戦姫絶唱シンフォギア 時空を超える歌   作:可惜夜ヒビキ

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何故か体育祭で女装する羽目になりました。誰か時を戻せる人いない?


第三章 反撃、そしてその先へ
Chapter 11 -負けてばかりの私たちじゃない-


「――う、うぅ...?」

 

響は目を覚ました。またしてもベッドの上、ここ一週間で二度もここに運ばれるとは...それ以前の平和が嘘のようだ。と、響はようやく気付いた。彼女の顔を、心配そうに見つめる影が一つ――いや、三つ。

 

「バカ、なんで命令違反なんてしたんだよ!?おかげでこっちはハラハラしたぞ!!」

「立花、すまなかったな...防人としての私の務め、果たすことができずに...」

 

 

「響...バカ...ッ」

 

 

 

 

途端に、未来が響の胸に抱きついてきた。

 

「小日向、あまり立花の体を揺さぶっては――」

「大丈夫ですよ、先輩。あのバカもこんなんで死ぬほどヤワじゃないって、先輩も知ってるはずだ」

 

涙でぐしゃぐしゃになった未来の頭を撫でながら、響は優しく話しかけた。

 

 

「未来...心配かけてごめんね。ただいま」

 

目に涙を浮かべつつ、ちょっと笑った未来が返す。

 

 

 

 

 

 

 

「――おかえり、響」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後メディカルチェックにより響の体に異常がないことが分かると、四人は指令室へと向かった。何やらエルフナインが話があるとか。

 

「皆さん、集まっていただきありがとうございます。今回皆さんには、ファントムダスト、ノイズ及びファントムノイズ――以降はファントム勢力と呼びますが――に対抗するために、皆さんの武器強化をしたことについて報告します」

「へぇ、私が眠ってる間にそんなことをしてたんだ...」

 

響は胸を撫でた。起きた時にガングニールがなかったのはそのせいだろう。

 

「――まず、シンフォギア・システムの強化についてです。ボク達は、アルドさんたちに付着していたとある物質に着目しました。その名前は――"エレメンタル"」

 

シンフォギア装者たちが一瞬ざわめいた。彼らの世界において、エレメンタルとはかつて響たちが戦った一人の錬金術師が使っていた力の結晶のことである。

 

「エレメンタルとは、アルドさんたちの世界において、四大精霊と呼ばれる強力な精霊の力が宿った結晶のことです。僕が調べたところ、どうやらエレメンタルを身体に纏うことで、ファントム勢力に攻撃が当たるようです。というわけで、皆さんのシンフォギア・システムにエレメンタルを組み込んでみました。つまり、今後は位相差障壁に関係なくファントムダストにもノイズにも対応できる、ということです」

「それじゃあ、私達はどうなの?彼女達だけが強化されているなら、私たちはただのお荷物に過ぎないと思うのだけれど」

 

ヘレナが口を挟んだ。

 

「はい、それが二つ目に言いたかったことです。先ほど皆さんの武器を預からせていただいたかと思いますが、その時皆さんの武器にデータチップを埋め込ませてもらいました。そのチップの中にシンフォギア・システムについてのデータが入っていて、これによりファントムダストだけでなくノイズにも皆さんの攻撃が当たるようになります」

「なるほど...拙者らの武器を預けたのは、その()()()()()()とやらを付けるためでござったか」

 

最後に、エルフナインはこう締めくくった。

 

 

 

「これで、ファントム勢力とも渡り合うことができます。おそらく、これからが本当の戦い――気を引き締めて臨みましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ここにいたんだ」

 

響はアルドの後ろ姿を見、呼びかけた。向こうもそれに気が付いたらしく、こちらを振り返った。

 

「響か、どうしたんだ?」

「ちょっと、前の戦いのことを思い出して...隣、いいかな?」

 

アルドはベンチの片側に寄った。響はそこに座ると目を閉じた。すぐ目の前で起こっているかのように、前の戦いの記憶が生々しく響の脳裏にこびりついていた。

 

「あの後、色々考えてたんだ。何で負けたのか――みんなはこっちの攻撃が当たらなかった予想外の敵だからしょうがない、って慰めてくれるんだけど、私はそうは思えなくて――」

「自分のせい、とでも言いたいのか?」

 

響は軽くうなずいた。アルドが何も言えないうちに響は話を続ける。

 

「あの時無理してファントムたちに突っ込んでいかなかったら、あの時司令の命令をちゃんと聞いていたら、私達はこんな風に傷だらけじゃなかったはずなのに――」

 

 

 

 

 

「そんなことない」

 

アルドの声に、響が振り返った。柔らかい笑顔を浮かべながら、アルドが話し始めた。

 

「そんなことないさ、響。あの時突っ込んでいったのは響だけじゃない、オレも一緒だった――だから一人で抱え込んだりしなくていい。あの時の責任を負う義務は、オレにもあるんだ」

 

響は黙って聞いていた。彼の話が終わると、響は目を閉じた。一人で抱え込んだりしなくていい――アルドの言葉を、心の中で何度も繰り返す。

 

「...そっか、そうだよね」

 

響はベンチから立ち上がり、本部へと戻りかけて振り返った。

 

「肩の荷が下りた気がするよ――話を聞いてくれてありがとう、アルド!」

 

響の背が見えなくなるまで、アルドは手を振り続けた。少しづつ沈んでいく夕日が、辺りをやわらかい光で包んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──旧リディアンにファントムノイズの反応を確認しましたッ!!」

 

S.O.N.Gオペレーター、緒川の声が響いた。

 

「いよいよ来たか...君達、準備はいいかな?」

「はい(デス/でござる)ッ!」

「うむ、いい返事だ。今度こそあの侵略者に一泡吹かせてやるといい」

「あぁ、今度こそあの体に風穴開けてやらぁッ!!」

()()()()()()とやらの力で刀の錆にしてやるでござるよッ!」

 

アルドは、響の方へと歩み寄った。

 

「響──次の戦いでは、もう1人で何でもかんでも背負おうとしないでくれよ」

「大丈夫、分かってる。さぁ、気合い入れて行こうッ!!」

 

 

 

 

「おぉーッ!!!」




ここまで読んで下さり(ついでにクソみたいな前書きもさらっと見て下さり)ありがとうございます。あ、もう体育祭は終わったんで時は戻さなくていいですからね?

さて次回は...

「思い出を踏みにじった、あいつらは――許さないッ!!」

新たな力を胸に、再びファントムノイズと対峙する響たち。果たして、彼女たちはリベンジを果たせるのか!?


次回[操る者、操られる者]

お楽しみに!
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