六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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今回でこのデュエルは終わりであり、何と新たなカードが多数出てきます。

あまりにも多いので、二話に分けての紹介となりますのでご了承ください。


革命の戦士

 

見下との闇のデュエルは、予想以上に過酷な物となっていた。

 

あいつの新たな力。【主義大罪】。奴隷モンスターや上級モンスターを駆使してじわじわと相手を追い詰めるデッキだと最初は思ったが、その真意はそれを遥かに超えるものだった。

 

あいつのフィールド魔法である【独裁】は、自分が発動したカードのコストを、相手に押し付ける事ができるまさに自分よがりで相手を苦しめる独裁……いや、エゴイストそのもほだった。

 

あいつのフィールド魔法と、それを合わせた【強欲で貪欲な壺】のコストを俺に押し付けられ、俺はデッキを10枚除外され、アイツは2枚ドローした。

 

だが、これだけならまだマシな方だ。何故なら、アイツが発動した永続罠……【圧制】の効果により、俺は魔法カードの発動を制限されている。

 

閃刀姫デッキに置いて、このカードは致命的であり、ほぼ死にかけの状態に等しかった。

 

 

 2ターン目終了時点

 

 見下成金:LP8000

 手札:2 墓地:1 除外:9 デッキ:22

 

   □□⑪⑩□

   ⑨⑧⑦□□ ⑥

    ② □

   ①□□□□□

   ③④⑤□□

 

 桜雪花衣:LP8000

 手札:6 墓地:30 除外:10 デッキ:10

 

 ①:神碑の泉

 ②:閃刀姫ーシズク

 ③④⑤:伏せカード

 

 ⑥:主義大罪-独裁

 ⑦:主義大罪-支配者(守備表示)

 ⑧:主義大罪-奴隷商人(守備表示)

 ⑨:主義大罪-妖精奴隷(守備表示)

 ⑩:主義大罪-圧制

 ⑪:伏せカード

 

「どうした?お前のターンだぞ?早くドローしろ」

 

見下は価値を確信したようにニヤリと笑っており、フィールド魔法の玉座にふんぞり返っていた。

 

「くっ……俺のターン、ドロー」

 

引いたカードは閃刀術式ーアフターバーナーだった。本来ならこれで相手モンスターを破壊し、魔法・罠も1枚破壊したい所だが……あいつの永続罠の効果でセットしてから次のターンを跨がないと使えない。

 

まずはあの永続罠……いや、フィールド魔法の方を何とかしなければならない。もしもまたフィールド魔法の効果でまた俺にコストを押し付けられたらたまった物じゃない。その為には……

 

「俺は【閃刀騎ーカイム】を通常召喚!」

 

閃刀騎ーカイム

レベル4/戦士族/闇属性/ATK0/DEF0

 

「やっと来たな!お前の前世とかいうやつが」

 

「!?お前、今……!」

 

突然見下がカイムの正体が俺の前世のモンスターであると確信的に言葉にし、すかさず俺はそれを問いつめた。

 

「お前、カイムの事知っているのか!?」

 

「あぁ知ってるさ。ウェルシーさんから聞いたからな」

 

「ウェルシーから……?どういう事だ」

 

「おっと、今はデュエル中たぞ?早く続けろ」

 

ウェルシーはカイムの事を知っているということは、必然的にカイリやリカイの事……つまり、俺が精霊だった頃の事を知っているということになるのか……?

 

「花衣さん、今はデュエルに集中しましょう。考察はまた後で出来るはずです」

 

「そ、そうだな。ごめん、レイ」

 

「気にしないでください。私が花衣さんの事を守りますから!」

 

レイの言う通り、今はとにかくデュエルに集中だ。ここで負けたら、これから先も無いのだから。

 

「花衣、私の事も忘れないで」

 

「分かってるさロゼ。お前も頼りにしてるぞ。【カイム】の効果発動!デッキから【ロゼ】、墓地から【レイ】を特殊召喚!」

 

これで場にはシズク、レイ、ロゼ、カイムが場に出た。ここでラグナロクを出すには一旦シズクを素材にしてジークを出さなければならないが……今回はアザレアもいる。

 

1度やってみるか……!

 

「俺は【シズク】と【ロゼ】を素材にして【閃刀姫ジーク】をリンク召喚!そして効果でお前の場のフィールド魔法を除外する!」

 

「させるか!【主義大罪ー妖精奴隷】の効果!【主義大罪】カードがフィールドから離れる時、代わりにこのカードをリリースする!」

 

「くっ……!」

 

「そして【妖精奴隷】の効果!こいつがフィールドから離れた時、このカードいたフィールドのコントローラーに守備力分のダメージを与え、僕はライフを500回復する!だがダメージを受けるのはお前だ!」

 

桜雪花衣 残りLP:8000→6700

見下成金 残りLP:8000→8500

 

「そしてこの瞬間、場の【支配人】の効果発動!【奴隷】モンスターが破壊された時、お前の場に特殊召喚する!これでお前は閃刀魔法を発動出来ないなぁ!まぁ、元々出せない訳だが」

 

「まだだ!今度は【ジーク】と【レイ】でリンク召喚!召喚条件は【闇・光モンスター2体】!」

 

リンクマーカーにジークとレイがそれぞれ左上と右下に飛び込むと、リンクマーカーの中央から新たな閃刀姫がフィールドに降り立った。

 

ロゼと同じような黒い鎧姿の閃刀の姿であり、銀髪になびくポニーテールの毛先は紫色となっており、肌は少し黒く、紫色のラインを走っていた閃刀を手に持っていた。

 

記憶に全く無いが、こいつもレイ達と同じ閃刀姫であり、かつては俺と一緒に戦っていた閃刀姫……その名も……

 

「来い!【閃刀姫ーアザレア】!」

 

閃刀姫ーアザレア

LINK2/戦士族/闇属性/ATK1500

 

「マスター、やっとボクを出してくれたね」

 

「あぁ。頼りにしてる。【閃刀姫ーアザレア】の効果発動!特殊召喚に成功した時、お前の場のカード1枚を破壊する!俺はもう一度【主義大罪-独裁】を破壊する」

 

アザレアは黒い閃刀をX字に振ると紫色の斬撃が見下のいるフィールド魔法に襲いかかった。

 

「僕は罠カード【主義大罪-隠蔽弾圧(エゴイスト-カバーアップ)】を発動!【主義大罪】カードが離れる効果を発動した時発動し、その効果を無効にする!」

 

「くそ……!」

 

アザレアの斬撃は惜しくも見下が発動したバリアによって防がれてしまい、見下のフィールドを崩す事が出来なかった。

 

「だけどまだだ、お前の【奴隷】モンスターを使えば、【ラグナロク】の召喚条件は成立している。俺はこの3体でリンク……」

 

「おっと、それは無理だ。僕の【奴隷】モンスターは、リンク素材にする事は出来ないんだよ」

 

「な……んだって?」

 

「それだけじゃない。融合、シンクロ、エクシーズ、そして儀式やアドバンス召喚をする為のリリース素材になる事もできない。まさに足枷なのさ。あははは!!」

 

つまり……俺はこのモンスターを退かす事が出来ないという訳か。

 

一応カイムとアザレアを素材にすれば【トレイメア・フェニックス】という手札を1枚捨てれば魔法・罠カードを破壊できるリンクモンスターを出す事が出来るが……いや、それだと後続が出せない。

ここで無理にフィールド魔法か永続罠を破壊しても、状況は変わらない。ここはアザレアに任せてターンを終えるしかない……!

 

「俺はカードを2枚伏せて、バトルフェイズに入るが、神碑の効果でスキップされる。これでターンエンドだ……」

 

3ターン目終了

 

 見下成金:LP8500

 手札:2 墓地:1 除外:9 デッキ:22

 

   □□□⑩□

   □⑧⑦□□ ⑥

    ② □

  ①⑨⑬□□□

   ③④⑤⑪⑫

 

 桜雪花衣:LP6700

 手札:4 墓地:32 除外:10 デッキ:8

 

 ①:神碑の泉

 ②:閃刀姫ーアザレア

⑬:閃刀騎ーカイム

⑨:主義大罪-妖精奴隷(守備表示)

 ③④⑤⑪⑫:伏せカード

 

 ⑥:主義大罪-独裁

 ⑦:主義大罪-支配者(守備表示)

 ⑧:主義大罪-奴隷商人(守備表示)

 ⑩:主義大罪-圧制

 

 

「僕のターン、ドロー。……お?良いカードが来たな。くく……お前には更なる絶望と言うものをくれてやるか」

 

どうやらまた何かを仕掛けてくるようだ。一体どうするつもりだ……?

 

「僕は【支配人】の効果発動。デッキから【奴隷】モンスター【主義大罪ー獣人奴隷】を加える。そして、【奴隷商人】の効果発動。こいつを特殊召喚だ」

 

主義大罪ー獣人奴隷

レベル2/獣族/地属性/ATK0/DEF1000

 

「【獣人奴隷】の効果発動。デッキから【主義大罪】魔法カードを1枚手札に加える」

 

ダメだ、俺にあのカード所か魔法を発動出来るタイミングが無い……!このターン、あるタイミングを除いては見下のカードを止めることはできなかった。

 

「僕は魔法カード【主義大罪ー歯車の贄(エゴイスト・ギアローン)】を加え、発動!自分フィールドの【奴隷】モンスターを1体リリースし、お前の場の魔法カードを1枚発動する!」

 

「俺の墓地から魔法を!?」

 

「そうさ、そうだな……よし、これにしよう。僕はお前の墓地から【破壊の神碑】を発動しよう。お前の魔法・罠を1枚破壊し、4枚除外させてもらうぞ」

 

俺の墓地から黄金の拳が現れ、俺の右端のカードとデッキの上4枚の墓地を除外すると、拳の風圧で思わず俺は吹き飛ばされてしまう。

 

「っ!!」

 

「マスター!!」

 

アザレアは凄まじい速さで吹き飛ばされた俺の後ろへと追い越し、両手でしっかりと俺を抑えてくれた。

 

「すまないアザレア!」

 

「マスターの為ならこれぐらい平気だ」

 

「まだ終わらない!更に【支配者】の効果でお前の場にさっきの【獣人奴隷】をお前の場に呼び出す!」

 

これで俺のメインモンスターゾーンには、三体のモンスターが存在することになってしまった。しかもこいつもあらゆる召喚方法の素材にはならない為、伏せている閃刀魔法が使えない……!!

 

「さて……そろそろやるとするか。僕の切り札というものを、見せてやろう。有難く思えよ?」

 

「切り札だと……?」

 

「あぁ。僕はお前のフィールドにいるレベル3の【妖精奴隷】とレベル2の【獣人奴隷】、そしてレベル5の【奴隷商人】をリリース!」

 

「自分の場ごとモンスターをリリース!?」

 

「これが僕の切り札の召喚条件さ、フィールドにいる【主義大罪】のモンスターのレベル合計が10以上になるようにリリースし、手札からこのカードを特殊召喚する!」

 

見下が1枚のカードをかざすと、その場から闇が溢れ出した。この感じは忘れるわけが無い。ポルーションが切り札を出したのと同じ感覚だった。

 

「全てを支配する絶対君主よ、全てを我が者とし、その支配を永遠としろ!レベル10【主義大罪ー絶対君主(エゴイストーアブソリュート・エンペラー)】!!」

 

主義大罪ー絶対君主

レベル10/魔法使い族/光属性/ATK4000/DEF3000

 

黒い闇から現れたのは、金色の王冠を被り、赤色のマントを羽織った如何にも支配者と言わんばかりのモンスターであった。身につけている装飾はどれもがギラギラと煌めく宝石に包まれており、指を鳴らすと地面から無数の奴隷達が支える玉座が現れ、奴隷達を見ようともせずにそこに座った。

 

「まるでお前の様なモンスターだな」

 

「あぁ。まさに僕に相応しいモンスターという事だ」

 

「皮肉を言ったつもりだがな」

 

「皮肉?どこかは知らないが、全てを支配するこの力は素晴らしい物だ。僕のように言ってくれて光栄だよ」

 

(こいつには何を言っても無駄っぽいな)

 

分かってはいたが、こいつとはもう分かり合えないかも知れない。呆れを通り越し、最早俺はいつしかこいつの事を人では無い何かと見え始めた。

 

「こいつは1ターンに1度、自分の墓地にある【主義大罪】カードを1枚除外する事で、その除外したカードと同じ効果を使えるのさ。僕はさっき使った【歯車の贄】を使い……もう一度お前の墓地のカードを使う!」

 

「くっ……!」

 

「僕は【凍てつく呪いの神碑】を対象にして【閃刀姫ーアザレア】の効果を無効!更に貴様のデッキを3枚除外!」

 

墓地から今度は凍てつく呪いの神碑の効果により、アザレアの足元が凍りづいてしまい身動きが取れなくなってしまい、こっちのデッキも3枚除外され、残りは1枚となった。

 

「お前のデッキもあと1枚残ってしまったな。でも、僕は徹底的にやる主義だ。僕は【支配人】の効果でデッキから【奴隷】モンスター、【主義大罪-戦奴隷】を加え、【奴隷商人】の効果で特殊召喚!」

 

主義大罪-戦奴隷 

レベル4/戦士族/光属性/ATK0/DEF1800

 

「そして【奴隷商人】の効果発動!お前にこの【戦奴隷】を渡す。良かったなぁ!モンスターが増えて!神碑の効果を使った為、バトルフェイズをスキップしてターンエンドだ」

 

3ターン目終了時点

 

 見下成金:LP8500

 手札:2 墓地:1 除外:9 デッキ:20

 

   □□□⑩□

   □⑧⑦□□ ⑥

    ② □

  ①⑨⑬⑫⑮□

   ③④⑤⑪□

 

 桜雪花衣:LP6700

 手札:4 墓地:32 除外:17 デッキ:1

 

 ①:神碑の泉

 ②:閃刀姫ーアザレア

 ⑬:閃刀騎ーカイム

 ⑨:主義大罪-妖精奴隷(守備表示)

 ⑫:主義大罪-獣人奴隷(守備表示)

 ⑮:主義大罪-戦奴隷

 ③④⑤⑪:伏せカード

 ⑥:主義大罪-独裁

 ⑦:主義大罪-支配者(守備表示)

 ⑧:主義大罪-奴隷商人(守備表示)

 ⑭:主義大罪-絶対君主

 ⑩:主義大罪-圧制

 

「デッキ枚数……残り1枚」

 

「まさに運命のドローだな。まぁ、僕の罠カードの効果で引いたカードが魔法カードでもドローは出来ないがな。それに、たとえモンスターであっても【絶対君主】は自分の【主義大罪】カードを墓地に送ることで全ての効果を無効にする。何度でも、何度でもだ」

 

「何度でも……か」

 

「そう、お前に出来ることは虚しくドローするだけでターンを終える事だけさ。さぁ、早くドローしろ」

 

「俺のターン……ドロー!」

 

最後の1枚は……3枚目の閃刀姫ーレイだった。俺のメインモンスターゾーンには一枠空いてはいるが……今の状況ならどうしようもない。

 

「ここまで……なのか……?」

 

こんなところで……俺は……負けるのか?歯痒さと悔しさが湧き上がり、心が折れそうになったその時、フィールドにはアザレアが声をかけた。

 

「マスター、らしくないよ。ボクのマスターはそんな人じゃ無いはずだよ」

 

「アザレア……でも俺は、お前の知っているカイムじゃ……」

 

「違う。マスターはマスターだ。閃刀騎じゃなくたって、ボクのマスターは目の前にいる君だけだ」

 

アザレアは閃刀をしまい、両手で俺の手を握ってくれた。

 

「マスターはボクを救ってくれた。何度でも、何度でも、ボクが拒もうとも諦めなかった。だから今度も……」

 

「でも今のこの状況じゃ!」

 

『情けないぞ、俺』

 

「え……?」

 

アザレアでは無い誰かの声が聞こえた。頭の中に直接響く男の声が誰かと周りを見渡すとフィールドにいたカイムはいつの間にか背中向けながらもこっちを見ていた。と言っても、カイムの顔は顔を覆う仮面をつけており、表情までは読み取れなかった。

 

だが、何となくだが……笑っているような気がした。

 

憎たらしくて、馬鹿にしてるような顔が思い浮かべ、というかよく考えてみたら自分自身に馬鹿にされると思うと腹が立ってきた。

 

『やれるさ、(お前)なら』

 

また頭……いや、心にそう言いながらカイムはグッと親指を立てた。

 

どこにそんな自信があるんだと言ってやりたいぐらいだ。俺は確かにお前の前世的な存在かもしれないが、お前のようには慣れないと思う。

 

でも、それでいい。俺は……カイムでもカイリでも無く、桜雪花衣。そう言ってくれる人が、今ここにいるのだから。

 

「カイム、確かにお前は俺だ。だけど、俺は俺のやり方で最後まで諦めない!」

 

『そうだ、その意気だ』

 

その時だった。デュエルディスクにあるエクストラデッキの5枚のカードが七色に光だし、意志を持ったかの様に俺の手元へと吸い寄せる様に飛び出し、俺はカードを手に取った。

 

「これは……!」

 

「なんだ!?そのカード達はっ!?」

 

間違いない、あの時初めて六花聖華ティアドロップが生まれた時と同じ感覚だった。

 

7色に光るカードは2枚目の閃刀姫ーカガリ、シズク、ハヤテ、カイナ、ジークの5枚だった。カガリのカードは紅蓮の炎を纏い、シズクは透き通る水を纏い、ハヤテは疾風を纏い、カイナは大地の息吹を感じさせる重みを纏い、ジークは紫色の電流を纏ったオーラを纏い、新たなカードへと変貌した。

 

『頼んだぜ、俺』

 

変わりゆくカードは全て閃刀騎であり、全てのカードは何とエクシーズモンスターだった。

 

「……使えって事か。行くぞ見下!俺は手札の【閃刀姫ーレイ】を通常召喚!」

 

「今更そんな雑魚を出して何をするつもりだ!そんな物が1人増えようが、お前は魔法やモンスター効果も無効化してやるさ」

 

「俺のレイは雑魚なんかじゃない!それに、1人なんかじゃないさ、俺は【閃刀姫ーレイ】と【閃刀騎ーカイム】で、エクシーズ召喚!!」

 

「え、エクシーズ……だと!?」

 

カイムは閃刀を突き刺し、レイが上空の六角形の青い閃刀サークルに飛び込み、サークルから青色の閃刀装甲がカイムに装備された。

 

カイムの閃刀は蒼い槍状へと変わり、背中には4つの青い盾が装備され、全てを守る姿へと変わった。

 

「蒼穹の装甲纏いし英雄よ、その身で全てを守る盾となり、希望へ導け!エクシーズ召喚!来い!ランク4【閃刀騎ーシスイ】!」

 

閃刀騎ーシスイ

ランク4/エクシーズ/水属性/機械族/ATK2000/DEF2000

 

「新たな閃刀騎……だと!?しかもわざわざメインモンスターゾーンに置いた?それじゃあお前の閃刀魔法は使えない!負けを認めたのか?」

 

「それはどうかな?」

 

「なに?」

 

「【シスイ】の効果発動!エクシーズ素材を1つ取り除き、このターン、俺の閃刀カードの効果は無効化されない」

 

「馬鹿が!【絶対君主】の効果発動!お前のフィールドにいる【獣人奴隷】をリリースしてその効果を無効にして破壊だ!」

 

絶対君主が手を伸ばし、黒い衝撃波を出すとシスイの盾は剥がれ、同時に獣人奴隷も破壊されてしまった。

 

そしてトドメと言わんばかりに更にもう一撃シスイに攻撃を当て、あまりの攻撃に辺りに砂埃が舞った。

 

「そしてリリースされた【獣人奴隷】の効果!お前はその守備力分ダメージを受ける!」

 

桜雪花衣 残りLP6700→5700 

 

「残念だったな。折角のカードだったのに呆気なく破壊され……」

 

見下が価値を確信したその時、砂埃が中心から吹き飛び、無数の青い障壁で守られたシスイがそこにいた。装甲はボロボロでも、本人は全くの無傷だった。

 

「なに……!?どういう事だ!?」

 

「シスイ……いや、【閃刀騎】は自分フィールドに【閃刀姫】モンスターが存在し、こいつの素材に【閃刀騎ーカイム】がエクシーズ素材になっている時、俺の【閃刀】カードは破壊されない!」

 

「馬鹿なッ……」

 

「まだだ!今度は【シスイ】を素材にエクシーズ召喚!」

 

「何っ!?エクシーズモンスターを素材にだと!?」

 

「俺の閃刀騎は、全ての閃刀騎エクシーズモンスターに重ねてエクシーズ召喚する事が出来る!次はこいつだ!」

 

カイムがシスイの装甲をパージすると、ハヤテの様な緑色の装甲を装着し、数々のミサイルや両手には巨大な銃口が装着されたライフルが二つ装備されていた。

 

「怒涛の風を巻き起こし、勝利の風を掴め!ランク4【閃刀騎ーアラシ】!」

 

閃刀騎ーアラシ

ランク4/エクシーズ/風属性/機械族/ATK2000/DEF2000

 

「【アラシ】の効果発動!エクシーズ素材を取り除き、自分の場の【閃刀】カードの数だけ相手フィールドのカードをデッキの1番上に戻す!俺が選ぶのは勿論【主義大罪ー独裁】と【圧制】!」

 

アラシの効果が発動すると無数のミサイルが糸を引いて見下のフィールドに向けて襲いかかり、それに合わせる様に両手のライフルを合わせ、超出力のビームを見下に向けた放った。

 

あまりの強力なビーム出力で地面は抉れ、光であるはずのビームに質量があるかのように、アラシはビームライフルの反動で後ろに下がり続けた。

 

「ぐっ……!【絶対君主】の効果発動!【妖精奴隷】をリリースしてその効果を無効にする!そしてお前はその守備力分のダメージを受け、ライフを500回復する!」

 

「だが破壊はされない!」

 

桜雪花衣 残りLP:5700→4400

見下成金 残りLP:8500→9000

 

しかし【絶対君主】の効果で全てのミサイルとビームがバリアによって無効化され、弾数の無いアラシの武装をカイムはすぐ様にパージした。

 

「まだまだ!次はこいつだ!」

 

すかさずもう一体の閃刀騎エクシーズをアラシの上に重ね、カイムも今度は巨大な2つ……いや、4つの豪腕が特徴的な閃刀騎を装着した。

 

「鋼を撃ち砕くその剛腕で、あらゆる敵を粉砕しろ!ランク4【閃刀騎ーガイア】!」

 

閃刀騎ーガイア

ランク4/エクシーズ/地属性/機械族/ATK2000/DEF2000

 

「【ガイア】の効果発動!エクシーズ素材を取り除き、自分の場の閃刀モンスター1体につき、1枚カードを裏側にする!俺が選ぶのは【主義大罪ー圧制】と【絶対君主】!」

 

4つの豪腕を同時に地面を叩くと、地面が抉れながら進んでいく衝撃波が見下のフィールドに遅いかかったが、見下は大慌てで効果を発動し、またこの攻撃を防いだ。

 

「【絶対君主】の効果で【戦奴隷】をリリースして無効!そして【戦奴隷】の効果により、その守備力分のダメージと、僕の【主義大罪】モンスター1体の攻撃力は1000アップする!」

 

桜雪花衣 残りLP:4400→2600

 

主義大罪ー絶対君主 ATK4000→5000

 

「まだ終わらない!今度はこれだ!」

 

ガイアをパージしたカイムが呼び出したのは、黒い鎧であり、どことなくロゼやアザレアが来ている閃刀姫と似ていた。

 

「因果の垣根を越え、紡ぐ力で世界を照らせ!ランク4【閃刀騎ーアービング】!」

 

閃刀騎ーアービング

ランク4/エクシーズ/光属性/機械族/ATK2000/DEF2000

 

「【アービング】の効果発動!お前の自分フィールドのカードを墓地に送り、そのカードの枚数分お前のカードを除外する!俺は1枚の伏せカードを墓地に送り、【独裁】を除外する!」

 

「ア……【絶対君主】の効果で【奴隷商人】をリリースして無効!」

 

「これで……最後だっ!俺は【アービング】を素材にエクシーズ召喚!」

 

アービングが背部の翼を広げて空に飛び立つと、カイムは上空でアービングのパーツをパージし、最後に空中で紅蓮の装甲を見に纏わせた。

 

「紅蓮の炎纏いし戦士よ、その炎で数多の道を照らしだし、希望へと繋ぐ明日となれ!」

 

まるで太陽の様な眩くも暖かい炎の羽を広げ、カイムの閃刀が紅蓮へと染まり、ここに新たな閃刀騎が誕生した。

 

「これが……【閃刀騎ーグレン】だ!」

 

閃刀騎ーグレン

ランク4/エクシーズ/火属性/機械族/ATK2000/DEF2000

 

「【グレン】の効果発動。エクシーズ素材を取り除き、表側の閃刀カード1枚につき、お前のカードを破壊する。俺の場の閃刀カードはコイツとアザレアの2枚。俺が選ぶのは【独裁】と【圧制】だ」

 

「【絶対君主】の効果で【支配人】をリリースし、効果を無効だ!ははっ……どうだ!お前らの抵抗も虚しかったな!お前のデッキはもう無い。次のターンでお前は終わっ……」

 

「お前に次のターンは永遠に来ない」

 

「……はひょ?」

 

「俺のこの3枚の伏せカードは【圧制】の効果によって前のターン使えなかったが、今ようやく使える。魔法カード【死者蘇生】!」

 

俺が最初に伏せていたカードの1枚がこれだ。もしもの時の手札制限を抑える為にセットしていんだが、まさかこんな風に使えるとは思っていなかった。

 

「【死者蘇生】……だと!?馬鹿な、閃刀姫には無用の長物的なカードの筈だ!」

 

「まぁな。でも、このデッキなら問題なく使える。俺が蘇生するのは……コイツだ!」

 

俺のフィールドに炎の渦が巻き上がると渦の中心に金色の長髪をなびかせ、赤色の装甲を纏った少女が戻ってきた。

 

「ただいま帰還しました。花衣さん」

 

「おかえり、レイ」

 

俺が蘇生したのは、【閃刀姫ーカガリ】だ。ジークやアザレアと違い、カガリはリンク召喚じゃなくても特殊召喚が可能なモンスターの一人だ。そして、カガリの効果はメインモンスターゾーンでも充分に発揮してくれる。

 

「【カガリ】の効果発動!墓地から【閃刀起動ーリンケージ】を加え、攻撃力を墓地の魔法カード1枚につき100ポイント攻撃力アップする!」

 

俺のデッキはレイが3枚、ロゼが1枚の4枚以外は全て魔法カードだ。墓地のレイとロゼ、そしてシズクを除き、さっき【アービング】で伏せカードの魔法カード2枚を墓地に送ったから、墓地の魔法カードの数は……32枚だ。

 

よって、カガリの攻撃力は3100ポイントアップする。

 

閃刀姫ーカガリATK1500→4600

 

「はっ!いくら攻撃力をあげたところで僕のライフは9000で、【絶対君主】の攻撃力は5000!どう足掻いても僕のライフを削る事は出来ない!」

 

「それはどうかな。俺は【カガリ】を素材に【カイナ】を召喚する」

 

アザレアのリンクマーカーは左上と右下にそれぞれある。アザレアの今の位置だと問題なく連続リンク召喚は可能だ。そして、これで準備は整った。

 

「俺は【閃刀騎ーグレン】【閃刀姫ーアザレア】そして【閃刀姫ーカイナ】でリンク召喚!召喚条件は【閃刀騎モンスター含む3体】!」

 

アザレアとハヤテが巨大な閃刀サークルを生み出し、カイムと共にそのサークルへと飛び込んだ。

 

全ての閃刀姫の装甲と、閃刀騎の装甲が合わさって1つとなり、ラグナロクは新たな姿へと生まれ変わった。だが効果事態は変わっておらず、ラグナロクが召喚された瞬間、ラグナロク自身の効果によって墓地の閃刀姫リンクモンスターは特殊召喚された。

 

ジークの様な巨体に、カイナとガイアの豪腕を纏い、シズクとシスイが宙を浮いてその身を守り、腰や背部にはハヤテのレールガンとアラシのビームライフルが付けられ、カガリとグレンの炎の剣がそれぞれの翼を作り、雄々しくも暖かな翼がこの闇のフィールドを照らした。

 

閃刀騎ーラグナロク

LINK3/機械族/光属性/ATK????

 

そしてこの瞬間、ラグナロクのカードが七色の虹に包まれると、ラグナロクのカードは姿を変え、新たな効果と姿へと変貌した。

 

「これが、ラグナロクの本当の姿なのか?」 

 

前のラグナロクは、閃刀姫リンクモンスターしか特殊召喚しなければならなかったが、この新たなラグナロクは閃刀騎モンスターでも特殊召喚が可能になっていた。

 

 

 

ラグナロクの効果により、俺の墓地から4枚の閃刀姫モンスターと1体の閃刀騎が特殊召喚され、その攻撃力は5000となった。

 

「そ、それがどうした!例えそれが来ても精々攻撃力は5000が限度だ!僕のライフを削れる訳が……!」

 

「【ラグナロク】の効果発動!自分フィールドの閃刀姫モンスターをリリースし、その効果を得る!俺は【カガリ】をリリースし、【カガリ】の効果を受け継ぐ!攻撃力アップだ!」

 

ラグナロク ATK4000→7100

 

「そんなものでは僕のライフは……」

 

「速攻魔法発動!【リミッター解除】!これで俺のラグナロクの攻撃力は倍の14200になる」

 

「させるかぁ!僕は【絶対君主】の効果で【主義大罪ー圧制】を墓地に送り、その効果を無効にする!」

 

「バトルだ!俺は【閃刀騎ーラグナロク】で【主義大罪ー絶対君主】に攻撃!」

 

一本の白い大剣を掲げ、その大剣に全てのエネルギーを集約させた巨大な光の剣を形成すると、ラグナロクはその光の剣を振り下ろし、玉座に座っている絶対君主に攻撃をした。

 

それを見た絶対君主は必死にバリアを張ったが、圧倒的な攻撃力の前にバリアはまるで紙切れかのように粉々となり、絶対君主事フィールドの玉座を断ち切らせ、崩壊した。

 

玉座の崩壊の衝撃は見下にへと届き、その衝撃の余波で見下は思わず後ろに吹き飛んだ。

 

「【ラグナロク】の戦闘ダメージは倍だ!きっちり受けてもらうぞ」

 

「ぐっ……うぉぉぉ!!」

 

見下成金 残りLP:9000→4800

 

ラグナロクの攻撃によって見下のフィールドの煌びやかな姿は瓦礫だらけの廃墟と化し、もう余力の様な物は残されていなかった。

 

だが、見下は不気味に笑いながら体を起こし、高らかに笑った。

 

「くく……はは……あーはっはっは!!それで終わりか!?僕のライフは残り、お前のデッキは0!このバトルが終わり、次のターンで僕はターンを終えればお前の負けだ!みっともない抵抗もここまでだ!あはははははははは!!」

 

「言った筈だ。お前に次のターンは無いって」

 

「馬鹿な事を……【ラグナロク】がいる限り、お前の場の閃刀姫は攻撃宣言が出来ない。これ以上どうしろと……」

 

「お前は、自分自身で負けを導いた。お前はまた自分の力に負けたんだ」

 

「何を言って……」

 

「お前が永続罠を墓地に送ったおかげで、俺は手札のこのカードが発動できる」

 

ラグナロクの効果で、全てのメインモンスターゾーンがエクストラモンスターゾーンになったおかげで、俺はこの瞬間でも閃刀カードが使える。そして、これで終わりだ。

 

「手札から速攻魔法発動。【閃刀起動ーリンケージ】!俺は【ラグナロク】を墓地に送り、デッキから【閃刀姫リンクモンスター】を特殊召喚する」

 

ラグナロクは全てのパーツを外すと、フィールド上空のサークルからレイとロゼ、そしてアザレアがフィールドに降り立ち、ロゼはジークを呼び出してコクピットへと搭乗し、レイもカガリを身につけた。

 

「【リンケージ】の効果で、俺はEXデッキから【閃刀姫ーハヤテ】を特殊召喚。そして俺の墓地に光と闇属性の閃刀姫モンスターがいる為、攻撃力が1000アップする」

 

閃刀姫ーハヤテ ATK1500→2500

 

そしてラグナロクが居なくなったこの瞬間、俺のフィールドに残っている閃刀姫達は効果は使えないが、一斉に攻撃が可能となった。

 

レイとアザレア、そしてロゼは見下に狙いを定め、攻撃の準備を完了していて。

 

「馬鹿なッ……こんな事が……!こんな奴に僕はっ!」

 

「これが俺たち閃刀姫の絆の力だ!俺は【ハヤテ】【アザレア】【シズク】でダイレクトアタック!」

 

3人は一斉に攻撃をすると、シズクの突撃、ハヤテのレールガン、そしてアザレアの銀色の斬撃が重なり、1つの斬撃となって見下へと襲いかかった。

 

「認めないっ……!僕は全てを支配する力を手に入れたはずだっ!!それがこんなっ……!こんな奴らにぃぃぃいぃぃぃ!!!!!」

 

見下成金 残りLP:4400→0

 

負け犬の遠吠えと言うべきなのだろうか。見下は最後の最後までこの結果を認めないまま3人の攻撃を受け、斬撃は止まらず見下ごとこの闇のフィールドの檻を壊し、デュエル終了と共に檻は砕け散り、青い空の光が射し込んだ。

 

「終わった……のか?」

 

俺たちを閉じこませていた檻も無くなり、人々も燃え盛る炎も少しづつだが収まっていた。

 

「花衣!」

 

遠くにいたカメリアがこちらに合流し、カメリアは無事な姿を俺を見て安心しきった顔をうかべた。

 

「カメリア、皆の避難は……?」

 

「大丈夫。少なくとも死者は居ないよ」

 

「そっか……良かった……!!」

 

誰1人として命を落として居ないことに安心しきったその時、奥にうずくまっていた見下が動き出した。

 

「どうやらまだ終わってないようですよ」

 

デュエルは終わったが、奥に吹き飛び、3人の攻撃を受けた見下はボロボロになりながらも立ち上がった。足は震え、呼吸も荒く、髪もぐしゃぐしゃになった醜い姿になっており、少しばかりの哀れみの感情が浮かんだ。

 

見下はこうなった原因である俺達に怒りの目を向けた。

 

「よ……よくも僕をこんな……こんな風にしてくれたなっ!!なんの力も無いただのゴミクズがぁ!!」

 

最初の余裕の声色は無く、見下が放ったのは喉が潰れる程の怒りを点った怒号だった。

 

「これは何かの間違いだ。なんの力も無いくせに……そんな風に他人の力に縋っている奴が!僕に勝てる訳が無いんだっ!」

 

見下は右手から黒い波動を放ち、俺に向けて撃とうとしたその瞬間、俺たちの背後から氷の弓矢が俺の横を通り、見下の右手を貫いた。

 

「がぁぁぁぁぁ!!あっ……がっっ!」

 

「この氷の矢……まさかっ!」

 

「花衣様!お待たせいたしました!」

 

ティアドロップとヘレボラスとエリカがこのステージまで来てくれた。ヘレボラスとエリカは右手を貫かれた痛みで悶えている見下に向けて更に攻撃を仕掛けたが、見下はそれを察知して攻撃を交わし、一命を取り留めた。

 

「な……何故だっ!僕よりも力も、地位も無い奴に何故そんなにお前に……周りに力があるんだっ!何も無い癖に!何故だっ!」

 

「それは……」

 

「お前自身には何も無い筈なのに……!カイムやカイリのお零れを貰ってる過ぎないお前がっ!!」

 

「……いい加減にして下さい。それ以上花衣様を侮辱したら許しませんよ」

 

「か、花衣さんに何も無い事はありません」

 

「少なくとも……いえ、花衣さんは貴方の様に落ちぶれては居ないわ。誰よりも他人の事を思い、行動するそれがこの人にはあるの」

 

ティアドロップとヘレボラスとエリカは俺の前に立つと、見下の言い分に怯むことなく返し、今度はレイ達が見下に閃刀を向けて話した。

 

「貴方は自分の命をかけて誰かを助ける事が出来ますか?この人はしたんです。崖から落ちた私を命懸けで助けてくれたんです」

 

「貴方は人の過ちを許す事が出来るの?花衣は私達の過ちを許してくれた。……命だって危なかったのにも関わらず」

 

「貴方は繋がりを持とうとしない。……可哀想な人だね」

 

「キミには出来ない事が、マスターは出来るんだ。それが決定的な差であり、勝てない理由だ」

 

レイ、ロゼ、カメリア、アザレアも見下には無いことを言い放つと、それが見下の自尊心やプライドに触れたのか、見下は自暴自棄状態の様に声を荒らげて暴れだした。

 

「ふざけるな……ふざけるなふざけるなぁ!他人!?繋がり!?他人なんてどこまでま行っても他人だ!そこに繋がりなんてあるわけがない。結局他人は、不特定多数の存在に過ぎない!僕に言わせれば、他人なんてどうでもいい!」

 

「そんじゃ遠慮なくやらせて貰うぜこの下衆野郎!」

 

今度は炎が意志を持つかのようにうねりながら俺達を避け、見下にだけ襲いかかる様に向かっていった。

 

見下はその炎を避け、炎が出た出処に目を向けた。

 

「誰だ!?」

 

「今の声……まさかっ!」

 

後ろを振り向くと、赤い髪と白いメッシュの男が炎の刀を持ち、颯爽と現れた。

だが、それはここでは会っては行けない者であり、ここに来ては行けない……来て欲しく無かった男だった。

 

「なんでここに来たんだ……焔!」

 

「決まってるだろ!ダチを守りに来たんだよ!」

 

俺の問いに焔はそう答えて俺の前に立ち、見下に刀の刃先を向けた。

 

「……何でだよ、焔。なんで来たんだよ」

 

「何でって言うのはこっちのセリフだ。何でこんな事を黙っていたんだ……って言いたけど、こんなの言える訳ないもんな」

 

焔は同情するように笑った。

 

「まっ、話は後だ。なんかやばそうな雰囲気出してる奴にちょっかいかけたけど……アイツって、お前のデッキを盗んだ奴だよな?」

 

焔は禍々しい闇を背負った見下を見て、本当に彼なのかを疑い持っていた。

 

俺は頷くと、焔は信じられないと言っているようなしかめっ面を浮かべた。

 

そう、見下と焔は少しだけだが面識があるが、出会った時と雰囲気がガラリと変わっている。というより、もう人では無いようにも思えるけどな……あれは。

 

「ぐっ……どいつもこいつもそんな奴の力になりたいのか!?見返りなんて無いのに!」

 

「へっ!見返りが欲しいから友達やってる訳じゃねぇんだよバーカ!」

 

「私達は花衣様を愛しています。それだけで力になる理由になります」

 

ボロボロになった見下は力が入らないのかその場で崩されるように体を倒し、焔達の言い分に腹の底から笑った。

 

「愛?友情……?そんなに不安定で不確定な物がなんになる?いいかよく聞け、この世界で最も信用出来るのは何だと思う?」

 

「……金って言いたいのか?」

 

「違う。金は確かに素晴らしい。価値がある内は何でも買えるのさ。食べ物、土地、自然、友情、そして愛情も。金で買えるのさ」

 

「そんな訳無いでしょう。人の感情に、価値なんてつけられる訳がありません」

 

「おや?六花の長は随分とロマンチストだな。でも買えるんだよ。良いか?人はちょっとした事で揺らぐものだ。そして、揺らいだ先に人は必ず従順になる。まるで餌を求める獣のようにな!」

 

「……結局お前は何が言いたい」

 

「良いか?この世で最も信頼出来る物は……【従順】さ。心を支配し、相手を従順にさせればもうそいつは逆らう事なんて出来ない!お前だって、六花と閃刀姫を愛っていう洗脳で従順に……」

 

「お前の理論と皆を一緒にするな……!」

 

皆との関係を従順という言葉で済まそうとした見下に掴みかかろうとして足を1歩踏み出したその時だった。見下の背後から黒い空間が開き、そこからまたゆっくりと人が現れた。

 

ディペンという女でも、ポルーションやジェネリアでもない、男性とも女性とも見えるような顔立ちをした奴が、黒いロングコートをなびかせながら現れた。

 

髪はウルフカットで灰色の様な色をしており、特徴的なのは機械で出来たマスクで顔を隠していた。

 

明らかに見下の仲間……見たいな雰囲気だが、様子がおかしい。

 

「あ……アルムか?」

 

アルム……?それがアイツの名前という事か。

 

アルムと呼ばれた奴はボロボロの見下をゴミのように見下ろしており、何かをする様な様子は無かった。

 

「な……何をしている!さっさとボクを助け……」

 

「……どうしてゴミを助けないとならない?」

 

「なっ……にっ!?」 

 

マスク越しの低い声が通ると、アルムは黒い炎を見下に向けて放つと、見下の体はみるみる黒い炎に焼かれ、阿鼻叫喚を叫びながら悶え苦しんだ。

 

「がぁぁぁ!!熱い……!あついいぃいいいい!!何故だだァ!?あるむううう!」

 

「ゴミは処理するのがルールな筈だ。だから処理をしている」

 

「ふ、ふざけるな……ああああ熱い!!誰がァァァ!だず……げ……でぇ……ああ"あ""あ"ああ""あ!!ボクはまだっおとぅさ"まゃだれ"にもみどめ"でぐれ"でな……」

 

助けを求めて必死に手を伸ばす見下だが、その手の先には誰もおらず、誰も見下を助ける事は出来なった。黒い炎は見下の体を塵にさせ、更にその塵をも残さないでいた。まるで、この世に存在していた痕跡を消すかの様に……最後には、そこにあった物が綺麗に無くなってしまった。

 

相容れない存在になったはずなのに、こうして無惨な光景を見せられたらそんな考えが揺らぎ、思わずこれをやったアルムという奴に質問を投げつけた。

 

「お前……仲間じゃないのか!?」

 

「仲間……?いや、あいつは違う。あいつはいわゆる、捨て駒だ」

 

「捨て駒……?」

 

「あいつは自身の欲や貴方に対する憤怒……つまり憎しみのみで力を行使した。見込み違い、と言うべきか」

 

「何……言ってるんだ?」

 

「アイツの罪は、結局は自分の為にしかならなかった。……世界を蝕む程じゃ無かったという事だ」

 

これ以上話すつもりな無いようにアルムは自分が出てきた空間に足を踏み入れ、最後に黒い炎を消した。

 

「待てっ!まだ話は終わって……」

 

「これから先、必ず会う。そして私達は貴方の帰りを待っている」

 

嵐のようにアルムはこの場から去り、このステージを壊した見下も消え、全ては……解決した。

 

したはずなのに、俺の心には足枷の様がしがみつかれ、この状況をまだ飲み込めていなかった。

 

「……花衣、気に病むことは無い。アイツは、自分の意思であいつらの味方になったのだから」

 

「だからって……だからってあんな最後……」

 

ロゼはそう言っているが、助けを求めていた人が目の前で死んだ事を見てしまっては、気に病むに決まっている。見下の最後を見た焔もこれには動揺し、吐き気が見え隠れするように顔が少し青ざめていた。

 

俺も助けを求める見下の姿を思い出してしまい、俺は思わず膝を曲げて頭を抱えた。あの時動けなかった自分を後悔し、助けられなかった事を見下に懺悔しようにも、もうあいつは居ない。いくら懺悔の言葉を並べても、もうそれは、ただの現実逃避なのだから。

 

行き場の無い感情をぶつけるように拳を地面に叩きつけた。

 

「なんなんだ……なんなんだぁぁぁぁ!!!」

 

瓦礫と化したステージの上で、俺は全てを吐き出すかのように叫んだ。

 

 





主義大罪ー獣人奴隷
レベル2/獣族/地属性/ATK0/DEF1000
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合発動出来る。デッキから【主義大罪】、またはそれが記されているカードを1枚手札に加える。

②:このカードがフィールドから離れた時、このカードがフィールドから離れた直前のコントローラーはこのモンスターの守備力分のダメージを受ける。

③:このカードは融合・S・X・Lの素材には出来ず、アドバンス召喚、儀式召喚の為のリリースは出来ない。  

主義大罪ー戦奴隷
レベル4/戦士族/光属性/ATK0/DEF1800
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合発動出来る。墓地、または除外されている【主義大罪】カードを手札に加える。

②:このカードがフィールドから離れた時、このカードがフィールドから離れた直前のコントローラーはこのモンスターの守備力分のダメージを受け、その後フィールドの【主義大罪】モンスターの攻撃力を1000ポイントアップする。

③:このカードは融合・S・X・Lの素材には出来ず、アドバンス召喚、儀式召喚の為のリリースは出来ない。  



主義大罪ー絶対君主
レベル10/魔法使い族/光属性/ATK4000/DEF3000
①:このカード名のモンスターはフィールドに1枚しか存在できない。

②:フィールド上の【主義大罪】モンスターをこのカードのレベル以上になるように墓地に送った時発動する。
このカードを手札から特殊召喚する。

③:相手がモンスター効果・魔法・罠の効果を発動した時、フィールドの【主義大罪】カードを墓地に送ることで発動出来る。その効果を無効にして破壊する。

④:1ターンに1度、自分の墓地にある【主義大罪】カードを除外した時発動出来る。除外したカードの効果を発動する。

主義大罪ー歯車の贄 通常魔法
このカード名の効果は1ターンに1度しか発動出来ない。
①自分フィールドの【主義大罪】モンスターをリリースし、相手の墓地にある魔法カードを1枚発動出来る。

主義大罪-隠蔽弾圧 通常罠

①自分フィールドの【主義大罪】カードがフィールドから離れる時発動出来る。自分フィールドの【奴隷】モンスターをリリースし、その効果を無効にする。

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