この素晴らしい世界をキレッぽい友人と!   作:憲彦

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この前800メートルを走ったらエナジーコアが鳴り響いた男、憲彦です。あれは遡ること4日、運動不足解消のために、学生の頃体育の授業で使っていた運動場の周りを走ると言うコース、約800メートル。そこを走ってからジムの方で筋トレとでも思っていたのですが、走り終わった後、目の前がチカチカして目眩がしました。大した量の筋トレもできませんでした笑


変態聖騎士と言うパワーワード

「あぁ~……疲れた」

 

「お帰り~。随分遅くまで飲んでたのね」

 

「いや飲んでねぇよ。妙なのに絡まれてな。帰るのが遅くなったんだよ。で?お前は何でまだ起きてるんだ?」

 

「抱き枕がなかったら寝られないでしょ?ほら早く服脱いでこっちに来なさい。アンタの程よく冷めた体温が丁度いいのよ」

 

「テメェ人を死体みたいに言いやがって……!」

 

 アクアの言い方に多少イラッと来たが、カズマももう寝たい。更に言うとさっきの出来事で疲労がとんでもない事になっている。ジャージの上着を脱いでアクアの隣で横になった。

 

「あぁ~……この体温いいわ~」

 

「ちょ、ちょっと強く抱き締めすぎだ!」

 

「あらあら?どうしたの~?もしかして、欲情しちゃったの?まぁ、童貞のカズマさんにはちょっと辛いかもね~。プークスクス」

 

「バカにしやがって……!でももう少し離れてくださいお願いします何でもしますから……」

 

 そう言いながら、もぞもぞ動きながらアクアから体を離そうとする。と言っても、上半身はアクアの腕があるため離すことはできなかったのだが。

 

「……そんなにヤバいなら、1発抜いてあげようか?」

 

「ふぁ!?」

 

「もう結構大変そうじゃな~い」

 

「ウグッ……ちょっ…!」

 

 ニヤニヤしながら、膝でグリグリと軽く刺激をして、カズマの反応を楽しんでいる。

 

「1発1万エリスでどう?」

 

「ふざけんな!もう寝たいんだよ……お前の悪巫山戯には付き合ってられん!寝る!」

 

 目を瞑って寝ようとするカズマを見て、アクアも目を閉じて眠りに入った。どうせカズマは何もできないと言うことが分かっている為、特にそれらしい警戒はしない。そしてその頃、隣の部屋はと言うと。

 

「え~っと、確かこっちが音が凄まじい火薬で、こっちが煙が凄まじい火薬……分量は?」

 

 隣の2人がうるさく感じたのか、准はせっせと爆弾の精製に勤しんでいた。説明書を見ながら二種類の火薬を空き瓶の中に詰めていっている。

 

「え~っと……こっちが20グラムでこれが50グラムで?ゆっくりかき混ぜながら……面倒だな。もう1:1で混ぜりゃ良いや」

 

 説明書を無視して、同じ量を同時に瓶に流し込み、蓋をして全力で振った。多分完成しただろう。そう思った准は、机の上にそれを置いて、隣が静かになったのを確認してから眠った。

 

※1:1で調合すると想定よりも音や煙がスゴい爆弾になります。ご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?……もう朝か」

 

 昨日のあれからもう朝になったようだ。抱き付かれていた為か、カズマはアクアよりも早くに目が覚めた。アクアに抱かれているお陰か、最近は深い眠りに入れてスッキリと起きられるカズマであった。

 

「……動けない」

 

 が、大体アクアが抱いている為、すぐに起き上がることはできない。しかも何故か今は後ろから抱かれる感じに体勢が変わっている。

 

「またシャツの中に手入れやがって……!」

 

 アクアの手はカズマの胸を完全に捕らえていた。しっとりとしたアクアの手が肌に吸い付き、少し動いても反応してしまう。

 

(最近ずっと弄られてたからな~)

 

 手先が器用なアクアに触られ続けた結果、少し敏感になっていたようだ笑

 

「あ、アクア?早く起きてくれ」

 

「スピー……」

 

「おい!頼むから早く起きてくれ!!」

 

「うっさいわね。まだ良いでしょッ!」

 

「ヒゥッ!?」

 

 何があったかは察してくれ。せっかくスッキリとした目覚めだったが、毎朝これのお陰で起きるに起きれず、早朝に目覚めても昼辺りまでグダグダしてしまう。

 

「フンッ!」

 

「「ダオワッ!?」」

 

いつまで寝てるんだゴミ共……!!

 

「ヒェッ……」

 

 首と肩、拳の間接を鳴らしながら、不機嫌さ全開の准が扉を蹴破って入ってきた。久し振りに見るぶちギレモードだ。

 

「とっととギルドに来い。クエストが無くなっちまうだろ?借金コンビが。40秒で支度しろ。1秒でも遅れたらギルドまで投げ飛ばしてやる」

 

「怖いこと言うな!すぐに準備するから待ってて──」

 

「あと30秒」

 

 素晴らしい笑顔の准を見て、命の危険を感じた2人は急いで準備を開始。なんとか制限時間内に準備が終わり、ギルドへ向かうことができた。

 

「チッ。クエスト持っていかれたか」

 

「す、すまん。俺たちが寝坊したせいで」

 

「全くだ。ジャイアントトードのクエストしか残ってねぇじゃねぇかよ」

 

 クエストは言ってしまえば早い者勝ち。割りに合っていようが合っていなかろうが関係なく、報酬の良い物は取られていってしまう。更に言えばここは初心者冒険者の街。王都の様な巨大な街にいるベテラン冒険者が大量にいるギルドは余裕のある冒険者が多いため、その日のコンディションに合わせたクエストを受けるため、どんなに冒険者が多くてもクエストが無くなることはない。しかし、初心者だけともなれば、当然安全でかつ割りの良いクエストを選びたいと言う輩が多い。クエスト取得の倍率は物凄く高いのだ。

 

「はぁ……なんか疲れた。水でも飲むか……クリエイトウォーター」

 

 空のコップに魔法で作り出した水を入れて、それを飲み干した。この世界では飲み水にも金が掛かるようで、ギルドや飲食店の安全な水には50エリス程かかる。水中りしたくない准は大体買って飲んでいたのだが、勿体ないと思って魔法を覚えたのだ。

 

「珍しいですね。初級魔法を覚えるなんて」

 

「あ?そんなに珍しいか?」

 

「えぇ。初級魔法は戦闘では全く役に立ちません。さっきの准がやったみたいに、精々生活の役に立つ程度。それに態々貴重なスキルポイントを割く様な真似は、誰もしません。と言うか、誰に教えてもらったんですか?」

 

「ふ~ん。ま、スキルポイントなら有り余ってるからな。少し使ったって問題ない。後、これは本を読んで覚えた」

 

 初心者冒険者のクセにレベルは既に50を越えている男に、スキルポイントの貴重さを説いたところで意味はないだろ。そして学習能力が高いため、本を読んでも覚えることが可能なようだ。

 

「カズマもなんか覚えたらどうだ?レベル上がってポイントもあるんだろ?」

 

 食事をとっていためぐみんの隣に座り、冒険者カードを取り出して裏面を覗いてみる。確かに、少ないがポイントは溜まっていた。

 

「溜まったポイントで、スキルを習得できるんだよな?変なスキルに使わず、慎重に選ばねぇと……」

 

「まずは誰かに、スキルの使い方を教えてもらうのです。すると、カードに項目が現れるので、ポイントを使ってそれを選べば習得完了なのです」

 

「つまり、めぐみんに教えてもらえれば、俺でも爆裂魔法を習得できるって事なのか」

 

「そうです!その通りですよカズマ!!爆裂魔法を覚えたいのなら、いくらでも教えてあげます!て言うか、それ以外に覚える価値のあるスキルなんてありますか?いいえありませんとも。さぁ!私と一緒に爆裂道を歩もうじゃないですか!!」

 

 鼻息を荒くして力説しているめぐみんだが、カズマは少し引いている。因みにスキルだが、アクアは既にアークプリーストのスキルを全部習得している。宴会芸のスキルを1個覚えたら他のも全部出てきたようだ。案外適当なシステムである。

 

「ちょ、ちょっと落ち着けロリっ子。つか、今3ポイントしか無いんだが……?」

 

「ろ、ロリっ子……」

 

「あれ?」

 

「フッ、この我がロリっ子……」

 

 何故かめぐみんが絶望していた。言われ慣れている筈なのに。そんなめぐみんを放っておいて、手頃なスキルが無いかとぼやくカズマであった。

 

「探したぞ」

 

「ッ!?」

 

「ん?誰だ?」

 

 聞き覚えのある声に、カズマは冷や汗を流している。それと対照的に、何も知らない准は首を傾げていた。

 

「昨日は飲みすぎたと言って、すぐに帰ってしまったが、大丈夫だったのか?」

 

「お、お気遣いなく!(やんわり断った筈なのに、俺の意図が全然伝わってねぇ~!)」

 

「ならば、昨日の話の続きをさせて貰おう。私を貴方のパーティーに入れて──」

 

「お断りします!」

 

「ック!即断…だと?!」

 

(あれ?この人喜んでる!?危険だ!)

 

 この状況に、准は頭を抱えてしまった。また変なのが来てしまったと。

 

「ハハハハハ。ダメだよダクネス。そんな強引に迫っちゃさ」

 

「えぇと、貴女は?」

 

「ん?私はクリス。見ての通り盗賊だよ。この子とは友達かな?」

 

(良かった~。こっちは比較的まともそうだ~)

 

「君、役に立つスキルが欲しいみたいだね。盗賊系のスキルなんてどうかな?」

 

「え?」

 

「習得にかかるポイントも少ないし、お得だよ?何かと便利だしね~」

 

「へぇ~」

 

「どうだい?今ならシュワシュワ1杯で良いよ?」

 

 そう言われ、上機嫌でクリスと言う盗賊にシュワシュワを注文した。この男、借金の事は覚えているのだろうか?因みにアクアは飲んでいた冒険者や土木関係の仕事をしている人達に、宴会芸スキルを披露していた。もうそれで金を稼げと言いたい。

 

 取り敢えず、クリスは出されたシュワシュワを飲み干すと、カズマとダクネスと共にギルドの外に出てスキルを教え始めた。5分ほどしてだろうか、外からよく分からない叫び声が聞こえてきた。

 

「大当たりだァァァァア!!!」

 

「イヤァァァア!!パンツ返してぇぇぇえ!!!」

 

「ヒィィィィィヤッホォォォオ!!!」

 

「なんと言う鬼畜の所業。やはり私の目に狂いは無かった!!」

 

 とな。

 

「またなんかアホなことしやがったな……賠償金請求されねぇと良いが」

 

 それから更に数分して、カズマとクリスとダクネスがギルドへと戻ってきた。何故かクリスは泣いているし、ダクネスの顔は赤くなっている。

 

「そ、その人どうしたの?」

 

「あぁ実は──」

 

「うむ。彼女はカズマに盗賊のスキルを教える際に、パンツを剥がされた上に有り金全部をむしり取られて落ち込んでいるだけだ」

 

「おいアンタなに口走ってんだ!?」

 

「財布返すだけじゃダメだって言われて、じゃあいくらでも払うからパンツ返してって頼んだら、自分のパンツの値段は自分で決めろって!」

 

「待て!間違ってないけど本当に待て!!」

 

「さもないと、このパンツは我が家の家宝として、奉られる事になるって!」

 

「ちょっ!なんか既に!周りの女性冒険者の目も冷たいものになってるから!本当に待てって!」

 

 アクアもめぐみんも准も、カズマを蔑むような目で見ている。流石にやりすぎだと思ったようだ。むしろここまで来て慰謝料請求されないだけ本当に良かったと思える。

 

「それで、カズマは無事に盗賊スキルを覚えられたのですか?」

 

「あ?ハァフフ。まぁ見てろよ。行くぜ!スティール!!」

 

 めぐみんにスティールを使うと、一瞬周りをそこそこ強めな風が通ったかの様に服が靡いた。それが収まると、カズマは成功を確信した顔になり、アクアはきょとん顔。めぐみんは何故か赤くなり俯いていた。しかも泣いている。

 

「なんだこれ?」

 

 手に入っていたのは黒い伸縮性のある3角形の布だった。

 

「なんですか?レベルが上がってステータスが上がったから、冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか?あの、スースーするのでパンツ返してください」

 

「カズマあんた……!」

 

 いつもカズマにセクハラしているアクアでさえも、これには引いていた。カズマ自身も戸惑っているが、取り敢えずそれを返した方が良いかもしれない。そして間にダクネスが入って、更におかしな展開になったのは言うまでもない。

 

「カズマ、この人は?」

 

 ダクネスに興味を持った2人が、カズマにその事を尋ねた。あんまり話したくは無い様子だったが、仕方ないと思い説明。上級職のクルセイダーなら断る理由は無いと言われてしまった。そのまま面接みたいな流れになったのだが、どうしても入れたくないカズマは真面目な顔をして話を始めた。

 

「良いかダクネス。こう見えて、俺とアクアと准の3人は、ガチで魔王を倒したいと思っている」

 

「へぇ~」

 

「そうなんですか」

 

「そうなの!」

 

 何故かアクアは誇らしげにしている。

 

「この先、戦いは更に過酷な物になるだろう。特にダクネス、女騎士のお前なんて、魔王に捕まったら大変だぞ?それはもう、とんでもない目に遭わされる役職だ」

 

「あぁ。全くその通りだ。昔から、魔王にエロい目に遭わされる仕事は女騎士と相場が決まっているからな。それだけでも、行く価値はある!」

 

 言っていることがおかしい。と言う事に気づいて欲しい。真面目な顔で何言ってるんだこの女は。

 

「え?あれ?」

 

「ん?私は何かおかしなことを言ったか?」

 

 しかも無自覚。

 

「おい。真面目にこの変態聖騎士をパーティーメンバーにするつもりか?正気を疑うぞ」

 

 准も引いている。変態聖騎士と言うパワーワードを発してしまうくらいに引いている。カズマも全力で断りに行っているのだが、何故かグイグイこのパーティーに入ろうとしている。カズマも准も根を上げてしまいそうになっていた。ついでに一発屋のめぐみんもパーティーから追い出そうとしたのだが、むしろやる気になってしまった。

 

「カズマカズマ。なんか私、腰が引けてきたんですけど。もっと楽な方法とか無いの?」

 

「お前は1番やる気出せ。当事者だろ!」

 

「はぁ……もう諦めろ。大人しくパーティーを組んで、魔王に挑むしか無さそうだ。後で使えるのを追加すれば良い」

 

「やっぱそうなる?」

 

「あぁ。追加するメンバーに文句を言わないのが条件だがな?それが飲めるならパーティーを組む。いいな?」

 

 准のその言葉に、めぐみんもダクネスも首を縦に振ってくれた。これなら後で修正も効きそうだ。

 

「ん?追加するメンバー?誰か宛でもあるのか?」

 

「1人だけな。何度かクエストにも同行したアークウィザードがいる。最近は見掛けないが、見付けたら声を掛けとくよ。勿論、文句を言ったヤツは黙らせるけどな」

 

 1番文句を言いそうなのに目を向けてニッコリと微笑む。正直言ってスゴく怖い。向けられた人は一瞬にして目を反らした。その上で首を壊れた人形の様に縦に振り続けている。

 

「あぁ~……コイツの笑顔、そんなに怖い?」

 

「はい。怖いです」

 

「なんか、逆らったら問答無用で壁にめり込まされそうだよね……」

 

「私も、何故かその笑顔はちょっと……」

 

 普段から仏頂面の人が笑うと怖いの法則である。その後、ふと気になった事をアクアが言い出した。

 

「ねぇカズマ。アンタのスティール、めぐみんやクリスにやったらパンツ盗っちゃったけど、男の准にやったらどうなるの?」

 

「……そういえばそうだな。よし。試してみるか」

 

「ふざけんな。クエスト入ってねぇか聞いてくるから、付き合うつもりはねぇぞ」

 

「逃がすかスティール!!」

 

 席を離れようとする准目掛けて、立ち上がったカズマはすぐにスティールを発動。そして盗った物は、この世界に来てから長らく准が使っている光剣だった。

 

「おぉ!これが本来のスティール!最高じゃねぇか!おっと、返して欲しかった、俺たちの借金をチャラにしろ!そしたら返してやる!」

 

「はぁ……フッ!」

 

「へ?…ゲブッ!?ガハッ!」

 

 カズマのやり方にストレスが爆発したのか、光剣を握っていた右腕の手首に裏拳を入れて光剣を弾き落し、胸に回し蹴り。壁にぶつかった所で首を押さえ付けてカズマの腰に付いているビギナーソードを抜いて、首筋に突き付けた。

 

「借金が、なんだって?」

 

「いえ……慎んで返済させて頂きます……」

 

「どうも」

 

『緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者各員は、至急正門に集まって下さい!!繰り返します。冒険者各員は至急正門に集まって下さい!!』

 

 カズマを解放し、光剣を拾い上げたタイミングで、その放送がアクセルの街全体に鳴り響いた。




R15のタグでも付けますかね。次回の更新は未定です。お気に入り登録や評価、感想もよろしくお願いします!

あ、活動報告でスキルや魔法、タイトルの募集始めました。そっちもよろしくお願いします。タイトルに関しては、最近の准キレてないからな~。と言う理由から変更しようかと思いました。こちらに投稿してください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=243121&uid=180457
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