様、また後で 」

 

「あぁ 」

 

 そうしてティアドロップは優勝者として壇上の方に移動した。

 

 ……そうか、終わりなのか。カードを拾い、使った事無いカードと共にやってきたこの大会も遂に終わりか。何だか、とんでもなく長い1日だった様な気がする。

 

 カードを拾ったと思ったら蟲惑魔達やウィッチクラフト・ハイネと出会い、そして謎の女ウェルシーと出会い、挙句の果てには天音ちゃんを助ける為に勝たなければならないデュエルをしたり……このピックアップデュエルだけで色んな人と出会ったりした。

 

 怒涛でありながらも、充実した1日……本当に長かった。

 

「花衣さーん!! 」

 

 思い出にふけっていりと奥の方からレイの声が聞こえた。超えの方向に顔を向けると、決勝トーナメントに進出した六花や閃刀姫、そして花音やカレンさん、そして天音ちゃんを連れた彼方さんもここに来た。

 

「お疲れ様です花衣さん。惜しかったですね 」

 

「もう、本当に惜しかったね!あーあ、でもこれでティアドロップが花衣君を独占するのか〜それはちょっと悔しいな 」

 

 皆から労いの言葉を受け取り、それに感謝を述べると彼方さんは天音ちゃんを抱いて俺の方にやってきた。

 

「お疲れ様、花衣君。最後はしてやられたな 」

 

「えぇ。流石ティアドロップって感じですよ 」

 

「でも負けた割には随分と清々しい顔じゃないか 」

 

「……何ででしょうかね。自分の過去を知れるチャンスを逃したのに、悔しいのになんかスッキリした感じです 」

 

「多分それは、君が全力でデュエルを楽しんだからじゃ無いか? 」

 

「え? 」

 

「そうかも!だって花衣君、最後のドローの時すっっごい笑顔だったもん!なんかこう、ワクワクしてるって感じで! 」

 

 ストレナエはその顔を真似しようと満面の笑みを浮かべた。多分こんな満面の笑みでは無かったと思うが、多分その時は無意識に笑っていたのだろう。

 

 確かにあの時気分は昂り、何が起ころうと受け入れる覚悟はしていた。それがきっと、楽しんだ証拠なのだとしたら……俺はまだこの気持ちを忘れてはいなかったという事になる。

 

「そっか、俺……まだデュエルを楽しめる余裕があるのか 」

 

 色々あってデュエルを楽しむ余裕は無かったが、今こうして気づいただけでもこの大会に参加した意味はあった。そして、それを気づかせてくれたのは……ここにいる皆のおかげだ。

 

「皆……ありがとう 」

 

「へ?な、なんでお礼を言ったんですか? 」

 

「何となくだよ 」

 

「えー、花衣君って変なの 」

 

「確かに 」

 

 そんな可笑しく笑ったストレナエやプリムにつられて皆も笑い始め、時間はあっという間に過ぎて言った。表彰式のアナウンスが始まり、壇上にライトを集中させ、この大会優勝者のティアドロップにスポットライトが当てられた。

 

『ではこれにて表彰式を始めます。ピックアップデュエル優勝者……ティア選手です! 』

 

 優勝者の名を挙げられ、モニターにティアドロップが映し出された瞬間、観客席から大きな拍手と賞賛の声が上がり、俺達もそれに負けないぐらいの拍手をあげた。

 

『そして!限られたカードの中で戦って見事決勝トーナメントまで勝ち進んだこの決闘者達にも、拍手喝采を!! 』

 

 俺達にも拍手喝采が挙げられ、それぞれにファンファーレが挙げられていた。……まぁ、1人足りないけどな。

 

『おや……?見下選手はどこに行ったのでしょうか? 』

 

『探したが見つからなかった様だ。残念だが、見下選手は抜きにして始めよう 』

 

『うーん、彼もまた良いデュエルをしたんですがね〜仕方ない!それでは気を取り直して、優勝者のティア選手にはこちらをプレゼント致します! 』

 

 するとモニターに何か海に囲まれた島国……いや、島だろうか?まさに南の島と言った熱帯島が映し出されていた。

 

『ティア選手にはこの【マリンセスビーチ】のグループ招待券をプレゼントします!大切な人とでもぜひ! 』

 

「まぁ、これは嬉しい贈り物ですね。改めて……使わせてもらいます 」

 

 ティアドロップが俺の方に獲物を見つめる目を向けたのを俺は見逃さなかった。そして同時に悪寒も感じられ、俺はつい身の危険を感じた。

 

(……俺はあのビーチで死ぬかもしれない )

 

 何となくだが、そう確信した。別に命が無くなるというわけではないが……なんか貞操ら辺が危うい感じがする。ティアドロップの奴……あそこでお願いをするつもりだ。間違いない。

 

『さて、そろそろこの楽しいピックアップデュエルも終わりが近づいて参りました。最後に、白夜さんから何か一言を……てアレ?白夜さんはどこに……? 』

 

 確かにそこにいた白夜さんの姿が無くなり、白夜さんは忽然と姿を消した。

 

『オーマイガー……いきなり現れていきなり消えていく嵐のような人ですね……まぁ良いでしょう。これより、ピックアップデュエルは閉会致します。みんな!ここまでありがとう! 』

 

 最後にファンファーレの花火があがり、これでピックアップデュエルは幕を閉じた。

 

 閉じられた大会に各々が思いを馳せて帰路を歩きだし、俺達も帰路へと歩き出した。

 

「んっん〜終わった!私お腹空いちゃったなー 」

 

「そういえば、この後みなさんで回転寿司?と言うのを食べに行くんでしたよね。お寿司が回るなんてとっても楽しみです! 」

 

「確かに気になりますわね……彼方!早く私をエスコートなさい 」

 

「はいはい、それじゃ行くとするか花衣君 」

 

「はい。行きましょう……ん? 」

 

 俺は一瞬、周りから強い視線を感じて思わず辺りを振り返った。1つだけじゃない、別々の本当に方向から感じられた視線を探そうとしたが、俺を見ている人なんて誰もいなかった。

 

「……気のせいなのか? 」

 

「花衣様?どうかなされましたか? 」

 

 ティアドロップが俺の右腕を抱き、下から覗き込むように心配してくれた。

 

「……いや、何でもない 」

 

 俺はこの時、何も気にもとめずに歩いていった。

 

 ……だが、この時もし気づいていたとしても俺はもう引き返せない所まで来てしまったという事を俺は知らずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

「お勤めご苦労様です。白夜様 」

 

「世辞は良い。それよりも桜雪花衣の様子はやはり深刻だ。いつあの者が目覚めるか分からない。早急に対処する必要がある 」

 

「……ですが 」

 

「1人の命を手にかけるのは抵抗があると?……目を覚ませ、アイツは人間では無い。貴様も分からない訳では無いだろう 」

 

「…… 」

 

「桜雪花衣を殺せ。それがこの世界、いや、この次元を救う唯一の方法だ 」

 

オリカをまとめた章が欲しい?

  • 欲しい!
  • 別に( *¯ ³¯*)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。