この素晴らしい世界をキレッぽい友人と!   作:憲彦

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魔王軍幹部の扱いは原作やアニメとはかなり変わったものにする予定です。


デュラハンは案外いい人?

「俺は最近この近くの廃城に引っ越してきた魔王軍幹部の者だが…ま、まま、毎日毎日毎日!おぉ、俺の城に毎日欠かさずに爆裂魔法を撃ち込み!部下をバラバラにしている頭の可笑しい冒険者はどこの誰だぁぁぁあ!!!」

 

 太陽の光が心地好い昼に、アクセル正門の前に広がる草原の真ん中で、魔王軍幹部を名乗るアンデッドが立っていた。しかもかなり怒っている。そしてそれと対峙する形で、街の冒険者全員が門の前に立っている。

 

 別に、特別何かをしていた訳ではない。突然緊急警報がなり、外に召集されたかと思えば、そこに魔王軍幹部が立っていた。ただそれだけである。

 

「あれは……デュラハン?!」

 

「え?デュラハンって、あの!?」

 

 それなりに有名な存在らしい。そしてデュラハンの怒っている理由の爆裂魔法と言う言葉に、街の冒険者達が反応を示し始めた。

 

「爆裂魔法?バラバラはともかく爆裂魔法って言えば……」

 

「あぁ。爆裂魔法なら……」

 

 全員の視線がめぐみんへと向かっていく。流石の本人も、これはヤバいと思ったのか、うつ向いていた。と言うか、爆裂魔法の時点で大体全員察していた。しかし疑問なのは、「部下をバラバラにしている」と言う方だ。これに関しては誰も心当たりがない。

 

「爆裂魔法はうちのめぐみんだろうけど、バラバラってなんだ?」

 

「あ、ねぇ准。確かレベル上げに廃城に行ってるって言ってなかった?」

 

「……………………」

 

「おい。まさかお前……!!?」

 

 流石に昨日の今日で来るとは予想していなかった。あの准が少しフリーズしている。いつかは来るとは思っていたのだろうが、まさか早々に来るとは、完全な予想外である。

 

「爆裂魔法は知らんが、バラバラに関しては俺だな。多分」

 

「おい!何をこそこそしている!!爆裂魔法を撃ってくるバカは知らんが、俺の部下をバラバラにしているヤツには心当たりがある!光る妙な剣を使う黒い服を着たヤツだ!強さから言ってソードマスターか何かだろう。早く出しやがれ!!」

 

「なら俺じゃねぇな。ソードマスターじゃねぇし」

 

「いや特徴から言ってお前だろ」

 

 なにがなんでも、自分だとは気付かれたくないらしい。准の計画としては、相手が精神的に参っている時になんやかんややって始末する。と言うものだ。その為に色々と準備をしたいとも思っていた。しかし今は何もない。レベル的には大丈夫でも、スキルやら魔法やら道具やらが圧倒的に足りていない。今は何があっても相手にしたくないのである。

 

「そうか。名乗りでないか……ならば仕方無い。名乗り出て謝罪をすればそれで済ませていたが、貴様らを1人ずつ殺し炙り出すしか無さそうだな」

 

 その言葉に全員の体が固まった。いくら数が居るとは言え、全員レベルは大して高くない。それにアクセルは駆け出し冒険者の街と言われている。冒険者の技量も期待できないだろう。

 

「はぁ……しゃ~ねぇな」

 

「……出てきやがったなサイコパス野郎!!」

 

「失礼なヤツだな。何度も言うが、俺はサイコパスじゃないぞ」

 

「喧しい!!毎回毎回俺の部下をバラバラにして!いったい何百体がお前に殺られたと思ってる!?あれ死んでるけど一応人間の形をしてるんだぞ!キャベツ絞めるよりも心痛むだろうが!!それを見るこっちだって精神的にやられるんだよ!なんでこんな陰湿なことするんたよ?!しかもそのまま置いていくし、目覚めた直後にそれ見ると一日中憂鬱なんだよ?!最近はそれに慣れてきたけど、慣れてきた自分が嫌になってきたよ!」

 

 デュラハンの言い分に、後ろの方でカズマとアクア含め、数名の冒険者が頷いている。やっぱりキャベツ絞める事に心を痛めて、人間の形をした死体を平気でバラバラにする事が平気なのは、デュラハンと人間共通して異常だと思うらしい。

 

「まぁんなことはどうでも良いけどよ」

 

「良くねぇよ。良くねぇからここまで来てるんだろうが」

 

「爆裂魔法の件はどうするんだよ」

 

「そんなことよりもまずは貴様だ。まぁ爆裂魔法撃ってくるヤツもお前並みに頭がおかしいが────」

 

「おい。誰がその戦闘狂並みに頭がおかしいのか、詳しく教えてもらおうじゃないか」

 

「なんだ貴様は?名を名乗れ!!」

 

 いつの間にか、准の後ろにめぐみんが立っていた。准と同列に扱われた事が気に入らなかったようだ。めぐみんもそれなりに准と言う人間が分かってきた頃だ。だからこそと言うのか、一緒にされることは非常にムカつくようだ。

 

「我が名はめぐみん!この街随一のアークウィザードにして!爆裂魔法を操りし者!!」

 

「めぐみんって何だ?バカにしてるのか?!」

 

「あぁ~。俺も最初それ思った。マジで切り刻もうかと思った……」

 

(コイツ、冒険者じゃなくて本当は猟奇殺人犯か何かなんじゃないか?)

 

 そんなことを考えるデュラハンであった。

 

「まぁ、今は貴様の爆裂魔法なぞどうでも良い。この男が出した損害の方が遥かにデカいからな」

 

 めぐみん→城を爆裂魔法の的にして毎日ドッカンドッカン。

 准→デュラハンの部下のアンデッドバラバラ。昨日は粗品として爆薬を投げ渡す。

 

「お前が昨日、爆発寸前の爆弾を投げ渡してくれたお陰で、俺の首が城の外まで飛んでいったんだぞ!そろそろ日が落ちる時間だったから探しづらかったわ!しかもお前爆薬になに混ぜやかった!?巻き込まれた体がビリビリ痛んだぞ?!マジで何しやがった!?」

 

「あぁ。アクアの出汁(清水)も一緒に入れてたな。アンデッド対策に」

 

 アクアの魔力で清水になった水は中々に強力で、アンデッドにかけただけでドロドロに溶けて無くなっていった。1回見てトラウマになりそうだったから二度とやらないと誓った。

 

因みに何故アクアが浸かった水が清水になるのを知っているのかと言うと、普通に本人から聞いたからである。

 

「兎に角!お前ら2人共、もう二度と俺の城にちょっかいをかけるな!分かったか?!分かったな!!」

 

「無理です。紅魔族は日に1度、爆裂魔法を撃たないと死ぬのです」

 

「俺も、レベル上げにあれほど最適な場所はないと思っている。だから嫌だ。むしろお前が立ち退け」

 

「と言うか、私が半分異常空気扱いされてたことが納得できません。今からでも貴方に撃って良いですか?」

 

「テメェら人が下手に出てれば付け上がりやがって……!!そうか分かった!もういい!!なら仕方無いな!」

 

 そう言うと、体から出てきた黒いオーラを右腕に集約し、准とめぐみんの2人に向けて腕を向けた。

 

「汝らに、死の宣告を!!貴様らは、1週間後に死ぬ!!はい死ぬ!確実に死ぬ!絶対死ぬ!!お前ら2人して俺をバカにしたことを後悔しろ!!」

 

「なぁ、多分俺らにかかってないぞ」

 

「…………は?」

 

 准が指摘するように、2人に死の宣告は掛かっていない。デュラハンの放った呪いが、2人に直撃する瞬間ダクネスが間に割って入ってきたからだ。

 

「?なんともないようたが……」

 

「ま、まぁ、当初の予定とは違ったが、仲間同士の結束が固い貴様ら冒険者には、この方が堪えるかもな。良いか?頭のイカれた2人組。そのクルセイダーは1週間後に死ぬ。これから1週間、仲間の苦しむ様を見て、自らの行いを悔いると────」

 

「お~いカズマ~。アクア派遣してくれ~」

 

「おう分かった~。アクア、解呪頼む」

 

「はいは~い」

 

「テメェらちっとは人の話を聞け!!大体こんな駆け出しの街に居るヤツにそんなことできるか!!」

 

 話を聞かないし無視して自分達の話を進めていく准に、デュラハンはまたキレた。まぁ無理もないと思う。

 

「そして妙な剣を使う小僧!貴様に聞きたいことがある!!俺の討伐を依頼したのはどこの国のどの勢力だ!?と言うか冒険者1人に俺の討伐依頼するとかどう言う神経してるヤツだ?!」

 

「ん?お前が拠点にしてる城の主だが?」

 

「は?大したモンスターの居ないあの城の主?嘘ならもっとまともな嘘をつけ!」

 

「本当だっての。メタル団子後輩。倒したらすぐに上位種来ると思ったけど来なかったから、実質アイツが主だったんじゃねぇの?お前の事かなり嫌ってたぞ?俺に倒されて膨大な経験値を渡してまで倒してくれって言ってきたからな」

 

「え?マジで?」

 

「マジで」

 

「嘘だろ?」

 

「倒した後に墓作ったから、嘘じゃねぇぞ」

 

「……ちょっと、そこに案内してくれ。謝罪をしたい…………」

 

「良いぞ~」

 

 その後、准はデュラハンを連れてメタル団子後輩の墓に連れていき、謝罪に少しの間付き合った。

 

「おい。いつまでそうしてるんだ?」

 

「俺の気が済んでメタル団子後輩が許してくれるまでに決まってるだろ!」

 

 着いて早々に、頭を地面に置いて土下座を始めた。それがかれこれ20分程続いている。

 

「じゃあ俺帰るぞ」

 

「あぁ。迷惑をかけた」

 

 なお、呪いは解呪されていない。そしてこの日から3日程、デュラハンは准が作ったメタル団子後輩の墓に頭を下げ続けたらしい。その間、一度も動いていないとか。

 

 因みに、爆薬を置いていくと言う嫌がらせをしようとしたが、雰囲気的にやらない方が良いと思った准は、悪戯をすることはなかった。めぐみんは容赦なく爆裂魔法を撃ち続けていたのは言うまでもない。




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