戦姫絶唱シンフォギア 時空を超える歌   作:可惜夜ヒビキ

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第五話となります。今回は調とリィカの話です。
特に書くこともないので、早速話に入っていこうと思います。

それでは、歌の力を借りて、この世界を混沌から救い出そう-


Chapter 5 -信じる正義のために(前編)-

調とリィカは、工業地帯へと向かっていた。

 

「ーへぇ、リィカさんはヘルパー用アンドロイドなのね」

「ハイ、私はKMS社製汎用アンドロイド、デス!」

 

そう言って、リィカは髪部分のパーツをグルグル回す。調は、それを見るのが面白いようだ。

 

「因みに調サンは、如何にしてS.O.N.G.に?」

「私?えっと...」

 

調は今までの自分のことを話した。リィカはそれを興味深く聞いていた。

 

「ナルホド、元々は調サンはS.O.N.G.と対立関係にあったのですネ。」

「そう、私は最初、響さんの言う正義を信じてなかった。今ではそれを申し訳なく思っているけど...」

「響サンと一緒に戦っているナラ、そう思う必要はないのでは?」

「え...?」

「響サンと調サンは今は互いヲ信じあう仲間同士...きっともう響サンの中で勝手に解決していると思いマス。」

「リィカさん...ありがとう、ちょっと気が楽になったかも」

「ワタシは心モ癒す、ヘルパーアンドロイドです、ノデ!」

 

そして、2人は目的地に着く。そこでは、火災が発生しており、先の爆発で崩れた施設を、さらに炎が包んでいた。

 

「同じ場所で二度もこんなことが起こるなんて...一体何が?」

「辺り一帯を解析中...解析完了。調サン、どうやらこの爆発は、あの施設を中心ニ起こっていると推測されマス。」

 

そう言ってリィカが指さしたのは、ひときわ高く火柱が上がっている施設だった。

 

「あれって確か、前にウェル博士がソロモンの杖を研究してた...」

「あの場所が怪しいデス。行きまショウ、調サン!」

 

 

 

2人が爆発した場所と思われる施設に入ると、そこには謎の文字で書かれた研究資料が多数散らばっていた。

 

「何だろう、この文字...」

「解析中...この文字はどうやら、古代メソポタミア文明の楔形文字だと思われマス。」

「メソポタミア文明...!?何でそんな文字を使ってー」

「その理由を知りたかったら、私を追ってこい。」

 

不意に、謎の声が響く。2人が見上げると、そこにいたのはー

 

「ー!?なんで、あなたがここにー」

「僕が英雄になるためならどこへだって行く!それがこの僕、ドクター・ウェル!」

 

調は、自分の目を疑った。ウェル博士は数年前、魔法少女事変の時に命を散らしていたはずである。

 

「嘘...あなたはもう...」

「そうとも、死んでいるだろうね。"この時代"の僕は」

「この時代の...まさか!」

「想像の通りだ。僕は過去からやってきたのだよー得体のしれぬ陽炎に誘われてなーそんなことより、だ。君たち、この文書の秘密を知りたくはないのかね!?知りたいのなら私についてこい!はっはっはっはっはー!」

 

そう言い残すと、ウェル博士は廊下の突き当りの研究室へと、一直線に向かっていった。

 

「なんで、わざわざ過去からやってきたんだか...おめでたい人...」

「調サン、あの人は私タチヲあの研究室ニおびき寄せている可能性が高いデス。あの男ハ放っておいた方が安全だと思いマス、ノデ。」

「でも、そのまま放っておいて死んじゃったら、新型LINKERが作れなくなる...やっぱり放ってはおけない...!」

「あっ、調サン!」

 

リィカが止めるのを聞かず、調はウェル博士のもとへと走った。それもそのはず、調たちが今こうして自由にシンフォギアを使えているのは、ウェル博士の協力によって新型LINKERを作り出し、ギアの出力を上げることに成功したおかげだ。今ここでウェル博士が死んだら、勿論LINKERは作れないことになり、調や切歌、マリアは、シンフォギアを纏うことさえ難しくなる。

 

「ウェル博士...あなたを今、ここで死なせるわけにはいかない!」

 

調は研究室のドアを勢いよく開け、その中へと急いだ。リィカも、遅れて研究室の中に入っていく。

 

「ウェル博士!私は来たわよ、さぁあの文書の秘密を話して!」

「良かろう...さぁ、これを見るがいい。」

 

その声がそういうと、研究所のモニターに遺跡らしきものが映し出された。

その声はウェル博士のものではなかった。彼よりも低く、沈み込むような声だった。

 

「あなたはウェル博士ではない...彼はどこへ?」

「ウェル博士...彼はここにはいない。」

「え...?じゃあ、私が見ていたのは?過去のウェル博士はどこに!?」

 

不意に、研究所の奥から緑色の焔のように揺らめく生命体が現れた。

 

「これは...!調サン、あれがファントム...時の影より来たりし者、デス!」

「あれは我々が作り出した、影でしかない...ウェル博士はどうやら、自分の死後の世界には興味がないらしくてね...だから彼を、生前の世界、メソポタミアへ送ってやった訳だ」

 

ファントムが言うと、モニターの一部が拡大された。そこにいたのは紛れもない、ウェル博士だった。

 

「ーッ!なんてことを...」

「全く、我々におとなしく従っていればこうならずに済んだものを...まぁいい、話を戻そう。ウェルをその時代に飛ばした時だ。妙な噂が耳に入った。この遺跡の地下深くで、とある兵器が作られていると...」

「メソポタミアの、古代兵器...!?それは、一体ー」

 

ファントムは蔑むように笑うと、こう告げた。

 

「人工的に、ソロモンの杖を作ろうとしていたのだよ。」

「な...っ!?」

「量産し、ノイズを兵器として用いる。この上ない戦力となっていただろうな。だが結局、ソロモンの杖は作れなかった。しかし、その研究成果を我々はこの時代に持ち運び、研究した。ここで幾度となく爆発があったのはそのせいだ...そしてついに、我々はそれを実用化にこぎつけたのだよ...」

 

ファントムが静かに右手を上げる。その腕にはしっかりと、ソロモンの杖が握られていた。

 

「ーッ!!」

「さて、君たちがそれを知った以上、生かしてはおけないな...残念だが、ここが君たちの死に場所だよ。」

 

ファントムがソロモンの杖を掲げる。すると、不意に地響きが起こった。どうやら、ノイズは研究室の外で発生しているらしい。

 

「ーいけない、あのまま放っておいたらー!?」

「おっと、そう簡単に外へ出させると思ったか?」

 

その言葉と共に、研究室の奥からファントムダストが現れた。

 

「さて、また会うことがあれば、その時はこの世ではないかもしれないね...それでは、せいぜい抗ってくれたまえ。フフ...」

 

不気味に笑うと、ファントムはどこかへ姿を消した。

 

「くっ...まずは、こいつらから...」

 

しかし、ファントムダストにはノイズと同じく位相差障壁があり、調の攻撃が当たらないことは、ここに来る途中で司令から伝えられた。

 

「調サン、ここは私に任せて外のノイズをお願いしマス!」

「でも、リィカさんが一人に...」

「大丈夫デス。私は戦闘もできる、ヘルパー・アンドロイドデス、ノデ!」

 

そういって、リィカはハンマーを構える。白基調のボディーに、ところどころピンク色のカラーリングが施されている。

 

「分かった、リィカさん。必ず、私のところに戻ってきて」

「敵を殲滅次第、すぐに戻ります、ノデ!」

 

その答えに調は微笑むと、研究室を出て外に急いだ。

 

「ソレデハ...コンバット・モード起動。制圧させていただきマス。」

 

 

 

調が外に出ると、外ではノイズが発生、近くの作業員を襲っていた。

 

「いけない...!私が、行かないと!」

 

調は現場へ向かい、聖詠を唱える。

 

「Various shul shagana tron...」

 

調は"シュルシャガナ"を纏い、作業員に迫るノイズを片っ端から散らしていった。

 

 

 

「えい!ハイ!」

 

研究室では、リィカが必死に戦っていた。彼女の持つ槌ーテラパワーハンマーは、彼女しか扱えない代物である。リィカはこのハンマーを手にすることで自身のメモリを拡張し、戦力の強化ができる。

しかし、止めどなくやってくるダストに、リィカは疲弊を感じていた。

 

「このまま数で押し切られてハ、さすがの私モ負けてしまいマス...その前にー」

 

リィカの特徴は、戦闘中に自身の出力を三段階に調節できること。利点としては、最初から本気でないので、長期戦に持ち込まれても無理なく戦え、いざというときには一気に出力を上げて対象を殲滅できることだ。いわば自転車のギアのようなものだろうか。それはともかく、現段階ー第一段階はコンバットモード。そして、第二段階はー

 

「ーターミネート・モード起動。」

 

リィカはテラパワーハンマーを持ち直すと、再びダストの群れに突進していった。

 

 

 

「はッ!これでーッ!」

 

調が最後のノイズを倒しきる。ふう、と一息つくと、作業員の方を見た。突然現れたノイズにまだ腰が抜けて動けないようだったが、炭素分解は見られなかった。

 

「あなたたち、動ける?」

「いや...腰をやったみたいでうまく立てなくて...」

「そう...分かったわ」

 

調はそう言うと、S.O.N.G.に救助要請を頼む。数分後、友里が駆けつけて彼らを病院へと運んでいった。

 

(さて...リィカさんは大丈夫かな...?)

 

調が研究室に戻ろうとしたその時、轟音が響き、ファントムダストの残骸が飛び散った。そしてー

 

「調サン、こちらは片付きマシタ。」

「リィカさん...無事だったんだね、良かった...」

 

2人が互いの無事を称えあっていると、不意に、

 

「おやおや...これは困ったな、まさか二人とも生き残るとは...」

 

二人の前にファントムが現れた。

 

「私たちを見くびらないでほしい。」

「ワタシと調サンなら100人力デス!」

「フン、威勢だけはいいようだな...だが、さすがに時の流れには逆らえまい?」

「...?いったい、何のことをー」

 

ファントムはソロモンの杖を、空を切るように突き刺した。

 

「ならば教えてやろうーお前たちも、あのバカと共に送ってやるのだよ。せいぜいそこで、余生を満喫するがいい...!」

 

すると、ファントムが突き刺したところに青い光が現れた。

 

「いけまセン、時空の裂け目デス!これニ吸い込まれたらー!?」

「うぅ...ッ、ダメ、吸い込まれる...!?」

 

二人は抵抗する間もなく、時空の裂け目の向こう側へと飛ばされてしまった。

 

 

 

一方、S.O.N.G.では...

 

「...!?シュルシャガナとリィカさん、反応消失!」

「何だって!?リィカ!!」

「嘘...調ちゃん...!?」




今回もここまで読んでくださり、ありがとうございます。
この作品を書いててつくづく思うことがあるのですが...

自分ってクロスオーバー作品向いてないのでは?

ひとまずこれは完成させようと思っていますが、正直オチがどうなるかまだ自分でも分からないです(TωT`)


さて次回は...

ファントム、都心部に襲来!突然現れた目的とは!?

次回[Chaotic Alchemy(前編)]
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