斬月で無双したい少年が斬月で無双する話   作:猫又侍

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第参幕

「いやぁ、危なかった危なかった。まさかあの後機動隊が来るなんてな。危うく捕まるどころだった」 

 

 俺は体を伸ばしながらため息をつく。まさかあの場で機動隊が来るとは分からなかった。御当主様に連絡してなかったら俺は今頃刑務所の中に入れられている。

 

 因みに加減はしたので建物はスパッと切れたが綺麗に切れすぎて形が一切崩れていなかった。よくやった俺。

 

 そして今は御前試合の会場に足を運んでいる訳だが……

 

「ねぇ、あなたの御刀どんなことになってる訳!」

「だから気にするなって。ただデカイ御刀だから」

「嘘よ! ならさっきのあれはどう説明するの!」

 

 先程から隣の美濃関の生徒がギャンギャンうるさい。いやまぁあれ見てこうなるのが普通なんだが、ほかの人は潔く引き下がってくれたがこいつだけは食い下がる食い下がる。

 

「お前はもう少し静かにできないのか?」

「お前じゃない! あたしは安桜美炎よ!」

「そうか。なら安桜、少し静かにしよう」

「もう……大体、あなた何年なの?」

「ん?中等部一年らしい」

「一年って……あたしより下の学年なの?!」

「おう、そうらしいな。因みにそろそろ俺19なんだけどな」

 

 年の割に中等部一年を言い渡された訳だが……何故中等部。せめて高等部にしてくれよ。兄としての威厳がなくなるだろ。

 

 そんな事を安桜の話を受け流しながら考えていると会場が騒ついた。

 

「ねぇ、あれって」

「獅童さんだ! 親衛隊の!」

 

 そのざわつく原因を目線でおい発見する。

 

 そこには、二人の少女が立っており片方は濃い赤の髪をしてポニーテールで纏めている雰囲気お嬢様の少女。

 

 そしてもう一人は……

 

「真希……」

 

 俺の唯一の家族、獅童真希がそこには立っていた。薄茶色の髪色、手に巻かれた包帯のような物。俺が覚えている妹の面影は僅かにあれど包帯のようなものは付けていなかったし、何よりあんなに鋭い目つきではなかった。

 

 しかも話を聞くに大会二連覇とか。俺の可愛い妹はだいぶお強くなったようでお兄ちゃんはうれしよ

 

「ま、人は変わるしな」

「どうしたの?」

「ん? いや、まぁあの獅童真希って居るだろ? あれ妹なんだ」

「獅童さんがあなたの妹かぁ……え? 妹?」

「だからそう言ってるだろ」

「えぇぇぇぇ! あなたが獅童さんのお兄さん?!」

 

 その驚きの声は会場中に響き渡り、一瞬で俺に視線があつまる。

 

「ちょ、なに大声出してんだよ。真紀にバレるだろ!」

「あ、ごめん……ってめちゃくちゃ見られてるけど」

「そんな訳ないだろ。なに言ってんだ……」

 

 俺は半信半疑で真希の方を方を見る。

 

 ガッツリ見られてたしガッツリ目があいました。

 

「なぁ、これって逃げてもいいと思う?」

「なんで?」

「おれ十年位姿見せてなくてさ。いきなり消えたもんだからしばかれるかなって……」

「ダメでしょ」

「うん、ですよね」

 

 だが俺は身の危険を察知し、その場を全速力で駆けて逃げようとするが時すでにお寿司。

 

 いつ移動して来たか分からないが目の前に真紀が立っていた。

 

「あ、あの……ま、真紀さん?」

「……」

 

 俺は動かない真希を見てどうしようかと悩む。

 

 このまま逃げてもいいが、それはそれで罪悪感が残ってしまう。

 かと言って逃げずにいたらなにをされるか分からない。

 

 そうこうしながらあたふたしていると、ふと胸元になにかが寄りかかる様に重みが感じられる。

 

 ふと下をみると、真希が顔を埋めていた。

 

「真紀?」

「兄さん……良かった」

「はえ?」

「僕、突然兄さんが居なくなって……どれくらい探しても居なくて……もう会えないんじゃないかって……」

 

 そう言って顔を埋める真紀が泣いていると分かるのは俺だけだろう。

 

 昔からよく泣く時は俺の胸だと決めているらしい。

 

 周りは後輩だらけ。同学年も居るだろうし、みんなの憧れのる人なんだ。だから弱いところは家族だけの秘密にしておこう。

 

「ほら、周りは後輩や同学年がいるんだろ? 後でゆっくり話せるからな? だからそれ、行ってこい獅童先輩」

「約束だよ?」

「おう、それと俺は中等部一年らしいから宜しくな」

 

 みんなに見えない様に涙を拭うと真希はキリッとした顔に戻り元の場所に戻って行った。

 

「本当にお兄さんだったのね……」

「いや、そこは信用してくれなきゃ。俺も獅童って名乗ったんだし」

「そういえばそうね」

 

 あ、完全に忘れられてたやつだ。

 

 とまぁそうこうしているうちに御前試合が開始される。

 

 先程居た刀使も居るようだが他にも色々な御刀を携えた刀使が居る。

 

 その中でも一際目立つ者が二人。

 

衛藤可奈美(えとうかなみ)十条姫和(じゅうじょうひより)か……」

 

 衛藤可奈美は相手の流派を考えて素早く戦う。と考察したいがあれは見るからに刀オタクに分類される人間だ。相手を見る目が新しい何かを発見した子供みたいな目になってる。

 

 十条姫和は早い移動に素早い決着。そして何より反撃を与える隙がない。これまた凄い奴がいるもんだ。

 

「決勝はあの二人で決まりだな」

 

 ある程度考察が終わると、俺は席を立つ。

 

「ちょっと何処に行くの? まだ終わってないわよ?」

「用事だ」

 

 そう言い残し会場の外に出ると二人の女性が立っていた。

 

「これはこれは、折神家の御当主様がわざわざ俺のために出向いて来てくださるとは」

 

 俺の目の前に立つその人物は、折神家現当主の折神紫が立っていた。

 

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