斬月で無双したい少年が斬月で無双する話   作:猫又侍

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ここまで来るとオリジナル展開混ぜてる事に気づく


第肆幕

 場所は移り変わり御前試合決勝戦を行う会場。しかしそこには生徒たちは居らず、俺と御当主様、親衛隊の一人の計三人のみが居る。

 

「それで? なんで俺を美濃関になんて入学させたんですかね、御当主様」

「お前も分かっているだろう、わたしがお前をここに呼んだ理由が」

 

 そう言って鋭い目でこちらを見る御当主様。電話越し以上の気迫が伝わってくるがこんなのは田舎の爺ちゃんで体制はついた。

 

 それでもやはりどこか恐ろしい物を感じてしまう。流石は最強の刀使と呼ばれるだけはある。

 

「いやぁ、まったく持って理解できませんね。それとなんで俺は中等部なんですかね? 兄としての威厳がなくなるじゃないですか」

 

「あぁ、そうだったな。言い忘れていたよ」

 

 そう言いながら御当主様は封筒を差し出してくる。

 

「これは?」

「中身を見れば分かる」

 

 それだけで説明が終わりなにが入っているかは開けなければわからない。仕方ないので自分で開けて確かめる事にした。

 

「『拝啓獅童和也様。この度わたし達は貴方を美濃関学院中等部の生徒たちに模擬戦やそれに関する技術などを教えて貰いたく獅童様を我が校の教師に指名します。もし請け負って貰えるのなら中等部から高等部までの教師として御刀の技術などを教えていただきたいと考えております』……ってなんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

「見ての通り、お前は美濃関の生徒ではなく美濃関の教員として美濃関に行ってもらう」

「じ、じゃあこの制服は?」

「無論、お前を生徒に指名したと思わせるためだ」

 

 そう言って口角を僅かに上げる御当主様。つまり、俺は爺ちゃんにも御当主様にもハメられたって訳だ。

 

 解せねぇ……

 

「因みに拒否権は?」

「荷物は既に美濃関に手配済みだ」

「アッハイ」

 

 もうこれ拒否権ないじゃん。請け負って下さるのならじゃなくて請け負わざるを得ないんじゃん。

 

 もうこうなればヤケクソだと了承したが、御当主様は更なる爆弾を放り投げて来た。

 

「言い忘れていたが、親衛隊の剣術稽古もお前だぞ」

「拒否け……アッハイワカリマシタ」

「うむ、わかればよろしい」

「あ、それと御当主様」

「なんだ」

「俺の妹……真紀は強いと耳にしました。実際、動きも素早く御刀もしっかりと振るえています。ですが------」

 

 これだけは言っておかなければ何かと好き勝手やられそうだと考え、俺は御当主様に念を押すように伝える。

 

「アイツになにか無理をさせたり命に関わる事が御当主様の手で引き起こされた場合、俺は御当主様を……あんたを切る」

「……肝に命じておこう」

「紫様、そろそろ生徒がやって来ます」

 

 俺は伝える事伝えたし無慈悲な職を任命されたのでひとまず観客席に移動し、安桜達が来るのを待つ事にした。

 

****

 

「やっと来たか」

「やっと来たかって、あんたが先に言ったんでしょ」

「それとさっきからあんたあんたって、名前教えたんだからせめて苗字で呼べよ……」

「獅童なんて獅童先輩が居るんだからややこしいでしょ!」

「なら和也でいいじゃん」

「っ……///」

「おい、なぜ無言で拳を握る? おい、ちょ」

 

 その後無事腹パン喰らいました。解せぬ。まぁ俺が悪いんだけどね。結局口論の末年上だから獅童さんと呼ぶ事になったそうだ。

 

「で? どうだったよ試合」

「あんた……獅童さんの言った通り可奈美と十条さんだったよ」

「だろうな。残りのやつも筋は言いが荒魂相手じゃない事もある、手を抜いてるやつは殆どだ。全力でやる奴がいればそいつは凄いよ」

「なんで? 全力の方がいいじゃん」

「全力、即ち自分の出せる最大の技量を使い相手を倒す。御刀も真剣だ。本気出せば人だって殺めることすら可能だ。御刀の試合の場合、剣道なんて競技とはまったく別者だ。もし刀使どうしで本気の戦いをしたら確実にどちらかが死ぬ。それが真剣での戦いだ」

「……あたしが言いたい全力は違うんだけどなぁ」

「そうか。まぁ、人には人の全力がある。荒魂を仕留める全力、ライバルとぶつかり合う全力……俺は前者しか経験がない。今の考えに至るのも許してくれ」

 

 俺は安桜に軽く頭を下げるが、本人からしなくていいと怒られてしまった。

 

 そんな事をしていると御当主様が出てきて周りがざわつく。

 

 まぁ、最強の刀使と謳われる程の人間がここに居ればそうはなる。

 

 そして時が過ぎ、決勝の用意が出来た。

 

「でもまぁ、よく天下一武闘会みたいなの飽きずに毎年やれるな」

「ちょ、年に一回なんだからそりゃみんな飽きずにやるでしょ」

「そんなもんかね」

 

 まぁ御前試合は年に一回折神家の当主が決勝を見るんだし、そりゃそうか。

 

 なんて考えているのは隣の奴がペラペラと小声で喋り始めたからだ。

 

 そんなに小声出すんなら後で話せよ。

 

 すると、審判の声が聞こえ会場が張り詰めた空気へと変わる。

 

「双方、構え!」

 

 その声を同時に両者刀を抜刀する。

 

「小烏丸に千鳥……鳥どうしの縄張り争いってとこか」

 

 双方の実力は一度のみしか見ていないため先が読めない。が、ギリギリの戦いをする衛藤とストイックな戦いをする十条。どちらが勝つか分からない。

 

「察しがいいってのも考えものだよな」

 

 しかし、俺は十条の目線は衛藤に向いているが意識は御当主様に向いているのを察知し斬月をもちいつでも行ける様にする。

 

「写シ……始め!」

 

 その瞬間、予想通り十条の姿が消えた。

 

「面倒は嫌いなんだけどな」

 

****

 

「始め!」

 

 わたしはその掛け声と共に目の前の相手とは違う、親衛隊に守られ座っている折神紫に向かって走り出した。迅移を使い一瞬で近づき御刀を突き出そうとした瞬間の事だった。

 

 御刀を弾かれた。いや、刀の側面で防がれたというべきか。

 

「おいおい、あんた今なにしてるか分かるか?」

 

「っ! いつの間に」

 

 わたしの刀を防いだのは折神紫ではなく、どこか見覚えのある顔をし大きな御刀でわたしの刀をいとも容易く防ぐ男の刀使の姿があった。

 

「獅童和也だ。よろしく」

 

 そう名乗る彼は少し笑って見えた




キャラ説明
獅童和也(しどうかずや)
9歳の時にとある事件により遠い妹(真紀)と離れ離れになり、行方をくらます。御刀は斬月。通常の御刀とは互い『霊圧』という特殊な力を使用し、斬撃そのものを巨大化して飛ばす『月牙天衝』が主な技である。そして重度のシスコンでもある。

後に新たな情報が追加される
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