なのでこんな感じに。
少し考えたんだけど、いきなりそれだと強すぎると思ったので止めました。
はじめましてだ、突然だけど聞いて欲しい。
どうやら俺はとんでもない状況に投げ出されてしまったらしい。
今、目覚めたところなんだが……困った。
何が困ったかと言うと、この状況だ。
俺が居るのは何処かの寮の一室だろう場所。
家具は揃っている。ズボンのポケットに財布みたいな物が有るだろう感触も有る。
だが困ったのは机の上だ。
そこには一本の矢。なかなかに請ったデザインのこれを俺は知っている。
しかもふざけた事にこれは何故か黄金の矢。
そして一枚の紙
その紙には二つの英単語。
Ues this.
―――これを使え。
……とりあえず、此処が何処か確認しよう。
そう思い立って、窓の方へ向かう。
カーテンを開けようと手を伸ばした。
その瞬間、世界が反転したような気がした。
そして気付いたら俺は、矢の置いてある机の前に座っていた。
……
俺は玄関に走り出した。扉を乱暴に開け、外に飛び出した。
!?
如何言う事だ。
俺は今、確かに部屋の
何が起こっているのかわからねえが、この矢を如何にかしない限り、俺は逃げる事も、外を見ることも出来ねえってことだけは分かった。
この矢の使い方は分かっている。
この矢で、他人を貫くか……
自分を貫くか、だ。
そしてこの場に他人は居ない。
誰かが来る、そんな事は期待するだけ無駄だ。
ポケットの財布に自分の身分を知るためのものが無いか探したが……やっぱり何かに遮られる。
Ues this.
この命令に従わない限り、今得られている以上の情報を得ることさえさせて貰えないらしい。
だが流石に一般人な俺がいきなり、この矢で自分を刺せと言われて刺せる筈が無い。
そしてこの矢は、『才能が無ければ死に至る』矢なのだ。
細かい事は言わないが、この状態で、もし、才能が無ければ……俺は確実に死ぬ。
そして、この巻き戻しのような、謎の現象もこの矢から繋がる心当たりが有る。
――時間停止。
そして俺は止まった時間の中で動かされたのだろう。
選択肢は一つしかない。
しかしその先は二つに分かれている。
しかし、確率は不明。
二分の一と思いたいが……分からない。
此処で自分を選ばれた者だと思えるほど、俺は楽天家ではない。
何の試練だこれは。
……しかし、他に道も無い。
いや、良く考えれば選択肢は有った。
緩やかな死か、賭けに出るかの二択。
生きる可能性が有るのは賭けに出るのみだ。
俺は覚悟を決め矢を手に取る。そして喉をもう一方の手で確認し、骨を避ける位置に矢を突き刺す。
もし駄目ならそのまま脊髄を切断し、痛みがなるべく無いように死にたいからだ。
「ガ……ァ……」
喉を貫いたため、声は出ない。
一瞬の激痛。確かに貫いた感覚。流れ出た血。
そして死ぬ気配の無い俺。
賭けに勝った。
何時までも喉に刺していても、ただ苦しいだけなので抜こうと引くが……抜けない。
まるで人が道路標識を地面から引き抜こうとしているくらいに抜けない。
反動をつけようとしたとき、沈んだ。
抜けないが、押し込む事は出来るようだ。
そこで気付く。後から矢が出ていない。
全て押し込んだが、まるで体内に飲み込まれているかのように、反対側から飛び出ることは無く。
飲み込まれた後、喉には小さな傷すら残っていなかった。
俺は矢の試練をクリアしたのだ。
ならば俺も『スタンド使い』に?
そう意識した時、気配を感じた。
振り返ると、のっぺりとした、顔の無いヒトガタが俺の目に映った。
考えずとも分かった、これが俺の『スタンド』……
何も無いが特徴。
色が無い。ヒトガタをしているが真っ白なのっぺらぼうだ。
何も無さ過ぎて、逆に恐怖を煽りそうな存在だ。
だが俺に生じた感情は『頼もしい』。
普通はかっこ悪いだの、弱そうだのと言う感想が出てもおかしくないのだが、何故かこの…のっぺらぼうを俺はただただ、頼もしいと感じた。
《おめでとう、無事に馴染めたようだな》
何故か真っ赤なマーボーを手に持った神父が思い浮かぶような声で何処からとも無く部屋中に響き渡るようにそう呼びかけられた。
《君は選ばれた、この世界で好きに生きると良い。たった今、君にはその権利が生まれた》
それは…まあ、素晴らしい事なのだろうが、妙に芝居がかった様なその言い方は気に食わなかった。
《君はこれからどんな人生を送るのだろうな……》
俺はその声を聞き流しながら、ポケットの中より財布を取り出し、カーテンを開ける。
《だが君はきっと逃れられない。嫌でも巻き込まれるだろう》
そして窓を開け、身を乗り出すように外を見る。
《ようこそ、この、混沌としたこの世界へ……》
目に映ったのは、レンガの町並みと巨大な樹……間違ってもイーファの樹ではない……
《君は稀有な存在だ、『矢』を自らに指す時、邪な思いは無く、ただ、生き残りたいと祈った》
《私は君を歓迎する》
そして、落ち着いたところで確認する。
免許証は無い。
保険証は有る。
名前は…良かった、変わってない
生年月日と部屋に有る時計から今の俺の年齢は…・・・13歳、中学一年生、夏休みの真っ最中か……
そして、知りたくなかったが、此処は麻帆良学園。
当たり前だが、女子校に通うなんてことは無く普通?に男子校で、もちろん中等部だ。
前は共学だったが……まあ、男が多い分には何の変化もないだろう。
そう思って、携帯電話の電話帳を見る。
グループは…悪友に5、親友に3、幼馴染4そして他は家族とかその他。
悪友は…まあ、男ばっかだな。親友も同じく。
幼馴染は……男二人、女二人……ん?明石に長谷川……どこかで聞いたような……
ま、電話帳の奴等の顔が解らんが……いや、なんだろう…見れば解る気がする。
夏休みも残り1週間だが、まあ、色々と準備をしていくか……
どうせ、元の世界には帰れないか、何かをしないと帰れないんだろう。
精々快適に過ごせるように……