病院
カエル顔の医者……『冥土返し』の異名をもつ、超凄腕の医者。患者が望むものはできるだけ用意するポリシーがある。
直後、ガァンッと騒音がなる。不良が壁を蹴った音だ。
「今なんつった?」
威嚇するような声。止めに入った少女はそれに怯える。
「ガキが生意気言うじゃねーか。何の力もねぇ非力なヤツに、ゴチャゴチャ指図する権利はねーんだよ」
ポンと不良の肩に手がおかれる。
直後、不良の腰からベキィと人体からしてはいけない音がする。
「グッガァァ!?」
不良はのたうち回る。回りの仲間も驚愕する。
そして、上条は告げる。
「じゃあ、お前らをブッ飛ばせばいいんだな」
その言葉には重みがあった。威圧感があった。寒気すら感じるほどに。
「そうしたら俺はお前らよりも強いことになる。勝ったら言うこと聞いてくれよ?」
上条が突っ込む。不良の内一人がそのまま殴られる。
もう一人が能力を使う。
「くそっ! くたばれ!」
何本もの鉄柱が、上条に向かって飛ぶ。
上条はそれを前に進むことにより、スレスレでかわす。
不良が能力と腕両方を使ってガードをする。が、
「そんなものは意味無いぜ」
上条の右ストレートが脇腹に突き刺さる。
不良は抵抗するが、追撃。
上条が安堵のため息をつく。が、直後、少女の声が聞こえる。
「危ないッ!」
上条は後ろを振り向く。
左肩に、最初に倒したはずの不良の拳が命中する。
「っッ」
上条は体を捻り、なんとかダメージを軽減する。
が、決して零ではない。
「……お前、まだ意識があったのか」
上条はすぐに拳を振るう。
確かに当たったと思った。が、それは空振り。
「どうだ? 俺の能力は?」
上条は自分の頭や目に、右手をあてる。
拳を握り直し、上条は答える。
「偏光能力か……」
「だいたい正解だ」
不良が一歩離れたところから拳を振るう。
上条はそれを避けず、受け止めた。
凡人にはできないことを、いとも簡単にやってのけた上条は、そのまま拳を叩き込む。
不良は今度こそ全員崩れ落ちた。
「大丈夫か?」
そう問いかける。
が、そこにいたのは、いじめられていた少年だけだった。
「あの女の子は?」
「さっき走って逃げていったけど……」
それを聞き、上条は呟く。
「やっぱり、俺を助けてはくれないんだな……」
暫しの沈黙。その後警備員の声が聞こえる。
「君ッ、大丈夫か!」
「別に平気だ」
「能力者に少年が襲われていると、女の子が駆け込んできて……」
上条は自分に光がさした気がした。
「オマエにはワからない。オマエはイけない。から、アハハ大丈夫。ダイジョウブなんだ」
不良がそんなことを言い出した。『幻想御手』の影響だろうか。
「またか……」
「また、とは?」
「ああ、最近能力者が犯罪の後に、こんな感じのことを言うことが多いんだ」
直後、不良が倒れた。
確定。『幻想御手』を使った人間は倒れる。
病院にて、食蜂も情報を手に入れた。
「うん? またこの種類の患者かな」
「え、先生それってどういうこと?」
「ああ、最近突然倒れる人間が増えているんだよね」
「それは……」
考察一。『幻想御手』は人体に悪影響を与える。