メインの更新もままならないのになぁ!
奴が俺を見てる。
そして奴も俺を見てる。
そうだ、俺たちは殺し合いに来たのだ。
ああ、いと美しき我が好敵手よ。
赫き電纏いし我が宿敵よ。
本気のお前と見えるのはもう何度目か。
決着は名残惜しいが、俺ももう若くない。
三十を過ぎ、狩人としての全盛はとうに過ぎた。
そして俺が何処かで僵れるか、引退すれば、お前は野放し。
いずれ誰かが討ち倒すのか?
それとも全てを滅ぼすのか?
………どちらも御免だ。
俺は俺という人間が嫌いだ。
時折耳にする高名な狩人がお前に挑むという噂。
聞く度に内心願ったものだ。『どうか勝たないでくれ。死んでくれ。』と。
お前を倒すのは俺だ。
お前を倒せなかったら、ウチの馬鹿共が仇討ちだと騒ぐだろう?
使い慣れた剣斧を掲げ、走り、段差から跳躍する。
確かにお前の外殻はあまりにも硬い。
幾度となく破れ、武器を破損し、涙を呑んだ事もあった。
しかし見えたぞ、お前の弱点。唯一刃が届き得る場所。
奴の瞳に突き刺した瞬間、薬室に装填されたビンが一気に解放され爆発を起こす。
確かな手応え、通った………
それが最後の記憶だった。
苦痛に頭を振るう奴に叩き落とされ、頭を痛打し薄れる意識。
取り落とした得物を拾おうとして、左腕が無くなってる事に気が付いた。
ジリジリジリジリジリ!!!!!!
「んぐ……ッツ………」
騒がしく古典的な音が微睡みの世界から引き起こす。
目覚ましを止め、洗顔する為の樽に顔を突っ込む。
現役の頃から良く目覚ましに使っていた荒療治は、確かに意識を覚醒させた。
顔を拭い、髭を剃り落として扉から出る。
一面に広がる銀世界、男はポッケ村に居た。
身体は夢の中よりも重く、重ねた歳に苦笑するしかない。
既に四十半ば…ハンターとしては廃人も同然だろう。
それでも止められなかった、狩人として生きる事を。
「おはようヴェント!ティガレックスを追い払ってくれたんだって!?」
……そのくらいなら朝飯前さ。
今はこんなだが、これでもG級の資格を貰ってるんでね。
ギシギシと軋む左腕を振り、会釈する。
あれ以降、俺は放浪生活を続けていた。
戦闘用の高性能な義手こそあれ、かつての様な動きは望むべくは無い。
それが情けなかったんだろうな、俺は。
ドンドルマに居ることが何処と無く情けなく…俺は村を転々としていた。
ココット、ジャンボ、ポッケ、モガ、ユクモ、ナグリ、シナト。
それとロックラック、タンジア、バレバレにも行ったな。
懐かしい顔と会うこともあったが残念ながらかつての教え子共には会えずじまい。
仕方あるまい、殆どが活動拠点をドンドルマに移しているらしいしな。
ポッケ村へは三度目の訪問、ティガレックスの襲撃に悩まされて居たので引き受けた。
大型飛竜との戦いは久しぶりだったが、訛った身体には丁度良い。
下位相当で良かった。これが上位ならかなり苦戦したし、今の俺にG級個体が倒せるかは微妙だ。
そしてモガ村へと旅立つ。
気が付けば弟分同然のセガレも良い歳になり、村を纏めるリーダーとなっていた。
ハァ、歳取ったなぁ、俺も。
「ハッハッハ!お前さんもそんな事を言う歳になったか!」
うっせーぞクソジジイ、若い頃はあんな良い男だったのに隠居したらこれだ。
アンタの存在も俺の引退を妨げてるのさ。
「俺らとしては兄貴が定住してくれりゃ便利なんだがなぁ。」
……そういや、顔見ないがウチの馬鹿弟子はどうした。村付きのハンターだろ?
「とぉう!これを見て下さい!」
元気だなアイシャ……『ロックラックに行きます。いつか帰ります。』
ヴェントは頭を抱える。ものぐさな奴とは知ってたがここまでとは思わなかった……
詫びを兼ねてドスジャギィ、バギィ、フロギィの縄張り争いを終わらせてきた。
なんでこの森はこんなに色々なモンスターが住み着いてやがるんだ。
遠目に見えたがどう見たってジンオウガ居たぞあれ。
終わったらユクモ村へ。
湯治も兼ねて、一番訪れる事が多いな。
村長とも古い知り合いなので、優先的に風呂を回してくれるのも有難い。
白濁した湯に浸かり、義手の付け根に当たる部分をマッサージする。
特別な素材と練達の技術で作られた義手は隻腕の狩人を狩人たらしめてくれる。
本来なら武器を持つことさえ出来ない俺が戦えてるのもそういう事だ。
内封した雷の力を利用し、意思のままに動かす。
発掘されたオーパーツも基に作られてる。
雷狼竜の碧玉、海竜の蒼玉、雷竜の雷玉を核にキリンの特上皮で包んで形取り、
■■■■■を埋め込んだ仕上がり。
俺は奴の眼を奪い、奴は俺の腕を奪った。
一勝一敗…だが次は勝てないだろう。
だがもし俺の人生に幕を引くなら奴と……ん?
シュコー…シュコー………
露骨に怪しい竹筒が有った。
湯を入れてみる。
!!!……ゴフッゴフッ!……カヒュー…
指で塞いでみる。
………?…………!!!!!!ゴボゴボ…
成程。
音を立てない様にそっと脱衣場に戻り、義手を装着。
内封された雷撃を過剰放電し、一気に放つ。
『スパーク!』俺は叫びながら温泉に義手を突っ込む。
勿論俺は上がってからだ。しかし……?
『くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」!?!?!?』
奇声を上げながら何かが飛び出してくる。
スラリとしたプロポーションを維持しながらも女性らしい丸みを帯びた身体。
それが今目の前で打ち上げられた魚の様に跳ねている。
…………うん、無理。全くエロスを感じないわ。つーか面白い。
さてと。
人の風呂に忍び込むこの愚かな弟子。どうしてくれようか。
更新出来るかなぁ(´・ω・`)
新大陸へ行くのは次回か次々回です。