ありふれたRTAでラスボス撃破 タンクチャート   作:エチレン

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戦闘後、拠点での会話。
ほぼギャグ。


幕間:託す者、進む者(EX)

 ライセン大迷宮を攻略した北条一行(主に三人)は激怒していた。

 戦闘前のふざけた言動はまだお茶目として許せる。相手に有利なフィールドで戦わされた事も試練とすれば許せる。

 

「やっほー、さっきぶり! ミレディちゃんだよ~☆」

「「「……」」」

「……!」

「あれ? あれれ? テンション低いな~? もっと驚いてもいいんだよぉ~? あっ、もしかしてぇ~、驚きすぎても言葉が出ないとか? だったらドッキリ大☆成☆功だねっ、イエイッ!」

「「「……」」」

 

 だが、この人の気持ちをおちょくる行動は許せなかった。

 

 ミレディのコアを破壊した後、今にも消えてしまいそうなほどに途切れ途切れに言葉を発して最後には真面目なメッセージを残して光の粒子となって消滅した……はずだった。

 そしてそのまま足場がミレディのアジトの入り口まで移動して、ちょっとしんみりした空気で扉をくぐって、そうしたらこの有様である。

 

 足場が移動していた時点でハジメと幸利は何かを察していたし、恵里に至ってはミレディが光の粒子となって昇天した時点で全てを察していたが空気を読んで無言だった。ユエ、シア、鈴がミレディが消滅したところを見て黙祷をささげていた。北条は宝物庫から墓石を取り出してアジトに着いたら供養しようとスタンバイしていた。

 

「……さっきのは?」

「ん~? さっきのって、もしかしてあの光の粒子の事? あんなの演出に決まってるじゃん! 死んだと思った? ねえ、死んだかと思った?」

「……演出ってあの、つまり私たちは騙された?」

「やっと能天気な君でも呑み込めたようだね☆あぁ~んな使い捨てのボディには何の未練も無いんだよ~。破壊される事を覚悟してたからこそ演出に利用したのだ!」

「鈴のこのしんみりしたような物悲しいような気持ちは…?」

「えっ? 悲しんでたの? ただの演出なのに? 意味無いよ☆」

 

 ひゃっほい! と重力を無視した動きで踊るのは白いローブを被った棒のように細い手足を持つ背の低い人形。丸いのっぺりとした顔にはニコるマークが描かれているだけでそれ以外に装飾は無い。

 真っ白い四角い部屋。かなりの広さがある此処では魔法を使うことが出来る。神代魔法の伝授のための魔法陣を設置してある部屋なので当たり前と言えば当たり前である。

 

 先ほどの戦闘ではしてやられたと言う事もあり飛び跳ねながらダンスをして北条一行の周りを動き回るミレディ。この展開が予測できていたハジメ、幸利、恵里は溜息を吐いた。北条はそっと墓石を宝物庫にしまった。

 

「……コロス」

「ふ、ふふふ…バルムンクの錆にしてやるです…お覚悟を。」

「(ゴキゴキ)フー…っし」

 

 ユエから陽炎のような魔力が滲み出し、シアがバルムンクを正眼に構え、鈴は首に手を当てて骨を鳴らし、それぞれ臨戦態勢をとった。

 

「きゃ~殺される~! 守って盾の人~!」

 

 じりじりと距離を詰めてくる三人に対しても余裕たっぷりなミレディは、ふわりと宙を舞って北条の後ろに隠れる。これならば攻撃できまい、とほくそ笑んでいるとじっと熱い視線を感じた。

 視線を辿るとパチリ、と北条と目が合った。ただひたすらにじっと見つめてくる。

 

「な、何かな~? もしかして君も怒ってるのかな~? 女の子の嘘は許すのが男の甲斐性ってやつだぞ☆」

「……」

 

 無言で上から見つめてくる北条に威圧感を感じるミレディ。内心では「やべっ、頼る人を間違えた」と思いつつも、それをおくびにも出さずに拳で頭をコツンと叩いて首を傾げた。

 

「て、テヘペロ☆ お兄さん許して!」

 

 そう言って逃げようとした瞬間、恐ろしく速い動きで北条に捕まえられたミレディは子供を高い高いするように持ち上げられた。

 

「げっ、捕まった! い~や~犯される~! このボディが壊れると本気でマズいからやめて~! へ、ヘルプミー、耐久力は皆無なんだよぉ~!」

「……流石マモル。まずは焼き焦がす……」

「その後に叩き潰してやりますぅ……」

「粗挽き肉団子にしてくれるぜぇ……」

 

 じたばたと暴れて逃げ出そうとするが北条の手はびくともしない。ゆらゆらと体を揺らしながら迫ってくる三人に恐怖を覚えて、傍観しているハジメ、幸利、恵里の方を見て助けを求めようとする。

 

 のんきに煎餅(北条作)をかじっていた。しかもわざとバリバリと音を鳴らして食べかすを散らかすような食べ方だ。三人の足元に煎餅の破片がぽろぽろと落ちていく。

 

「ちょ、ちょっと! 人の家で食べかすを散らかさないでよ~!」

「南雲ぉ~、ドーナツなかったっけ? ゴールデンチョコレートみたいなやつ」

「あるよ。はい、中村さんもどうぞ」

「わあ、ありがとう! 丁度甘いものを食べたかったんだ!」

 

 ミレディの訴えを無視して今度はバタークランチをぽろぽろ床に落としながらドーナツを食べる。

 

「やめて~! ただでさえこの後迷宮のメンテナンス作業があるのに~! わざと食べかすを落とさないで~! 酷いよぉ、こんなのあんまりだよぉ! 私が何をしたって言うのさ~!」

「……」

「……マモル?」

「まもるん、黙り込んでどうしたの?」

 

 心なしか泣いているように見えるミレディをじっと見つ続ける北条。流石のミレディもこの視線には首を傾げるのみである。敵意や害意などは感じない。ただ、すごく見てくるのだ。

 

「……かわいい」

「えっ」

「えっ」

 

 ぽつりと北条から漏れた言葉にユエと鈴が硬直した。ミレディを見てみる。ニコるマークは愛嬌があると思う人もいるかもしれないが、特にかわいいとは思えなかった。

 ユエはもちろん、鈴も北条が今まで誰かに対して可愛いだの綺麗だの言っている事を聞いた事がなかったし、二人とも言われたことは一度も無かった。

 いつか自分にそう言ってほしいと思っていたのに、最初にかわいいと褒められたのがよりにもよってアレである。ふつふつと二人の胸に感情が湧いてくる。

 

 言われた当の本人であるミレディも硬直していた。まさか、ノリで作ったボディにこんな評価を貰えるとは思っていなかったのだ。反応に窮していたが、ユエと鈴の二人が感情丸出しの視線で睨んでくるのに気付くと、良いネタを見つけたとばかりにニヤリとした。

 

 シアは、何かを察してハジメのところに避難してドーナツを受け取り、一緒に食べかすをバラまき始めた。

 

「いや~、そんなにミレディちゃんが魅力的なのかな? まあ、これでも経験豊富だし? 昔恋人が百人くらいいたミレディちゃんに一目惚れするのは無理も無いかな~。そこの二人と違ってスタイル抜群だし、何よりも超美少女だし☆ お目が高いよ君は!」

「は?」

「は?」

 

 煽るミレディに低い声で迫るユエと鈴。ハジメ達四人はUNOをして遊び始めた。

 手を伸ばしてミレディを捕まえようとするユエと鈴に対して、ミレディを取られないように高く掲げる北条。謎の攻防戦がしばらく続いた。UNOは恵里が一着だった。

 

「とまあ、煽るのはこれくらいにしておいて、本題に入ろっか! まずは大迷宮の攻略おめでとう! クリアしたのは君たちが初めてだよ~。いや~、今まで千年?それ以上?待ったけどまさか今の今まで誰もクリアできないだなんて思わなかったよ~」

「こいつ何事も無かったかのように話を進め始めたぞ……」

 

 ふわり、と北条の手から抜け出すと浮遊ブロックに乗る。

 ミレディの言った通り、ここライセン大迷宮をクリアしたものは作成時から今まで誰一人居なかった。

 仲間を集めて立ち向かおうとして、それでも戦う前に散り散りになってしまった。自分達の代では神を討つことは不可能だと悟って、後の人に託そうとして気の長くなるような年月を待った。

 そして今、ようやく待ち人が現れたのだ。テンションがアゲアゲになるのもしょうがなかった。

 

「それじゃあクリアの御褒美として神代魔法をプレゼント! ささ、魔法陣に入った入った~!」

「のりこめー」

「わぁい」

 

 これで二つ目の神代魔法入手である。七人が魔法陣に入ったのを確認すると、ミレディは魔法陣を起動させた。直接脳に刻み込まれる知識。すでにオルクス大迷宮で経験しているので誰もリアクションは取らなかった。

 

「……やっぱ重力魔法だったか」

「あっ、これ僕には無理なやつだ」

「イエスっ! ミレディちゃんの魔法は重力魔法! 攻防一体のすごい魔法なのだ! 上手く使ってね~! う~ん、金髪ちゃんと黒ローブくんは十全に使いこなせそうだね。もちろん、修練は積む必要はあるんだけど。眼鏡ちゃんはそこそこかな? 盾の人とお下げちゃんはまあ、使えなくはないくらいで、錬成師の人とウサギちゃんはもうびっくりするくらい適性がないね!」

「が~ん、だね。出鼻をくじかれた…まあ、生成魔法はすごく適性があったから良いんだけどね」

「あの~、私、生成魔法も重力魔法も不適なんですけど…」

「……重力魔法、色々使えて便利そう」

「まもるんとお揃いだ~! 後で一緒に練習しようね!」

「闇…重力…。悪役街道まっしぐらじゃねえか!」

「私のこの偏差値55くらいの適性はどうすれば…」

 

 しっかりとミレディが適性の評価をしてくれた。どうやら前衛組はあまり適性が無いようで、魔法使い組は適性が高めなようだ。生産職のハジメは適性が無いが、生成魔法によって重力魔法をアーティファクトに組み込めば問題なく運用できるだろう。

 

「あ、そう言えば聞きそびれてたんだけど、君達の故郷ってどの辺なのかな? 神代魔法が無ければ帰れないって相当だと思うんだけど。もしかして海の遥か向こうにある辺境とか?」

「そう言えばそうだった…実は僕達は――」

 

 開戦前の会話がアレだったので、結局ミレディは北条一行の事情はほとんど知らないままだ。

 一番話し上手なハジメがミレディに説明をする。異世界からエヒトに呼び出された事。魔人族との戦争に参加させられる事。帰還手段になるかもしれない神代魔法を求めている事。

 黙って聞いていたミレディだったが、エヒトの名前が出た辺りで「うげっ」と嫌悪感丸出しの声を出した。

 

「――というわけで帰還手段を探すために僕達は神代魔法を集めてる。何せ神代と名前が付くわけだから神様が使った魔法にも届くんじゃないかって思って。それでこうしてここまで来たんだ」

「なるほど~、違う世界からね~。それなら仕方ないね~。あのクソ野郎、今度は他所様の世界にも迷惑をかけてるのか~。まさに害虫みたいな奴だねぇ」

 

 ハジメの話が終わるとミレディは腕を組んでうんうんと考える。ぶっちゃけ想定外の案件だった。ユエやシアのような先祖返りの力を持つ者が攻略してくれたのは有難い。でも異世界人にこの世界の解放を託すのは何か違うような気がするのだ。

 この世界の事はこの世界に住む人々の手によって何とかするべきなのだがしかし、手段を選んでいられないのも正直なところだ。

 まあ、あのクソ野郎を殺せるなら過程なんてどうでもいいか、と結論付ける。

 

「……でもきっと、いつか君達は狂った神と対峙することになると思うよ」

「だろうなァ。こういうのって最終的に黒幕を倒さなければ帰れないってのがお約束だしな」

「地球から召喚する魔法があるって事は、帰ったとしてもまた呼び出される可能性があるって事だしね。根本的な解決をしないと意味が無いよ」

 

 結局のところ、神は存在して世界を見ているのだ。たとえ北条達が帰還手段を見つけてそれを使おうとしたところで、絶対にバレる。人々を遊戯の駒にして遊んでいるエヒトがそれを見逃すわけがない。

 よしんば見逃してくれたとしても、エヒトが今度は自ら地球にやってきて災厄を振りまいてきたら目も当てられない。もしも地球に魔物などをばら撒かれたら、それこそ漫画やアニメで見るポスト・アポカリプスのような有様になりかねないのだ。

 

 つまりのところ、どういう道を進んでもエヒトとは戦う事になる。たとえ全員で揃って無事に帰れたとしても、その先の事を考えると神殺しは避けて通れないのだ。

 オルクス大迷宮のアジトで考えた結果がこれである。

 

「…ならば神であろうとなぎ倒して進むのみ」

「……ん、マモルと一緒なら大丈夫。絶対に負けない」

「エヒトが私達亜人族を迫害してる黒幕なら私にも…いえ、私達にも戦う理由はあります」

 

 北条、ユエ、シアが一歩前に出る。

 

「正直な話、スケールが大きすぎて鈴にはあまり実感が湧かないんだけど、向こうの家族に危険が迫るかもしれないのならやるしかないよね!」

「私は家庭環境はアレだけど…。放っておくと同じ…じゃなかった、創作活動と、あとついでに天之河くんに差し支えるから……」

 

 鈴、恵里が一歩前に出る。

 

「ま、テンプレな理由だが『世界のために』ってやつか? どっちかというと俺はエヒトとか言うやつの面に一発ぶち込みたいだけなんだが。神を殴った男ってのもいいじゃねえか…」

「本当は僕はあまり争ったりはしたくないんだけど、今回ばかりは仕方ないよね」

 

 幸利、ハジメが一歩前に出る。

 七人が横並びになる。

 

「…そういうわけだ。戦う理由は違うが俺達が解放者(えいゆう)達の意志を先に進めよう」

「――――」

 

 言葉が出なかった。自分達解放者の意志を受け継いでくれる者が現れるまでどれだけ待った事か。諦めるつもりは無かったが、幾年もの月日を一人で過ごして、外の世界の状況も分からないまま夢を見続ける日々。ひょっとしたら自分達がやってきた事は無駄だったのでは? と思いそうになる事もあった。

 

(……無駄じゃなかった。私達が繋いできたものは、決して無駄じゃなかったんだ……! 勝てる……勝てるんだ!)

「…そっか~。じゃあ、これを受け取ってね」

 

 気持ちはおくびにも出さない。出来る限りいつもの声色で話す。

 ミレディは宝物庫から指輪を取り出すと北条に手渡した。杭のようなものが真っ直ぐに落ちている様が彫られたそれは大迷宮をクリアした証であり、願いを繋げるタスキでもある。

 

「確かに受け取った」

「うん。残りの迷宮の攻略も頑張りなよ」

 

 そうだ、とミレディは宝物庫から希少な鉱石やアーティファクトをぶちまける。

 

「ついでだし、これもあげるね。流石に全部はあげれないけど、きっと君達の助けになるはずだから。……ミレディちゃんの優しさにむせび泣いても良いよ☆」

「ああ、感謝する」

「それじゃあ外まで送ってあげるね。ぐいっとな☆」

 

 これでライセン大迷宮でするべき事は全て終わった。ミレディはいつの間にか手元にあった天井から垂れる紐を引く。何かの仕掛けのスイッチなのだろう。

 ガコン、と音がして四方の壁から水流が勢いよく飛び出してきた。さらに部屋の中央に穴が開いてその周囲が傾斜状に落ちくぼんでいく。

 

「うっそだろお前! さっきの良い感じの空気はどうしたんだよ!」

「えっ、何のこと? ミレディちゃん、分かんな~い。さっき君達がさんざん落とした食べかすも掃除出来て一石二鳥だよね☆」

「こ、ここは聖域なりて! 〝聖絶・球〟!」

「〝空域〟!」

 

 洋式トイレに流される排泄物のように水流に呑まれる寸前、鈴が結界を全員を覆うように球状に展開し、さらにその意図を察したユエが結界の内側に空気を確保するための魔法を使う。

 ほんの一節のみの詠唱で無理やり展開したので性能はお察しである。破壊される事こそ無かったものの踏ん張りが効かず、ピンボールみたいに結界毎北条達は流されていった。

 

「め、目が回る~~!」

「やっぱりろくな奴じゃなかった! ぐえっ!」

「ご、ごめんなさいユキトシさん! 思いっきり肘が入っちゃいました!」

「うぇへへ…まもるん、こんな所でなんて困っちゃうな~」

「……! スズ、今すぐ場所を変わって――ふぎゅっ!」

「す、鈴! 絶対に結界を解かないでね!」

 

 水流によってかき回され、結界の中でお互いに衝突してもみくちゃになる。鈴がダメージを受けたら結界が解除される恐れがあるので、北条が胸に掻き抱いて守っているのだ。それを良い事にぐへへ、と下品な声を出しながら胸板に頬を擦り付ける。

 

 シェイクされること十数分、時々岩壁に衝突しながら激流に流され続けてやがて出口に辿り着く。水路はどこかの泉に繋がっていたようだ。水面から勢いよく噴水のように打ち上げられ、それと同時に聖絶の効果が切れる。綺麗な放物線を描いて、七人は七つの水飛沫と共に着水した。

 

 溺れる事は避けられたが結局ずぶ濡れである。這う這うの体で岸辺に上がると口々に文句を言い始めた。

 

「最後の最後にやりやがったあの女ァ!」

「酷い目にあったね…皆、大丈夫?」

 

 全身から水を滴らせながら身を震わせる。ちょっと良い雰囲気での別れかと思ったらこれである。次に会ったら容赦せずに袋叩きにすることを決めた瞬間だった。

 

「……無事のようだな」

「うん、大丈夫。ありがとまもるん……ってうひゃあっ! あ、あんまり見ないで~~!」

「マモル、私を見てほしい。濡れ透け。セクシー」

 

 着衣水泳をした後なので、ぴっちりと服が肌に貼り付いており体のラインがくっくりと見えている上に、下に着ているインナーもちょっと透けていた。スカートも半ばまで捲れあがっており、もう少しで見えそうな状態である。

 茹蛸のように顔を赤く染めてしゃがみ込む鈴とは逆、むしろポーズを取って見せつけてくるユエに、北条はそっと彼女の上着の前を閉じる事で答えた。

 

「め、眼鏡……どこ……?」

「これですね! 運よく私の胸の間に入ってました!」

「眼鏡がラッキースケベ枠なのか…」

 

 シアが胸の谷間に入り込んでいた眼鏡を抜き取って、眼鏡を探して地面に手を這わせる恵里に渡す。まさかの眼鏡がリトさん体質だったことに幸利は困惑した。ちょっとうらやましいとか、そういう事は考えていない。

 

「ここはどこなんだろうね。何か目印になるようなものがあれば助かったんだけど」

「取りあえずこの辺りに魔物の気配はないようだからここでいったん休憩するか。久しぶりにしっかりしたメシが食いてぇ。北条、頼んだぜ」

「分かった」

 

 日はもう少しで沈んでしまいそうだ。丁度水源があるのでキャンプ地にはもってこいである。女性陣が木陰で魔法を使って服を乾かし始めたのを横目に、男性陣は黙ってキャンプの準備を始めた。

 

 




イイハナシダッタノニナー
次回からまたゲームパートです。
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