戦姫絶唱シンフォギア 時空を超える歌   作:可惜夜ヒビキ

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長らく更新していませんでした。すみませんでした。
タイトルを少し改訂しました。

そして、アクセス数が1000件を超えました。読んでくださっている方々、ありがとうございます。


それでは、歌の力を借りて、この世界を混沌から救い出そうー


Chapter 7 -たとえ一度は刃を交えようとも(後編)-

「――てことは、アタシの攻撃はダストには効かないってことか!」

「そういうことだ、クリス君。君には引き続きノイズの殲滅と、発生源の特定を急いでほしい。」

「言われなくても、やってやらぁ!」

 

クリスはノイズがどこからやってきているかを探ろうと、辺りを見回す。どうやら、ノイズは住宅街から離れたところからやってきているようだ。その方角には、今は使われていない古ビルがあった。

 

「発信源の場所さえ分かれば、あとはそこを叩くだけ!」

 

クリスは辺りのノイズを爆破すると、すぐにビルへと向かっていった。

 

 

 

一方ヘレナは、止めどなくやってくるファントムダストに苛立ちを感じていた。

 

「まったく、発信源さえ分かればいいのだけど!」

 

ヘレナは自分の周りにいるダストを一斉に倒すと、辺りの索敵を行った。

 

「索敵完了――どうやら、あのビルが発生源ね。」

 

ヘレナは満足したように微笑むと、道中のダストを倒しつつそのビルへと飛んでいった。

 

 

 

発生源と思われるビルの前で、二人は再会する。

 

「あら、その様子だとノイズの発生源もここみたいね。」

「その言い方は、きっとダストもここから湧いてんだな。よし、行くぞ!」

 

二人はそのビルを一階ずつ、念入りに調べた。だが、だれかが侵入したり、ノイズやファントムダストが発生した痕跡もない。

 

「何もないわ…ここじゃないということなのかしら?」

 

最上階から一回へと戻るビルの中でヘレナが言った。

 

「しょうがないわね。ここはいったん諦めて――」

「いいや、地上にないのなら――」

 

突然クリスが口を開く。ヘレナが驚いて呆然とする中、クリスは何を思ったか、小型の銃を取り出して、

 

「――地下だ!」

 

クリスはエレベーターの壁を撃った。ヘレナが呆れたように言う。

 

「いったい何のつもりかしら?そんなところを撃っても――」

 

そこまで言って、ヘレナは喋るのをやめた。クリスが撃った場所からは、妙なデザインのボタンが出てきた。

 

「これは――何でこれが分かったの!?」

「逆に聞くぞ。悪い奴らの秘密基地は、こんな風に住宅地に堂々と建ててあるものなのか?」

 

ヘレナは納得した。隠したいものを、目立つように置いてあるはずがない。

 

「それじゃあ、行くぞ!」

「えっ?ちょっと、まだ心の準備が――」

 

ヘレナが言い終わる前に、クリスが謎のボタンを押した。瞬間、エレベーターは急加速し、地下深くへと潜っていった。

 

 

 

しばらくして、二人はふらつきながらエレベーターから出てきた。

 

「ったく、何であんなに早くなったんだ…」

「あなたが急にボタンを押したせいで心の準備ができてなかったじゃない…」

 

愚痴を吐きつつも、二人は研究施設らしき建物の中を進んでいく。少し進むと目にとまったのは、大型カプセルのようなものだった。何をしているのだろうか?

2人が疑問を持ちつつ先に進もうとした瞬間、不意にファントムが現れた。

 

「おやおや、これほど早くこの場所がばれてしまうとは…」

「ここであったが100年目だ、ファントム!何をしようとしてるのか知らないが、アタシの目が黒いうちは好きにはさせねぇ!」

 

いきなり、クリスが仕掛ける。だが、彼女の放ったミサイルはファントムをすり抜け、向こう側の壁に激突した。

 

「畜生…位相差障壁か!」

 

クリスが舌打ちをする。ファントムはその様子が気に入ったかのように笑った。

 

「フ…君の攻撃は、そんなに生ぬるいものなのかね?」

「だったら、私がやればいい!」

 

今度はヘレナが、ファントムに向けてミサイルを撃った。それは命中したかに見えたが、時空の裂け目に飲まれて消えていった。

 

「うっ…!」

「さて、次はこちらの番だ。せいぜい楽しませてくれよ?」

 

ファントムがソロモンの杖を掲げると、さっき2人が通り過ぎたカプセルが開き、そこからノイズでもファントムダストでもない生命体が出てきた。

 

「これは…一体!?」

「何を作ったというの、ファントム!?」

 

ファントムは蔑むように二人を見、こう言った。

 

「それはノイズとファントムダストの融合体…"響動く陽炎(ファントムノイズ)"とでも言おうか。」

「融合体――だと!?」

「二つの特徴を持つこいつは、どんな攻撃も位相差障壁によって無効化する!」

 

ファントムの高笑いを背に、二人はファントムノイズと対峙した。

 

「本当に攻撃が当たらないのか、試すのが一番だと思うがーどうだ?」

「奇遇ね、私も同じことを考えていたわー一気に放つわよ!!」

 

二人はミサイル発射の構えをして、

 

「ちょせぇ!」

「くらいなさい!」

 

一気に放った。それはファントムノイズの周辺に砂埃を上げる。命中したかに見えたがー

 

「ー嘘だろ!?」

 

ファントムノイズはそれをもろともしないと言わんばかりに咆哮を上げると、二人に向かって炎を纏った噴出物を発射した。二人はうまくかわしたように見えたーが、それは地面に当たる直前で爆発し、二人を施設の奥へと吹き飛ばした。

 

「うぁぁぁっ!?」

「うぅっ…!!」

 

2人が何とか立ち上がると、そこには二人を見下ろすファントムと、その後ろでいつでも噴射できる格好のファントムノイズがいた。

 

「そうそう、君たちのことは事前に調べさせてもらったよ、雪音クリス、ヘレナ。」

 

ファントムが話し始める。

 

「君たちは今の仲間と戦ったことがあるというじゃないか――なぜそこまでしてきた奴らと行動を共にする?なぜ憎しみあった者に、無理してまで同調しようとする?君たちが戦うべき相手は我々ではなく、あいつらではないのか?」

 

二人はしばらく黙っていた。不意にクリスが話し始める。

 

「確かにアタシとS.O.N.G.のメンバーは争ったこともある――だけどよ、あいつらはアタシの間違いを、元に戻してくれたんだ!」

 

ファントムは黙ったままだった。ヘレナも話し始める。

 

「たとえ憎しみあって一度は刃を交えていても、それはもう過ぎた話であることに変わりはないわ。それに、目的が同じである人と争っても、何の利益もないでしょう?」

 

ファントムは黙って聞いていたが、突然高笑いしたかと思うと、

 

「どこまでも愚かよ…一度戦った相手と和解など、人類の歴史を見てもそう多くないのに――」

「それでも、全く達成されていない訳じゃねぇ!!あたしはその少数派に賭けたいんだ!!」

「つくづくうるさい奴らだ…お前たちは我が直々に手を下したいところだが、返り討ちに遭ってはたまったものではないからなー」

 

そう言い残して、ファントムはどこかへ消えた。

 

「畜生、また逃げられた!」

「それより今は、こっちが優先よ!このデカブツは私たちの手で止めないとー住宅地の方に向かわせては、被害が大きくなるばかりよ!」

二人の目の前で、ファントムノイズが巨大な影を落としていた。二人は施設の奥の方へと隠れて、作戦を立てる。

 

「あまり時間がないわ。急がないと。」

「とりあえず整理しておくと、アイツにはアタシたちの攻撃は効かない、と。これをどう攻略すればいいんだ?」

「さっきは一斉に撃っても効かなかったわよね…」

「あぁ、厄介な特性を――」

 

ここでクリスは、あることに気づく。ファントムノイズの体をよく見ると、ところどころに少しだが傷が見えた。

 

「――!?おい、アイツの攻略方法、分かったかもしれねぇぞ!!」

 

 

 

 

数分後、二人は物陰から出てきた。二人とも、ミサイル発射の構えをしていた。

 

「まさか、完全に融合しきっていない箇所を狙うなんて…まぁ、私の照準に狂いはないけれど。」

「とにかく、撃ちまくってればどこか当たるはずだ!抉れた所に"アレ"をぶち込むぞ!」

 

二人はファントムノイズを囲うようにして散開して、

 

「おりゃぁぁっ!!」

「この散弾――耐えられるかしら!?」

 

二人はその勢いを止めることなく、ファントムノイズに向けて放つ。しばらくして、ファントムノイズは悶え、苦しんだ。

ヘレナが索敵用スコープでファントムノイズの体全体を見回す。と、彼女はその腹部に、ミサイルの爆撃によって抉られた傷を目にした。

 

「あったわ、クリス!あいつの腹を狙えば倒せるかもしれない!チャンスは一度きりだからね、いいかしら?」

「そんなことぐらい、わかってるよ!」

 

クリスは一度ファントムノイズから離れると、特大ミサイルを発射する準備をした。

 

 

 

 

数分前ー

 

「だけど、ただ闇雲にミサイルを打ちっぱなしじゃ、あれは倒せないと思うのだけど。」

「もちろん、アタシもそう思ってる。だから、アンタのミサイル、ちょっと貸してくれないか?」

「――!?え、えぇ…」

 

言われるがままに、ヘレナは自身の腰部分についているミサイルを丁寧に取り外した。

 

「でも、これを一体どうするの?」

「それは出来上がってからのお楽しみだ!最後にこいつをぶち込んでやる!」

 

 

 

 

「――よし、いつでもいける!」

 

クリスの準備が整った。彼女の腰からはミサイルの小型発射台のようなものが出てきており、彼女の胸部辺りには大きめの発射台と、腰に付いたものとは違う、ひときわ目立つミサイルが顔を出していた。

 

「ヘレナ、そっちはどうだ!?」

「大丈夫よ、こちらもいつでもいけるわ!」

 

ヘレナは、施設の天井の方にいた。彼女もまた、ミサイルを発射する準備が整っているようだ。

 

「よし、行くぞ!」

「ええ!」

 

合図と共に、ヘレナが大量の小型ミサイルをファントムノイズの目に向けて放った。相手の視界を塞いだのだ。

 

「クリス、今よ!」

「おうっ!」

 

その言葉で、クリスが大量のミサイルを腰から放つ。それによって、ファントムノイズの傷が深く、大きくなった。

 

「さぁ、ショータイムだ!閻魔様に――よろしくなぁ!」

 

クリスが特大ミサイルを放った。それはまっすぐに傷に向かっていき、ファントムノイズの体が抉れた部分に当たったところで周りを巻き込む大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

一方、S.O.N.G.ではー

 

「みなさん、これを!」

 

緒川が叫ぶ。皆、モニターを見た。

 

「これは…廃墟?」

「クリスさんとヘレナさんが向かったビル跡です。どうやら、ここがノイズの発生源だと睨んだようですが…」

 

その瞬間、ビル跡は音を立てて崩れた。地下で爆発があったようだ。

 

「――!?そんな、クリスちゃんっ!」

「響さん、安心してください。まだイチイバルの反応は消失していないので、クリスさんもヘレナさんも生きているみたいですよ。」

「えっ、そうなんですか?じゃあ二人ともまだあそこで頑張っているんですね!」

 

響は嬉しそうに言った。その様子を見ていた未来が、

 

「じゃあ、私はクリスが帰って来た時のためにごちそうを作ろっかな。友里さん、この間もそうだったけど手伝ってくれますか?」

「えぇ、私がやれることならなんだってするわ。」

 

そう言って、二人はキッチンの方へ向かった。

 

「後は、ギルドナ君と切歌君が交戦中、そして…」

「調ちゃん…リィカさん…」




ここまで読んでくださりありがとうございます。
何度か原稿が消えて死にかけたものの、何とか書き終えることができました。待っていた皆さま、大変申し訳ございません。


さて次回は...

ファントムによって古代メソポタミア文明に飛ばされた調とリィカ。果たして二人は、元の時代に戻ることができるのか?

そして、あの人も登場!

次回[信じる正義のために(後編)] お楽しみに!
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