瞬間、木山が吹っ飛ばされる。
――決着の瞬間――
『外装代脳』により、他人の思考を覗いていた上条は、全方向に目があると言っても過言では無い状態だった。
操った人々が襲いかかり、木山に一瞬の隙ができたのを上条は見逃さなかった。
『発条包帯』により、身体能力を極限まで高め、人外の速度で木山に突っ込む。
木山が能力を使おうとしたが、偶然運悪く――上条の運が良いことはあり得ないため、木山の運が悪かったと推測される――能力が使えない。
すぐに他の能力に切り替えるが、急いでいたため、発火系能力を使ってしまった。
上条の左手は凍っている。
火と氷で相殺され、上条はそのまま腕を振りきる。
溶けきっていない氷により、ゴッと鈍い音がした。
さて、時間を動かそう。
木山はそのまま吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。
「ぐぁッ……」
呻き声をあげる。
上条は動くことができないようにと、『外装代脳』を使って洗脳を行おうとした。
が、ちょっとしたミスで、木山の記憶を覗いてしまった。
それは楽しい記憶。
優しい記憶。
そして、
罪を犯してしまった記憶。
「な、なん……?」
「……観られた……のか!?」
上条の表情や動きを見て、木山が問いかける。
上条はその問いには答えず、木山に問う。
「……お前が悪いヤツには思えない。なぜ、なんでこんなことをしたんだ?」
「くっ……フフフフフ」
木山は笑う。そして、語り出す。
『幻想御手』の内容。
『
それを後悔し、『樹形図の設計者』の使用申請をしたが、何度も断られたこと。
そして、叫ぶ。
「私は、わたしは、この街の全てを敵に回しても止まる訳にはいかないんだっ!!」
上条はまた驚く。
介旅だけじゃない。この街には、不幸なヤツや不運なヤツが山ほどいるんだ、と。
上条は笑った。不気味に。
直後木山が絶叫する。上条が目をやると、空中に胎児が浮かんでいた。
最初は肉体変化か精神系の能力かと思った。
しかし、気がついた。アレイスターが右手を使うなと言ったことを思い出す。
つまり、あれは、『プラン』に関係あるもの。つまり、
『ヒューズカザキリ』または『ドラゴン』
それ以外だとしても、『プラン』に多大な影響が出てしまうものなのだろう。
上条はその胎児、いやバケモノを見据える。
その顔に笑みは無い。
しかし、恐怖も無い。
ただ、解決方法を模索していた。
それを遠巻きに見ていた初春飾利は、二つの理由で驚いていた。
ひとつは化け物が現れたこと。
もうひとつは、
「え、なんで竜神さんが?」
上条がそこにいたこと。
しかし、頭を切り替える。
恩人を助けるためにも、早くこのデータを解析、使用しなければならない。
登場??紹介
胎児型のバケモノ……『プラン』にも関わると思われるなにか。