7人目のスタンド使いは、参考にはしていません。
インドで登場した、泥のようなナニか再登場。
おや? 花京院の様子が……?
ヤプリーンの村で予定通りセスナを買い、ジョセフの墜落経歴を疑いながらも一行はセスナに乗ったのだった。
花京院は、固まっていた。ガッチガチに。
そんな花京院の右側には、花梨が花京院にもたれて眠っていた。
以下、花京院の心境。
か、可愛い…。
改めて見ると、とても綺麗で可愛い!
なにより…、なんかものすごく良い匂いがする!
笑顔が少ないからと不気味がる要素がどこにある?
これだけ可愛けりゃいいだろう!
花梨の周りは、見る目の無い男しかいないのか!?
でも…、まっ、その方が変な虫もつかないし…こーして…、って自分はなにを考えている!?
「おーい、花京院。酔ったんなら言えよ?」
花京院は、ポルナレフの声で我に帰った。
ふとポルナレフを見ると、ポルナレフは、ニヤニヤ笑っていた。
「な…なんだい?」
「お前も年相応なんだな~って思ってよ。」
「馬鹿なこと言うな。」
「素直になれよ。じゃないと、花梨には伝わらないと思うぜ?」
「そんなんじゃない。」
「俺見たんだぜ? お前が花梨の手首にキッスしたのを。」
「!」
「花梨からもお返しでキッスもらえたんならよぉ、押せばいけんじゃね?」
「馬鹿なこと言うな!」
「大声出すなよ。花梨が起きるぜ?」
「っ……。」
「…ん。」
すると花京院の肩に花梨がグリグリとほっぺたをすり寄せてきた。
「~~~!」
「ん~……。」
花京院を抱き枕とでも思っているのか、花梨は花京院を掴んで引き寄せようとする。というか、体をまさぐってくる。
「…花京院、耐えられるか?」
「……。」
「耐えろ…。まだ告白もしてねーのに進んだらダメだからな。まっ、爆発しそうって思ったら俺を頼りな。」
「もう、黙っててくれ…。」
俯くように下を向き、プルプルと耐えている花京院であるが、暢気に寝ている花梨はまったく気づいていなかった。
「……う…ぅ…。」
すると花梨が不意に呻いた。
「花梨…?」
様子がおかしいことに気づいたポルナレフが花梨を見た。
その時、花梨の口からポタリッと黒い泥のような水滴が落ちてセスナの床に染みて消えたのだが、ポルナレフはちょうど見えなかった。
「…さ、むい…。」
「花梨ちゃん?」
「…寒い…寒い…寒い寒い…。」
眠りながらうわごとを言う花梨にさすがにマズいと感じたときだった。
ガクンッとセスナが揺れた。
「ジョースターさん! 安全飛行頼みますよ!」
「ち、違う…、エンジントラブルじゃ!」
ジョセフがそう叫んだ時、前方の部分からセスナの装甲を突き破って、まるで悪魔のような爪を持つドロドロの表面をした腕が伸びてきた。
「なにーーー!?」
一行が驚いていると、悪魔のような爪は、ブンッと振られ、操縦席の窓を引き裂いて破壊した。
「ぐあ!」
「ジジイ!」
飛び散るガラスを咄嗟にジョセフが腕で防いだ。
そして降下していたセスナが、砂漠のオアシスに生えていたヤシの木にぶつかった。
「やっぱこーなるのねー!! 俺らが乗る飛行機は!」
「花梨ちゃん! 花梨ちゃん、起きろ!」
「うぅ…。」
「ダメか…。」
「花梨を引っ張り出せ! ドロドロが来るぞ!」
墜落したセスナのエンジン部分から這い出てきたものの表面は、泥のようにドロドロとしたような、無数の細かい触手が絡み合ったような異形で、蜘蛛のように八本足を出して迫ってくる。
砂漠の砂の上へ飛び降りた承太郎達は、ドロドロのソレから距離を取る。
セスナから降りてきたソレがオアシスのヤシの木の傍を歩いただけで、ヤシの木があっという間に黒々と黒ずみ、腐って倒れた。それだけでアレに触ればどうなるかというのが分かってしまう。
「さ、触れないぜ! ありゃあ! 触ったら死ぬ! どうする!?」
「遠距離からなら…、花京院!」
「分かっている! エメラルド・スプラッシュ!!」
早速と花京院がハイエロファントグリーンからエメラルド・スプラッシュを放った。
エメラルドのような破壊のビジョンがドロドロそれに当たると、ブチュブチュとイヤな音が鳴る。しかし、まったく堪えていないのか、ジリジリとこちらに迫ってくる。
「だ、ダメだ…! 僕のスタンドじゃ、破壊力が足りない!」
「諦めんなよ!」
「このまま砂漠でコイツと鬼ごっこして逃げ惑うわけにはいかん! なんとしてでもここで勝つしかないんじゃ!」
そうしていると、ドロドロのソレが消えた。
それに気づいた時、自分達の上に影が…、どうやら跳んだらしい。
「散開!」
大慌てで散開して逃げると、さっきまで自分達がいた場所にソレが着地した。
ブワッと砂が舞う中、花梨を庇う花京院。
その後ろを姿を見たソレが、花京院と花梨に迫った。
「逃げろ!」
「くっ!」
花京院が花梨を抱きしめたまますぐ傍まで迫ったソレを見上げ、振り下ろされる足を見て、固く目を瞑った。
「ーーー。」
その時、花梨の口から聞き取れない何かの詠唱が聞こえた。
すると、花京院に迫っていたソレが急にピタッと止まり、後ずさった。
「?」
花京院が目を開けると、ソレは、体の下に出現した大きな穴のような黒い影に吸い込まれるように消えていった。
「……な、なにが?」
「み、見ろ! 花梨を見ろ!」
「えっ?」
呆ける花京院にポルナレフが焦った声で言ったので、花梨を見ると、花梨の背中の方から、白い炎の中に揺らめくように、女性的な天使のような形があった。
その天使のような姿は、やがて白い炎と共に消えていった。
「なんだ? 今のは…?」
「天使?」
「……妙だぜ。」
「承太郎?」
「……インドの時と、今回…、似てると思わねーか?」
「はっ?」
「あのドロドロの何かだ。あの時も花梨は、寒い寒いってうわごとを呟いてうなされてやがった。」
「ネーナを食い殺したアレと、今回のアレが同じだって言いたいのかよ? そりゃ早合点じゃ…。」
「だとしても…、むしろ…、だとしたら…、矛盾が生じるがな。なんで自分から出したモンを、自分で退治する? 花梨のスタンドの一面だとしても、妙すぎるぜ。」
「ううむ…。」
承太郎の言葉に、ジョセフは唸る。
「ま、まあ! とにかくよぉ! アイツもいなくなったことだし、SOS信号出して救助を待とうぜ! 食料と寝袋もあるし、ここはちょうどオアシスだ!」
「…う、うむ、そうじゃな。」
「花梨は…、寝てるか。ったく、こんな騒ぎがあっても寝てるとはな。図太い神経してるぜ。」
「う~ん…。」
「あっ、起きた。」
「…あれ? もう着きました?」
「……墜落だぜ。」
「……そうですか。」
「おい、花梨。お前…心当たりはないか?」
「おい、承太郎。」
「?」
承太郎に聞かれたが、花梨は、分からないのか首を傾げた。
「承太郎、お前の気持ちも分からんでもねーが、花梨のせいだなんて俺は思わねーぜ。」
「……ふん。」
責めるように言ってくるポルナレフに、承太郎は、プイッと背中を向け、ジョセフを手伝いにセスナの方へ向かった。
「あの…、私…何かしましたか?」
またうっかりをしてしまったのかと、不安に思う花梨に、ポルナレフが近づいて頭を撫でた。
「俺は、オメーが何者でも構わないぜ。俺は味方だからな?」
「……ポルナレフさん…。」
「僕もだよ。」
「花京院さん…。お二人とも、ありがとうございます。」
花梨は、二人にペコッと頭を下げた。
その後運良く救助が早く来て、無事に砂漠を越えることが出来たのだった。
承太郎は、物言いがキツいけど、本音としては花梨を心配しています。そして仲間のことも心配している。
セスナを墜落させるのは決めてたが、どうやって墜落させるか考えて…、泥、再登場。
今回の泥の見た目は、ジ●リのタタリ神を想像してもらえればいいかな?
あと、花京院だって普段冷静沈着だけど、なんだかんだで年頃の男の子だってことを書きたかったんだ……。