高性能な愛車と異世界で最高の一杯を! 作:テニス歴0年 HORIO
「マスター、もう少しでトータスに着きます」
エナから声がかかる、バモスに向かっていた時と違い帰り道はすごく早く感じた、状況の違いもあり少しだけ気持ちが楽だったからだろうか?
暗い夜道の先 車のライトに照らされたトータスの門が見えてくる
門に着くと、門番の人が早々と確認して門を開けてくれる、出発時に対応してくれた門番さんなので確認はあっという間だった
「ケイさん、このまま病院の方まで案内します」
マルクさんはそう言うと後ろからエナに代わりに案内を始める
マルクさんの指示通りに車を走らせ見えてきたのはブロック塀のような薄い壁に囲まれた白を基調した建物
到着すると俺はすぐに薬の入った箱をトランクから取り出す為に外に出る、マルクさんは病院の方に薬が届いたという報告にいった
「ほい、エっさん」
箱を3つ一気に持てないため外に出て伸びをしていたエっさんを荷物持ちに使う
もう1つの箱をロメオくんに持ってもらおうと車から降りてもらった時に丁度病院から誰か出てくる
頬に傷ある男性、えーっとたしか ハンスさんだっけ
ハンスさんは走って近づいてくるとロメオくんを確認、俺とエっさんに頭を下げる
「無事で良かったです…ケイさん、エリックさんも本当にありがとうございました」
ハンスさんは礼を言い終わった後、車から降りて下を向いているロメオくんの前にいき大きく息を吸う
「このぉ…バカタレがぁー」
大音量の声と共にゴツンという拳と頭がぶつかる鈍い音が辺りに響く…正直俺には拳骨が早くて見えなかった…
「どんだけ心配したと思ってやがる」
ロメオくんは頭を押さえながらうつ向いている
「俺だけじゃねえ、ナタリーさんや牧場のロペンさんもだ」
「母さんに…ロペンさんも…ごめんなさい」
下を向いたまま小声で呟く
「俺には謝らなくていい、それより薬を届けたら迷惑かけた人や心配かけた人全員に謝りに行くぞ」
そういって止まってるロメオくんの背中を押して俺の方まで押してくる
「じゃあこれよろしくね、ロメオくん」
俺は薬を入った箱をロメオくんに渡す
渡し終わると病院からマルクさんが医者のエヴァンさんを連れて戻って来た
「ケイさん、お待たせしました、お薬預かります」
そういって俺から薬箱を受けとる、エヴァンさんもエっさんから受け取ってる
「本当に助かりました、昼のお給金に加えてこのお薬の分もしっかり払わせていただきます」
礼をいうマルクさん
「俺が他に手伝える事ってないですか?」
「もう十分手伝ってもらいましたし大丈夫ですよ、それに車の中でも言ってたじゃないですか昼に何も食べて無いって、ここからは専門家に任せてケイさん達もう休んでください」
「…マルクさん…では、お言葉甘えて」
「はい、では、また明日に」
一礼した後病院に戻って行くマルクさん達、少し進んでからロメオくんだけ戻ってくる
「ケイさん、エリックさん…その…ありがとうございました」
薬箱を持ったまま深い一礼をしてから早足で病院に戻って行く
それを見送った後エっさんが俺の肩をつかみ
「さあ、あとは病院の人達に任せておっさん達はディナーと洒落混みましょうや」
と誘って来た、もちろん答えはYesだ、かなり腹が減ってる
「美味しい鳥と日本酒が出るエっさんオススメの所、期待してるよ」
「おう」
「はっ…今俺一文なしだった…エっさん奢って?」
「えー、ケイくんは後でたんまり給金貰うんでしょうが女性なら喜んで奢ったんだけどなー あー残念残念、貸すだけな」
「はー、仕方ないか…じゃあとりあえず早く案内よろしく」
そういって車に乗り込む二人、自信満々エっさんがお店に案内してくれるが分かりにくくしばらく迷った、お店の名前を聞きエナに案内してもらった…罰としてお酒奢ってもらおうと思う
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エナの案内ですぐお店についた、外見は古いカフェのような雰囲気この中で焼鳥が焼かれるとか かなりミスマッチで違和感が半端ない…
中に入いる、おしゃれなカフェの内装なのにメニューやお店のお客の感じがまるで居酒屋のそれだ
エっさんと共に席に座ると可愛いケモ耳店員さんが注文をとりにくる…垂れたいぬ耳カワユス
「とりあえず、エール2つとむき豆とチーズ、あとは串焼き盛り合わせよろしく」
エっさんが慣れた感じでメニューから注文していく、俺エール始めてだけどたしかビールに近い飲み物だったはず 楽しみだ
店員によってエールとむき豆が運ばれてくるむき豆の方は、日本ほど鞘が鮮やかでは無いがまるっきり枝豆だ
「ロトム神に感謝を、乾杯」
「乾杯」
コツン と小さくグラスを合わせてエールを飲む、
一口…おー、ほどよい甘味とフルーティーな良い香り、それが通り過ぎると後味で苦さを主張してくる、といっても嫌な苦さじゃなくほんのりと…でもしっかり主張するくらいの苦さ、これはなかなか美味しいじゃないか
俺がエールの香りを堪能している横でえっさんはゴクゴク音を立て美味しそうに飲んでいる
「ぷはーっ一杯目はこれだよな」
そういってつまみを食べていく
「あっ ねーちゃんここに にほん酒おねがーい」
そう言ってエっさんが追加注文する「はいかしこまりましたと」言いながら皿を運んでくる店員さん
「お待たせしましたビックコッコの串焼き盛り合わせです」
運ばれてきたのは簡単にいうとデカイ焼鳥、日本の焼鳥に比べて一個一個のお肉が大きく串も長い、塩とタレがあるようで エっさんがオススメしてくるのはタレの方だ
「いただきます」
えっさんのオススメのタレを食べる
うん、うまい
焼鳥のタレと聞くとどろっとした甘辛いタレを想像していたが醤油をベースに山椒かな?ピリッとスパイシーな焼鳥、肉も大きさのわりに柔らかく鳥なのに肉汁がこれでもかと溢れてくる
異世界での初の食事を満喫していると入り口の方から扉の開く音がする
「邪魔するぞ」
野太い声と共に店に誰か入って来たようだ、
「おっトータスのギルマスじゃねーか」
エっさんが知り合いだったのか手招きしてそのギルマスさんを呼ぶ、扉が俺の背なか方向にあったため振り向いてそのギルマスを確認する
ブッhー
飲んでいたエールが口から吹き出す
「…おやっさん…猫耳着けテなにしてンですか?」
余りの驚きに俺の思考はフリーズした