っというか、ゲームオリジナルの敵登場。
アヴドゥルvsフェイス(ファイヤライズ)。
その村…、強いて言うならなにもない漁村で一泊し、砂漠を越えるためのランドクルーザーを手配した。
「それにしても、ハエが多い村じゃのう。」
「ここは漁村だぜ? 魚のにおいにハエがたかるんだろうぜ。」
たまに来る旅人のために用意されていると思われる、村にある民家を改良した食堂で、夕食を取っていたが、ハエがブンブンと飛び回る。
「ええい! しかし、うっとおしいわい!」
義手の方の左手で飛び回るハエを払っていると、一匹のハエに手が当たった。
直後。
ボッ!と義手を隠している手袋が燃えた。
「なにーーーー!?」
「なんだ!? なにが起こって…。」
「それより、水! 水!」
すぐに鎮火されたが、緊張感が一気に走った。
「どう思う?」
「どうって…、敵じゃねーのか!? 突然燃えるなんてありえねーぜ!?」
「先ほどの炎…、僕が見た限りでは、ジョースターさんが義手でハエを潰した瞬間に燃え上がったように見えましたが。」
「ハエ? ってことは、ハエのスタンド使いか!?」
「ヤレヤレだぜ。休ませる気はないらしいな。」
その時、店の奥から悲鳴が聞こえた。
「火事だーー!」
「なにーー!?」
「マジシャンズ・レッド!」
店の奥から転がり出てきた店主と共に煙がモクモクと。
簡素な作りの見せにあっという間に燃え広がろうとしていた火を、炎使いであるアヴドゥルが消し去った。
「店を出るぞ!」
急いで店を飛び出した一行が見たのは…。
口当たりから火をプスプスと漏らす、巨大なハエ達だった。
「でかっ!」
「これが、敵のスタンドか!」
「待て、おかしいぜ、見ろ。」
見ると、騒ぎに気づいたらしい村人達が家から出ていて、巨大なハエ達を見て驚いていた。
「コイツらは、実体がある。スタンドじゃねぇ。」
「じゃあ、どー説明すんだよ!? 口から火を出してるし、デカいし!」
「おそらく…、ハエを触媒にして発動するスタンド…ってところでしょうか。船や車のように。」
花梨がそう分析すると、巨大ハエ達がブンブンと飛び、一斉に炎を吐いてきた。
「マジシャンズ・レッド!」
それをアヴドゥルがスタンドで防ぐ。
「火は本物のようだな。ハエ達に火種を与えて、我々を攻撃しようという魂胆のようだが、私がいる限り無駄だ。」
「本体を探し出さねーと! いくらなんでも数が多いぜ!」
「いました。」
「なに!?」
「こんな異常な状況だというのに、暢気にしている呼吸を。あの男です!」
花梨がエアロスミスを飛ばし、弾丸を人混みの中に潜む、ひとりの男に浴びせた。
「くっ!」
男の格好は、村人達の衣装と違う。どうやら海外からの旅人らしい。
咥えタバコをしている男は、咄嗟に攻撃を避けたものの、肩に数発喰らった。
「末恐ろしい女だ…。まさか呼吸だけで俺を見つけるとはな。」
「てめー何者だ!」
「俺の名は、フェイス。スタンド、『ファイアライズ』を使う。いくら、炎使いとはいえ、この数のハエには対応できるか? やれ、ハエ共。」
すると村中にいた、ハエ達が巨大化して、炎を吐いてきた。
「これほどの数を!」
「俺のスタンドは、髪の毛をハエに括り付けて火種を与えるスタンド。ハエはそこら辺から調達だ。いくらでもまだいるぜ?」
「どうやら…、私を見誤っているようだな。火を使うという点では同じではあるが。」
「?」
「私のスタンドは、炎そのモノを操るスタンド。この世の始まりは、炎に包まれていたと言われる。『魔術師』…、始まりを暗示するスタンド。それが私のマジシャンズ・レッドだ!」
マジシャンズ・レッドが咆吼する。
するとハエ達の口から火が消えた。
「!?」
「この程度の火種を消すなど、私には造作でも無い。そして!」
マジシャンズ・レッドの両手に、ハエ達から吸い取った火種が集まり、大きな火球となる。
「お前自身は炎を扱えないということ。それがお前の敗因だ! 喰らえ!」
マジシャンズ・レッドが火球をフェイスに投げつけた。あっという間に火だるまになるフェイスだったが、一瞬地面転がったものの、すぐに転がるのを止め、こちらを睨んでくる。
「……これで…安心して夜を過ごせると…思わない…こと、だな…。お前達は…DIOさま…に、見張られている……のだから。」
そして、フェイスは、懐から銃を取り出し、自分の頭を撃ち抜いて自害した。
「……騒ぎが大きくなり過ぎましたね。この村から出ましょう。」
「うむ、そうじゃな。」
一行は、逃げるようにクルーザーに乗って、村を出たのだった。
イギー登場は、次回ですね。
アヴドゥルの出番がないという感想を貰ったので、アヴドゥルをちょい活躍させる回を作りました。
なお、ゲームでは、フェイスとアヴドゥルは、戦えません。(隠しキャラな敵で、ジョセフ同行じゃないと戦えないため)