でも、なんか…当初のイメージと違った方向に行ってしまった…。(いつものこと)
序盤原作通り、途中からオリジナル展開。
ジョセフが公衆電話から、SPW財団に連絡をした。
娘・ホリィの容体についてだ。
聞いたところ、あと、4、5日が限界だろうと……。
そして、一行は、列車を使いカイロへと向かった。
カイロに到着後、あちこち周りながら、あるカフェで尋ねた。
ジョセフが念写したDIOの館の一部を写している写真の建物について知らないかと。
すると店主は、ここはカフェだから何か注文してくれと言った。そしてアイスティーを全員分頼んだ。しかし、写真を見た店主は、やっぱり知らないと言った。
わずか、5日程度で、だだ広いカイロからDIOを探し出さなければならないのだ。列車の旅からすぐに必死に尋ねて回っているが、ひとつも引っかからないのだ。焦りが積もる。
一行がアイスティーを飲み終え、移動しようとした時だった。
「その建物なら知っていますよ。」
っと言ったカフェの客がいた。
「えっ!? 本当かね!」
「ええ。」
一行は急いで、テーブルでトランプを弄っている男の元へ行った。
「教えてくれ! どこなんじゃ!?」
「無料(ただ)で教えろと?」
「むっ? それは失礼した。10ポンド払おう、さ、教えてくれ。」
「私は賭事が好きでね。あなたは賭けは好きかな?」
「何を言っておる? 20ポンド払う! わしらは急いでおるんじゃ!」
「私は賭事が好きでね。ま、賭事で生活費を稼いでいるのだが、くだらないスリルに目がなくってね。どうですか? ひとつ賭けをしませんか? そしたらタダでその館のことをお教えします。」
「何を言っておるんじゃ?」
「例えば…、この魚の燻製を…。」
すると男は、魚の燻製を二つカフェの外へ投げた。
「あそこにいる猫がどちらを取るか賭けませんか? 左か右か。」
「おい、ふざんけんなよ! 50ポンド払うから、とっとと言えよな!」
「もう一度言います。どちらをあそこの猫が取るか、賭けましょう。左か、右か。それだけですよ?」
「くっそ~! なら、俺が賭けるぜ! 右だ! 右を取るぜ!」
「グッド! なら私は左に賭けましょう。」
「おいおい…。」
「ところでよー…、お前が負けたら何を払ってくれるんだ? 100ポンドか?」
「金は要りません。魂…など、どうでしょうか?」
「はっ?」
「魂ですよ。魂。負けた場合、魂で払う。」
「けっ、ふざけた野郎だぜ。いいぜ、やってやらぁ。」
「グッド!」
そうこうしていると、猫が魚の燻製を左から右へと取った。
「ああ!」
「フフフ…、見ましたね? 左から右へ。私の勝ちだ。」
「くっそ~!」
「おい、ポルナレフ! どうするんじゃ? これではこの建物のことを聞けんぞ?」
「さあ、約束でしたね。」
「へ?」
「魂で払っていただきましょう。先ほど言いましたよね? 魂で……払うと。」
「はっ? お前なに言っ…?」
「魂ですよ! 私は、魂を奪うスタンド使いだ! 賭けというのは、人間の魂を肉体から出やすくする! そこから奪い取るのが、私のスタンド能力!」
「!?」
「ポルナレフさん!」
「なにーーーー!?」
次の瞬間、出てきたスタンドがポルナレフの魂を引っ張り出していた。
「貴様!」
「おっと、私を殺そうなどとしないことだ。私が死ねば、スタンドが掴んだ魂も死ぬ。助けたかったら賭けを続けることだ。」
すると先ほど燻製を取った猫が男の膝に乗った。
「ところで、コイツ(猫)は、私の猫さ。」
そしてスタンドがあっという間にポルナレフの魂をグシャグシャと丸め、コインにしてしまった。
「貴様ーーー! イカサマじゃないか!!」
「イカサマ? いいですか? イカサマを見つけなかったのは見抜けなかった人間の敗北なのです。私はね、賭けとは人間関係と同じ…だまし合いの関係と考えている。泣いた人間の敗北なのです。このまま怒りのままに私を殺しますか? いいですよ? そしたらコインとなった人間も死にますが、それでいいのなら。」
「ぐっ…!!」
「申し遅れました。私の名は、ダービー。D、A、R、B、Y。Dの上にダッシュがつく。スタンドは、オシリス神。」
アヴドゥルが手を離すと、ダービーと名乗った男は、落ち着いた様子で悠然と椅子に腰掛けなおした。
「1984年。9月22日、11時15分。あなたは、何をしていたか覚えていますか?」
「なんのことだ?」
「私は、覚えている。」
するとダービーは、アルバム本を取り出した。
そこには、人の顔が描かれたコインが嵌められた状態で、その下に名前が書かれていた。
すべてダービーがこれまで奪ってきた人間の魂だと理解できた。
ダービーは、ひとりひとり名前も、どのような勝負したかも覚えているそうだ。
「こ、こいつ…。」
「こうやって、ひとりひとり…、俺達を…。」
「面白いですね。似たようなスタンドがいるなんて。」
「花梨!?」
「ほう? そちらのお嬢さん…、いや、花梨と言ったか。複数のスタンドを使いこなすとは聞いている。その中に、私のスタンドに似た物があると?」
「ええ。大変、すごいスタンドですよ。試して…みます?」
「花梨ちゃん、ダメだ! この男に不用意に…。」
「なにも賭けをするのは、この人じゃなくてもいいです。」
「? それは、どういう…。」
「あちらの方に協力してもらいます。すみません。」
「ああ? なんだ、お前?」
近くにいたガラの悪い客に話しかける花梨。
「少し……、お尋ねしたいことが。」
「なんだよ?」
「あなたは…、あそこの賭けテーブルにいるダービーという人の仲間ですか?」
「!」
それを聞いたダービーも、ジョセフ達も驚いた。
「はあ? 何言ってんだ?」
「あなたが、今吸っているタバコ…、あとひと吸いで灰が落ちるに、あなたが本当のことを言うに。……賭けませんか?」
「はあ~? なにおかしなこと言ってんだ? この女ぁ?」
そう笑ってガラの悪い客がタバコを吸うと、灰が落ちた。
「落ちましたね…。」
「ああ、落ちたな。それで?」
「あなたは、嘘を吐いた。取り立て人が、あなたの隠している真実を言う。」
「へっ?」
『この店は、客も全てダービーに雇われている。』
「えっ?」
「花梨、そいつは!?」
モコモコの毛皮のような表面をした、人型スタンドが男の後ろに立っていて、そして真実を口にした。
「あなたは、嘘つきだ。そしてこの店全体もみんな、金で雇われ、ダービーの手のひらの上だった。これが真実です。」
「て、てめぇ、どうして!? ハッ!」
男が慌てて口塞いだが遅く、ダービーは、焦った。
「貴様! まさか最初から我々に仕掛けるためにこの店を!」
「ぐっ…。」
「てめー余計なことを!」
「最初の一発は私が避けるに、腎臓1個。」
「なに!?」
その言葉にダービーが反応。
「おおお!」
ガラの悪い客が憤慨して花梨を殴ろうとしたら、花梨はヒラリッと避けた。
『避けられたな! 腎臓を渡せ。』
そして、人型スタンドがガラの悪い客の腹に、ドスッと針金のような手を突っ込み、腎臓を引っ張り出した。
「ゲボォオ!?」
「なんだとーーー!?」
『色が悪い。闇市で売ってもたいした金にはならないが、取り立ての対象なので奪わせて貰う。』
そして腕の中に腎臓が吸い込まれるように消えた。
「うががが…、だ、ダービー…さん! こんなの聞いてねぇよ…!!」
「白状したな! やはり店も客も全員此奴の仲間じゃった!!」
「『こんなの聞いていなかった』と言うに…、腎臓を戻す。」
「こんなの…聞いてなかったぜ…。えっ?」
『言ったな。腎臓を戻す。』
するとスタンドが奪った腎臓を出し、ガラの悪い客の腹に戻した。
「…? あ、あれ?」
ガラの悪い客は、自分の身に起こったことが分からず混乱した。
「……分かりましたか? これが、私が持っている、賭事のスタンド。名は、『取り立て人マリリン・マンソン』。どんなイカサマも、どんな嘘も見破り取り立てる。金であろうと、物であろうと、情報であろうと、内臓であろうとも……。」
「ぐぅ…く…。な、なんてスタンドを持ってやがるんだ!」
「イカサマをする時、人は、心に弱みを持つ。取り立て人マリリン・マンソンは、その人の心の弱みの闇そのモノ。どんなことをしても倒すことはできない。無敵。どうやっても取り立てる。何が何でも取り立てる。死ぬまで……。」
花梨がスタスタと、ダービーがいる賭事テーブルの椅子に座った。
そして、机の上に頬杖をついて、薄く笑う。
「私と賭けをしませんか? ダービーさん。」
「やはり…、そうくると思っていたよ。フフフ! 実に面白いな! 人の魂のみを奪う私のオシリス神などとは、比べものにならんだろう! 取り立て人とはな! 覚えておこう!」
「あなたが本当にDIOのことを知っているに、1000ポンド。」
「なに!?」
「……出てきませんね。つまり、あなたは、本当に知っているということ。」
「!?」
「おお! そういう使い方も出来るのか! さあさ、オービー君! 早く白状しないと、すっからかんになるぞ! って、おい!?」
『本当のことを知っていないと疑った。だから我々が1000ポンド払う。』
取り立て人マリリン・マンソンは、花梨の財布とジョセフの財布から1000ポンド奪い、バサッとダービーの前に置いた。
「こりゃ、花梨! こりゃどういうことじゃ!?」
「取り立て人は、絶対なんです。こちらも弱みを見せれば、そしてイカサマをすれば、当然取り立てられる。私は先ほどお金で賭けると言いました。だから、お金がもし足りなかったら……。」
「臓器で払わされていたか…。」
「な、なんてことだ!」
「フフハハハ、これはいい! お前達の味方と思っていた取り立て人が、実は公平なる取り立て人とは! これで、お互いに安易なことはできなくなったということだ!」
「けれど、ダービー。お前もお前で、DIOについて知っているということが露顕したわけだが? それについては、どう考えて?」
「ハッ!」
花京院の言葉に、ダービーは、大汗をかいた。
ダービーは、ハッとした。横を見ると、1、2メートル離れた場所に、取り立て人マリリン・マンソンがこちらをジーっと見ていたことに。
「安心してください。私は先ほどの賭けで、あくまでもあなたが『DIOのことを知っている』かどうかを確かめただけですから。それ以上のことは聞いていない。」
「……なるほど。」
「酷くホッとしているようだが…。つまりお前は、DIOの能力についても知っているのか?」
「それは、お前達が賭に勝ってからだ。ほら、取り立て人も動いていない。賭けは成立していないのだよ。君らもそれに相当するモノを賭けなければならないのだ。」
「あなたにとって、DIOについての情報に相当するモノは…、私達の命?」
「私はすでにお前達に、私がDIO様のことを知っていることがバレている。しかし、私は、ポルナレフの魂を握っている。私に賭で勝たなければ解放は出来ん。早くしないとポルナレフの肉体が腐ってしまうぞ?」
「分かりました。では、ポーカーなど、いかがですか?」
「ポーカー! それは、私がもっとも得意とするゲームだ。」
「そうですか。」
「おや? 君も自信があるのかね?」
「ですが、ポルナレフさんという大きな弱みを握られている、そしてあなたは、取り立て人に見張られている、新品のカードでの公平なる勝負を願います。」
「それは当然だ。だが、そちらもイカサマをすれば……。」
「取り立て人に殺されるでしょう。」
「か、花梨…。」
アヴドゥルが心配する。
「良し。セキュリティーシールを張ったカードを開ける! あそこにいる無関係の子供にディーラーを。」
「カードに異常なし。ジョーカーも1枚。普通のカードだぜ。」
「では、ボウヤ、頼むぞ。」
「はーい。」
そして、子供がカードを配った。
「……。」
「どうした、花梨。早くカードを持て。」
「少し気になることがありまして…。ねえ、そこの君。」
「えっ? ぼ、僕?」
「あなたは、ダービーの仲間?」
「知らない。」
「あなたが、もしもダービーからお金を貰っているなら、そのお金を徴収してもらうけど。それでもいい?」
「おい! そんな小さな子供から金をむしり取る気かね?」
「はい。」
花梨は淡々と答えた。
「えっ、あ…あの…。」
その声と花梨の表情にゾッとした子供が焦り始める。
すると、シュンッとダービーの横から取り立て人マリリン・マンソンが消え、子供の影に取り立て人マリリン・マンソンが移動した。
『金を貰っているな。徴収する。』
「ああ!」
一瞬で消えたマリリン・マンソン。そして少しして戻って来た、その手に札束を持って。
『5ポンド足りない。生活費として使ったか…、ならば…。』
「貴様、そんな小さな子供から内臓を…!?」
『この服を売れば足りる。』
「ハッ!」
マリリン・マンソンは、子供から一瞬で上着とズボンを奪った。
「おい…、もし、私がその子供に払った金がもっと足りなかったらどうしていた?」
「分かりません。私がそう操作しているではなく、取り立て人が勘定するので。」
「ぐ…、恐ろしい女だ…。」
「この辺りの人間は信用できんな。仕方ない、アヴドゥル、お前がディーラーを。」
「私が?」
「このままだと、取り立て人が金どころか、買収されただけの人間からマジで内臓をぶっこ抜いて殺しかねねぇからな。」
「…分かった。」
「仲間にイカサマをさせる気か?」
「それなら、私が取り立て人にイカサマを見抜かれ殺されるでしょう。」
「むっ…。ならば…、あの言葉を言って貰おう。私のスタンドはそうしなければ魂を抜けない。」
「分かりました。私の魂を賭けます。」
「グッド!」
「では、カードを配る!」
そしてアヴドゥルがカードを配り直した。
「あなたに、賭けて貰うモノが決まりました。」
「ほう? なにかな?」
「心臓ひとつと、……DIOの能力について。」
「!」
「私が賭けるのは…、私達の命すべて。」
「なっ、なんだとーーー!? 貴様、正気か!?」
「花梨!」
「僕はそれで構わないよ。」
「同じく。」
「花京院、承太郎!?」
「腹くくれ、ジジイ、アヴドゥル。」
「あなたにとって、私達の命は、DIOに捧げるこれ以上無い捧げ物。ギャンブラーとして絶対なる自信とスリルを求める、あなたにとって、お金なんてほとんど無価値。なら、あなたは、あなた自身の命と、DIOの能力を教えてもらいます。」
「ど、どっちにしろ、私に死ねと!? そしたらポルナレフはどうなる!?」
「私のスタンドに…、元に戻すスタンドがないと思っていますか?」
「そ……それは…。」
「てめーらに花梨の情報が入っているなら、どんな状態からでも治せるスタンドがあることぐらいは知ってるはずだぜ。」
「うぅ…、どっちにしろ、ダービーは死ぬということか! 心臓を取られて死ぬか! DIOを裏切り殺されるか!」
「あ……ぅ、ああああああああ!?」
「さあ…、賭けましょう。どうします? さあ、早く…。」
花梨が、薄く笑う。それは、それは、美しく。
ダービーは、その笑みに何かを感じたのか、ゾゾゾッとなり、一気に血の気が引いた。
『DIO…の能力は…。』
「ひいいいいいいいいいいい!? やめろおおおおおおおおおお!!」
マリリン・マンソンが言いかける。するとポルナレフの魂が解放された。
「負けを認めましたね。では、徴収して、マリリン・マンソン。」
「うわあああああああああああああ!!」
『逃がさない。心臓を取る前に、DIOの能力の情報を…。』
マリリン・マンソンがダービーを捕まえ、胸に手を突っ込んでから、言いかけた時だった。
ダービーのこめかみに銃弾の穴が空き、テーブルに突っ伏して死んだ。
「なにーーーー!?」
「しまったーーーー!!」
「またか!? またやられた!」
「誰じゃ! ここにいる誰かに…!?」
「いいや、角度からして、かなり遠くからだぜ。この店の客じゃねぇ…。」
「……。」
ダービーのあまりの焦りから来る壮絶な顔のままの死に様に、花梨は黙ったまま見つめる。
「マリリン・マンソン…、情報は?」
『相手の死により、無効とする。』
そしてマリリン・マンソンは、消えた。
「うぅ…、お、俺は…。」
「だいじょうぶか、ポルナレフ?」
「ハッ! そうだ、俺負けて…。」
「一から聞き込みのやり直しだ。行くぜ。」
「えっ? な、なんで、コイツが死んでんだよ? なにが…あったんだ?」
「気にするな。もうどうしよーもねー。」
「……。」
「花梨ちゃん、だいじょうぶか?」
「はい…。」
花梨は、花京院に手を貸して貰いながら立ち上がったのだった。
ごめんね…、ダービー……、最初のプロットから死ぬ予定にしてたんだ…。
楽しみに書いてたのに、なんか納得いかない展開になってしまった……。
ダービーほどのギャンブラーなら、マリリン・マンソン相手でも後れを取らないというイメージが湧いちゃったからかな。
そして私がそれを書く技量が無かった…!
次回は、どーするかなー?
ホル・ホースとボインゴのコンビだけど、脅されてやむを得ず協力って形にするか……。