書きたい衝動がある内に、書ける内に書きました。
ギャグではありません。
オリジナル展開です。
またしても、あの泥が……?
ジョセフと、承太郎が、お菓子屋で適当にお菓子を買った後、ポルナレフの迎えを待っていた頃。
オインゴとボインゴは、次の予言が漫画本に浮かび上がるのを待っていた。この大きな漫画本こそ、トト神の触媒なのだ。
トト神は、漫画という形で本体であるボインゴに近い未来を教える。
ただし、その予言はその通りにしなければ痛い目に遭うという、リスキーなものである。また、的中率は100パーセントと凄まじく、逆に言えば自分達に降りかかる災いの予言も回避不可能なのだ。
「き、来た! 来た来た!」
「来たか! どうなるんだ?」
「あれ?」
「どうした?」
「ちょ、ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って…。」
そう言ってオインゴからちょっと離れて漫画を見直すボインゴ。
浮かび上がった漫画には、血文字のような不気味な字体で、
魔、狂、痛、呪、死、獄、怨、負、邪、壊、醜、辛、闇、虐、滅、亡、腐、憎、鬱、苦、恐、凶、恨、悪……etc
ペラペラとページをめくればめくるほど、不吉な文字は増え、見開きをすべて埋め尽くした。
「ひっ…ヒィ…!?」
こんな予言は初めてのボインゴは、文字の不気味さも相まって恐怖した。
そしてひとりでに、ページがめくられ。
『あなたは、ダレ?』
赤黒く染まった見開きに、真っ白い文字が、読み手であるボインゴに問いかけるように浮かび上がった。
そして次の瞬間、ゴボッと赤黒い泥が、本からあふれ出した。
「ひやああああああああああああ!?」
悲鳴を上げて本を手放すボインゴを逃がさんとばかりに、悪魔のような手が泥の中から飛び出してボインゴの顔を掴んだ。
***
「……騒がしいな。」
「うむ、なにか事故でもあったのか?」
「騒ぎがこっちに近づいてきてるぜ。」
「なに?」
承太郎が指差した先、大通りの先から人々が逃げ惑ってきた。
その先、赤黒い霧のような息を吐きながら、蜘蛛とも、獣ともつかない異形の泥の塊が走ってきた。
「あれは!」
「またか!」
逃げ惑う人々や、騒ぎを聞いて出てきてしまった人間を踏み潰したり、たまに止まって身を揺らしてそこら中に泥を飛ばし、建物を溶かしたりした。当然だが泥が当たった人間も焼けて溶けた。
「こっちに来る! 逃げるぞ、承太郎!」
「待ってくれぇ!」
「はっ?」
「なんだ、てめー?」
そこにオインゴが二人の前に先回って止めた。
そして両膝をついて両手を合せて大泣きしながら懇願してきた。
「ジョースターさん! 空条承太郎さん! 頼みます! 弟を助けてください!」
「お、お前…、なぜわしらのことを?」
「敵か?」
「そーです! 俺達はDIOに雇われた刺客ですぅぅう! でも、もう襲いません! どうか、どうか! あの泥に飲まれた弟を助けてください! お金はなんとか工面しますから!」
「だったら、自分でなんとかすりゃいいだろうが。」
「俺のスタンドはただの変身能力なんですよーーー! 攻撃力なんてこれっぽっちもない! 弟のスタンドだってそうだ!」
「わしらに、アレに立ち向かえと言うのか!? アレがヤバいことぐらい分かっとるわい!」
「タダじゃ…、助けねーぜ?」
「分かってますーー! なんでもしますから!」
「よし、言ったな!」
「逃げんじゃねーぞ?」
「分かってますーー!」
『※□×▲~~~~!!』
「しかし…、飲み込まれているとなると、当然じゃが体内にいるということじゃろ? どうやって解放するか…。」
「……。」
「承太郎?」
「手っ取り早いのは……。」
「おい!? なにを、承太郎!?」
迫ってくる泥の化け物に、承太郎が買ったお菓子が入った袋を地面に置いてから突撃した。
『~~~~!!』
「てめぇは、なんだ?」
承太郎は、そう尋ねながらスタープラチナで殴った。
途端、駆け巡る、あの時…インドで遭遇した泥の化け物と同じモノ。
まるでこの世の全ての悪意や残虐な罪や痛みを感じるような感覚が体を駆け巡る。
「花梨が…、こんなモンを……。」
「承太郎!」
「抱えているなんてことが……!」
承太郎は、意識を飲まれそうになるのを気合いで堪えながら、スタープラチナの腕ごと自分の腕を泥の中に突っ込んだ。そして何かを掴む。
「あって…たまるか!!」
そしてスタープラチナの力をもって、ボインゴを泥の中から引っ張り出した。
ボインゴが引っこ抜かれてたせいか、泥は、グズグズに崩れていき、最後には、一冊の漫画本を残して消えた。
承太郎は、ボインゴを降ろし、ゼーハーゼーハーっと荒い呼吸を繰り返しながらへたり込んだ。
「承太郎!」
「ボインゴーー!!」
ジョセフとオインゴが駆け寄る。
ジョセフは、承太郎を心配し、オインゴは、気絶しているボインゴを抱えて大泣きした。
「まったく、ムチャをしおって! なんでまたこんなことを!?」
「……確かめたかった。」
「なにを?」
「さっきの奴が…、花梨と関連があるかどうかを…。」
「承太郎、お前、まだ疑っていたのか? ……結局、どうじゃったんじゃ?」
「分からねぇ……、まるで…この世の全ての悪意みたいな…、そんなモンの塊だぜ、アレは……。」
「承太郎!」
フラリッと承太郎がジョセフにもたれるように気絶した。
やがて車で迎えに来たポルナレフが、何があったんだと、車から降りて駆け寄ってきた。
承太郎は、やがて気がつき、フラフラになりながらも、車に乗った。オインゴとボインゴも乗せられ。情報を聞き出されるためにホテルへ。
しかし、オインゴと、ボインゴは、DIOが前に潜伏していた建物のことしか知らず、またDIOのスタンドのことも知らなかった。
エンヤから、矢で選定されて最近になって能力が開花したことと、多額の報酬金に目がくらんで雇われただけだったのだ。
「すんませーん…、お役に立てなくて…。」
「まあ、知らんもんは仕方ない。もう帰って良いぞ。ただし! もう悪事はしないと誓うのじゃ! でなければ、許さんぞ!」
「は、はい!」
オインゴは、ビシッと敬礼し、それからボインゴを背負って、去って行った。
「帰して、よかったんですか?」
「仕方ないじゃろう。連れて行っても人質にはならんし、それに能力的にも戦力にはならん。」
「美味しい……。」
「そうだろう? 今食べているのは、コナーファという、お菓子だ。サクサク、しっとりしていて美味しいだろう?」
「うん! コイツはイケるぜ! かなり甘いが、ナッツがいいな!」
「お前が喰うな。」
それは、花梨のためのお菓子だからとばかりに、花京院がポルナレフをど突いた。
承太郎は、泥と花梨が無関係だと思いたかったんです。
コナーファというお菓子は、極細の蕎麦のように薄い生地を重ね焼いたお菓子。ナッツやクリームなどを中心にして丸めたりして、その上にシロップをかけた物。
ネット記事によると、サクサクしっとりしているそうです。
とりあえず、甘~いお菓子で花梨は回復しました。
オインゴ&ボインゴが、矢で覚醒したタイプということと、DIOのことをほとんど知らないのは捏造です。
原作見てると、なんとなく、戦いに不慣れな感じがしたので……。
次回から、アヌビス神かな。