六花テーマを作って愛用したらそのまま俺への愛が重くなった件について   作:白だし茶漬け

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こんにちは。今回でこの章が終わり、いよいよ次は花衣君達の周りの人物が全員集合する章へと入る……前に!

なんと!もう少しでこの小説も100話に突入!!多すぎるデュエル描写のミスがありながらも、指摘を受けて修正を繰り返し、それでもお話が面白い等の様々な意見が貰えてここまで来れました!

記念の100話と致しまして、100までの話を特別な幕間の物語としてやっていき、101話で本編に行こうかなと思っております。

幕間の物語では、花衣君以外の日常や、その人物を主観に置いたストーリーみたいなものを考えてますので、是非ともお楽しみ下さい。

後書きの方で、前の話の後書きで書ききれなかった、閃刀騎モンスターの効果がありますので、興味があれば是非とも拝見してみてください。

それでは、どうぞ!


この花が届くと願って

 

 初めて人が死ぬのを目の前で見てしまった。

 

 寿命では無く、火炙りにされ、もがき苦しむ姿を見せられ、皮膚が溶けて肉も焼かれ、骨すらも残らない程の黒い炎を燃やされた男、見下は最後に何を思って死んでいったのか。

 

 助けを求めながら、誰にも認められていないと言い残し、消えていった。

 

 その光景はあまりにも酷かった。いや、その言葉すら可愛らしい程に残酷であり、これから一生忘れる事は無いだろつ。

 

 最後の最後でアイツは助けを求めようと手を伸ばし、俺は後悔の念に押しつぶされ、行き場の無い感情をぶつけるように地面を何度も何度も殴った。

 

 もしもあの時咄嗟に手を伸ばしたら助けられたのだろうか、それとも見下をあんな風にした謎の奴を説得すれば止めさせたのだろうか。いくつもの

 

 いくつもの考えを巡らせながらも地面を叩き、軋む指から血が流れても地面を殴り続ける俺を、ティアドロップは俺の手を握って止めた。

 

「止めて下さい花衣様! もう……終わったのですから」

 

「終わり……?」

 

 辺りを見渡し、瓦礫となったステージと人が居なくなった広場はしんと静まり返っており、さっきまでの出来事がまるで無かったかの様な静けさだった。

 

 確かにもう終わった……デュエルも、この惨劇も、見下の命も……全てだ。

 

「後味悪すぎるだろこれ……お前、あんな奴らと戦ってんのかよ」

 

「あぁ。……というか、なんで焔がここにいるんだ。ティアドロップ、俺は焔を守ってくれって言った筈だ」

 

「ですが、この方は自分の意思でここにいるのです。止めろと言われても、止める方ではありませんでした」

 

「だからって……無理矢理にでも止めたら良かったじゃないか!」

 

「私は本気で止めましたよ。ですよね、焔様?」

 

「まぁな。こいつ、俺の事本気で殺そうとしたからな? その氷の傘を俺の首元にこう寸止めさせてな」

 

 焔手を手刀の形に変えて自分の首に沿うように動かした。

 

「な……! ティアドロップ! お前そんな事したのかっ!?」

 

 焔を守るどころか焔達を傷つける行為をした事を知った俺は、思わずティアドロップに怒りの感情を向けた。ティアドロップもこれに対しては申し訳なさそうに目線を外し、少ししてこちらに目を向けた。

 

「その事については申し訳ありません。……ですが、私達が花衣様の加勢に行った時には、焔様はその場から動けず、あの場に座り込んでいましたよ?」

 

「当たり前だろっ! お前下手すれば焔を……」

 

「そうです。あの見下という方の様に、命を落とすかもしれない。それを見身を持って教えたつもりですが、今彼はここに居るのです。……命を賭ける覚悟が、今この方にはあると言う事です」

 

 ティアドロップは焔に視線を向け、俺も焔に顔を向けた。

 

 ……出来れば、焔や空達にはこんなことに巻き込みたく無かった。

 

 ウェルシーの目的が俺だと言うことは分かっているのだから、俺さえこの出来事を抱えれば済む話だ。だから焔達には話す必要や、知る必要なんて無かったのに。

 

「焔……今からでも遅くない。今すぐこんな事から身を引いて忘れるんだ」

 

 今ならまだ間に合うかもしれないと考えた俺は、焔を説得した。幸い……というのは不謹慎かもしれないが、焔は今存在していない見下だけにしか攻撃していない。

 

 それに、焔はレゾンカードが作られた本当の意味を知らない筈だ。このままレゾンカードがただのレアカードだと思っている今が、最後の引き際だ。

 

「頼む。こんな事に付き合う必要は無い。アイツらの目的は俺なんだ。だから……」

 

 必死に焔の目を見ながら説得し、焔が引き下がってくれると願うと、焔は左手で俺の肩を掴んだ。

 

「ほ……焔……?」

 

「ちょっくら歯ぁ食いしばれ」

 

「へ?」

 

 そして焔は、右手で全力のストレートを俺の顔面にぶつけた。

 

「ぐはっ……ぁぁ!?」

 

「か、花衣さん!!??」

 

 いきなり殴られて頭が理解を追いついておらず、世界がスローモーションになったかのように感じながらぶっ飛ばされ、それを見た皆は目を丸くしたり声を上げて驚いたりもしていた。

 

 それはそうだ、いきなり俺は焔に殴られたのだから。頬の痛みがまだ残り、歯が取れてないか心配になったが、無事に歯は取れてない。少し切っただけだった。

 

「……ねぇ、なんでボクのマスターを殴ったのかな。殺すよ? キミ」

 

「ま、待ってアザレア。多分何か理由があると思うから」

 

 この中で俺と焔の関係を知らないアザレアが殺気を帯びながら物凄い形相で焔に襲いかかろうとしており、それをカメリアが何とか押さえつけていた。

 

 しかし、アザレアの気持ちは皆同じ筈だ。焔は俺の友達だから手を出しては居ないが、笑っていない笑顔や裏で拳を握ったり等、許さない気持ちが見え隠れしていた。

 

 そんな中焔は、それに屈しない程に俺に対して睨んでいた。

 

「な……何するんだ!」

 

「うるせぇ! 折角俺が助けに来てやったのになーにが手を引けだ! ふざけてんのか!?」

 

「は、はぁ!?」

 

 何と焔は逆ギレした。意味が分からない。何で俺が怒られてるんだ? 俺は危険な事から遠ざけようとしているのに……思わずその逆ギレに対して怒りを向けてしまい、痛みを振り払うように体を起こし、お返しに焔の胸ぐらを掴んだ。

 

「俺はお前の為に言ってるんだ!! 見下の事見ただろ! あんな事になる前に、忘れろって言ってるんだ! 怖くないのか!?」

 

「怖いに決まってんだろ! だけどお前だってそうだろ!」

 

 焔もお返しに俺の胸ぐらを掴んだ。

 

「お前だって怖いんだろ? だから今、胸ぐら掴んでるお前の手、震えてんだろ?」

 

 そう言われて初めて俺は自分の手が震えているのを知った。そこまで大きくは無いが、止まらない事を知らない程小さく、確かに震えており、確かな恐怖を感じていた。

 

「いつからお前がこんなやばい事に巻き込まれてるか知らねぇけどよ。俺らも巻き込まれたんだ。だったら、一緒に背負おうぜ。……俺ら、ダチだろ?」

 

「ダチ……?」

 

 友達、という事なのだろう。焔は笑いかけ、そんな焔に目を背けた。

 

 俺の事を友達と言ってくれるのは、こいつや空だけだった。2人に出会わなければずっと1人だったと思うほど大切にしている。だから、だからこそ俺は……

 

「友達だから……巻き込みたく無かった」

 

 ありったけの思いを、焔にぶつけた。

 

 友達だからこそ一緒に背負い込み、友達だからこそ巻き込ませたくない。この相反する思いがぶつかり、話は平行線になっていった。

 

「……そっか。まっ、でもお前の周りの事は話して貰うぜ。勿論空にもだ。こいつらが一体誰なのか、何が起こってるのか。悪いと思ってるのなら、それぐらいしろ」

 

「……わかった」

 

 ここまで来たら隠し通せる訳が無い。空達にもこの事を伝える為、一旦空達がいる部屋に戻ろうとしたが……

 

「あ、ちょっとそれは待って待って〜」

 

 ついさっきまでそこには誰もいなかった所に、杖を持った白いローブを着た少女が文字通り急に現れた。

 

 まるでこの少女が現れる所までカットされたかのような登場に俺を含む全員が少女と距離を取り、すかさず武器を取り出した。

 

「……花衣さん、この人って」

 

「お前、メルフィーが居た森であったやつか?」

 

「お? 覚えててくれたんだ。久しぶり〜……ってそんな日数じゃないか」

 

 目の前の白ローブの少女はやはり、あの時メルフィーがいた森に居た少女と同一人物だった。

 

 だが、何故今になってここに現れたんだ? 

 

「何をしに来た」

 

「んー? ちょっとやばい事になったからね〜。その後始末をしに来ただけだよ。はぁ……めんどくさい」

 

「後始末……?」

 

「と言っても、これを見たのを全員やっつける訳じゃ無いから。君たちは安心して帰っていいよ。こんな事は無かった事になるだろうから」

 

「言っている意味が分かりません。貴方にそんな力があるとは思いませんが。魔法工房の工房長の【マスター・ヴェール】様」

 

「ありゃ、もうそこまで勘づかれたんだ」

 

 ティアドロップが少女の名前を言うと、少女は隠す必要は無いと言うようにあっさりとフードを脱ぎ、顔を見せた。

 

 フードから青い長髪がなびき、所々に赤いメッシュのような線をあった。間違いなくカードで見た精霊【ウィッチクラフト・マスターヴェール】だった。

 

 精霊自体の正体は彼方さんやハイネが監視者だったからなんとなくは察せてそこまでは驚かないが、1人だけ、本来精霊が見えない焔は例外だった。

 

「お、おいおいおい! あれ、マジモンのヴェールか!?」

 

「お前、あの子が見えるのか?」

 

「あ、あぁ……」

 

「一体どうして……」

 

「多分、その子アレ持ってるでしょ。ここではレゾンカードって言うんだっけ」

 

 どうやらレゾンカードのおかげで精霊が見える様になっているらしい。という事は、同じレゾンカードを持っている空と雀もここに居たら同じようにヴェールの事が見えるのだろう。

 

「れ、レゾンカードで見えるって……おいおい冗談だろ。これは世界にたった1枚しか無い超レアカードだぜ? すげぇカードだとは思うけどそんな事って……」

 

「じゃあ試しにカード、渡してよ」

 

 焔は恐る恐るレゾンカードをヴェールに差し出すと、その後ヴェールを見失ったのか、焔は辺りを見渡した。だが、実際にはヴェールはその場から動いておらず、あたふたと周りを見渡している焔を見てニヤニヤと笑っており、満足したのかカードを焔に返すと、焔はヴェールの姿を再確認出来た。

 

「うおっびっくりした! ……マジか、なんなんだこのカード……」

 

「そのカードにはね、役目っていうのがあるんだよ。それはね……」

 

「待ってくれヴェール」

 

 俺は、レゾンカードの本当の役割を知っているヴェールを止めた。

 

「それは俺が話す。俺が話さないとダメなんだ」

 

 友達として、焔達には全部話さないと行けない。それが、ここまで隠し、背負い込んだ責任なのだから。ヴェールはしょうがないと言わんばかりに小さく息を吐くと、レゾンカードの役目を言わずに居てくれた。

 

「そこまで言うのなら、ちゃんと話しなさいよ? あと、早く仕事を終わらせたいからこれ以上の質問は答えられないわよ〜」

 

「待てっ! まだお前には聞きたい事が……」

 

 有無を言わさずヴェールは杖の先を地面に置くと、杖の中心から白い魔法陣が広がり、光が壁になるように俺達を弾き、ヴェールは呪文の詠唱を開始した。

 

 詠唱が進む度に魔法陣から発せられる光が強くなり、辺り一面にはガラス玉の様な物が無数に広がった。

 

「ヴェール!! 待ってくれ!」

 

「そんなに焦らなくてもまた会えるよ。だって、貴方は私の…………」

 

 その瞬間、世界は光に包まれた。

 

「またね。ドラゴンに育てられた怪物さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 あまりの眩しい光には、人間は誰しもが目を閉じるものだ。ヴェールが発した魔法の輝きに俺は思わず目を閉じ、そっと目を開けると、そこは瓦礫まみれのステージの上ではなく、どこも崩さっていないステージ裏だった。

 

 ステージの上にはアリアさんとソナタさんがライブの歌を歌っており、ステージ裏にはマネージャーさんや他のスタッフ、そして焔と空、雀もいた。

 

「…………は?」

 

 思わず目を擦ってもう一度周りを見ると、さっきまで壊れていたステージや、気絶していたアリアさんとソナタさんが元気よくステージを駆け巡っており、何が何だか分からなくなっていった。

 

 まるで、さっきあった事が無かった事にされた様な感じだ。

 

 焔と空と雀の方の様子もおかしい。俺と同じように信じられない光景を見てるような反応をしており、思わず俺は声をかけた。

 

「大丈夫か? 3人とも」

 

「お、おう……花衣。なぁ、俺達ステージの上に居たよな?」

 

「あ、あぁ。空の方は?」

 

「俺と雀は控え室辺りに居たはずだ。いきなり白い光が襲いかかって来たら、気づいた頃にはここに……」

 

「わ、私……もう何が何だか分かんないよ……」

 

「俺だってそうだ……たく、どうなってんだ?」

 

 破壊されてないステージ、無事なアリアさんとソナタさん、そしてこの場にいる全員同じこと覚えているこの状況が飲み込めず、俺たちはただ立ち尽くすだけだった。

 

「……ネットも使えるようになってるな。……ん?」

 

「どうした空?」

 

「……巻き戻っている」

 

「は? 何が?」

 

「時間が……巻き戻っている」

 

 空がスマホにある時計を見せると、時刻は13:30と記されていた。

 

 この時間は確かライブデュエルが終わった時間だ。

 

 つまり、今は俺達はライブデュエルを終えた直後の時間に居るということになる。つまり、俺達は……時を遡ったという事実になる。

 

「……おいおい、どうなってんだよ。つまりこれはあれか? タイムスリップって事か?」

 

「まだ分からない。……が、もしもだ。このライブが終わる頃、つまりあと30分後また同じ事が起こるのならば……その言い分は正しいことになる」

 

「嘘……タイムスリップって……私、またあんな事に巻き込まれるって訳なの?」

 

「多分な……」

 

 俺達全員はあまりの事実に黙り込んでしまった。それもそうだ。タイムスリップやら非現実的な事が後から続き出せばこうもなる。

 

 それにまたあの惨劇が始まるとなれば……

 

『待ってください花衣さん。タイムスリップではないのかもしれません』

 

「レイか?」

 

 霊体化しているレイが何かを言おうとしたが、焔と空と雀の反応によってそれはかき消された。

 

「きゃぁぁ!! い、いきなり人が現れたぁぁ!?」

 

「ど、どこから現れた!?」

 

「こいつ……閃刀姫レイか? 何でこんなところにいる」

 

「えっ、お前達、レイが見えるのか?」

 

 3人は同時に頷くと、これで確定した。3人ともレゾンカードを持っている為、レゾンカードを持っていれば精霊が見えるということが今実証された。

 

 というか焔、お前はついさっき見ただろう……って言いたいが、いきなりレイが俺の後ろに現れたんだから、仕方ないよな。

 

「ところでレイ、何か用か?」

 

『はい。ですけど……周りの方が』

 

 3人はいきなり大声を出したせいで、スタッフ達が俺たちのことを不思議そうな目で見ていた。

 

「あぁ〜話し声、聞かれるかもな。皆、とりあえず控え室に行こうか」

 

 このままでは話が出来ない為、俺達は颯爽と控え室の方に足を運んだ。

 

 ここの控え室も破壊されておらず、状態もジェネリアやウェルシーが来る前に戻っている。そういえば、俺は直ぐに控え室に言ってウェルシーと出会った。

 

 もしこれがタイムスリップなのだとしたら、この辺りでウェルシーに出会う筈だが、ウェルシーは来なかった。

 

 そんな事よりも、今はレイの話だ。レイは霊体化から実体化し、3人の前に姿を表した。人気テーマである閃刀姫を間近で見れたせいなのか、3人は興味を示していた。

 

「おぉ〜! 本物の閃刀姫レイだ! 可愛い〜!」

 

「ホントな〜。そういや、なんかのゲームではレイは確か黒のパンツを履いてた様な気が……」

 

「覗いたら殺しますよ?」

 

「すんません……」

 

 容赦のない殺気が焔を襲うと、焔は縮こまって控え室にある椅子に正座し、そのまま土下座をかました。

 

「やっぱり……レイ・カガリと似ているな。花衣、まさかとは思うが……」

 

「気づいたか? あぁ。レイとロゼは、今まで俺達と一緒の学校に居たんだよ」

 

 あの時は、認識阻害という物があったからレイとロゼの正体はバレなかったが、精霊が見えた事によりその阻害が外れ、2人を精霊として認識出来るようになったのだろう。

 

 焔と空はこれにはさすがに動揺が隠せなかった。それはそうだ。閃刀姫2人が、自分達と同じ学校に通っていたのだから。

 

「まぁ、それはさておき……レイ、どうしたんだ?」

 

「はい。空さん、先程あなたはこの現象をタイムスリップと言いましたが、少し違うかもしれません」

 

「どういう事だ?」

 

「花衣さん、私達のデッキを見てください」

 

「デッキ?」

 

 レイに言われた通り、俺はバックの中にある閃刀姫デッキを取り出した。

 

 メインデッキの方は、変わらず閃刀姫神碑のデッキであり、これといった変化は無い。だが、エクストラデッキの方は違った。エクストラデッキには……5枚の閃刀騎エクシーズカードと、アザレアが揃っていたのだ。

 

「なっ!? なんで閃刀騎のカードがあるんだ!?」  

 

 このカードは見下のデュエル中に生まれたカードだ。つまり、間違いなく今の時間なら絶対に無いはずのカードなのだ。

 

 それが今ここにあるという事は、タイムスリップという事実がおかしい事になる。どうなっているんだこれ……

 

「おそらく時間は遡りましたが、あの時の事象が無かった事になっている……と言った方がいいでしょう」

 

「あの時の事が無くなっている……?」

 

「はい。現にアザレアとカメリアはここにいます。そして、今2人のライブが終わり、本来ならもうここは襲撃されている筈です。今のこの状況が証拠です」

 

 確かに、襲撃されている様子は無い。ウェルシーも来てないし、レイの言う事は正しいということになる。

 

 だが……そんなのまるで神様みたいだ。時を遡り、本来あったはずの事を無かった事にする……まさに神の所業だ。

 

「信じられないな。あのマスターヴェールがそれ程の事を出来るとは思えない」

 

 空の意見は最もだ。だが、事実こうなっているのだから信じるしかないのだろう。

 

「まぁでもさ、良かったじゃねえか。あんなの無い方が良いからさ」

 

「まぁな……」

 

 確かに、あんな状況は無かった方が良いに決まっている。

 

「……そうだ、だったら見下は!? アイツはどうなったんだ!?」

 

「ん? 何故そこでアイツの名前が出てくるんだ?」

 

「あ、そうか。お前確かステージには来なかったのか。あいつな……」

 

 俺と焔は、見下があっち側に居たことを話した。そして、人を超えた力を使って他の人を襲い、俺とデュエルし、最後には……その仲間の手によって消えてしまったことを話した……

 

「そうか……アイツがな。因果報応……と言うべきか」

 

「それじゃあ私、もしあの人の誘いを受けたらそうなっていたかもしれないの?」

 

「どういう事だ……?」

 

「花衣は最初からステージにいたせいで知らなかったと思うが、雀は、ジェネリアという男に黒いカードを見せて、仲間にならないかと言われたんだ。理由は知らないがな」

 

「そうか……良く断ったな」

 

「うん。空のおかげだよ」

 

「それに、ティアドロップ達のおかげでもある。俺達をよく守ってくれた」

 

 空の方も大変だったんだな……本当にティアドロップ達には感謝してもしきれない。

 

「見下に関しては何も言えません。あんなヤツ、私にとってはどうでもいいので」

 

「でも……」

 

「なぁ花衣。あいつはあいつ自身であの道を選んだんだろ? こう言っちゃなんだけどよ、そんなに気にすることは……」

 

 焔の言うことはわかっている。アイツは自分自身であっち側につき、他の人に危害を加えた報いを受けたと思ってもいい。

 

 だけど、最後の最後であいつはこう言った。誰にも認められいない……と。

 

 もしかしたら、アイツはアイツなりに誰かに認めて欲しかったのかもしれない。一体どこを認めて欲しかったは知らないが、そう考えると、どうしても悔やみきれなかった。

 

 そんな中、コンコンとドアのノックが鳴り、ドアが開かれると、アリアさんとソナタさんが帰ってきた。

 

「いや〜! いいライブだった〜!! すっごく気持ちよかった!」

 

「アリア、動きすぎ。動きを合わせる身にもなって」

 

「えぇ〜。でもソナタの方が運動神経良いから良いじゃん!」

 

 無事な姿の2人を見て、どこか安心すると、2人は不思議そうに俺の事を見た。

 

「あれ? どうしたの皆。なんかしんみりしてるけど」

 

「……いえ、何でもないですよ。それよりも、着替えたらどうですか?」

 

「あ、それもそっか! じゃあ行こうか! ソナタ」

 

「うん、それじゃあみんな、後でね」

 

 アリアさんとソナタさんは着替えに行く為一旦別の部屋に行き、元気そうでなによりだった。

 

「あの二人は知らないだろうな。本来ならやばい事になってるって」

 

「でも知らない方が良いさ。あんなの……」

 

『はい。それが良いかもしれませんね』

 

「うおぉぉぉ!? なんかまた出たぁ!!?」

 

 アリアさん達の荷物からホーリーエンジェルとキューティアが焔の後ろに現れ、精霊が見えるようになった焔はそのまま椅子から転げ落ちた。

 

「なな、なんでホーリーエンジェルとキューティアが居るんだよ!?」

 

「あぁ、そういえばお前達は見えてなかったんだな。うん、この2人はアリアさんとソナタさんの精霊で、いつも2人に手紙を渡している人物でもあるんだ」

 

「嘘だろ……という事は、あの二人も精霊が見えるのか?」

 

「いや、残念ながらあの二人には精霊は見えない。だけど、見えないからって確かな繋がりはあるんだ。そんな不思議な繋がりを持った子を、俺はもう1人知っているし」

 

 その子とは勿論心咲ちゃんだ。元気にしてるかな……? 

 

「あぁ……もう無理だ。色んなことが起こりすぎて頭いてぇや」

 

「あ、そうだ。焔さんにはあと1つやらなければ行けない事があるんでした」

 

「ん? なんだなんだ?」

 

 レイは焔の前に立つと、笑顔を感じられない笑みを浮かべた。あれ、なんかデジャブを感じるような気がするのは気の所為だろうか……? 

 

 レイはそのまま張り付いた笑みを浮かべ、右手をあげると、すかさず焔にビンタをかました。

 

「ごっふぇぇぇ!」

 

 頬と手がぶつかる音では無い鈍い音を鳴らし、焔はあまりにも強い衝撃を受けたのか、後方にぶっ飛んだ。

 

 あまりにも唐突なビンタに俺達は唖然として口を開き、レイは笑顔から怒りの顔にかわった。

 

「花衣さんの友達なので手加減しました。あの惨劇が無かった事にはなりましたが、花衣さんに一発与えた事はなくなりません。なので……一発覚悟して下さい」

 

 すると今度はロゼが焔の背後に現れると、赤い目を光らせてすかさず焔を振り替えさせ、裏拳のビンタをかました。

 

「いったぁ! おい! 一発じゃねぇのかよ!」

 

「一発よ。……1人一発だけど」

 

「インチキだぁ!!」

 

 焔の叫びは虚しく、今度はアザレアが焔の顔を殴った。

 

「ボクのマスターに……よくも傷をつけたね」

 

「焔様? 次は私達の番なので覚悟しておいて下さい」

 

 アザレアの背後にティアドロップ、スノードロップ、カンザシ、エリカ、ボタンが並びたち、六花全員では無い事をマジだと思って欲しい。

 

「嘘だろぉぉ!?」 

 

 こうして、控え室はある男の叫びが上がる事になるのだが、誰にも知る由は無かった……

 

「花衣、私達が見ない内に随分と愉快な人と仲良くなったね」

 

「これを愉快と言っていいのか分かんないけどな、カメリア……」

 

 焔への制裁が終わり、某ヤムチャみたいな倒れ方になった所で、今後の方針を固めようと空が話を進めた。

 

「……気が済んだところで話を進めるぞ。花衣、レゾンカードで精霊が見えるようになると言うことは、彼方さんも精霊が見えるのか?」

 

「あぁ。でも、彼方さんはそれよりも前に精霊が見えるし、精霊が見えるのは彼方さんだけじゃない。花音や天音ちゃんも見えるんだ」

 

「えぇ!? 花音も!? 知らなかった……」

 

 花音の親友である雀も、流石に花音が精霊を見えるということを知らず、少しショックを受けていた。

 

「その3人はこの事を知っているのか?」

 

「いや、花音と天音ちゃんには詳しく話してない。大まかな事を知っているのは彼方さんだけだ」

 

「なるほどな。花衣、お前には俺達にこの出来事を話す義務がある。……が、時間が時間だし、この出来事の後だ。今日は辞めて日時を決めて話して貰うぞ」

 

「いってて……よし、俺復活! 話すって言っても、花音や霊香とかはどうすんだ?」

 

 復活した焔の言うことは最もだった。確かに花音と霊香にも話すべきなのかはこっちでは判断がしづらい。

 

 レゾンカードが作られた目的……俺の抹殺という事が本当なら、俺の知り合い全てにレゾンカードを配るのが効果的な筈だ。何故なら、その方が確実に殺れるからだ。

 

「私は、やめた方がいいと思う。こんな怖い事、2人には知られたくないよ……」

 

「だろうな……」

 

 焔とは違い、自分の意思で首を突っ込むならいいが、こちらから一方的に知らせるのはやめた方が良いだろう。

 

 となれば……この事を言うのは事情を知っている彼方さんだろうか。日時とか決めないとな。

 

「雀はどうするんだ?」

 

「……ごめん、まだ怖い。全部を聞く勇気はまだ無いかな」  

 

「いや、大丈夫だ。それよりも、良く誘いに乗らなかったな」

 

「うん、空のおかげだよ」

 

「いいや、お前の意思の結果だ」

 

「ううん、空がもし叫んでくれなかったら私……だからね……本……とうに、あ……ありがっ……ありがとうっ!」

 

 安心感が押し寄せて来たせいで恐怖心が溢れてきたのか、雀は大粒の涙を流し空に抱きついた。

 空は驚きはしたが拒む事はせず、ゆっくりと雀の黒髪を撫でた。

 

「なんかアイツら良い感じじゃね?」

 

 焔はこの光景をにまにまと笑い、俺も何だか胸の奥がざわめく。というより、恥ずかしい感じがする。少し体の方も暑くなってきた。

 

『わぁ……何だか、ドラマを見てるみたいです!』

 

『ふふ、愛の詩でも送りましょうか?』

 

「馬鹿なこと言うな。こいつは有名配信者なんだ。つまり、アイドルとなんら変わらない存在だ。こいつと付き合ったりでもしたら炎上だ。炎上」

 

「えぇ〜? なーんか勿体ないな」

 

「皆のアイドルが誰かのものになったら、それで終わりだ」

 

「それもそっか」

 

「あ、そうそう。空って配信とか見る方なの?」

 

「ん? いきなりどうしたんだよ」

 

「いや、空が私が配信の決めゼリフって言うか、恒例のセリフを言っていたの。だから、私の配信とか見てくれてるのかなぁって」

 

「空が? そんなイメージは無いけどな」

 

 俺にとって空のイメージは、何事も一点に集中するタイプで、機械弄りとか結構する男だ。

 

 なんなら一から犬型のロボットを作ったりとかしていたし……空の製作技術と集中力は常人の比では無い。

 そんな空が配信を見るなんて事は……考えにくい。

 

「空? どうなの?」

 

 グイッと顔を近づかせ、アイドルらしい可愛い上目遣いで空に問いかけたが、空は目を逸らした。

 

「……ノーコメントだ」

 

「えぇ〜!? ずるいよそれ。教えてよ〜」

 

 ポカポカと空の胸を叩き、真意を試そうと体を揺すると、服のポケットから空の携帯が落ちた。

 

 慌てて空は落ちた携帯を拾ったが、すかさず雀が拾うと、携帯の待受画面を見ると、クスリと笑った。

 

「……これ、私のファンアートでしょ?」

 

「た、たまたまだ……」

 

「ふーん? じゃあ動画サイト開いてよ。目の前で。私のチャンネルを登録してなかったら、そんなに恥ずがしがる事無いよね? それとも〜スパチャとか結構してくれる人だったりとか?」

 

「ぐっ……!」

 

「すっげぇ……あの空が押されてるぞ」

 

 口喧嘩とか強い方の空だが、まさかあんな風にたどたどしい空は初めて見た。驚きもあるが新鮮味もあり、見ていて飽きない光景だ。

 

「ふっふ、まさか貴様が我が眷族の1人だったとはな。これからも我の所業をその水晶で見ておくといい」

 

 トバリモードとなった雀は空をどんどん追い詰めていき、空は最後に認めるように声を荒らげた。

 

「あぁっ! それはともかく着替えて来たらどうだ! お前のその衣装もステージ用だろ! 早く行け!」

 

「ふふ、今回は特別に眷属の言う事を聞いてあげる。じゃあね、私の眷族君」

 

 雀も衣装を着替えるために部屋から出ていき、空は疲れきったかのようにテーブルに顔を突っ伏せ、それを見た焔はニヤニヤしながら空の肩を抱いて目元にイラつくほどの笑顔を近づけた。

 

「ん〜? それで、結局どうなんだーい? 眷族さんやーい」

 

「お前っ……潰すぞっ!」

 

「へっ、俺が1番運動神経が良いんだぜ? 剣道部なめんなよ!」

 

「お前のそれは剣道部だけじゃ説明がつかないんだよ……!」

 

 焔は身軽な動きで空の反撃を交わし、空は焔の動きについて来れないと悟り、そのまま諦めて椅子に座り込んだ。

 

 そんな時、またドアのノック音が鳴り、ドアが開かれると、アリアさんとソナタさんのマネージャーさんが何か小袋を3つ持って現れた。

 

「お疲れ様です。貴方方のおかげでライブデュエルは大盛況となり、ネットの反響も大きくなりました。これは出演料……と言うより、謝礼です」

 

 マネージャーさんが袋を渡すと袋の中身は何か紙のような物が何枚か入っていた。封を開けると、そこには学生が持つには多すぎるほどの万札が表れた。

 

 万札を1枚ずつめくっていくらあるか数えると……なんと、封の中身は10万円があった。あまりの高額で逆に怖くなり、腰が引けるほどビビった。

 

「そんなに驚かないで下さい。何も出処不明の怪しいお金ではありません。これほどの事をした事をご理解ください」 

 

「うおお! これだけあればうめぇもん食い放題か!?」

 

「足りなかった部品もこれだけあればいけるな」

 

 予想もしてなかった大金が手に入った事で、皆は浮き足だっていた。確かにこれぐらいあれば1つぐらい何でもできそうだが、今の俺は欲しいものややりたい事は思いつかなかった。

 

「さて、ライブも終わり、この催しも閉園時間です。良ければ、皆様の家の最寄り駅まで送迎しましょうか?」

 

「えぇ!? マジか! 俺今日めちゃくちゃ疲れたから電車まで歩くの辛くて辛くて!」

 

「俺もだ……」

 

 まぁ、あんな事があったのだからこれは嬉しい助け舟だ。2人は甘んじてその誘いを受けたが……

 

「俺は……良いです」

 

「え? 良いのかよ、花衣」

 

「うん。ちょっと考え事しながら帰りたいから」

 

 これからの事や、見下の最期を考えると、どうしても俺はゆっくりと考えをつかせながら家に帰りたかった。もしこの考えを持ち帰ったら、母さんに相談してしまいそうで怖いからだ。

 

「では、2人の車を手配しますね」

 

「それじゃ、俺は先に出るよ。また後で連絡してくれ」

 

「お、おい……」

 

「やめろ焔」

 

 空は俺の気持ちを汲み取り、目配りで行っても良いと言ってくれた。マネージャーさんにも一言お礼を言い、俺はステージから出ていった。

 

 本来ならもう夜なのだろうが、ヴェールのおかげで時間が巻き戻り、今は夕方の手前程の時間だ。空はまだ青い所もあれば、夕日で茜色になる所もある。

 

 2つの空の色が共存する中、俺は海沿いの道を歩いていた。潮の香り、海の漣が鼻や耳に染み入り、疲弊しきった心が癒されていくようだ。

 

 少し立ち止まり、これまでの事を思い返す。

 

 レゾンカードの本当の役目、ウェルシー達の目的、見下の最期、……俺の、本当の姿。

 

「俺って……何なんだろうな」

 

 見下と対峙したあの時、俺は人では無い姿をした。手足は鋭い爪と強靭な鱗を纏い、背中には羽があり、雄々しい尾が靡かせた黒いドラゴンへと変わった。

 

 本当に……訳が分からなくて笑ってしまう。これまで趣味も何も無い人間が、急に黒いドラゴンになってしまったんだ。笑うしかないだろう。

 

 ……ダメだ、疲れて考えや心の整理がつかない。電車に乗って寝れば少し楽になるだろうと考えがつき、駅の方に戻ると、ふと俺は近くにあった花屋に目を向けた。

 

 店の前には色とりどりの花が咲き誇り、内装も落ち着いた雰囲気だ。

 

「あ、いらっしゃいませ! お花をお求めですか?」

 

「え……あ、すみません。ちょっと見ただけなんです」

 

 花を見たせいで客と勘違いさせてしまい、俺は店員さんに謝った。

 

「あぁ、そうでしたか! でも、花を見てくれて嬉しいです。花は人の心を安らぐ力を持ってますから!」

 

「あぁ……そうですね。俺も、花は好きですよ。名前に『花』の文字がついていますし」

 

「まぁ! どんなお花が好きなんですか?」

 

「え? ええと……プリムラとかシクラメンとか、ボタンや、エリカ……あと、スノードロップとかヘレボルスとか好きですよ」

 

「ふむふむ、冬のお花が好きなんですか?」

 

「あ……まぁ、そうですね」

 

 全部六花達の名前があるから愛着が湧いたとは言いづらい……好きな理由を告げられず、思わず目を逸らすと、逸らした先には白い菊の花があった。

 

「菊の花か……」

 

 菊は主に葬儀に使われる花であり、その花言葉は旅立ちや誠実がある。

 

「あの、これ貰えませんか?」

 

「ええと、白い菊の花……ですか?」

 

「はい。それと、渡したい人がいるんです」

 

 そしてその渡したい人は、もうこの世には居ない。

 店員さんは不思議に思いながらも、笑顔で白い菊の花を取り、綺麗に包装し、花束にして渡してくれた。

 

 俺はさっき貰ったお金を使い、この白い菊の花を買った。

 

「ありがとうございました。またご縁があれば、是非」

 

「はい。それじゃあ、さようなら」

 

 俺は店から出ていき、さっきの海へと向かった。まだ海開きの時期じゃないからか、この海には俺一人しかいない。まるで、俺が世界でただ唯一残った人間みたいだ。

 

「……ティアドロップ、ちょっと出てきてくれ」

 

 俺の呼びかけにティアドロップはすぐ様反応し、俺の隣に出てきてくれた。

 

「弔い……ですか?」

 

「分かるか?」

 

「当然です。貴方の事は何でもお見通しですから」

 

 流石と言うべきだろうか、ティアドロップは俺の真意を分かってくれた。

 

 そう、これは見下に対する弔いだ。分かっている。あの出来事が無かった事にされても、人の命が無くなった事は、無かった事にはならないって。 

 

 だからせめて……この花を届けたかった。

 

「花衣様はお優しいですね。あのお方は貴方の命を奪いかけ、大勢の方を危険に晒したのですよ?」

 

「その点は俺は許すつもりは無い。だけど、アイツが言っていた最後の言葉がな……」

 

 _僕は……誰にも認められて無い! 

 

 あいつは、誰かに認めて欲しかったのだろうか。だけど、俺の知る限りではあいつのやった行動は認められる行動よりか、許されない行動ばかりだった。

 

 何をアイツを駆り出したのか、アイツは……何を思って生きてきたのか。俺には分からないし、知る由もない。もしかしたら苦しんでいたかもしれない。もしかしたら辛かったかもしれない。アイツの周りには……誰もいなかった。だから、あんな力を受け入れたのかもしれない。

 

 もうそれを知る由も無ければ、アイツの本心を聞くことだって出来ない。だからこそせめて、あいつの死だけは受け入れたい。だからこその弔いの花だ。

 

 俺は花をティアドロップに渡し、ティアドロップが海に近づくと、抱えた白い菊の花束を凍らせ、白い菊が美しい氷の華へと変わった。

 

 ティアドロップは花束を夕日に向かって放り投げ、優しい風花を吹かせた。

 

 白い氷の菊の花弁一つ一つが散り舞い、夕日の光によって溶け出していく。やがて氷の華は夕日によって煌めきながら消えていき、俺もようやく心の整理がついた。 

 

「……これで、満足しましたか?」

 

「あぁ。ありがとう、ティアドロップ」

 

 俺は夕日の海をもう一度見つめ、見下に対してもう一度言葉を送った。

 

「お前がどんな事を思って生きてきたのかは知らない。だけど、お前の死を受け入れて、俺はお前のような犠牲はもう出さない。……絶対に」

 

 白い菊の花の花言葉は、旅立ちと誠実がある。

 

 もしも俺のように生まれ変わったのだとしたら、この花の言葉が届くと信じ、俺はティアドロップと一緒に海を後にした。

 

 その海には、2つの足跡だけでなく13のバラバラの足跡も付いていた。

 

 




閃刀騎ーグレン
ランク4/エクシーズ/火属性/機械族/ATK2000/DEF2000
・レベル4モンスター×2
このカード名の①の効果は、1ターンに1度しか使えない。
このカード名のモンスターは、自分フィールドの『閃刀騎』Xモンスターの上に重ねてX召喚出来る。この効果を使用した時、自分は『閃刀姫』または『閃刀騎』しか特殊召喚出来ない。

①:1ターンに1度、このカードのX素材を取り除いて発動出来る。自分フィールドに存在する表側表示の閃刀カードの枚数分、相手フィールドのカードを選んで破壊する。自分フィールドにこのカード以外の火属性の「閃刀」モンスターが存在する場合、相手はこの効果に対して効果を発動できない。

②:自分フィールドに『閃刀姫』リンクモンスターが存在し、このカードのX素材に『閃刀姫ー騎カイム』が存在する場合、自分フィールドの閃刀カードは破壊されない。

閃刀騎ーシスイ
ランク4/エクシーズ/水属性/機械族/ATK2000/DEF2000
・レベル4モンスター×2
このカード名の①の効果は、1ターンに1度しか使えない。

このカード名のモンスターは、自分フィールドの『閃刀騎』Xモンスターの上に重ねてX召喚出来る。この効果を使用した時、自分は『閃刀姫』または『閃刀騎』しか特殊召喚出来ない。

①:このカードのX素材を取り除いて発動出来る。このターン自分フィールドの閃刀カードは相手の効果の対象にならない。自分フィールドにこのカード以外の水属性『閃刀』モンスターが存在する場合、この効果は相手ターンでも使える。

②:自分フィールドに『閃刀姫』リンクモンスターが存在し、このカードのX素材に『閃刀姫ー騎カイム』が存在する場合、自分フィールドの閃刀カードは破壊されない。

閃刀騎ーアラシ
ランク4/エクシーズ/風属性/機械族/ATK2000/DEF2000
・レベル4モンスター×2

カード名の①の効果は、1ターンに1度しか使えない。
このカード名のモンスターは、自分フィールドの『閃刀騎』Xモンスターの上に重ねてX召喚出来る。この効果を使用した時、自分は『閃刀姫』または『閃刀騎』しか特殊召喚出来ない。

①:1ターンに1度、このカードのX素材を取り除いて発動出来る。自分フィールドの表側の閃刀カードの数だけ相手フィールドのカードをデッキに戻す。自分フィールドにこのカード以外の風属性『閃刀』モンスターが存在する場合、デッキに戻した枚数分自分のデッキの上からカードを墓地に送る。

②:自分フィールドに『閃刀姫』リンクモンスターが存在し、このカードのX素材に『閃刀姫ー騎カイム』が存在する場合、自分フィールドの閃刀カードは破壊されない。

閃刀騎ーガイア
ランク4/エクシーズ/水属性/機械族/ATK2000/DEF2000
・レベル4モンスター×2

カード名の①の効果は、1ターンに1度しか使えない

このカード名のモンスターは、自分フィールドの『閃刀騎』Xモンスターの上に重ねてX召喚出来る。この効果を使用したターン、自分は『閃刀姫』または『閃刀騎』しか特殊召喚出来ない。

①:1ターンに1度、このカードのX素材を取り除いて発動出来る。自分フィールドの表側『閃刀』カードの分だけ相手カードを裏側にし、それがモンスターだった場合そのカードを裏側守備表示にする。自分フィールドにこのカード以外の地属性『閃刀』モンスターが存在する場合、この効果は相手ターンでも使える。

②:自分フィールドに『閃刀姫』リンクモンスターが存在し、このカードのX素材に『閃刀姫ー騎カイム』が存在する場合、自分フィールドの閃刀カードは破壊されない。

閃刀騎ーアービング
ランク4/エクシーズ/闇属性/機械族/ATK2000/DEF2000
・レベル4モンスター×2

カード名の①の効果は、1ターンに1度しか使えない。

このカード名のモンスターは、自分フィールドの『閃刀騎』Xモンスターの上に重ねてX召喚出来る。この効果を使用したターン、自分は『閃刀姫』または『閃刀騎』しか特殊召喚出来ない。

①:1ターンに1度、このカードのX素材を取り除いて発動出来る。自分フィールドのカードを任意の数墓地に送り、墓地に送った分相手フィールドのカードを選んで除外する。自分フィールドに闇属性『閃刀』カードが存在する場合、除外されたカードを裏側にする。

②:自分フィールドに『閃刀姫』リンクモンスターが存在し、このカードのX素材に『閃刀姫ー騎カイム』が存在する場合、自分フィールドの閃刀カードは破壊されない。


新たなラグナロクの効果

リンク3/機械族/光属性/ATK0 リンクマーカー 下、左下、右下
【閃刀騎】含むモンスター三体

・このモンスターは一ターンに1度しか特殊召喚出来ず、このモンスターがいる限り、自分フィールドのメインモンスターゾーンは、全てエクストラモンスターゾーンとして扱う。

・このカードがリンク召喚された時、又はエンドフェイズ時に発動する。墓地にある【閃刀姫】リンクモンスターと【閃刀騎】Xモンスターを全てデッキに戻し、その後召喚条件を無視して可能な限りエクストラデッキいる【閃刀姫】または【閃刀騎】モンスターを特殊召喚する。そのモンスターは攻撃出来ず、効果は無効化される。

・このカードの攻撃力は自分フィールドの【閃刀姫】リンクモンスターまたはこのカード以外の【閃刀騎】Xモンスターの数×1000ポイントになる。

・このカードは直接攻撃出来ない。

①1ターンに1度、自分フィールドの【閃刀姫】リンクモンスター又は【戦闘騎】エクシーズモンスターををリリースする事でリリースしたモンスターの効果をエンドフェイズ時まで得り、墓地から魔法カードを一枚手札に加える。

②このカードが相手モンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

③このカードが効果によってフィールドから離れる時、自分フィールドの【閃刀姫】または【閃刀騎】モンスターをリリースする事でその効果を無効にする。

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