この素晴らしい世界をキレッぽい友人と!   作:憲彦

2 / 18
個人的になんで書いたか分からないランキング3位の作品がこれ。因みに1位はバカテスのあれ。2話目以降書く気が出てこないと言うパターンに陥るほどに何故書いたか謎の作品です。


到着登録借金!

 カズマとアクアが行ってから数分後に転生したカズマの友人(笑)。着いて早々に泣きわめいているアクアと、中世ヨーロッパ風の異世界にテンションが上がっているカズマを無視して、現在の持ち物を確認した。

 

「この剣以外に何かあるかな?」

 

 そう言いながらポケット等を漁っていく。カズマに殺された時に持ち物は手放していた為、死後のあの空間には何もなかったが、ポケットの中は覗いていなかった。

 

「まぁ残ってる訳……ん?なんだこれ?」

 

 何故か制服のズボンのポケットに巾着袋が入っていた。中にはこの世界の金と思われるものと、1枚の手紙の様な物が入っている。

 

「ん?『准さん、無事転生おめでとうございます。准さんには当面の生活費として、10万エリスを用意させて頂きました。お三方が最初にすることは、町で冒険者としてギルドに登録することです。ご武運をお祈りしています。女神代理より。ps 勝手ながら、准さんがお持ちになっていた財布の中の4万円は、4万エリスに換金させて頂きました』……まずは冒険者登録か」

 

 持ち物をポケットにしまい直してカズマ達の方を振り返る。もう2人のテンションは落ち着いている。そしてゲームをやり込んでいるカズマは手慣れた様子で、冒険者のギルドへと向かおうとしていた。やることは分かっている様だ。

 

「で?ギルドってどこにあるんだ?」

 

「え?そんなの知らないわよ。私が持ってるのはこの世界の基本的な知識だけであって、町の施設の場所までは把握してないわ」

 

 アクアのこの一言が原因でまたカズマがアクアをバカにし始める。どうやら、見知らぬ人に聞くことができないようだ。やはり異世界に来たからと言って、元引きこもりが道行く人に話しかけるのは難易度が高いのか、チラチラと通行人に目は向けている物の、絶対に話しかけたくないと言う強い何かが感じられる。それを誤魔化す為のアクアとの喧嘩なのだろう。

 

「はぁ……すいません」

 

「はい?」

 

「冒険者のギルドを探しているんですが、どこにあるか教えて貰えないでしょうか?」

 

「あぁギルドね。お兄さんこの辺じゃ見掛けないけど、旅の人かなにか?」

 

「えぇまぁ。この町も初めてでして」

 

「あぁやっぱり。ギルドはこの道を真っ直ぐ行くと大きな建物が見えるから、その中にあるよ」

 

「ありがとうございます」

 

「いえいえ。じゃ、頑張ってね」

 

 適当に目の前を通ってきたお婆ちゃんに話を聞くことができた。後ろのバカ2人を連れて早くギルドに行こうとしたのだが、喧嘩がヒートアップしてお互いに罵り合っていた。これにイラッと来たのか、黙って2人に近付き後頭部を掴む。

 

「いい加減にしやがれ!」

 

 そしてそのまま2人の頭をぶつけた。余りにも痛かったのか、地面に倒れて悶絶している。

 

「いつまでじゃれ合ってんだ?さっさとギルドに行くぞ。それが嫌なら一生そこで踞ってろ」

 

 道端に転がっている酔っ払いの嘔吐物を見るかの様な目で蔑みながら言った。気持ちはわかるのだが、やり方には関心が行かないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここだな。目的地」

 

「だな。冒険者風の人も何人か出入りしてるし」

 

「ちょっと!私の頭にできたたん瘤についてはなにもないの?アンタのせいで、この私の明晰な頭脳がパァになったらどうするのよ!」

 

「昔懐かしのブラウン管テレビは強い衝撃を与えれば直ったんだがな~」

 

 女神の頭をあのクソ重いブラウン管テレビ扱いである。まぁ紆余曲折あったが、ギルドに入り受付へと向かっていく。何故か手前の受け付けにやたらと人が並んでいる。それを見た准は空いている場所へと向かおうとしたのだが、何故かカズマがそれを全力で止めてきた。

 

「なにすんだよ引きこもりオタク!」

 

「うっせ!オタク言うな!ここは少し待ってでも、あの人気のある受付でやって貰おうぜ?」

 

「一応理由は聞いておいてやる。ただし、下らん内容だったら殴り飛ばす」

 

「あんだけ並んでるんだぜ?それはあそこの人がスゲー人気があるって事だ。つまり、仕事も他よりやり慣れてるってことだ。きっと情報も沢山貰える筈だから待った方が特だって!」

 

「成る程……一理あるな」

 

「それに……あの人、メッチャ可愛い」

 

 このあと、カズマが准にブッ飛ばされたと言うことは言うまでもない。と言ってもカズマの意見も十分に理解できる准は待つことにする。5分ほどだろうか。ようやく自分達に順番が回ってきた。

 

「いらっしゃいませ!本日はどの様なご用件でしょうか?」

 

 100点満点の教科書にしたい営業スマイルを向けられた。声の音量的に、会話の内容は聞こえていた筈だが、それでも笑顔ができるのは流石だ。

 

「冒険者として登録したいんですが。3人分を」

 

「はい。では、登録手数料を頂きます。3人で3000エリスになります」

 

(金取るのかよ……)

 

 割りと現実的な作り方に少し驚きながらも、財布の中から1人分の登録手数料を支払った。が、後ろの2人はいつまで経っても出そうとしない。

 

「なにやってんだ?早く出せよ」

 

「俺……金無い……」

 

「わ、私も……」

 

「…………あの、ギルドからの貸し出しって……」

 

「冒険者登録してない方には、ちょっと……」

 

 受付の人も困り果てている。やっぱり登録前の借金は不可能な様だ。このまま2人を見捨てて自分だけさっさと登録して立ち去ろうとした。

 

「まぁ、資金繰り頑張れ。じゃ、先に登録しとくからな」

 

「待ってくれ!……金を貸してください!」

 

「は?」

 

「俺の分も払ってくださいお願いします!!」

 

「わ、私のも!」

 

 カズマは全力で土下座。アクアはそれに便乗する形で軽く頼んでいる。無視したいが、ギルドにいる冒険者たちの視線が痛い。冒険者たちが居なかったら赤の他人と言うことにしてしまえば良いのだが、流石にこの状況でそれはできそうにない。

 

「返すあてはあるんだろうな?」

 

「へ?」

 

「誰がお前らに貴重な金をくれてやるんだよ。返すことできるんだろうな?」

 

「えっと……それは……クエストクリアして借りた分をその都度……」

 

「当然利息はあるぞ?返すまでに時間がかかればそれだけ膨れ上がると言うことだ。それで良いのか?」

 

「えっと、り、利息を負けて貰えるって事は?その、女神の私に免じて!」

 

「日雇いのバイトでもやって稼ぐんだな。すいません。登録は1人分でお願いします」

 

「ダァァァアごめんなさい!利息あっても大丈夫です!必死に返します!なので貸してください!!」

 

 結局、カズマとアクアの分の登録手数料も払う事になった。

 

「返済期限は3日。1日遅れるごとに10%な」

 

「10!?グッ……仕方無いか」

 

 随分と酷い利息だが、一応納得してくれた。手数料を支払っていよいよ登録を開始。触れるだけでステータスを正確に数値化してくれる様だ。1番手はカズマだ。普通ならここでブッ飛んだステータスが出てギルドが沸くのだが、平均的なステータスで、知能と幸運が高いだけだった。受付嬢からは商人などが向いていると言われる始末。それに対して2番手アクア。知能と幸運が低いため魔法使い等にはなれないが、他がブッ飛んだレベルで高いため、ほとんどの上級職になれると言う事だった。

 

「普通、こう言うのってカズマがなるべきなんじゃないのか?」

 

 そんな疑問を口にしたが、ギルド中の歓声でかき消された。結局アクアはアークプリーストと呼ばれる前衛にも後衛にもなる職業を選択。華々しいデビューを飾ることとなった。

 

 そして最後に准。幸運こそは少し低いが、全体的にカズマよりも少し高い。特に純粋な力や体力、そして学習能力が高いと出ている。

 

「このステータスならソードマンかモンク辺りが無難かと思いますよ?どちらも様々な状況に臨機応変に対応可能な職ですし、比較的初心者でもすぐに強くなることが可能です」

 

 そう言われたが、准は少し難色を示している。全てと言うわけではないが、カズマやアクアが登録している時の職業説明を聞いていたからだ。故にすぐに選ぼうとはしなかった。

 

「職業について、まとめられた書類とかありますか?」

 

「え?あ、はい。こちらに」

 

「ちょっと借ります」

 

 記入を中断して、近くにあった椅子に座って職業について読んでいく。スキルなんかに関してはすっ飛ばしているが、何が得意で何が不得意なのかと言う部分をしつこいくらいに読んでいる。

 

「おいなにやってんだよ?ソードマンやモンクを紹介されたんだから、それになれば良いじゃねぇか?」

 

「そうよ。早く決めてくんない?私みたいなアークプリーストがいるのよ!どんな職を選んだって大して変わらないわ!」

 

 そんな2人を無視して、自分なりに頭の中でそれぞれの職業をまとめていく。

 

 ・ソードマン、典型的な戦士職。特に才能などは必要とせず、鍛えれば鍛えるほど強くなる典型職。攻撃力や防御力が上がりやすい。上級職はソードマスターかクルセイダー。

 

 ・モンク、所謂武道家職。魔力を消費せずに技を発動することが可能。強力な武器が無くても戦えるため、リーズナブルな職業。武器の無い戦士の様な物。上級職はバトルマスター。

 

 ・魔法使い、才能と魔力量がものを言う職業。攻撃魔法を主に覚える。どんな魔法でもレベルと魔力量が上がってしまえば強力な物になってしまう。ただし、ステータスは貧弱。上級職はアークウィザード。

 

 ・プリースト、信仰系の魔法を使う。攻撃魔法は無いが、回復やステータス上昇。果ては死者復活などが可能。他にもアンデッドや呪い等の不浄な物を浄化させる事が可能。上級職はアークプリースト。

 

 ・アーチャー、遠距離からの物理攻撃が可能。スピードも早く攻撃範囲も大きい。ただし、防御力は紙切れ同然で1人での行動は厳禁。上級職は無いが、強さに限界があると言うわけではない。索敵範囲も広いため、クエストでは重宝される。

 

 ・盗賊、新種のダンジョン等が発見された場合、ギルドからの直接依頼がくる職業。気配を消すスキルや動きを止めるスキルがあるため、先手を取りやすい。攻撃も会心率が高いため、攻撃力の低い武器でも十分に戦うことができる。パーティーに1人いると色々と都合が良い。上級職はアサシン。

 

 ・冒険者、最弱職で誰でもなる事ができる。ステータスも特定の物が大きく上昇する等の事はない。しかし、レベルが上がりやすく全ての魔法とスキルを習得可能。だが極めたとしても、本職の5割程度の精度。上手く上げれば8割程度。上級職は無し。

 

「どれもこれも向いてそうに無いな」

 

「そうか?戦士職なんてピッタリだと思うぞ。武道家だって、その馬鹿力を活かす最高の職じゃねぇか」

 

「その2つ、大抵の場面では問題ない。1対1だろうと1対多数だろうと、問題なく力を発揮してくれるよ。だが、それは相手が剣とかの近接武器を装備してた場合だ。攻撃魔法主体の連中相手にしたら、勝てる未来が見えねぇ。他は魔力ありきって感じで、万が一魔力が切れたら死亡ルートまっしぐら」

 

「そう言われると、なんかどれも……」

 

 当然上級職ともなれば、他にもあるのだろうが、現状では上級職なんかなれない。この中から選ぶしか無いと言う事だ。

 

「あ、決まりましたか?」

 

「えぇ。冒険者でお願いします」

 

「え゛!?」

 

 驚いている受付嬢をスルーして、カードに必要事項を記入。めでたく冒険者へとなる事ができた。




・カズマの現在の借金
1000エリス

・アクアの現在の借金
1000エリス

上のこれは徐々に増えたり減ったりします。職業に関しては完全に独断と偏見ですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。