でもかなり一方的。
花梨の母・ミナミにとってはトラウマの、あのスタンドを…花梨は?
途中の道にある、茶屋で休憩。長い運転では、事故を防ぐため適度な休憩が必要である。
まだインド圏内であるため、チャイを売っている。
さらにサトウキビジュースはいかが?っと勧められたので、それを飲んでいると…。
あのボロ車が木陰にいた。
「あの車!」
「おい、店主! あの車、いつからいた!?」
「さ、さあ?」
「って、ことは…、この茶屋の客の中に運転手が?」
「…花梨、あの車から降りた奴を再生できるか?」
「降りて…ないんじゃないですか?」
「?」
「さっきから、やってます。」
花梨の傍に立っているムーディー・ブルースは、できないできないっと言いたげに手を振っていた。
「なるほど。なら…。」
花京院が合図を送るように花梨に視線を送った。
「エメラルド・スプラッシュ!!」
「『キラー・クイーン』。」
ハイエロファントグリーンがエメラルド・スプラッシュを撃ち、花梨がキラー・クイーンを出してコップを掴み、ボロ車に向かって投げ、起爆スイッチを押して爆破させた。
『ぎゃあああああ!』
攻撃を受けた途端、ボロ車から男の悲鳴が聞こえ、車は一目散に走り去っていった。
「……あれだけ攻撃を受けて、割と無傷でしたね。」
「なら、車そのものがスタンドという可能性があるか。タンカー型のスタンドがいたぐらいだ。」
「どうします?」
「ダメージが残ってるうちに追撃するぜ!」
「あっ、待ってよー!」
急いで自分達の車に乗り、スタンド車(?)を追撃することになった。
***
外見に似合わず荒れ地をスイスイと走るボロ車。
「くそ、あのボロ車、この荒れ地でも四輪駆動車並みに平然と走りやがって! スタンドで間違いないか!?」
「おかしいな? この道はパキスタンに…。」
「! うおおおおお!?」
霧が濃くなり、視界が悪くなったとき、ポルナレフが急ブレーキをかけた。
そのすぐ先は崖だった。
「ば、馬鹿な! あの車、どこへ!?」
「後ろ。」
「はっ?」
花梨がバックミラーを見て言った瞬間、真後ろからあの車が突撃してきた。
凄まじいパワーで押し出され、崖へと落とされそうになる。
「なんて馬力だ! 承太郎、スタープラチナで…。」
「いいや、ダメだ。反動でこっちが崖から落ちちまう。」
「……この霧なら…、『アクア・ネックレス』!」
窓を開けた花梨がアクア・ネックレスを発動し、霧に混ぜ、後ろのボロ車へと行かせる。そして。
『ギャヒィ!?』
「今です。ランクルを。」
「ああ!」
不意に押し出す力が萎えた瞬間、花梨が花京院に車のランクルを引っかけるように指示、それを察した花京院がハイエロファントグリーンでランクルの先をボロ車に引っかけた。崖が車の重みと重力で欠けて車を落とすと、ボロ車に繋がったランクルがボロ車を引き寄せようとしたため、ボロ車は必死で耐える。
「スタープラチナ!」
そのランクルのロープ部分を掴み、スタープラチナがボロ車と自分達の車を入れ替えるようにして崖の上へ戻し、ボロ車は崖の下へと落ちた。なお、ランクルはその際に外した。
「……終わったのか?」
「この高さじゃ。無事じゃすまんだろう。」
「いいえ…、まだです。」
「えっ?」
「車から逃げましょう!」
「はっ?」
「いいから逃げるぞ!」
察した承太郎と花京院が叫び、全員が四輪駆動車から飛び出した。直後、真下からあのボロ車が地面を掘りながら現れ四輪駆動車を破壊した。
『こんの野郎共がーーーー! 好き勝手しやがって! もう許さねーぞ!』
ドスンッと地面に着地したボロ車の外見がみるみるうちに変わる。攻撃的な凄まじい外見へと。
『この運命のカード! ホイールオブフォーチュンが、ズタズタに轢き殺してやるぜ!!』
「パワー対決なら相手してやれぜ。」
「待て、承太郎! 相手の能力が分からんうちは…。」
前に進み出ようとすると承太郎をジョセフが止めた。
その時、キラッと何かが光り、承太郎の体に傷が出来た。
「なっ…!」
「なんじゃ、見えなかった!?」
『ククク! さあさ、逃げ惑え逃げ惑え、行くぜ~。』
「……。」
花梨は、背中に白い炎の花を咲かせ、キラー・クイーンの手を出した。そしてそこらに落ちていた石を掴み、ホイールオブフォーチュンの進行方向に転がす。
そして、ホイールオブフォーチュンの車輪がその石を踏んだ瞬間。
カチッ
『?』
ホイールオブフォーチュンには聞こえたらしい。
「とっておき。」
花梨がそう呟く。そして、大爆発。
『ギャアアアアアアア…。』
「花梨…、今のは?」
「石を爆弾に変えました。触ったら対象が爆発する接触爆弾に。」
『クソがあああああ!!』
「あ、まだ生きてた。」
しかし、すでにスタンドの車は焦げてボロボロだ。それでも執念でこちらを轢き殺そうと迫ってくる。
「さっきの爆風に乗せて、『キッス』のシールを飛ばしました。」
『!?』
「うお! 車の前部分が二つになってる!」
「車体の前に張り付いています。シールが剥がれかけていますので…、それが剥がれれば…。」
そしてシールが剥がれた。
その瞬間にバチーンッと二つになった車体がひとつになり、中央に大きな亀裂と共に、車が破壊された。
「ぎゃあああああああ!?」
破壊される衝撃によって運転手である運命のカードの使い手が放り出された。
「おおお! コイツは…。」
「OH! こりゃーまた、ヘンテコりんじゃのう! ギャハハハ!」
笑う理由は至極簡単。
両腕だけモリモリマッチョで、胴体や足などは貧弱という妙ちくりんな体つきだったからだ。
「ひっ、ひいいいいい! お助けを~~、金で雇われただけなんだよ~~!!」
「あっ、見て! 車が…!」
「こんな小さな車にスタンドを被せていたのか。」
「まるで毛刈りされた羊じゃのう! ハハハハ!」
その後……。
「ウグググーーー!」
背中の下に大岩で、無理矢理のけぞった状態でロープレで固定された敵スタンド使い。
「えーと、なになに? 『私は、聖なる苦行の最中です。話しかけないでください』?」
「もう追って来ることはないだろうが、念には念だ。」
「パスポートも奪っておきましょう。」
「エ…ルフ(HELP)! フェルフ(HELP)!」
「……殺しに来たなら…、反逆される覚悟もないといけません。」
塞がれた口で必死に助けを求めてくる敵に、花梨が目を細めてそう言い捨てた。
敵スタンド使いは、ヒッ!と悲鳴を上げ、ガタガタと震え上がった。
「あとは…、貴女を香港に。」
「ええー! 私も行きたいよ~。」
「お前な~、足手纏いになっとるのが分からんのか! 飛行機代ぐらい恵んでやるだけラッキーだと思え!」
壊された四輪駆動車の代わりに、敵が使っていた小型車で国境の空港へ。
そして女の子に飛行機代を握らせて置いていった。
「……。」
「花梨?」
「まあ、仕方がないですよ。あんなに仲良くしていたんだから。」
新しく買い直した四輪駆動車に乗りながら、花梨が空港を見ている姿に花京院が察してそう言ったのだった。
そしてパキスタンへの道中、霧はますます深くなり、不気味なほど視界を悪くさせた。
花梨、キラークイーンを自分の物にしていた。
たぶん、子供の頃にやったと思われるが、きっと母・ミナミは、卒倒していたと思われる。
なお、キラークイーンは、花梨のスタンドによって情報をコピーされただけに過ぎないのでミナミを見ても暴走はしません。完全制御下に置かれています。
3部は、スタンドの先駆けだから、シンプルスタンドが多く、後々の複雑な能力スタンドだと圧勝できる気がする……。でもシンプルなスタンドほど強いとも言いますしね。例えばアヌビス神とか。
エンヤ戦が近づいてますが…、活動報告でも書いたけど、花梨がとあるスタンドを使っちゃってうっかりをやらかします。