火蓋が切れたという表現がある。これは安全装置が外れている状態が語源なので、いつもの麦野のような状態だ。
ならば、火蓋が切って落とされたは? 答えは今の麦野である。
――なお、学園都市暗部の人間はキチガイか、イカれてるか、壊れたか、のいずれかである。
表向きは落ち着いて見えても、少しのことで爆発するだろう。
そんな麦野の不機嫌を読み取らず、侵入者の足音が聞こえたとき、先程のメールも合わさってフレンダはやたら上機嫌になった。
(キタキタキタぁー! さっきのこともあるけど、結局日頃の行いな訳よ!!)
しかし喜びも束の間、目の前を緑色の光線が掠める。当たらなかっただけ運が良い。その光線は人がいようと、機械があろうと関係無く真っ直ぐに、全てを破壊しながら、正確にターゲットに向かって飛んでいく。
「あっぶない、麦野はいったい何を考えている訳よ!?」
フレンダの問いに答える人物がいるわけも無く、ただ無情に壁が破壊された。
『原子崩しが暴れているようだが、大丈夫なのかい?』
研究所から少し離れた空き地にて、戦闘要員で無いため、情報の整理や管理、収集を行っていた木山から連絡が入る。
「問題無い。それより介旅の能力を強化する方法は無いのか?」
質問にサラッと答え、すぐさま質問をする。
『幻想御手』は演算能力を擬似的に向上させるものであり、限界を取っ払う訳では無い。ならばなんとかすれば、介旅の能力を爆弾として使うことも可能である。
『いや、今のところは無い。……いや、リスクが大きくて良いのならあるが?』
「ならいい。引き続き頼む」
そう言って上条は連絡を切った。
ここは戦場であり、相手に容赦は要らない。
上条達『ドラゴン』のメンバーに課せられた任務は、建前はともかく、実際は御坂麦野両名が生きていればそれで構わない。
ならば目の前で戦っている少女達をどうするか。
答えは両者とも倒し、麦野がエンカウントする前に御坂を持って逃げ出すこと。
そのあとは公園にでも転がして、適当なメモを残せば充分だろう。
「リーダー、どうするんですか?」
「戦闘を止める。操祈は麦野以外の『アイテム』メンバーを食い止めろ。アイツはもう遅いし、第四位とまともにやったら死ぬぞ。第三位と違って良心は残ってないからな」
「言われなくてもそんなことしないわよぉ」
上条は御坂に、介旅はもう一人の少女に、食蜂は研究所のより奥に向かって歩き出した。
『ドラゴン』メンバーの×武器、○防具、△道具などの詳細
上条当麻(E.ツンツンじゃ無い髪型)
×拳銃 ×凄いナイフ ×発条包帯 ×外装代脳 ○幻想殺し ○防弾チョッキ ○対爆ブーツ(足首可動) △盗聴機 △通信機
食蜂操祈(E.私服)
×拳銃 ×心理掌握 ×外装代脳 ×硬質リモコン △通信機
介旅初矢(E.コンタクトレンズ)
×拳銃 ×爆弾 ×量子変速(役たたず) ○対爆スーツ △通信機
木山春生(E.ラフな格好、伊達眼鏡)
×拳銃 △高性能パソコン △通信機
非正規『デビル』メンバー
×拳銃 ×キャパシティダウン ×金属バット ×その他凶器多数 ×鍛え抜いた屈強な肉体