ほぼほぼ、原作通り。
余命、50日。
それが、ホリィに架せられた死の呪いだった。
幸いだったのは、呪いの発生源を消せば命が助かることだっただろうか。
呪いの発生源は、DIO。
星のアザを受け継ぐジョースター家とは、因縁深い吸血鬼。ジョセフ・ジョースターの祖父である、ジョナサン・ジョースターの肉体を奪い復活した存在。
花梨が来て翌日のことだった。ホリィがその呪いで倒れたのは。
ヘビイチゴの茨のスタンドが背中に生え、やがて全身を包み込み死なせるのだ。
闘争心などがないホリィは、呪縛にやられるのではないかと、ホリィの父であるジョセフは心配していたが現実となってしまった。
そういえば…っと、花梨は思い出す。
伯父の仗助も、幼いときに50日もの間、病に伏せていたことがあるとか……。
「もしかしたら、仗助おじさんも……。」
「!」
「この年代だと、4歳のはず…。大人のホリィさんが倒れるぐらいなら…。子供は?」
「お、おお! なんてことだ!!」
ホリィだけじゃなく、ジョセフの血を引く東方家の子にも間違いなく呪縛は行っている。
守るべき、救うべき存在は、ホリィだけじゃない。それを花梨が教えた。
花梨は、パラレルワールドとはいえ、親戚の死の呪いを憂いて俯いた。そんな花梨の頭に承太郎が手を置いた。
「安心しな。そいつも必ず…。」
「承太郎さん…。」
「それで? DIOは、どこにいる?」
「分からん! 念写にはいつも暗闇しか映らんのだ!」
「見せな。」
承太郎がジョセフに念写した写真をもらい、スタンドを出してそのスタンドの目で念写した写真を見た。
すると何かを暗闇の中に見つけた。
それを銃弾をもつかみ取る精密精度を誇るスタンドの手で、スケッチさせてみると、一匹のハエが描き出された。
アヴドゥルは、そのハエが、エジプトに生息するナイルウェウェバエであることを言った。
つまり、DIOは、遙か遠く、エジプトの国に潜んでいるということである。
「やはり、エジプトか…。いつ出発する? 僕も行かせてくれ。」
そこへ、花京院がやってきた。
花京院は、エジプトに家族旅行に行った際に肉の芽を植え付けられたと言った。
同行する理由であるが、よく分からんと言っていた。承太郎のおかげで目が覚めたからかもと言っていた。
「花梨。お前はどうする?」
「私は……。」
「私からハッキリ言わせて貰えば…、君のその強大な力はきっと役立つ! しかし…、君はパラレルワールドに迷い込んだだけの迷子であってこの旅には何の因縁もないのだ。」
「…できうることなら、力を貸して欲しいが……。」
「いいですよ。」
「えっ?」
花梨の早い答えに、視線が集まる。
「パラレルワールドとはいえ、目の前で苦しみ、死んでいこうとしている人を…見捨てられるほど、私は冷酷じゃない。私でよければ、行かせてください。」
「そうか…、ありがとう!」
ジョセフは、花梨の両肩を掴んで涙ぐんでいた。
「この旅が終われば、君を元の世界に戻す方法を探す! 必ずだ! 約束する!」
「ありがとうございます。」
この後、アヴドゥルがタロットカードで承太郎のスタンド名を決めていた。
星のカード。
スタープラチナ。
「ああ…、そういう意味だったんだ。」
「?」
「いえ…、こっちの話ですから。」
花梨の返事がこんなに早かったのは……。
あのケンタウロス…、謎のスタンドに会うには、この旅の先に行かなければならないという直感だった。
こうして、東方花梨のパラレルワールドでの過酷な旅が始まった。
決断早い花梨ちゃん。
実は、この旅をしなければ、メイド・イン・ヘブンに届かないと直感しています。
その直感が当たるかどうかは……。