六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について 作:白だし茶漬け
それはさておき、今回から3対3のデュエル、通称ライブデュエルが始まります。
ルールと致しましては、ロマンス・タッグデュエルの時とおなじであり、フィールドが簡単に言うとデュエルリンクス見たいな形式となっています。
手札4枚、フィールドは3つ。ライフは4000。果たしてどんなデュエルが待っているのでしょうか……
それと1つ、今回海外新規の方の罠カード【Destructive Daruma Karma Cannon】を使っているシーンがあり、今現在のテキストで効果を発動している他、カード名が個人的な翻訳とさせておりますのでご了承ください。それでは、どうぞ。
_……て下さい、……イさん
誰かの声が聞こえ、ゆさゆさと優しく俺の体を揺さぶっていた。思わず目を開けると、そこは辺り一面が綺麗な茶色の壁に何か多くの部品や本が積み重ねられており、俺はそんな部屋の中の机に頭を乗せて寝ていたようだ。
周りを見渡すとそこには1人の女性がいた。髪は灰色の長髪で前髪の一部が青色三のつ編みにしており、帽子を被っていた。
髪の長さ故なのか右目が前髪で隠れており、頭の上には頭の半分ぐらいしか無い大きさのキャップがある帽子をかぶっていた。
服は全体的に黒く、少し胸元が開けているのが特徴的な服だ。そんな服なのに着ている本人も山のようにたくましい巨峰な物を2つ持っているのだから、かなり目立っていた。
_あの、大丈夫ですか?昨日から一睡もしないで作業していたので寝かしてあげようかなって思ったんですけど……お客さんもう来てますから早めに渡さないと
その言葉を聞いた俺は急いで机の上にあるバイオリンを手に取り、急いで部屋の扉を開けようと走ると、床に散らばっていた巻物の様な物ん踏んでしまい、そのまま足を滑らせてしまった。
_危ない!ーーイさん!!
そのまま俺は頭をぶつけるのかと思い、目を思い切りつぶった。
だが、いつまで経っても頭の後ろから強い衝撃は来ない、そっと目を開けるとそこは先は菜の花がが広がる大地だった。そして、その奥には明らかに人の手で作った透明なドーム型の建物があった。
空は青く、雲はその空という海を心地よく泳いでいるかのように移動し、風の音と冷たさも心地よかった。そんな俺はその場所に生えている木に背中を預けるようにもたれかかっていた。
「……あれ?ここ……どこだ?」
さっき居た所とは全く別の所だと言うことは分かる。すると俺の手に持っていたはずのバイオリンが無くなっており、しかも服も変わっていた。
黒一色のコートだけど、服が重い事は無い。むしろ動きやすくて体が軽い。この服……もしかしてあの人が作ってくれた物か。
「あの人……?」
思い出そうとすると急に頭痛が走る。頭の中で何かが暴れだしている痛みに耐えると、そっと俺の両肩に何かが持たかけた重みが感じた。右に振り向くと、そこには寝息をたてているレイが、左には静かで寝息をたてているのすら分からないロゼが俺に体を預け、2人に挟まれている形となっていた。
_んん、うへへ、そんなに私の事好きなんですか〜?
_……ん、やっぱりレイより私の事……ふふ
横の2人は一体どんな夢を見てるのか、笑いながら寝言を言っていた。そんな顔を見るとここから動く気を無くし、そのまま木に持たれたところ、いつの間にか俺の両膝には似ている顔つきと髪をした閃刀姫らしき2人が、それぞれのひざに頭を乗せて寝ていた。
「この2人は……?」
誰だ……?いや、俺はこの2人を知っている。だけど名前が思い出せない。
思い出そうとすると頭にまた激痛が走る。まるで思い出して欲しくないと、俺自身が言っているようだった。
だが、そんな激痛に耐えながらも思い出した事がある。この2人の名前は確か、花の名前の筈だ。もがきながら花の名前を思い浮かべると、とある言葉を口にした。
「……六花」
『花』という言葉で何となくその言葉を口ずさみ、目を閉じて開けると世界は一瞬にして変わった。
目を開けた先には、美しい氷のような色をした髪に、雪の結晶がついた髪飾りと、透明なヴェールに黒を基調としたドレスを来た可憐な淑女、ティアドロップが我が子を見るかのような微笑みで俺を見下ろしていた。
そして頭の後ろには心地よい柔らかさと温もりが感じられる。どうやら今、俺は膝枕されているようだ。
_おはようございます。随分と長いお休みでしたね
ティアドロップは愛しく俺の髪を撫で、俺は昔の夢を見たような気がすると言った。
_まぁ、記憶を取り戻しつつあるんですね。それは良いことです
そうしてティアドロップはまた笑い、細長くて綺麗な指に髪が通る。まるで猫になったかのように気分が良くなり、眠気も不思議と戻ってくる。
_あら、まだ眠いですか?良いんですよ。私の膝の上でゆっくりと休んでください
そう言われて俺はまた目を閉じ、世界がまた変わった。暗く、何も無い世界となり、その中で優しく輝く竜が俺を守るように体全体で俺を包んでいた。
俺はこの竜を知らない。だけどどこか懐かしい。
「………ろ」
声が聞こえる。誰だ?
「……い!……き……」
そして俺は、目を覚ます。
「起きろ花衣!」
大きな声が耳に入ると同時に、俺は目が覚めて意識が覚醒する。
白い壁にメイクする為の大きな鏡と机が何個もあり、反対に顔を向けると焔と空が呆れた様な顔を浮かべていた。
「やっと起きたのかよ。もう少しでライブデュエルが始まるってのに、ギリギリまで寝るなよなー」
「んん……俺、いつの間に寝てたんだ?」
「俺が知るかよ。まっ、空も戻ってきたし、これで準備は万端だな。それよりも聞いてくれよ、空の奴本当はトイレじゃなくて雀の事が心配でこっそりついて……」
笑っている焔に目にも止まらぬ肘打ちが焔の横腹を打ち、打ちどころが悪かった焔はそのまま静かに悶えた。
「気にする事は無い。それよりも、もうすぐライブデュエル5分前だ。そろそろマネージャーさんが来るはずだが」
空が携帯で時間を確認するその後、ドアからノック音が聞こえ、そのままドアが開かれるとマネージャーさんがこの楽屋に入った。
「皆さんいますね?もうすぐでライブが始まりますので、こちらのインカムを付けてください」
人数分のインカムを渡されるとそのまま聞き耳に付け、試しにマネージャーさんが楽屋から一旦離れ、インカムからマネージャーさんの声がクリアに聞こえた。
他のインカムと違ってかなり高性能であり、ノイズも無く聞き漏らす事はなかった。
「おーなんか本格的に有名人の所にいるって感じがするな!」
「実際その通りですからね。では、ステージ裏まで案内いたします」
マネージャーさんの案内の下で楽屋から出て、廊下を歩くと、忙しなく動くスタッフ達が入り交じり、いよいよ始まるのかと緊張してしまい、手汗が溢れ出そうだった。
そんな忙しなさだからなのか、俺は走り回るスタッフの1人にぶつかってしまい、そのままぶつかった勢いは空にぶつかるまで止まらなかった。
「あぁ!ごめんなさい!」
ぶつかりながらもスタッフさんは謝り、俺も空にぶつかった事に一言謝った。
「すまない、空」
「大丈夫か花衣」
空が俺の肩に触れようとしたその時、空のカードの異常を思い出してしまい、俺は空から勢い良く離れ、空の手を振り払った。
「……?どうしたんだ花衣」
「あ……いや、何でもな……」
「無理があるぞ。そんな俺に怖がった目を向ければ尚更だ」
「っ……!」
思わず俺は空から目を逸らし、空は少し困った顔をした。
「……俺はお前に何かやったのか?だったらすまない」
「違っ、そうじゃない!空は何もしてない!」
「じゃあ教えてくれ。俺に対してのその目は何なんだ」
「……お前が怖いんじゃない」
「だったらなんだ」
「それは……」
ぐっと歯を噛み締めて何も言わないでいると、いつの間にかステージ裏へとたどり着き、ステージにはアリアさんとソナタさんがライブデュエル前のトークショーを始めていた。
「皆さんは合図があるまでここで待機して下さい。その間に、デュエルディスクにデッキのセットをお願いします」
「いしし、このカードをセットする感覚が癖になるんだよなぁ。しかもシャッフルする時も見ていて気持ちが良いぜ」
焔がデュエルディスクにデッキを差し込むと同時にデッキがシャッフルされ、これで焔の準備は完了した。俺達も急いで準備しなければ、後の進行に支障をきたしてしまう。
その事も空は分かったのか、空はこれ以上俺に何も言わなかった。
「……後で話して貰うからな」
そう言って空はデッキを差し込み、準備を終えた後に焔の所に行った。
俺も静かにデッキを差し込み、ステージ裏の壁際で一人合図があるまで待っていた。
「おい焔、花衣の様子おかしくないか?」
「あーやっぱり?なーんか最近変だよなぁ」
「そうだな……俺に対する目もいきなり変わったからな……お前から見て、俺は花衣に何かしたと思うか?」
「いやー特には無いと思うぞ?悩みがあるなら言えばいいのにな」
「……もしくは言えないのかもな」
「言えない?何でだよ」
「……命がかかっているとか」
「はぁ?何言ってんだお前」
「俺でもそう思ってるさ。……だが、あの怯えきった目、まるで本気で死に怯えている目だと思ってな」
時は過ぎ去り、2人のトークが終わるとようやくライブデュエルの時間が始まった。恐らく、もうすぐ合図が来るだろう。
『さぁ皆〜!いよいよ私達の3対3のデュエル、ライブデュエルが始まるよ!』
『あれー?でも、私たちは2人だよ?あと一人は誰なのかな?』
『よく聞いてくれたねソナタ。私達の味方となるのは〜この子!』
アリアさんが俺たちのいる所とは反対方向のステージ裏に手を伸ばすと、そこから白い煙が立ち上り、そこから黒い翼の作り物がステージに舞い上がり、その翼と共に雀……いや、黒翼トバリが登場した。
「ふ、ふはははは!!我が降臨を祝え愚民共!今日は我がこの者たちの力となってやろう!有難く思え!」
トバリの登場により会場の熱気は更に高まった。
「うおおお!トバリとミスメロが揃っている!これは……夢かっ?」
確かに、人気配信者とアイドルが揃っていれば、あんなコメントが口に出るのが分かる。
というか、そんな人達の後から俺達が出てくるという訳なのだが……ハードル高くないか?
何故ならこっちは有名人でも何でもないただの一般人。ロマンス・タッグデュエルで多少テレビには出ていたとはいえ、覚えている人は少ないだろう。
「さぁアリアとやらよ、我が贄となる者は誰だ?さては……貴様が我が贄となるのかな?」
「対戦相手って事だよね?それはもう用意してるよ。じゃあ行くよ……おーい皆来てー!」
アリアさんが手を上げる合図を送ると俺達がいるステージ裏とステージの通路に白煙が立ち上った。
「皆さん、ステージ上に出てください。無理に観客に手を振る等はしなくてもいいので、自然体でお願いします」
「うし!じゃあ行くか!」
「こっちは準備OKだ」
「俺も……よし、大丈夫だ」
「では、頑張って下さい!」
マネージャーさんの後押しで俺達は白煙を抜け、3人同時でステージ上に足を踏み入れた。
目印の立ち位置まで歩き、観客席の方を見ると満席になった観客達が俺達のことをじっと見つめ、見られることになれてない事から緊張が更に高まって心臓が飛び出そうだった。
「対戦相手はこの子達!皆ロマンス・タッグデュエルで居たけど覚えてるかな〜?」
「あ、あの真ん中にいる子って六花閃刀姫というとんでもないデッキを使ってた子か?」
「あの赤髪の子は脳筋アンデッドを使ってた奴か……?」
「そしてあの黒髪の子は……そうだ、あの六花閃刀姫の子とデュエルした子だ」
「そうそう!【ラグナロク】と【ファイナルフォートレス】だっけ?あの戦いは凄かったなぁ〜」
「それが3人揃ってるって……このデュエル、凄くなりそうだ〜!」
まばらだが俺達の事を知っている人は多く、アリアさん達程の反応では無いが、大いに盛り上がってくれた。もしそこでガッカリとかされたらこっちもこっちで心に来そうだし……
「じゃあ自己紹介ね!まずは焔くんから!」
「俺からかよ!えーと……炎山焔!使うデッキは不知火だ!ちょっとばかしすげぇカードがあるから見てくれよな!……です!」
「ありがとう〜!凄いカード……どんなのだろう?続いては空くん!何か一言!」
「……特には無い」
「ひゅ〜クールだねー。それとも……はずがしがり屋さんなのかな〜?じゃあ最後に花衣くん!」
「え?あっ……えと……」
ついにマイクが来てしまい、大勢の観客の前で俺は口籠もり続けてしまう。心臓の鼓動が早まり、何を言えば良いのか分からなくて頭が真っ白になる。
何も言い出せない時が少し過ぎると、横から霊体化したティアドロップが後ろからそっと俺の手を添え、そっと俺の耳に声を通した。
『大丈夫。ゆっくりと胸の内の考えを言ってください。私の呼吸に合わせて息を吸って吐いてください』
ティアドロップ呼吸に合わせ、ゆっくりと息を吸い込み、吸った空気を吐く。目を閉じてティアドロップの呼吸音や熱い吐息が感じる。
心做しかその熱い吐息が緊張の氷を溶かすかのように体の内側の冷たさが無くなり、冷たい手汗や荒い呼吸が収まった。マイクが近くにあるからティアドロップに礼は言えないが、ティアドロップは俺の顔を見て満足そうに笑顔を浮かべて姿を消した。
(ありがとな……)
「ん?花衣くん、どうしたの?」
「いえ、なんでもありません。……俺は、皆さんがたのしめられるデュエルが出来るか分かりませんけど、精一杯やりたいと思っています。えと、よろしくお願いします」
自分の心意義を観客に、そしてアリアさん達に向けて伝えると、アリアさんとソナタさん、そしてトバリは俄然やる気を出していた。
「ありがとう3人とも!それじゃ早速、デュエルを始めようか!!」
アリアさんが右手を上げて指を鳴らすと、ステージの隅にある四つの機械が作動し、中心部が虹色に光った。
「皆!準備良い!?ライブデュエル〜……スタートぉ!」
ステージ裏のスタッフさん達が炎の柱を発生させる機械を作動し、ステージの両端に2本の炎柱が立ち昇ると同時に軽快なBGMが鳴り響く。
巨大スピーカーの重低音が体全体をドンと刺激され、観客達も始まりのパフォーマンスで大盛り上がりだ。
「それじゃあ先行後攻を決めるのはコレ!お互いはデッキの上からカードを1枚めくり、攻撃力の合計が高い方が先行か後攻を選べるよ」
「そして、その中から一番最初の人を選び、その次に私達の誰かが2番目を選ぶって訳」
つまり、仮に俺達が先行を取るとすれば、俺達の何の誰かが1番最初にスタートし、2番目に向こうのチーム、3番目は最初にやった奴以外のどちらかがやるという、ロマンス・タッグデュエルの順番形式だ。
デュエルディスクのデッキがエクストラデッキ事シャッフルされ、俺達は戸惑ったが、それと同時にインカムからマネージャーさんの声が聞こえる。
『大丈夫です。このドローが終わればデッキは自動的に仕分けられます。存分にドローして下さい』
「んだよ驚かせるなよー」
「まだまだ驚くのはこれからだけどな……」
「それじゃあ皆行っくよ〜!」
「ふんふふーん、何が出るかな〜?」
「ふっ、常世の闇を作り出す、この原初の闇……サタニティ・ドローを見るがいい!」
向こうは一斉にカードをドローすると、引いたカードはアリアさんがソドレミコード・グレーシアの攻撃力2100。
ソナタさんはトリックスターバンド・ギタースイートの攻撃力2200
最後にトバリのA BF-神立のオニマルの攻撃力3000。
合計攻撃力は7300となった。
「うっしゃ!行くぜ!」
「さっさと始めるぞ」
「よし、ドロー!」
俺達も同時にドローすると、焔が炎神-不知火の攻撃力3500
空がRR-サテライト・キャノン・ファルコンの攻撃力3000
そして最後、俺が引いたのは六花精スノードロップの攻撃力1200。
合計攻撃力は7700。こちらの勝利だ。
「うわぁ〜惜しい〜!じゃあ、どっちが先行にする?」
「うっしゃ先行!んで、誰から行く?」
「俺から行こう」
最初の先行を請け負ったのは空だった。確かにこれは望ましいだろう。1ターン目からアルティメット・ファルコンを呼び出す事が出来れば、毎ターンのエンドフェイズ時に相手に1000ダメージかモンスターの攻撃力を下げる事が出来る。
このルールに置いては、最強格とも言える他、相手チームの1番目か2番目の人がアルティメット・ファルコンをどうにかしなければ相手チームの3番目……つまり、このデュエルで1番最後のターンの人は、何も出来ずに終わってしまう事だって有り得る。
「じゃあ2番目は……花衣で良いだろ。んで、大トリが俺だな!」
「確かに、俺と花衣で妨害し、お前が決める戦法が良さそうだ。頼むぞ、焔、花衣」
「あ……あぁ」
空と焔に対して気まずい感情が渦巻き、これ以上何も言う事は無かった。
相手チームも順番が決まったらしく、ステージ奥の大型モニターには、その順番が表示された。
まず一番最初は空、2番目はソナタさん、3番目は俺、4番目はアリアさん、5番目が焔、そして最後がトバリだった。
「やっぱりトリックスターを最初に入れてきたか……」
「うへぇ、向こうもガチって訳か」
『当然です。では皆さん、全力でよろしくお願いしま
す』
「望む所だぜ!」
「よーし、それじゃあ皆準備はいい!?じゃあ司会者!あとはよろしく!」
「かしこまりー!デュエルある所に私あり!実況は私Mixがお送りいたします!」
ステージ裏からまるで体に重りが無く、その場だけ重力が無いかの様なバク転をしながらMixさんが登場した。
「おや?そこにいるのは花衣さんじゃ無いですか!この間のピックアップデュエルでも会いましたし、何かと縁がありますね〜!」
「え?そうなのか花衣?」
「まぁね。本当によく会うよ」
「まぁそれはさておき、実況は私がやりますので皆さんはデュエルに集中してください!では……これより、ライブデュエル……開始!!」
「「「デュエル!」」」
「俺のターンからだ。俺は手札から【RR-バニシング・レイニアス】を通常召喚」
バニシング・レイニアス
レベル4/鳥獣族/ATK1400/DEF1200
ステージの中央からバニシング・レイニアスが飛び出すと、観客達はこの投影されたモンスターを見て興奮を隠せずにいた。
それはそうだ、誰しも1度は夢に見たであろう、自分が召喚したモンスターが目の前いる景色なのだから。
俺達は1度体験したから慣れてはいるが、やはりこういう光景は感慨深いものがある。そう思っているといきなりモンスターがいきなりバニシング・レイニアスの体が光だし、緑色の身体が水色にペイントされ、バニシング・レイニアスの頭には麦わら帽子が被された状態でバニシング・レイニアスは雄叫びをあげた。
「…………はっ?」
突然のバニシング・レイニアスの体の変化に空は空いた口が塞がらず、俺達も唖然としていた。
『……ん?おっと、今入った情報ではこのライブデュエルで召喚されるモンスターはサマー仕様になるそうですね。えーと、機械系から夏っぽい色にし、女性モンスターなら水着姿……だと!?』
Mixさんの言葉に観客達は騒然とし、それを聞いた焔はわなわなと体を震えさせた。
「マジか……じゃあつまり、モンスターの水着が目の前で見れる事じゃねぇかぁぁぁぁ!!」
『その通り!野郎ども!今ここにはドレミコードとトリックスターと六花が集っています!女の子の水着が見たいかぁぁ!?」
ウオオオオオオオオ!!!
大きな叫び声で鼓膜が破れそうだ。これ以上ない興奮に観客達は早く早くと六花達の水着衣装が見たかった様子だ。
「おいお前ら!【エフェクトヴェーラー】積んでるか!?」
「俺は無いな」
「うーん、閃刀姫デッキの方なら多分積んでた様な……」
「ちくしょう〜!これならあのモンスターが男か女どちらかの正体が分かるのによ〜!惜しいぃ!」
「……水着システムの所申し訳無いが続けるぞ。【バニシング・レイニアス】の効果で、俺は手札から【RR-トリビュート・レイニアス】を召喚。効果で俺はデッキから【RR-ミミクリーレイニアス】を墓地に送る」
トリビュート・レイニアスも頭にサングラスと麦わら帽子と、まさに南国に休んできた鳥の様な感じだ。気高さも微塵も無いな……
『さぁ、トリビュートからのミミクリーの墓地送りは黄金ムーヴの1つだ!しかしこれで手札は2枚で使える場は1つ!少ない場面でどう展開するのか!?』
「俺は墓地の【RR-ミミクリー・レイニアス】を除外し、デッキから【RR-ストラングル・レイニアス】を手札に加え、魔法カード【翼の恩返し】を発動。俺のライフを600払い、2枚ドローする」
機羽空:残りライフ4000→3400
初期手札4枚からこの展開と手札補充……流石空、ぬかりないな。
「俺は場のモンスター2体でリンク召喚!」
『空さん、そのモンスターは展開の要なので口上の程、お願いします』
「わかってる。……来い!新たなる同胞!リンク2【RR-ワイズ・ストリクス】!」
ワイズ・ストリクス
LINK2/リンク/鳥獣族/ATK1800
「出たぁぁぁ!そしてこのモンスターもサングラスになんとハイビスカスをかけています!夏を満喫してそうですね〜」
「イメージが壊れるだろ……【ワイズ・ストリクス】の効果でデッキから【レイダーズ・ウィング】を特殊召喚する」
『因みに【ワイズ・ストリクス】で特殊召喚されたモンスターはリンク素材には出来ません!』
「だからこそ使わせてもらう。俺は手札から【RR-ストラングル・レイニアス】を特殊召喚し、エクシーズ召喚!来い!【RR-フォース・ストリクス】」
RR-フォース・ストリクス
ランク4/エクシーズ/ATK500/DEF2000
「【フォース・ストリクス】のエクシーズ素材を取り除き、デッキから2枚目の【RR-トリビュート・レイニアス】を加える」
これで空の場には、リンクモンスター1体とエクシーズモンスター1体、そしてワイズ・ストリクスがいる状態でエクシーズモンスターの効果を発動したという事は……
「【ワイズ・ストリクス】の効果発動。エクシーズモンスターが効果を発動した時、デッキから【RUM】をセットする。俺は【RUM-レイド・フォース】をセット」
『ここでランク5にランクアップも出来ますが……?』
「この時点ではまだ使わない。俺は手札の【RUM-スキップ・フォース】を捨てることで、エクストラデッキから、ランク6【RRーレヴォリューション・ファルコン。エアレイド】を、【フォース・ストリクス】に重ねて召喚する!」
「えぇ!?いきなりランクアップ!?」
「まだ終わらない。ここでセットしていた【レイド・フォース】発動。俺の場のエクシーズモンスター1体のランクを1つあげる。俺の場にいる【レヴォリューション・ファルコン】のランクは【6】よって、ランク7にランクアップだ!」
カードの発動と共にレヴォリューション・ファルコンが空高く舞い上がり、太陽を背に新たな姿へと生まれ変わった。
……やっぱり装甲食が水色オレンジ色んなとかペンキを派手にぶちまけた様な色とかでちょっと残念だけど。
「ランクアップエクシーズチェンジ!ランク7【RRーアーセナル・ファルコン】!」
RRーアーセナル・ファルコン
ランク7/エクシーズ/鳥獣族/ATK2000/DEF2800
「【アーセナル・ファルコン】の効果発動!エクシーズ素材を取り除き、デッキからレベル4鳥獣族【ファジー・レイニアス】を召喚」
これで空の場には、エクストラモンスターゾーンに1体と、メインに2体……そして手札は2枚。確かその内の1枚は2枚目のトリビュート・レイニアスだったな。
「行くぞ!俺はこの三体でリンク召喚!召喚条件は【獣族、獣戦士族、鳥獣族モンスター2体以上】!」
空のフィールドにリンクマーカーが現れると、リンクマーカーに飛び出したモンスターは3体だが、光出したマーカーの数は四つだった。
「これって……リンク4!?」
「獰猛な爪研ぎし戦士、今その翼を翻し、全てを穿て!リンク4【鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ】!」
鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ
LINK4/リンク/鳥獣族/ATK3000
空の場に黒を基調とした服と身長の倍ぐらいある巨大な銃と羽を広げた戦士が舞い降り、その戦士はペストマスクとは少し違った鳥を模したマスクを被っていた。
「素材になった【ファジーレイニアス】の効果で、俺は同名カードをデッキから1枚手札に加える」
「と……
「初めて見るのか?
そういえば、召喚条件が鳥獣族モンスター2体以上だ。レイドラプターズは全てが鳥獣族だから出せたのか……
「ところで、このシュライグって奴は姿変わらない様な気がするけど……」
するとフィールドにいるシュライグがマスクを取り出すと、中にはなんと巨大な銃を背負っているとは思えないほどのイケメンな男の素顔が顕になり、何食わぬ顔でサングラスを頭のうえに掛けており、青色のジュース……ソーダかな?それを飲んでいた。
どうやらシュライグ本人もこの夏を楽しんでいるようだ。
「お前もか……まぁいい。続けるぞ。リンク素材になった【アーセナル・ファルコン】の効果発動。こいつが素材を持ったまま墓地に送られた時、エクストラデッキから【RR】モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。俺はランク10【RR-アルティメットファル】……」
『空さん、そこも口上をお願いします』
「これもかよ……ふぅ、気高き黒金の翼を持った隼よ、その名を持って反逆の意志を貫き、全てを焼け!現れろ!ランク10【RRーアルティメット・ファルコン】!」
RRーアルティメット・ファルコン
ランク10/エクシーズ/鳥獣族/ATK3500/DEF3500
『出たァァァ!!【アルティメットファルコン】!序盤から来るとは本気度MAX!』
「【アーセナル・ファルコン】の効果で、【アルティメットファルコン】の素材になる。そして俺はこれでターンエンド。そしてエンドフェイズ時、お前達に1000のダメージだ!」
アリア 残りライフ:4000→3000
ソナタ 残りライブ:4000→3000
トバリ 残りライフ:4000→3000
1ターン目終了
ソナタ アリア トバリ
ライフ:3000 ライフ:3000 ライフ:3000
手札:4 手札:4 手札:4
□□□ □□□ □□□
□□□ □□□ □□□
① □ □ □ □ □
②□□ □□□ □□□
空 花衣 焔
ライフ:3400 ライフ:4000 ライフ:4000
手札:3 手札:4 手札:4
①:鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ
②:RRーアルティメット・ファルコン
『さぁ、【アルティメット・ファルコン】でいきなり1000バーンを貰いましたが、これをどう乗り切るか!このままではトバリさんが何も出来ずにジ・エンドです!』
「そうはさせない。私のターン!私は【手札断殺】発動!皆は手札を2枚捨てて、2枚ドローして」
いきなりの手札交換か。4枚だから半分も捨てることになるが、その分ドロー出来るのはまだマシだ。幸い、俺の手札には捨てられるカードはある。全員それぞれに2枚捨てて2枚ドローすると、ソナタさんはニヤリと笑った。
「それじゃああの鳥をどうにかするよ。私は【トリックスター・キャンディナ】を召喚〜!」
トリックスター・キャンディナ
レベル4/天使族/ATK1800/DEF400
フィールドにキャンディナが現れるとやはりあのモンスターの服が水着姿へと変わり、キャンディナは自身のカラーと同じ黄色のフリルの水着へと姿を変えた。
キャンディナはその水着を観客に見せびらかすようにくるりと回転し、観客達に手を振ると観客の男性は歓声を叫んだ。
「うっひょぉ〜トリックスターモンスターの水着も良いなぁ〜俺は早くホーリーエンジェルが見て見て〜!」
「じゃあリクエストに応えあげる♪でもその前に、【キャンディナ】の効果でデッキから……」
「おっとそれはさせねぇよ!俺は手札の【灰流うらら】を墓地に送り、そのサーチ効果を無効にさせて貰うぜ!」
「ムッ、意外といけずだね」
「勝負事だからな、マジでやらせて貰うぜ」
これでソナタさんのサーチは妨害出来たが、ソナタさんの思惑は止まらなかった。
「私は魔法カード【トリックスター・フェス】を発動し、トークンを2体特殊召喚。そして、このトークンでリンク召喚」
ソナタさんの前にもリンクマーカーが現れ、ソナタさんは華麗なステップを踏みながらも、召喚続けた。
「天使の笑顔で皆を笑顔に!でもその甘さの裏は秘密だよ♪リンク召喚!リンク2【トリックスター・ホーリーエンジェル】!」
トリックスター・ホーリーエンジェル
LINK2/リンク/天使族/ATK2000
ホーリーエンジェルはなんと黒の水着で登場し、焔はホーリーエンジェルの水着や飛び出している胸を鼻の下を伸ばしてガン見していて。
「うぉぉなんじゃありゃあ……バルンバルンに揺れてやがるぜ……」
「どこ見てるんだお前は……」
「まだだよ。更に手札の【トリックスター・マンジュシカ】の効果で、【キャンディナ】を手札に戻し、【ホーリーエンジェル】のリンク先に特殊召喚!」
キャンディとマンジュシカがフィールドに現れてハイタッチでフィールドを入れ替わると、マンジュシカの服も少し薄赤い水着になった。
こう目の前に女性の水着があると少しやりづらいな……目のやり場に困るのが本音だ。
「【ホーリーエンジェル】のリンク先にモンスターが召喚されたから、貴方達の誰かに200のダメージを与えるよ。私が選ぶのは……焔君、君だよ」
「げっ、俺かよ!」
「さっきのうららのお返しだよ」
フィールドのホーリーエンジェルが胸の谷間の中から棒を取り出し、棒を振ると先から茨の鞭の先端に棘付きの鉄球が作られ、ホーリーエンジェルは嗜虐心が見え隠れしている笑顔で鞭を振り、焔の体に傷つけた。
だが、ソリッドビジョンなので体のダメージは無い。
焔 残りライフ:4000→3800
「くっそ……4000で200はまぁまぁいてぇぞ」
「そして、効果ダメージが発生した時、墓地の【青い涙の天使】の効果発動!デッキから通常罠をセットしてターンエンド」
「何を伏せたか知らないが、問答無用で【アルティメット・ファルコン】の効果により、お前以外の相手プレイヤーに1000のダメージを受けてもらうぞ!」
「そしてこのエンドフェイズ時、俺も墓地の【六花のひとひら】の効果で墓地から特殊召喚!」
「私の【手札断殺】の効果で墓地に送ったモンスターかな?やっぱりやるね、皆」
2ターン目終了
ソナタ アリア トバリ
ライフ:3000 ライフ:2000 ライフ:2000
手札:1 手札:4 手札:4
□□⑤ □□□ □□□
□③□ □□□ □□□
① ④ □ □ □ □
②□□ □⑥□ □□□
□□□ □□□ □□□
空 花衣 焔
ライフ:3400 ライフ:4000 ライフ:3800
手札:2 手札:4 手札:3
①:鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ
②:RRーアルティメット・ファルコン
③:トリックスター・マンジュシカ(守備表示)
④:トリックスター・ホーリーエンジェル(ATK1000)
⑤:伏せカード
⑥:六花のひとひら
『さぁさぁ、【アルティメット・ファルコン】により苦しい状況が続いておりますが、次のターンは花衣選手!花衣選手は【ひとひら】を出したので、恐らく今回のデッキは六花デッキなのかそれとも……!?』
「俺のターン!」
「この瞬間私は罠発動!【最終兵器ダルマキャノン】!」
「このタイミングで罠!?」
「しかもあのカードは……くそっ、厄介な奴を伏せたものだ」
「このフィールドにいる全てのモンスターは、全員裏守備表示にしてもらうよ。私は【マンジュシカ】を、花衣くんは【六花のひとひら】を裏守備にして」
だけど空のアルティメット・ファルコンは他のカード効果を受けないし、リンクモンスターであるシュライグとホーリーエンジェルは裏守備にはならない。
わざわざ俺の初動を止めるためにしては随分と早いタイミングだと思うけど……
「この罠には続きがあるよ。このカードを使った後、裏守備になってないモンスターのコントローラーは、そのカードを墓地に送らないと行けないの」
「え?それってつまり……」
「俺の【アルティメット・ファルコン】と【シュライグ】は墓地に送りられるという事だ。【アルティメット・ファルコン】の対策に入れてたんだろうな」
「そういう事、君と花衣くんのデュエルを見てたからね」
確かに、ロマンス・タッグデュエルと同じようなルール形式のこのデュエルは、アルティメット・ファルコンはかなり脅威だ。対策されるのは当然と言えば当然だろう。
「だがお前の【ホーリーエンジェル】も墓地に行き、墓地に送られた事で【シュライグ】の効果を発動させる。自分の除外されているカード以外のレベルの獣族、獣戦士族、鳥獣族をデッキから手札に加える。俺が除外しているのは【ミミクリー・レイニアス】1枚。俺はレベル1の【RR-ラスト・ストリクス】を加える」
『これで【アルティメット・ファルコン】を凌いだ他、空選手の場はがら空き!しかも六花の初動を封じられた花衣選手にはキツイでしょう!』
確かにひとひらは展開の初動の要だ。ここを封じられてしまっては、ここからの展開は厳しくなる。
……だが、それを見越して俺はデッキを改良した。六花や閃刀姫達には猛反対されたが、ピックアップデュエルで、色んなごちゃまぜなデッキを見ては新たなコンボが生まれ、乗り越えてきた人は大勢いた。
それを見て、俺は自分自身の新しい可能性を見出したい。勿論、六花達や閃刀姫達……皆と一緒にな。
「行くぞ!俺のターン!」
炎天下の夏、観客と俺達の熱狂を渦巻くデュエルが今、始まった。
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