「何で俺が..」
良平は多数の疑問に悩まされていた。
元々単なるゲームの話。それが今となっては現実で次々現れている。自分はただの一般人だ、普通に生活を送っていただけなのに何故...
「貴方がWGに触れた時、懐かしい物を感じたの。暖かくて優しい温もり。彼が私と共に戦っていた時に感じていたあの優しさと同じだって。」
フィオナは自信の胸に手を当て噛み締める様に話した。その時の彼女の目は憂いを帯びながらも確かな優しい光が灯っていた。
「この機体の力はあの時と変わらずこの世界でも強大過ぎる...。今のラインアークの研究者達は誰も彼も他人を見下し私の力で人を傷つける事しか頭にないの...。そんな人達がこの機体を使えばあの2人の思いを踏みにじる事になってしまう。だから...だから!お願い!貴方からは例え私を使ったとしても人を傷つける様な事はしないって感じたの!」
フィオナは良平に心の内を吐き出すように言った。[彼]と同じもの、人を守る為に戦ったあの傭兵と同じ優しさ。それを持っている良平なら、きっと大丈夫と。
しかし良平は...
「だからって、何も俺じゃなくても...。大体、さっきから感じていたけど俺は既にリンクスなんだろ?!もう元の人間には...」
自信の手を貫かんばかりに良平は拳を握り締めた。
「勝手な事とは分かっています!ですが、彼と同じ遺伝子を持つ貴方なら!」
「え?ま、待ってくれ!彼と同じ遺伝子?何を言って...」
「っ?!時間がありません!貴方がそろそろ目覚める時です!これだけは覚えておいて下さい!あな...た...は...とり...はない...とを...」
「待ってくれ!まだ聞きたい事が?!」
彼女の言葉を聞き終わる前に良平はひかりに包まれた...
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「おい!良平!返事しろ!おい!生きてんだろ?!」
「うぅ...り、竜紀?」
「ば、馬鹿野郎!心配したんだぞ!お前が急にISに取り込まれて!丸い球体のまま全然反応無いから!もしかしたら...お前が...」
竜紀は大粒の涙を流しながら叫んだ。余程心配したんだろう。その両手は真っ赤に染まり俺を助けようとした跡が痛々しく残っていた。
「竜紀君、落ち着いて。良平君も目覚めたばかりだし余り刺激するのも良くない。」
白衣を纏った男が竜紀の肩に手を置き彼を窘めた。
「えっと...貴方は...?」
「ん?僕かい?僕は、そうだねぇ。取り敢えず皆から主任って呼ばれてるから主任で。それよりも気分は悪くないかい?何処か体で痛い所や変な感じはしない?」
「取り敢えずは大丈夫です。少しふわふわしますけど...」
「急にISに取り込まれたから感覚が戻ってないのかな?まあ、取り敢えずは休むといい詳しく説明はその後にするから。えっと、竜紀君だっけ?君も今日は帰るといい。こんな時間まで学校にいたらご両親も心配する。」
「え?げっ?!もう9時じゃん!やばい母ちゃんにしばかれる...」
竜紀は肩を落とし周りの空気が暗くジメジメしていた。
「アハハ、僕もついて行くから大丈夫だよ。それじゃ、僕は彼を家まで送ってくるから君たちは良平君をラインアークの治療棟まで送ってあげて。いいかい、良平君。絶対安静だよ?」
「動きたくても動けませんよ...」
「それもそうだね。それじゃ、君たちよろしくぅ!」
主任は砕けた感じ敬礼しながら竜紀の後を追った。
「ちょ、ちょっと主任!はあ、また仕事押し付けられた...もう!ハゲたらいいのに!あのバカ主任!」
研究員の女性は持っていたフリップを地面に叩きつけて叫んだ。後ろから良平が「あの...」と声を掛け辛そうにしていると。
「ま、取り敢えず斑 良平君だっけ?御家族の方には連絡してあるから悪いけどラインアークまで来て貰うわね?」
「あ、はい。お世話になります。」
良平は動く首だけを使って軽く頭を下げた。
その頃_______
「それじゃ、私はこの辺で」
竜紀を家まで送り届けた主任は竜紀の母親に事情を説明し、ラインアークへ戻る所だった。
「えっと、主任さん!明日良平のお見舞いに行ってもいいですか?」
「構わないよ。学校が終わったら、校門にうちの車を手配しておくからおいで。」
「ありがとうございます!」
竜紀は深々と頭を下げながら主任が帰るのを見送った。
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「...ぇ、そうです。例のリンクスは無事こちらで保護しました。はい、問題ありません。予定通り計画は進めます。分かっています。適度にやりますよ。それでは。」ピッ
運転しながら主任は報告の電話を切った。そして、口元を歪ませ微笑んだ。
「斑 良平君。君には悪いが我々ラインアークの革命の礎となって貰おう。この世界を覆し、社会を変えるためにもね。ねぇ?[J]。」
主任の車はそのまま、ラインアークへ消えていった...
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