連載するかは別にして、とりあえずパラレルワールドの3部での、花梨と承太郎達の出会い。
ケンタウロス。
一言で言い表すならそんな見た目のスタンドだった。
東方花梨は、そう記憶している。
やってしまった……っと思った時には時すでに遅し…。
「むぐぅ……。」
座り込んでいる自分の下には、見知らぬ青年。
「てめぇ…、なにもんだ?」
前を向けば、ある人物の面影を強く残した、がたいが良い青年。
「……承太郎さん…?」
「あ?」
「あっ。」
また、うっかり。小さく呟いたつもりだったが、ハッキリ聞こえていたらしい。相手の目つきが更に悪くなる。
「……どけ!」
「わっ。」
下にいた青年が、無理矢理花梨をどかして起き上がった。
どかされた際に体制を崩したのだが、その花梨の背中をムーディー・ブルースが支えた。
「! おい、お前…、スタンド使いか?」
「空条承太郎、貴様の仲間か?」
「…いいや。」
「なら、部外者か。だが、見られたからには始末させて貰うぞ!」
「チッ!」
花梨が知っている承太郎よりも、ずっと若い承太郎が自分を守ろうと動こうとしているのを感じたので。
「『ザ・ハンド』。」
ムーディー・ブルースが消え、背中から生えた白い炎のような花弁から、コピーしたザ・ハンドを出し、右手を振らせた。
ガォン!っと空を切る音が鳴る。
「なんだ? ぐお!?」
緑の制服の青年の背後から、空間を削ったことで引っ張り寄せられた保健室の棚が飛んできて背中にクリーンヒット。
「な…なんだとぉ…?」
青年は、そのまま前に倒れた。そして気を失った。
「あれ?」
よくよく見ると、どこかで見覚えがある面影がこの緑の青年にあるような…っと思った時には、スッと影がさした。見上げると若い空条承太郎が自分を見おろしていた。
「おい、アマ…、何者だ?」
「……場所を…変えませんか?」
「はっ?」
「ここだといずれ騒ぎに気づいた人達が集まってきますよ?」
「……逃げんじゃねーぞ?」
「逃げません。」
花梨はキッパリ言い切って、立ち上がった。
花梨の身長の高さに、承太郎は、一瞬驚いたのか目を少し見開いていた。
そして緑の青年を承太郎が抱えて、保健室から逃げた。
***
そして、場所を空条邸に移し……。
やはりというか、花京院典明……、花梨が知っている人物の若い頃の彼から、肉の芽なるものを引っこ抜き助けたまではよかった。
その後が気まずい……。
だが花梨は顔と態度に、そういうのが出ない。それが場の空気を余計に悪くする。花梨が心に思ってもいない方向に。
「で? てめーは何者だ?」
「……高校生です。」
「名前は?」
「花梨。東方、花梨です。」
「ひが…し…!?」
「やはりそうでしたか。」
その反応で確信が持てた。
「どういうことですか?」
アフリカ系らしい褐色の肌の男性が動揺する老人に聞いた。
花梨は、ススッと机の横へ行き、ジョセフに深々と頭を下げた。まあ、いわゆる土下座みたいな感じであるが。
「お初にお目にかかります。私は、東方朋子の孫娘でございます。ジョセフ・ジョースターお爺さま。」
ビシッと場の空気が凍った。
やっちゃった……っと思った時には時すでに遅し。
だって、物心つく前には、すでに祖父のジョセフ・ジョースターは……だったからだ。写真でしか見たことがなかった母の父親に会えて内心嬉しかったのだ。
周囲からは、だいたいドライだの、しっかりしてそう、だのと言われる花梨であるが……致命的な欠点がある。
それは、うっかり者であること。それに尽きる。(友人の野乃佳曰く、おバカとのこと)
外見がいかにもドライでしっかり者風に見えて、実は中身はただのうっかり屋さんという設定にしました。
人相とかで誤解されがちっていうのは、創作の世界だけの話かな?って思ったりもするが、現実にも実際にいるんだろうか……。
なお、このパラレルワールドの3部には、ミナミが存在しない世界ということにしています。つまり仗助は一人っ子。
次回でそれを花梨が理解します。