古狩人、隻腕にて   作:CATARINA

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オチがなんか雑かもしんない。

ほぼネタ回だから飛ばしてもおーけー


誰得なんだよ

………………ペロペロ。

 

ザラつき、ヌメるナニカが顔を舐る感覚。

舐められた位置から方角を割り出し、目を開けずに首根っこを掴む。

 

モフッ。

柔らかな毛の感触を楽しむ暇もなく視界に引き込む。

 

『ワンワン!ワン!(ヴェント!おはよー!)』

 

のんびりと吠える駄犬に対し、俺はにこやかに微笑みながら

「ああ、おはよう……というとでも思ったかこの駄犬がァ!!!」

全力のヘッドバットを決めた。

 


 

 

巨大なタンコブを作り白目を剥いた犬を引き摺り、古城の屋上へと向かう。

姿が見えなくても『居る』という確信。

当たり前だ、奴は俺の一部()を俺は奴の一部()を持っているんだから。

 

閉ざされた扉に犬を放り投げて無理矢理開れば、遠目に見慣れた姿の幼女。

ああ、分かるとも。例え人の形を取ろうが、お前だけは見間違う事は無い。

 

「会いたかったぜクソババア!」

『来やがったのクソガキィ!』

 

刹那、狩人の五体は発火した様に加速し、勢いのまま担いだ剣斧を振り抜いた。

その動き、その姿は今までの枯れた中年のそれではなく、

狩人としての力強さと迅さを魅せ付けるような動き。

大振りに振り下ろされた剣斧の一撃を興奮ぎみな幼女は腕を滑らす様にいなす。

そのまま狩人の腕と武器の柄を掴み、後方へと放り投げた。

瓦礫に勢い良く突っ込んだ狩人は、しかし。

突き刺さった壁を破壊しながら剣へと変形した剣斧を刺突する。

 

属性解放突き、それに義手から放たれる紅雷を纏って。

一方の幼女、狂気的な笑みを浮かべつ双腕に同じく紅雷を纏う。

 

お互いの全力を乗せた最強の一撃がぶつかり合う________

直前に間に出現した男によって双方の頭部を殴打されて気絶する。

心底楽しんだ表情で気絶する主と客人を見下ろし、赤衣は苦笑いした。

 

 


 

 

「普通に考えて突然切りかかる人が居ると思いますか?」

アッハイ

「貴女も貴女で招いといてこうなるの分かってましたよね?」

『アッハイ』

「お前は………何処から突っ込んで欲しい?」

『ワンワン!ワオン!(ヴェント!あそぼー!)』

 

駄犬は容赦無い熱線で吹き飛ばされた。

どうして俺たちが揃いも揃って正座してるかと言えば言わずもがな。

この古城の執事を担当してる赤衣に怒られてるからだ。

スマン、そろそろ足が死にそうだ。

「……………皆さんが来るまで崩しちゃダメですからね。」

ちくしょう。

 

 

 

 

「よぉ、相棒。まだ生きてるか?」

足が死んだ。死んでると言っても過言じゃねぇ。

お前も今更クソダサリーゼントは止めたらどうだ、リオン。

「ヤだね、こんなクールな髪型他には無い!人間も良い文化を作ったもんだ!」

その文化俺がガキの頃に廃れてるんだがな………

 

 

 

「m9(^Д^)プギャー」

狩るぞテメェ。

「元最強のハンター……正座して反省……これは笑うしかない………」

またその胸殻叩き割ってやる…………

「やだ、胸なんて………えっち。」

生憎奇乳に欲情するタチじゃないんだよ。悪いな。

 

 

 

「無様だな狩人!今のお前に負けるビジョンが見えぬわ!」

…………だろうな。

「それに見ろ今のお前を!クハハハハ!我を笑い殺す気か!?」

確かに俺は弱くなったよ。老けたし、腕も無くなった。だがな………

「む?」

本当に戦えなくなったのか、試してみるか?

「…………ハハハ!良い!良いぞ!それでこそ狩人ヴェント!我が欲した男よ!」

 

 

あるえ?

これで全員?

 

「今回はどうも集まりが悪い様で。」

 

ラオ爺、「そこの犬っコロとの鬼ごっこで腰を痛めて欠席」

ガロア、「最近異世界でインクを撒く作業が忙しいとか」

ネセト、「貯め込んだ財宝を強奪されてそんな暇は無いと」

 

理由がしょうもない。

いやまぁ特に関係が深い連中は全員揃ってるけどさ。

 

 

 

『……………よし!よく来たの愚かな龍共!久しく集まって無かった故に儂は嬉しいぞ!』

Boo!Boo!ヒッコメー!カエラセロー!

『喧しいわ!そして帰ろうとするなヴェントォ!』

 

…………バレたか。

良いだろー帰らせてくれよー。

何が悲しくて腕の仇と茶飲みなんかしなきゃならねぇんだ。

 

 

 

『今回貴様らを集めた理由は一つ!誰がそやつを眷属にするか!ハッキリ決めようぞ!』

 

飽きずにバカな事言ってんじゃねぇ。俺はニ・ン・ゲ・ンだ!

疫病で野垂れ死んだ母親と行方知らずになったクソ親父のな!

「相棒………悪ぃが普通の人間は禁忌の古龍を総ナメしたりしないと思う………」

そもそも老い先長く無いぞ俺。後十年もしたら動けなくなって死ぬぞ。

お前らが思ってる程人は長生き出来ねぇんだよ。

 

そう言って紫煙を曇らせる。

身体に悪いモノに限って美味いんだよなぁ………

 

「心配するでない狩人よ!龍の眷属となれば老いる事無き龍の仲間入りよ。」

「じーっと。こう、物欲しそうな目で見つめてみる。」

「ええい黙れぃ!奴と儂は切っても切れぬ縁で繋がっとるんじゃ!

ルート未実装組は正妻に道を譲れと旧くから言われておる!」

 

当人の意見を聞く気は無いんだな。よーく分かった。

全員狩ってやる、表出ろや。

 

「儂さっきやらかしたからパスで。」

「我そもそもここで龍化したら多分もしかしたらMaybe城が壊れる。」

「海じゃない………熱暴走で灼ける………(´・ω・`)」

 

お前らはそもそも()()いからな……超大型も楽じゃない。

 

あっ。

 

「…………()()?」

「ああ………ライン超えたの………」

 

 

「私をデブと呼んだ奴は皆殺す事にしているッ………!」

 

プレッシャーが高まっていく。

まさかここでやる気か?龍化を?

地面を灼き焦がす様に力を濃縮し、解き放たれんとした。

…………結果だけ言えばこの後特に大事無く収まったのだが。

 

 

 

『ハッ、ハッ、ハ!ワオン!(わぁ、ボンレスハムだぁ!)』

間抜けな犬が犠牲となった事を付け加えて置く。

 

 

 

 

…………題材:犬神家の駄犬ってのはどうだ。

「ほっとけ!何だかんだそやつの耐久は指折りよ……してヴェントよ。」

ああ?

「…………我らは惜しいのよ。古より無双に近しい我らと対等以上に渡り合った者が。

しかもその死因が老衰か病死など三文芝居にもならぬ。」

「もう二度と現れない…間違いない……」

「儂らの気持ちを汲んでくれぬか?代わりにどんなものでもくれてやろう。

富、名声、酒に永遠の命に力。全てをくれてやるぞ?」

 

 

 

気持ちは嬉しいが、そもそも隻腕の俺に若い頃の動きを期待しないでくれ。

歳食ったのもあって全盛期の二割………待った、サバ読んだ。一割くらいしか動けねぇ。

俺はもう廃人だよ。狩人続けてるのも意地みたいなモンだ。

確かにさっきソイツとやり合った様に数分ならどうにかなるかもしれない。

義手から発生する雷撃で一時的にリミッターを外す。これは確かに有用だ。

だがデメリットもある、そう乱用出来るものじゃない。

今平然と喋ってるのも割と限界に近いんだよ。

 

お前らには申し訳ねぇが、俺はひっそりと死なせて貰うよ。

じゃ、もう会わねぇと良いな。

 

そう言って広間から出ようとするが、勿論それを阻まれる。

分かってた。そう簡単に諦める様ならコイツらは俺に執着しない。

 

なぁリオン、お前はどっち側だ?

『……ま、相棒と遊ぶのは楽しいが。お前の選択だ、止めやしないさ。』

赤衣。

『どうかご自由に、私もまだ命が惜しいので。』

レア。

『ヴヴヴゥ!!!(やだァ!!!)』

 

そうか。

片や、廃人紛いの中年狩人。

片や、禁忌の黒龍が三匹と大地産む蛇が一匹。

絶望的なんて言葉じゃ足りない。あまりにも差が過ぎる。

 

だが、この感覚は嫌いじゃない。

…………何だかんだ俺は狩人としてしか生きられなかった。

ギリギリでの生命のやり取り、絶望に打ち勝つ歓喜。

それを知ってしまった以上もう退けない、もう迷わない。

 

「さぁ、どいつから来る?同時に来たって俺は構わない。

俺が欲しいなら殺して奪ってみやがれ。それが狩人とモンスターだろう。」

 

 

『その言葉、互いないか?』

ああ。俺が死んだら眷属なら喰うなり好きにしろ。

二言はない。そして後悔はしない。

 

 

『そうか………………よし。』

幼女は一人得心した様に手を打つと、

 

 

 

 

 

 

『言質取ったぞォォォォ!!!』

大声で叫んだ。

……………しまった。一杯食わされた。

そうだ、冷静に考えれば簡単だったんだ。

()()()()()()()()()()()()()()()()

クソが………クソがッ!!!

悔しい。ただ悔しい。

まんまと騙された事が何より悔しい。

八つ当たりに壁を殴ると荷物から手紙が落ちた。

 

そういや読んでなかったな、なになに?

「新大陸の調査?片道十年(仮)?」

十年て、俺死んでるまで無いか。

断っても良いなら断るか…………待てよ?

新大陸……()大陸。

思い浮かべるのは未知の強敵、新たな狩場。

旧友共と会ったからか、どうも若々しい感情が収まらない。

行きたい………行きたい!

例え無理だとしても、どうやっても行きたい。

『おう、何をしておるのだ。』

いや、長期依頼がな……十年、クソ…もっと若けりゃ………

 

『つまり狩人よ、若返りを所望かな?』

おっと、そうやって眷属にしようとするのは無しだぜ。

それはもうルーツにやられた。今更靡くと思うなよ。

『まぁ最後まで聞け。我らの長過ぎる命を少しばかり分けてやれば良いのだ。

数百年、数千年ならまだしも十年程度なら森林から葉を毟るのと変わらぬよ。

……実際あと十年も持たぬだろ?お主。』

 

「出来るなら頼みたいね。」

 

正直、あと1年持ったら奇跡なくらいなんだ、俺は。

息は切れるし傷も治らねぇ。

ハンターどころか普通に生きるのさえギリギリだ。

 

 

『ならば………うむ。赤衣の、それと逆鱗の。お主らは外しておれ。

犬っコロ。お前はどうだ?狩人の事は、好きか?』

「ワンワンワン!(すきー!あそぶのたのしい!)」

『良かった。犬の姿では不自由だろう、人の姿をとるが良い。』

「ワンワン?(ひと?)クゥーン……(ん~……)こうかな?」

ロリを通り越したぺドになった。人化出来たんだなアイツ。

どうやら何か儀式的な事をするらしい……よく分からんが。

 

「それでは、失礼します。」

「………やっべ、俺ちゃん何が起きるか察するの巻。生きろよ相棒………」

 

 

 

(というか本当に同意無しでやっちゃう感じなのじゃ?Really?)ヒソヒソ

(………どうせ皆溜まってるだけ。発散だと思って諦めるよろし。)

(ルーツよ、時々思うのだが貴様どうしてその辺生娘じみてるのだ………)

(???)

 

やるなら早くやってくれ。

 

「落ち着くのじゃ!?そして武器と防具を脱いでおれ。」

なんでだよ。

「もし暴れたら、命分ける私達、多分危ない?だから脱ぐ……」

………なるほど。理解した。

 

 


 

 

 

ほらよ、外したぞ。

「よし!今じゃ駄犬よ!ヴェントを抑えつけろ!」

 

旋風の様に駆ける幼女が俺の脚を掬い、そのまま引っ掛けて転ばせる………腰が!?

そのまま腹の上に馬乗りになられた上に腰が軽く逝ったので起き上がれない。

腰!腰ィ!!!どういう事だァ!?

 

「命分け与える行為……即ち生命を創る行為。どうゆーあんだすたん?」

………………ふむ。

あー………………

なるほどなるほど。

 

 

 

流行らせコラ!流行らせコラ!

ふざけんな!完全にお前らの私欲じゃねぇかそれェ!!!

 

「暴れるでないわ!別に童貞という訳でも無いじゃろう!」

そういう問題じゃねぇよ!クソ!

「良いではないか良いではないか。自ら言うのもアレだが、中々の美人揃いだぞ?」

止めろ!近付くな!止めて!離して!

 

 

 

 

 

 

助けてモミジィィィィィィィィ!!!!!!




ヨシ!

ヴェントのプロフィールそろそろ書こうか………
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