六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

91 / 196
こんにちは(」・ω・)
今回で3対3のライブデュエルは一応終わりますが、この章自体はまだまだ続きます。
ほのぼのパートは終わりだ(絶望)

そして出ます。出ますよ新しいレゾンカード。まるでレゾンカードのバーゲンセールだな(某サイヤ人の王子)

個人的に思って、今まで出たレゾンカードの中でどれが1番強いんだろうと思い浮かべてしまいました。アンケートでも取りましょうかね?


魂宿る刀

 

『さぁ!3対3の変則デュエル、【ライブ・デュエル】は波乱の状況になっています!それもそのはず、何と新たにレゾンカード所持者が2人、この場にいるのですから!』

 

 レゾンカード、この遊戯王というカードゲームを運営している会社であると同時に、世界的に有名な会社であり、その影響力は凄まじい。そんなレゾンは、どのような条件かは分からないが、不特定人物にある1枚のカードを渡している。

 

 それが、レゾンカードと呼ばれる物だ。レゾンカードはこの世に1つしか無いカードであり、そのどれもが強力なカードだ。そんな幻のレアカード的な存在だが、また新しく数種類もこの場にあると知れば当然、驚きは生まれる。

 

「またレゾンカードだ!羨ましいぞー!」

 

「バカつえぇー!!どっちが勝つんだ!?」

 

 客も大騒ぎになっている中、現在の状況はこんな感じだ。

 

 ソナタ   アリア   トバリ

 

 ライフ:3000 ライフ:800 ライフ:2000

 

 手札:1    手札:1    手札:3

 

 □□□   □□④   ⑬⑭⑮

 □①□   ⑤③⑥⑯  ⑫⑪⑩

 □ ⑧   ⑦ □   □ ⑨

 □□□   □②□   □□□

 □□□   □□□   □□□

 

 空     花衣    焔

 

 ライフ:300 ライフ:4000 ライフ:3800

 

 手札:1    手札:2    手札:1

 

 ⑧:RRR-リノベイル・イグニッション・ファルコン(守備表示)

 ──────

 ①:トリックスター・マンジュシカ(裏守備表示) 

 ──────

 ②:六花のひとひら(裏守備表示)

 ──────

 ③:ドドレミコード・クーリア(守備表示)

 ④:ドドレミコード・キューティア

 ⑤:ラドレミコード・エンジェリア(守備表示)

 ⑥:シドレミコード・ビューティア(守備表示)

 ⑦:グランドレミコード・クーリア

 ⑯:ドレミコード・ハルモニア

 ──────

 ⑨:BF-フルアーマード・ウィング(守備表示)

 ⑩:フルール・ド・バロネス

 ⑪:ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン(カウンター2)

 ⑫:BF-アーマード・ウィング

 ⑬:黒き旋風

 ⑭:常闇の颶風

 ⑮:黒羽の旋風

 

 

 状況は完全にこちらの不利だ。今はソナタさんのターンだが、空のレゾンカードRRR-リノベイル・イグニッション・ファルコンの効果でソナタさんはこのターン、モンスター効果を発動出来ず、さらに空のモンスターに攻撃しなければならない状況下にある。

 

 これで安心……とは行かない。何故ならソナタさんの裏側モンスターはマンジュシカだ。

 

 確か、マンジュシカの効果テキストにあるバーンダメージは発動しない効果だ。

 

 効果を使用する為には発動しなければならいないんじゃと最初は思っていたが……どうやらテキストに『発動』と書かれていなければ発動する効果とは扱わないらしい……。

 訳が分からなくなりそうだが、端的に言えば、空の効果はほぼ不発に終わる可能性もある。

 

 だが空はこのターンライフを削る事は無い。何故なら空はソナタさんのターンの初め、墓地にあったRR-レディネスを除外した事によってこのターン受けるダメージを0にしている。いくらトリックスターで効果を発動しようがしまいが、ソナタさんにダメージを与える術は無い。

 

「うーん、ダメージを与えられないなら仕方無いかな。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

「この瞬間、【イグニッション】の効果発動だ。俺が効果を発動して相手が攻撃しなかった時、相手に2000のダメージを与える」

 

「嘘でしょ……写真アプリ並に盛りすぎでしょ……」

 

 ごもっともな意見に上空に飛び立ったイグニッションは翼から無数のビームの弾丸をソナタさんの周りに打ち続け、ソナタさんのライフは一気に減った。

 

 ソナタ:残りライフ3000→1000

 

「更にエンドフェイズ時、【イグニッション】のエクシーズ素材に墓地の【RR-サテライト・キャノン・ファルコン】を素材にする」

 

 8ターン目終了

 ソナタ   アリア   トバリ

 

 ライフ:1000 ライフ:800 ライフ:2000

 

 手札:1    手札:1    手札:3

 

 □⑱⑰   □□④   ⑬⑭⑮

 □①□   ⑤③⑥⑯  ⑫⑪⑩

 □ ⑧   ⑦ □   □ ⑨

 □□□   □②□   □□□

 □□□   □□□   □□□

 

 空     花衣    焔

 

 ライフ:300 ライフ:4000 ライフ:3800

 

 手札:0    手札:2    手札:1

 

 ⑧:RRR-リノベイル・イグニッション・ファルコン(守備表示)

 ──────

 ①:トリックスター・マンジュシカ(裏守備表示)

 ⑰⑱:伏せカード 

 ──────

 ②:六花のひとひら(裏守備表示)

 ──────

 ③:ドドレミコード・クーリア(守備表示)

 ④:ドドレミコード・キューティア

 ⑤:ラドレミコード・エンジェリア(守備表示)

 ⑥:シドレミコード・ビューティア(守備表示)

 ⑦:グランドレミコード・クーリア

 ⑯:ドレミコード・ハルモニア

 ──────

 ⑨:BF-フルアーマード・ウィング(守備表示)

 ⑩:フルール・ド・バロネス

 ⑪:ブラックフェザー・ドラゴン・アサルト(カウンター2)

 ⑫:BF-アーマード・ウィング

 ⑬:黒き旋風

 ⑭:常闇の颶風

 ⑮:黒羽の旋風

 

 

「おいおい空、大丈夫か?このままだとお前【ブラック・フェザー】のバーンで負けるぜ?」

 

「あぁ。もう俺の墓地に【レディネス】は無い。だから花衣、頼んだぞ」

 

「分かってる。俺のターン!」

 

 とにかく俺がやるべき事はトバリのブラックフェザー・ドラゴンを何とかしなければならない。

 あれがある限り、モンスター効果を発動する度に700の効果ダメージが与えられる為、不利が続く所か空はあれで終わってしまう。かといって俺も5回モンスター効果を使ってしまえばこれ以上効果は使えない。何とか少ない効果でブラックフェザー・ドラゴンを何とかしなければ……

 

 だが、最初のソナタさんのターンに墓地に送ったカードは、ひとひらの他にもう1つある。これを利用するのは今しか無い。

 

「俺は墓地の【ブレイクスルー・スキル】の効果発動!このカードを除外し、【ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン】の効果を無効にする!」

 

「うぐっ、小癪な真似を……!」

 

「俺は【ひとひら】を反転召喚し、手札から【アロマージ・ローリエ】を特殊召喚!」

 

『おっと!ここで【アロマージ】が登場!このルールでは3人のライフ合計が相手3人のライフを上回って居れば、【アロマージ】のライフ有利の効果が使えます!』

 

「俺は【ひとひら】と【ローリエ】でリンク召喚!リンク2【アロマセラフィー・ジャスミン】!そして【ローリエ】が墓地に送られた事により、俺は500ライフを回復する」

 

 花衣 残りライフ:4000→4500

 

 アロマセラフィー・ジャスミン

 LINK2/リンク/植物族/ATK1800

 

「ライフを回復したので【ジャスミン】の効果発動。俺は【六花のしらひめ】を加えます。更にリンク召喚に成功した時、手札の【パラレル・エクシード】を特殊召喚!そして効果でもう一体をデッキから特殊召喚!」

 

『これでレベル4のモンスターが2体!来るか!?』

 

「俺はレベル4の【パラレル・エクシード】2体でエクシーズ召喚!頼むぞ!【六花聖ストレナエ】!」

 

 六花聖ストレナエ

 ランク4/エクシーズ/植物族/ATK2000/DEF2000

 

 やはりストレナエもこのライブデュエル仕様の水着へと変わり、いつも来ている衣装にとても似ている黄色のワンピース型の水着を着ては、そのまま浮き輪も装備していた。頭の上にはストレナエもつけている紫の花の輪っかもそのまま付けられており、正しく夏バージョンと行ったところだ。

 

 そんなストレナエだが……物凄く不機嫌そうだった。ぷくりと頬をふくらませたストレナエはフィールドから離れて俺に向かって走り出し、物申した来た。

 

「ど、どうしたストレナエ。水着……嫌だったか?」

 

『ううん、水着は嬉しいよ!だけど、召喚口上とか無いの?』

 

「うぇ?」

 

『私だって召喚口上欲しいの!ティアドロップとカンザシだけずるいずるい〜!!』

 

 ストレナエはジタバタ地団駄を踏んでそう言った。なるほど……短い召喚口上が気に入らなかった訳か。これには俺は苦笑いを浮かべ、見ている人達は何やらほっこりしているような顔をしていた。

 

『お〜?何やら不機嫌な様子ですね。どうやら召喚口上が無いのに怒ったのか?くぅ〜可愛いー!!』

 

「なんか言ってやったらどうだ?花衣」

 

 焔もからかいながらにやけており、是か非でも召喚口上を言う流れになった。

 

 ストレナエの口上か……ストレナエの効果は墓地にある六花カードを手札に戻したり、リリースしたら別の植物族エクシーズモンスターになれる効果だ。

 

 そんな効果は性格故の物なのか、ストレナエは自由奔放な性格だ。自由で、明るくて……純粋……。

 

 ストレナエに似合う言葉を探し、一つ一つの言葉を頭の中で繋げると、即興だが1つの口上が出来た。目の前にいるストレナエに聞かせるように、俺はもう一度召喚口上を放った。

 

「無垢なる花よ、爛漫に咲き、自由に咲き乱れろ!来い!ストレナエ!……これでどうだ?」

 

 自由で、明るくて、六花の中でも1番明るくて何にでもなれるストレナエに似合いそうな言葉を選んだつもりだが……結果はストレナエ自身によって決まる。

 

 召喚口上を聞いたストレナエの反応は……笑っていた。

 

『えへへ!うん、良いよ!花衣君が考えてくれた物なら嬉しいな!よーし!頑張るからね!花衣君!』

 

 どうやら気に入ってくれたようであり、どんと胸を張ってフィールドに戻ってくれた。

 

「よし、続けます。俺は手札の【しらひめ】を効果で特殊召喚し、【ジャスミン】とリンク召喚!【森羅の舞踏娘ピオネ】をリンク召喚!

 

森羅の舞踏娘ピオネ

 LINK2/リンク/植物族/ATK1800

 

「効果発動!デッキの上から3枚捲り、その中から植物族がいれば、2体まで特殊召喚可能!」

 

 ピオネの効果で3枚めくると、結果はスノードロップ、ボタン、そして六花の誓いだった。

 

 考えうる中でも最高の結果だ。これなら俺が想定していたことよりも良い盤面が作れそうだ。

 

「俺は【スノードロップ】と【ボタン】を特殊召喚し、【六花の誓い】を墓地に送ります」

 

 ピオネによって特殊召喚された二人もフィールドに登場し、例外無く水着姿になっていた。

 

 ボタンは黒いレオタードのような水着に金色の模様が描かれ、特徴的な赤い帯のようなものが腰から右足の太ももに巻かれおり、ボタンのイメージ通りの中華系に纏まっていた。

 

 対してスノードロップは水着と言うよりも夏服といった印象だ。白い水着に大きい胸を包む様なリボンデザインに、下はなんとホットパンツであり、スラリとした足を強調させていた。

 

『ふふーん、どう花衣君?似合うかな?』

 

『これで花衣もイチコロアル!』

 

 2人とも悩殺するようにセクシーポーズを俺に向けており、正直目のやり場に困る。

 

 スノードロップは自身のモデル体型を強調させ、ボタンはスラリとした足を見せびらかしている。これはソリッドビジョン、ホログラムだって事は分かっているんだ。だけど、本物と遜色無い光景は、ホログラムとか関係無い。悩殺ポーズを続ける2人に折れた俺はその場でしゃがみ混み、白旗があれば上げたい気分となった。

 

「お〜やっぱ六花も良いなぁ!なぁ花衣、ちょっとどけて俺も目の前で見せてくれよ〜」

 

 そう言って焔も、六花達の水着姿を間近で見ようとすると、ボタンとスノードロップは氷の傘を目の前で広げ、焔には水着を見せないようにしていた。

 

「はっ?ちょ、良いだろ少しぐらいよ〜」

 

 焔は是か非でも見ようとしていたが、2人は譲らずに傘を広げ、水着を近くでは見せないようにしており、焔はガーンとショックを受けた。

 

『おおっとまさかの見せるのを拒んでいます!持ち主である花衣選手以外には見せないでいるのか?これは花衣選手モテモテですなー!』

 

「ちぇ、つれないな。へへっ、モテモテだなお前」

 

 仕方なと思いながら焔はニヤニヤと笑っており、ここでもからっていた。相変わらず人の反応を見るのが好きな奴だ。良い性格してるよ全く……

 

「続けるぞ二人とも。植物族によって特殊召喚されたから【ボタン】の効果発動!デッキからフィールド魔法【六花来々】を加えて発動!」

 

 ライブデュエルのフィールドに柔らかな雪が降り、夏なのに雪が降るという不思議な現象が起こった。

 

「【六花来々】の効果発動!デッキから【六花】魔法・罠カードを直接セットできる。俺は罠カード【六花の薄氷】をセットし、【スノードロップ】の効果発動!【ボタン】のレベルをこいつと同じ8にする!」

 

『さぁこれでレベル8のモンスターが2体!来るか!?来るのか!?水着姿のあの人がっ!』

 

「俺はレベル8の【スノードロップ】と【ボタン】でエクシーズ召喚!」

 

 エクシーズ召喚特有の光の穴がフィールドに現れ、スノードロップとボタンが光となって穴に飛び込むと、また新たな光が生まれる。

 

「逢瀬の時を超え、頬を伝う涙の秘めたる想いを今ここに咲き誇れ!来い!【六花聖ティアドロップ】!」

 

 六花聖ティアドロップ

 ランク8/エクシーズ/植物族/ATK2800/DEF2800

 

『出たァァァ花衣選手の切り札!【六花聖ティアドロップ】!』

 

 ドレス姿のティアドロップが光を纏って白色のパレオが特徴的な水着となった。パレオ部分が六花模様となっており、他と比べて露出面が少ないが、ティアドロップの魅力に合った水着だった。

 

『ふふ、どうですか花衣様。私の水着姿は?』

 

 水着姿となったティアドロップは俺に近づき、ウィンクや投げキッスをしたりして悩殺しようとしていた。

 

「似合ってるよ」

 

『ふふ、それは何よりです。ですがこれは貴方だけに見せるものですから……他の男には見せられません』

 

 するとティアドロップは氷の傘を開き、水着の全容を見せないようにしていた。

 

「だぁぁ〜ティアドロップもお前だけにかよ〜!まぁちょっと見れただけでもいっか!」

 

「まぁとにかく。まだこれからだ。【ストレナエ】の効果発動!墓地から【六花の誓い】を手札に加える」

 

『ここで花衣選手もレゾンカード投入だ!』

 

「させないよ。罠発動【トリックスター・リンカーネーション】。貴方の手札を全部除外して、その分カードを引いてね」

 

「なっ!?」

 

「それを発動されると困るからね〜。ささ、早く除外除外〜」

 

 俺の手札は2枚で、そのうちの一つはさっき加えた六花の誓いだ。まさかここであれを発動させるとは思わず、しぶしぶ六花の誓いを除外し、新たにカードを2枚引いた。

 

 一応、俺には通常召喚の権利を残してはいる。まだ動けるには動ける。

 

「俺は【トリオンの蟲惑魔】を通常召喚。そして効果で

 デッキから【奈落の落とし穴】を加えます。更に【トリオン】と【ピオネ】でリンク召喚!来い!【クラリアの蟲惑魔】!」

 

 クラリアの蟲惑魔

 LINK2/リンク/植物族/ATK1800

 

 クラリアも水着となり、白色のフリルが特徴的な水着だ。六花と違う点は……やはり露出度が際どい点だ。

 

 クラリアの水着は胸と腰がギリギリ隠せる程小さく、少しでも引っ張ったら生まれたままの姿を晒してしまう程だ。あまりの際どさにこっちが気が気でならない。

 

「バトルだ!そしてこの瞬間、【ティアドロップ】の効果で【ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン】をリリース!」  

 

 六花聖ティアドロップ:ATK2800→3000

 

「くっ、破壊では無いから【黒羽の旋風】の破壊無効効果を受けない……かっ!」

 

 これで空のバーンダメージでの敗北は回避され、ひとまず安心だ。

 この状況なら、一斉攻撃すればソナタさんのライフを尽きさせる事は可能だ。伏せカードやティアドロップの効果もあるから、充分に対処は可能な筈……ここは一気に攻めあるのみだ。

 

「俺は【ティアドロップ】でソナタさんのモンスターに攻撃!」

 

「ふふ、かかった」

 

「えっ……?」

 

「罠発動。【聖なるバリア-ミラーフォース-】」

 

「げっ……!」

 

「攻撃してきた時、相手の攻撃表示モンスター全部破壊するよ。バイバーイ」

 

 ティアドロップの攻撃がミラーフォースのバリアによって跳ね返されてしまい、そのままティアドロップとストレナエは破壊されてしまった。

 

 だけど、クラリアだけは別だ。クラリアには罠カードの効果を受けない効果があり、クラリアだけがフィールドに残る事が出来た。だが一気に盤面が削れたのは痛い。

 

「それでも攻撃は出来る。【クラリア】でセットモンスターに攻撃!」

 

 確かマンジュシカの守備力は1200の筈だ。クラリアの攻撃でマンジュシカは破壊され、これでソナタさんのフィールドと手札は何も無い状態になり、焔のターンで終わりになる。

 

「……俺はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

 9ターン目終了

 ソナタ   アリア   トバリ

 

 ライフ:1000 ライフ:800 ライフ:2000

 

 手札:1    手札:1    手札:3

 

 □□□   □□④   ⑬⑭⑮

 □□□   ⑤③⑥⑯  ⑫□⑩

 □ ⑧   ⑦ ②   □ ⑨

 □□□  ⑱□□□   □□□

 □□□   ⑪⑰□   □□□

 

 空     花衣    焔

 

 ライフ:300 ライフ:4500 ライフ:3800

 

 手札:0    手札:0    手札:1

 

 ⑧:RRR-リノベイル・イグニッション・ファルコン

 ──────

 ②:クラリアの蟲惑魔

 ⑪⑰:伏せカード(奈落の落とし穴、六花の薄氷)

 ⑱:六花来々

 ──────

 ③:ドドレミコード・クーリア(守備表示)

 ④:ドドレミコード・キューティア

 ⑤:ラドレミコード・エンジェリア(守備表示)

 ⑥:シドレミコード・ビューティア(守備表示)

 ⑦:グランドレミコード・クーリア

 ⑯:ドレミコード・ハルモニア

 ──────

 ⑨:BF-フルアーマード・ウィング(守備表示)

 ⑩:フルール・ド・バロネス

 ⑫:BF-アーマード・ウィング

 ⑬:黒き旋風

 ⑭:常闇の颶風

 ⑮:黒羽の旋風

 

 

「くっ……ティアドロップだけでも守備表示にすれば良かったか……?」

 

「悔やんでも仕方ない。【アサルト】を除去しただけでも良い展開だ。後は焔に任せておけ」

 

「おう!そろそろ終わらせてやるよ!」

 

 ……?何やら焔には考えがあるのか、自信に満ち溢れていた。まさかとは思うが……焔もレゾンカードを持っているのか?だが、この次はアリアさんのターンだ。この中で1番カードを残しており、更にこのままじゃ焔が危うい。

 

 だが、空のRRRのモンスターでそれは解消できる。

 

「私のターン、ドロー!それじゃあ行くよ!フィールド魔法【ドレミコード・ハルモニア】の効果発動!自分Pゾーンの【ドレミコード】のスケールを、そのモンスターのレベル分上げるよ!」

 

「という事は【キューティア】のスケールが9になるって事か」

 

「いや、【ドレミコード】はリンクを除いてレベルとスケールを合わせると9になるようになっている。【クーリア】だけじゃなく、全てのモンスターが『奇数』になる訳だ」

 

「奇数……?」

 

「こいう事だよ!【ハルモニア】の効果!私のフィールドに奇数か偶数のスケールが3つある時、フィールドのカード1枚を選んで破壊する!」

 

「対象を取らない破壊!?」

 

 まずい、ここでもし俺が罠カードを発動しなければその時点でタイミングを逃し、アリアさんがどちらか2枚を破壊してしまう。どうせ破壊されるなら、落とし穴を犠牲にしてでもやるしかない。

 

「罠発動【六花の薄氷】!【六花来々】の効果でリリース効果を【グランドレミコード・クーリア】を対象してリリースして発動!【ドレミコード・クーリア】をこっちに渡して貰いますよ」

 

「むっ、まぁ仕方ないよね。じゃあ花衣くん、待っててね」

 

「は?」

 

 アリアさんは軽やかに俺の前に行くと、デュエルディスクからクーリアのカードを取りだし、俺に手渡した。

 

「はい!大事に扱ってね♪」

 

 普通にカードを手渡したらいい物を、アリアさんは俺の手を包むようにしてカードを渡し、なんか握手したみたいな形になってしまった。アリアさんの両手握手を見た観客達は、思わず羨みの声を漏らしており、なんか申し訳ない気持ちになった。

 

「えーと、このコントロール奪取、エンドフェイズ時までなんですけど……」

 

「じゃあそれまで隣に待ってるね」

 

「はっ?」

 

 アリアさんは隣でデュエルを進めた。トップアイドルの隣でデュエルという、いくら金を積めば出来るのか分からない行為を、この人は躊躇いなくやって来た。

 

 まるでオタクに優しいギャルみたいな感じだ。

 

『こ、この女私の花衣さんの隣に……!!』

 

『ほかの女の臭いが移る……それはダメ』

 

 まずい、レイとロゼも最近デュエルに出れないせいで溜まっていたフラストレーションがこの状況のせいで爆発しそうだ。 

 

 アイコンタクトと口パクでレイとロゼを説得しようにも、聞く耳すら持たないのに口パクじゃ説得もクソもない。とにかくここでの最善の行動はアリアさんから離れる事だ、1歩どころか2歩3歩離れ、アリアさんから離れる度にレイとロゼの怒りゲージが減るのを目に見えた。

 

「ん?どうしたの花衣くん?」

 

「い、いやぁ……アイドルがファンでも無い俺の隣に来るのはちょっと不味いかなって……」

 

『アリア、花衣さんの言う通りですよ。早く持ち場に戻りなさい』

 

 これを見たマネージャーさんもアリアさんを叱った。

 

「あ〜そっか。でも、クーリアは渡しておくから、エンドフェイズに返してね♪」

 

 クーリアを俺のデュエルディスクにセットすると、アリアさんはまた軽やかなステップで持ち場に戻った。

 本当にめちゃくちゃ自由な人だな。ストレナエに通ずる物があるな……あの人。

 

「えーと、じゃあ【ハルモニア】の効果で花衣君の残りの伏せカードを破壊するね」

 

 これで俺の奈落の落とし穴は破壊され、もう俺は伏せカードも無い。墓地から発動する物も無ければ、身を守るカードも無い。ここまで蟲惑魔達の効果を扱い切れてないのが想像以上に堪えている。

 

「でも、クーリアがいなくても、私にはまだビューティアが居るよ。私は魔法カード【コンセント・レイト】発動!これを【ビューティア】を対象にして、守備力分攻撃力をアップ!」

 

「ええと、確かあのモンスターの守備力は……」

 

「2400だ。そして攻撃力は2500。つまり攻撃力は4900になる」

 

 シドレミコード・ビューティア ATK2500→4900

 

「げっ、ゴリラじゃねえか!?」

 

 焔のゴリラ発言にビューティアは目元が笑っていない笑みを浮かべ、焔はビューティアの威圧に気圧された。

 

『ふふ、悪い子にはお仕置しないといけませんが、今はデュエルなのでアリアの言うことに従わないといけませんね』

 

『うぅ……ビューティアさん、怖いです……』

 

 どうやら向こうのドレミコード達も同じ様な意見の様だ。

 

「【クーリア】と【エンジェリア】と【ビューティア】を攻撃表示にしてバトル!【ビューティア】で【イグニッション・ファルコン】に攻撃!」

 

 ビューティアが自身の楽器であるハープを奏でると、ハープの旋律の糸がイグニッションの体を縛り上げ、更に流れるように音楽を奏でると糸から青い稲妻が走り、イグニッションは破壊された。

 

『おおっとレゾンカードが破壊されたっ!!意外と呆気ないぞ!?』

 

「ふふーん、守備表示でダメージは無しだけど後は【エンジェリア】でダイレクトアタックすれば終わりだよ!私は【エンジェリア】で空君ダイレクト……」

 

「悪いが俺の場にはモンスターが残っている」

 

「へ?」

 

 空のフィールドの爆煙が、一体のモンスターによってかき消され、そのモンスターは遥か上空へと飛び立ち、白い装甲を見せて蘇っていた。

 

「あれって【サテライト・キャノン・ファルコン】!?何で何で!?」

 

「【イグニッション】にはもう1つ効果がある。こいつが相手によってフィールドから離れた時、こいつに重ねられているエクシーズ素材の【RR】Xモンスターを墓地から特殊召喚出来る」

 

 つまり、エクシーズ素材になっているモンスターをそのまま特殊召喚出来るって事か。フィールドから離れても何度でも形を変えて復活する姿はまさに不死鳥の様だった。何だか幻影騎士団に通ずる様な物を感じる。

 

「そして、蘇生したモンスターと同じ分、墓地の【RR】モンスターを蘇生したモンスターのエクシーズ素材にする!俺は【レヴォリューション・ファルコン】を素材にする!」

 

「うぅ……攻撃力が負けてるから攻撃出来なーい!だけど、花衣君や焔君には攻撃出来るよ!」

 

「【サテライト】の効果発動!俺の墓地のRRモンスターの数×800ポイント相手モンスター全ての攻撃力を下げる!」

 

 空の墓地にいるRRモンスターは明らかに全てのモンスターの攻撃力を0にするほどの数がいる。サテライトの攻撃によって全てのモンスターは0となり、アリアさんはこれ以上攻撃は出来なった。

 

「うぅ〜!やるね!カードを1枚伏せてターンエンドだよ」

 

「このエンドフェイズ時、墓地の【ひとひら】の効果と【六花の薄氷】の効果で、【ドドレミコード・クーリア】をお返しします。……焔、お前が返してきても良いぞ」

 

「マジかっ!?良いのかよ?」

 

「俺が行くと皆の機嫌が……いや、俺はアリアさんに近づかれたからいいよ」

 

「いいやっほう!!じゃあ有難く頂くぜ!」

 

「その間に、【ひとひら】と【クラリア】の効果で【ひとひら】と墓地から【ジーナの蟲惑魔】を守備表示で特殊召喚してっと……」

 

 アリアさんのクーリアを焔に渡し、ウキウキしながらアリアさんの元に行き、鼻の下を伸ばしてカードを返しに行き、元の位置に戻った。

 

 10ターン目終了

 ソナタ   アリア   トバリ

 

 ライフ:1000 ライフ:800 ライフ:2000

 

 手札:0    手札:1    手札:3

 

 □□□   □⑦④   ⑬⑭⑮

 □□□   ⑤③⑥⑯  ⑫□⑩

 □ ⑧   □ ②   □ ⑨

 □□□  ⑱□⑲⑳   □□□

 □□□   □□□   □□□

 

 空     花衣    焔

 

 ライフ:300 ライフ:4500 ライフ:3800

 

 手札:0    手札:0    手札:1

 

 ⑧:RR-サテライト・キャノン・ファルコン

 ──────

 ②:クラリアの蟲惑魔

 ⑱:六花来々

 ⑲:六花のひとひら(守備表示)

 ⑳:ジーナの蟲惑魔(守備表示)

 ──────

 ③:ドドレミコード・クーリア

 ④:ドドレミコード・キューティア

 ⑤:ラドレミコード・エンジェリア

 ⑥:シドレミコード・ビューティア

 ⑦:伏せカード

 ⑯:ドレミコード・ハルモニア

 ──────

 ⑨:BF-フルアーマード・ウィング(守備表示)

 ⑩:フルール・ド・バロネス

 ⑫:BF-アーマード・ウィング

 ⑬:黒き旋風

 ⑭:常闇の颶風

 ⑮:黒羽の旋風

 

 

『さぁ、このデュエルも10ターン目が終了しましたが、状況は花衣選手達が不利です!空選手の【サテライト】は全てのモンスターの攻撃力を下げる効果がありますが……』

 

「効果を受けない【フルアーマー】は攻撃力下げれねぇし、【アーマード】の方は戦闘では無敵だからなぁ」

 

 そう、ここで焔が倒しておきたいのはトバリの方だ。ここでアリアさんかソナタさんを狙って人数を減らしても、トバリのレゾンカードの展開でフィールドががら空きの空のライフを削り切れるのが目に見える。

 

 それに、また【ブラック・フェザー・アサルト・ドラゴン】を出されたら今度こそ終わりだ。もうあれを止められる余力も、そのカードを引く自信も無い。

 

 つまり、ここで勝つには焔がトバリのライフを0にするしかない。その事は焔も分かっているのか、重荷を感じる様に顔を上げ、少し大きく深呼吸をしていた。

 

「うわぁ……まじでプレッシャーだわ。ここで何か良いの引かねぇと負けるよなぁ〜」

 

 屈伸しながら気合いを入れ直すように自分の胸をドンと叩き、この逆境を楽しむかのように笑った。

 

「でもここで勝ったらスゲェよな!行くぜ!ここでお前ら全員のライフを削りきってやるぜ!俺のターン、ドロー!」

 

 勢い良く引いたカードがこの勝負を決める。焔はドローカードを見て笑みを浮かべた。

 

「うっし!魔法カード【貪欲で強欲な壺】!デッキから裏向きで10枚除外して2枚ドロー!……っしゃあ!これで勝ちだ!」

 

『ここで勝利宣言!?果たして何を引いたのか!』

 

「これさ!見せてやるぜ!俺のレゾンカードをな!」

 

「レゾンカード……!?焔まで!?」

 

「まずは永続魔法【不知火流 伝承の陣】を発動!まっ、効果は使わねぇけどな。問題はここから、永続魔法【不知火ー炎舞の陣】発動!」

 

 焔の周りに炎が広がり、焔が炎の円に囲まれた。炎はとてつもない程激しく燃え上がり、ここからでは焔の姿が陽炎でぼやけており、上手く確認出来ずにいた。

 

 炎の火の粉も揺らぎも、まるで本物の様に燃え上がっており、ソリッドビジョンと分かっていても焔の安否が心配になった。思わず手を伸ばすと、微かな熱を感じた。

 

「あっつ……!?これ、本物の炎?焔、大丈夫か!?」

 

「あちちちちちちちちアチチ@イグニスター!!ん?あぁ、熱くねぇや。んだよ、やけに派手だから錯覚したわ」

 

「えっ……?」

 

 どうやら焔の方は大丈夫らしい。それもそうだ。ソリッドビジョンで熱なんかある筈が無い。

 

 だとしたらさっきの熱は目の錯覚から生まれた産物だろうか?人間は、例え冷たい水でも、それが熱湯だと信じ込ませれば、冷たい水でも火傷する現象も起こせる。多分その類だろう。

 

 俺の困惑とは対照的に、観客も最高潮に盛り上がっており、熱気で思わず立ちくらみしそうだ。

 

『ななななななんと!またレゾンカードの登場だ!しかも名前から察するに不知火専用カードか!?』

 

「その通り!しかもまだあるから見とけよ!まずは【不知火ー炎舞の陣】の発動処理として、デッキの上から3枚めくり、その中のアンデッド族1体を墓地に送るか除外する!」

 

 焔はデッキの上を確認すると、3枚のカードはそれぞれアンデッド族の【牛頭鬼】【妖刀-不知火】【不知火の武部】だ。ここまではブラック・マジシャンの黒の魔導陣みたいな効果だが……焔はここでは終わらないと言うかのように笑った。

 

「本来は1体しか無理だ。けどよ、俺の場に【不知火ー転生の陣】があれば、この中全部のアンデッド族をそれぞれ手札、墓地、除外に行かせることが出来る!」

 

「それってつまり……3枚アンデッド族ならその中から好きなカードを手札に加えたり、墓地に送れたり除外出来るって事か!?」

 

『何というカードだ!今焔選手の場には【不知火ー転生の陣】はありませんが、そのカードとして扱う【不知火流 伝承の陣】があるのでその効果が使えます!』

 

「いや〜引けて良かったわ。そんじゃ、俺はこん中から【牛頭鬼】を加えて、【妖刀ー不知火】を墓地に、【不知火のー武部】を除外するぜそして、除外した奴の効果発動!1枚ドローして1枚捨てる。俺はさっきの【牛頭鬼】を墓地に送るぜ」

 

 流石レゾンカードと言うべきなのか、良い効果を持っている。だが忘れては行けない。今やったのはあくまで効果処理としての効果だ。あのカードの真価は、まだ見れていない。

 

「俺は墓地に送られた【牛頭鬼】の効果発動!こいつ以外の墓地のアンデッド族の【マッド・マーダー】除外して、手札からアンデッドを特殊召喚するぜ。俺はさっき加えた【シノビネクロ】を特殊召喚!」

 

 シノビネクロ

 レベル2/チューナー/アンデッド族/ATK800/DEF0

 

「チューナー……?」

 

「更に墓地の【妖刀ー不知火】の効果発動!俺は墓地のレベル4の【牛頭鬼】でシンクロ召喚!来い!レベル6【刀神-不知火】!」

 

 刀神-不知火

 レベル6/シンクロ/アンデッド族/ATK2500/DEF0

 

「更にレベル6の【刀神ー不知火】とレベル2の【シノビネクロ】でシンクロ召喚!レベル8【戦神ー不知火】!」

 

 戦神ー不知火

 レベル8/シンクロ/アンデッド族/ATK3000/DEF0

 

「まだまだぁ!こっから更にシンクロだ!」

 

「え?でも焔君の場にはもうチューナーが居ないよ?」

 

「あぁそうだ。シンクロは最低でもチューナー1体とそれ以外のモンスター1体が必要だ。だかな、俺のシンクロはそれを超える!行くぜ!俺はこの瞬間永続魔法【不知火ー炎舞の儀】を発動!」

 

『ここであのカードの発動が来たァァ!果たして、シンクロを超えるシンクロとは一体どの様な事なのか!?』

 

 効果が発動した炎舞の儀がフィールドの戦神ー不知火も包み込み、戦神は火柱へと変わった。

 

「【炎舞の儀】は自分フィールドの【不知火】Sモンスターを対象にし、そのモンスターと同じレベルのSモンスターを、こいつだけを素材としてシンクロ召喚できる!」

 

「ええと、つまり……1体でシンクロ召喚出来るって事?」

 

「そういうこった!」

 

「まるで転生炎獣(サラマングレイド)みたいだな」

 

 空の言う通り、これは転生リンク召喚見たいなものだ。まさか1体のみのシンクロ召喚が目の前で見れるとは思わなかった……焔の言う通り、もうシンクロの域を超えてるぞあれ。

 

「さぁ行くぜ!生まれ変われ【戦神】!そして俺の剣となれ!」

 

 ステージの炎が渦となって焔の前に集まると、炎が剣の形となった。

 

 焔がエクストラデッキから新たなレゾンカードを場に出した瞬間、炎の剣が蒼炎となって焔の手元に宿り、新たな刀がこの場にいる全ての目に映っていた。

 

「これが俺の新たなカード!【炎転生遺物(えんてんせいいぶつ)ー不知火ノ太刀】!」

 

 転聖遺物ー不知火ノ太刀

 レベル8/シンクロ/アンデッド族/ATK2800/DEF0

 

「た……太刀!?モンスターじゃ、無い?」

 

 というか、モンスターカードの筈なのに何故か焔の手に蒼炎を纏った太刀があった。あれじゃあモンスターというか装備魔法という感じだ。

 

 他の人もそんな風に感じたのか、かなり違和感を持っていた。

 

「ええと、焔。それって……モンスターだよな?」

 

「ん?あぁ、だけどこいつはちょっと違うんだ。こいつが特殊召喚された時は、こいつは魔法・罠ゾーンに行くんだよ」

 

「えっ?じゃあそいつは装備魔法なのか?でもモンスターは居ないし……」

 

「まっ、俺の装備魔法って感じだな。要は俺自身、このデュエルに参加してるって訳だ」

 

「は、はぁ!?」

 

 プレイヤー自身がデュエルに参加してるって……えぇ?つまりあれか?城之内が使っていたドラグーン・オブレッド見たいな感じなのか?俺自身を真紅眼になる〜!見たいな、そんな感じなのか?

 

 枠が外れた内容に困惑を隠せず、隣の空をチラ見したかが、空も同様に驚きを隠せなくなり、眼鏡をクイッと上げては黙り込んでいた。 

 あまりの状況に辺りはざわめいているが、これを看破したのがトバリだった。

 

「ふはははは!!なるほど、よもや主自身が前に立つとは面白い!だが貴様の軟弱な攻撃力の前では我の眷属たちに勝てぬ!貴様は自身の炎で燃え尽きるのが関の山だ!あーはっはっは!」

 

「へっ、じゃあ遠慮なくぶっ飛ばしてやるよ。まずはアリアの【クーリア】に攻撃してやるぜ!」

 

 すると焔が持っている太刀を振ってクーリアに蒼炎の斬撃を飛ばすと、クーリアは炎に巻き込まれて破壊され、そのままアリアさんにまでライフを削るように炎を纏わせた。

 

「わわわ!!凄いけどなんか怖いっ!」

 

 アリアさんは迫り来る炎をしゃがんで避けたが、デュエルではダメージを受けたことになり、アリアさんのライフはここで尽きてしまった。

 

 アリア:残りライフ800→0

 

「まだだぁ!俺は【不知火ノ太刀】の効果発動!戦闘を行った後、墓地の炎属性・アンデッド族を除外することで、そのモンスターのレベル×200ポイント攻撃力をあげる!俺は【戦神ー不知火】を除外!」

 

 転聖遺物ー不知火ノ太刀 ATK2800→4400

 

「そして除外したのがSモンスターだった時、俺はもう一度攻撃が出来る!!」

 

「えぇ……?ちょっと殺意高すぎない?」

 

「とにかく攻撃力上げとけばデュエルは勝つんだよ!オラオラドンドン行くぜ!続けて【バロネス】に攻撃っ!」

 

 また焔が太刀を大きく振り上げると、蒼炎の斬撃がバロネスを焼き、トバリにダメージを与えた。

 

「因みに、こいつがSモンスター1体でシンクロ召喚した時、こいつの戦闘ダメージは倍になるぜ!」

 

「戦闘ダメージの倍加!?焔好みの効果だなおい……」

 

「ぐぉぉぉ……!?我がこの程度の業火に敗れるとはぁぁぁ……!!」

 

 トバリ:残りライフ2000→0

 

「まだ終わんねぇ!!この効果に1ターンに1度の制約は無い。戦闘で勝つ度、何度でも何度でも攻撃力が上がり、攻撃力が上がっていく!更に俺は【刀神ー不知火】を除外!!」

 

「脳筋だな」

 

「あぁ……ここまで来ると清々しい限りだよ」

 

 炎転生遺物ー不知火ノ太刀:ATK4400→5800

 

「バトルだぁぁぁ!!これで終いだぁぁ!!」

 

 最後の一振、思い切り焔は太刀を振り下ろすと、このステージを覆う程巨大な横一線の斬撃が、彼女達3人をを焼き払い、ステージには炎の残滓が残る焼け野原に変わり果てながらライフは尽きていったのだった。

 

 ソナタ:残りライフ1000→0

 

 WINNER 空 花衣 焔チーム

 

『デュエル終了ー!!凄まじい攻防を制したのは、ゲストの花衣選手達のチームだぁぁ!』

 

「うっしゃぁぁぁ!俺らの勝ちだぁぁ!ウィー!!」

 

 某城之内の様にアゴを尖らせた顔でガッツポーズの拳をあげた瞬間、歓声やアリアさん達が負けた悲しみの声が混じった叫びが聞こえ、何とか勝てて肩の荷も同時に下りたが……少しやるせない感じが胸の中でざわめいていた。

 

(……何も出来なかった)

 

 折角六花と蟲惑魔達を活かすようなデッキを組んだが、それどころか何も出来ずにいた自分が情けなく思い始めた。

 

「んん?どうしたんだよ花衣、勝ったんだぜ俺ら」

 

「いや……何か、上手く行かなかったなって。折角蟲惑魔を入れた新しいデッキを入れたのに……この体たらくだよ」

 

「あぁ……まぁ良いじゃねぇか。初めての実戦だからこんなもんだよな、空?」

 

「あぁ。気にする事は無い。この反省を活かせば良いんだからな」

 

「あぁ……そうだな」

 

 それもそうだが、何か物足りない感じがする。何でだ……?

 

「いや〜負けちゃった!でも惜しい所まで行けたよね?」

 

「うん、だって焔君がもしあのカードを引けて無かったら……」

 

「我々の勝利は確実だった!くっ、最後に闇に呑まれたのは我々だったという訳だ……」

 

 3人もこっちに集まり、負けて悔いるよりも、楽しかった表情を浮かべていた。俺とは違い、清々しい顔だ。

 

「んー!楽しかった!だけど、まだまだこれからだよ皆!ライブデュエルの後は、スペシャルライブ!このソリッドビジョンを使って、ドレミコードとトリックスター達も演奏するから良かったら最後まで見てね♪」

 

『『うおおおおおお!!』』

 

 すごいな……ライブデュエルで疲れがあるのにも関わらず、ここからまだライブをする体力もあるのか……アイドルっていうのは体力が無いとやっていけない職業だというが、ここまでとは思わなかった。下手すれば焔以上の体力おばけかも知れない。

 

 関心を寄せているとマネージャーさんからの通信がインカムから届き、ステージから離れてとの事だ。その通信もMixさんも聞いたのか、最後の閉めの挨拶を担った。

 

『では、これにてライブデュエルを終了します!皆さん、良いデュエルをありがとう!』

 

 ステージの端からファンファーレの紙吹雪が飛び出し、客も満足そうに拍手は労いの言葉を上げてくれた。焔はその声に大きく手を振って応え、空は小さく手を振り、俺は少し気恥しながらも手を振ってできる限り応えた。トバリの方も俺達と同じくステージ裏へと戻って行った。

 

「ふははは!皆の者、我はこれで姿を消すが、また太陽が沈み、兎が夜を支配する時にまた出会おう!」

 

 またトバリが変な事を言っているが、気にしないで置こう。

 

 熱気や歓声に押されてステージ裏まで戻るとどっと疲れが身体に襲いかかり、全身に鉛のような重さがのしかかった。

 

「ふぅ……終わった……」

 

「皆様お疲れ様です。どうぞ冷たい飲み物をご用意しましたので、飲んでください」

 

「おぉ!用意が良いー!」

 

 早速焔は差し入れのドリンクをカブのみしていき、わずか数秒でペットボトルの中身を半分飲み干した。

 

「腹を壊しても知らないぞ」

 

「しゃーねぇだろ死ぬほど喉乾いたからよ。にしてもスゲェよなあの2人、もうライブ初めてやがる」

 

 焔の言う通り、2人はマイクを取って歌い出しており、BGMに合わせているようにドレミコードやトリックスター達も曲を奏で、歌を歌っていた。

 

 ギターやドラムといったロック系の調律が主軸となっているが、合間の間奏にヴァイオリンやハープ等、ドレミコード達の演奏がアクセントとなっており、聞いた事ない様な曲調に仕上がっている。

 

 だけど全くの違和感が無く、むしろ聴き心地が良い。思わず体がリズムに乗ってしまうほどだ。アリアさんとソナタさんも、トリックスターとドレミコード達と一緒にステージで踊り、楽しんでいるが……やっぱりそこに何かの違和感を感じられずにはいられなかった。

 

(……動きが自然すぎる。さっきのデュエルでもそうだったが、殆どのモンスターには意志の様な物が感じられる。それに……焔がレゾンカードが使っていた時に感じた、あの熱さは一体……)

 

 焔がレゾンカードを使用した直後の演出、炎の陣が焔を囲っていた時の事だ。あまりにも激しく、本物の様に見えたから思わず焔に手を伸ばしたが、それは炎の熱によって遮られ、俺は手を引いた。

 

 ソリッドビジョンは実態の無いホログラム見たいな物だ。例え見てくれが本物に近いとと言っても、触れる事は絶対に有り得ない。ましてや、熱を感じるなんて持っての他だ。

 

 だが、焔やアリアさん達には何も感じられないというより、影響が無かった。仮に俺と同じ様に熱を感じられていたら、焔とアリアさん達が火傷程度は済まされない。

 

 という事はつまり……俺にしか影響が無いという事になる。

 

 やっぱり、このソリッドビジョンシステムには何か裏がある。これは間違いない要素だ。それはつまり、それを作っているレゾンに、何か裏があると言う事にも繋がる。

 

「どうした花衣、そんな考え込んで」

 

「そうだぞ、お前本当に何かあったのか?」

 

 空に冷たいペットボトルを頬に押し付けられ、急激な温度の変化に心臓が飛び出る程驚き、思わず空に顔を向けた。あまりの驚き様に空と焔は笑い、2人共隣に立ち、焔がペットボトルを俺に渡した。

 

「最近、何か考え込んでいるがどうした」

 

「いや……最近色々あってな」

 

「ん?何かエッチなサイト開いてウィルスでも入られたか?だったら空に頼めば何とかしてくれるだろ」

 

「それは無いだろう。お前じゃ無いしな」

 

「思春期の男ならそういうサイト開くだろぉ!?」

 

「はは……その程度だったら良かったんだけどな」

 

 思わず少しだけ口を滑らせ、最近あった事を振り返る。

 

 本当に……夏休みに入って色々な事があった。ポルーションの事、ピックアップデュエルでの出来事に、新たな敵、ジェネリアの事……増え続ける謎に敵、勘弁して欲しいぐらいだ。

 

 こんなこと言っても仕方ないのはわかっている。話をして少しでも気を楽にしたい気持ちを流し込むように、俺はペットボトルの水を飲んだ。

 

「ふぅ……悪い、ちょっとトイレ行ってくる」

 

「あ、おい待てよ!」

 

 渡されたペットボトルを焔に投げ渡し、俺がどんな顔をして焔達を見たのか分からないが、焔達はまるで俺では無い何かを見て怖がっていた顔をしていた。

 

 

 気がつくと俺は、トイレでは無く自分の荷物を置いてあった控え室にいた。とにかく今は、1人になりたかったんだと思う。

 

 机の上に顔をうつ伏せ、とにかく疲れを取るようにしていた。だけど疲れが取れるどころかむしろ色んなことがありすぎて疲れが取れずにいた。

 

 今思えば、六花達と出会ったあの春から少しづつだけど変わっていったかもしれない。

 

 自分の身の回りの事や、自分自身のこと、はたまた世界の事……何が引き金なのか、どこでこうなったのか考えれば考える程、分からなくなったその時、ふとポルーションに言われた事を思い出してしまう。

 

 _貴方はもう運命に囚われている。

 

「運命……」

 

「そう、貴方の運命は決まっているんですよ」

 

「!?」

 

 聞いた事ある声、忘れるはずの無い女性の声に顔を向けると、テーブルの向こうには俺の顔を楽しそうに頬杖している黒いローブを被った女性がいた。

 

「ウェルシー……!」

 

 椅子を倒しながらウェルシーから離れると、ウェルシーは小さく笑った。

 

「はい、貴方のウェルシーですよ。ふふふ」

 

 不気味な圧を出しながらも、本当に心の底から笑っているウェルシーは、椅子に座りながら話を続けてきた。

 

「今日はお話があるんです。花衣さんにとっても有益な情報ですよ」

 

「話……?」

 

 

 

 

 

「貴方のお友達、貴方を殺す力を持ってますよ」




レゾンカード紹介

不知火ー炎舞の陣〖永続魔法〗

①:このカードを発動処理として、デッキの上から3枚めくり、その中からアンデッド族モンスターを1枚手札に加えるか、墓地に送るか除外する事が出来る。その後、残りはデッキの一番下に戻す。
自分フィールドに「不知火流 転生の陣」がある場合、3枚まで選んで手札に加えるか墓地に送る、又は除外出来る。

②:1ターンに1度、自分フィールドの「不知火」Sモンスターを対象にして発動出来る。
対象のモンスターと同じレベルの「不知火」Sモンスターを対象のモンスター1体のみを素材とし、召喚条件を無視したS召喚する。この効果の発動後、エンドフェイズ時まで自分のメインモンスターゾーン、またはEXモンスターゾーンのモンスターは攻撃出来ない。

転聖遺物ー不知火ノ太刀
レベル8/シンクロ/アンデッド族/ATK2800/DEF0

チューナー+アンデッド族モンスター1体以上

・このカードが特殊召喚に成功した場合、このカードを魔法・罠ゾーンに置く。このカードは魔法・罠ゾーンでしか攻撃宣言が出来ない。

・このカードが表側で存在し、このカードのコントローラーが直接攻撃を受けた時発動する。このカードを破壊する。

①:このカードが戦闘ダメージを与えた場合発動出来る。自分の墓地のアンデッド族モンスターを除外し、そのモンスターのレベル×200ポイント攻撃力をアップする。この効果で除外したモンスターがSモンスターだった場合、もう一度攻撃が出来る。

②:このカードはこのカード以外の効果ではフィールドから離れない。

③:このカードがモンスター1体のみでS召喚に成功した場合、守備力を攻撃力が超えた分の数値だけ戦闘ダメージを与え、このカードで相手に与えるモンスターとの戦闘ダメージは倍になる。


オリカをまとめた章が欲しい?

  • 欲しい!
  • 別に( *¯ ³¯*)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。