東方飲茶伝   作:くろ1021

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はじめまして。

昔からなぜか大好きだった彼を何とか活躍させたくて見切り発車の初投稿です。
プロットどころか文章の書き方も手探りですがのんびり更新できればと思います。

ではでは








第1話

 

────「チョコになれ──!!」

 

そんな絶叫と共に放たれる桃色の光線。それが、現世での最後の記憶。

 

ちくしょう…また死ぬのか、また…なにも……で…きずに…

 

無念と達観とそしてほんの少しの楽観と共に意識を闇に溶かしていく。

 

いつからだろう?アイツの背中を追い始めたのは。

いつからだろう?自分の力を信じられなくなったのは。

いつからだろう?強くなることを諦めたのは。

 

思えばはじめから…最初から、俺はアイツにかなわないままだ。

 

でも仕方ないさ。俺はーー人、アイツはーーー人。

そもそも次元が違うんだ。

 

真っ暗な闇の中、ふっと光が点る。

 

優しい木漏れ日に照らされ俺は目を覚ます。

おかしいな?前の時は…って、あれも肉体をもらうとか普通とは言えないか。

 

それでもやはり妙だ。

誰でも死ねば閻魔大王のところへ行き裁きを受ける。

 

「ここはいったい…?」

 

 

まさかブウの腹の中ではあるまい。いくらアレが常識外れと言っても腹の中に森や太陽があるわけない…よなぁ?

 

「それに…」

 

呟きながら自分の頭の上を確かめる。あるはずの天使の輪には触れない。存在しないのだ。

 

「もしかして、死んでない?」

 

自分がチョコになるところを直接見たわけではないが、確かにあのお菓子光線に当たったはずだ。

食べられる前にピッコロとガキンチョ共が間に合ったんだろうか?

 

だとしてもみんながいないのは何故だ?

自分だけがどうしてこんな森の中にいるのだろう?

 

次々と疑問が湧いてくる。とにもかくにもみんなを探さなければ。

疑問は一旦横に置いて仲間の気を探る。と、すぐに違和感に気づく。

 

「なんだこりゃ?かなり狭い範囲に妙な気がごろごろしてやがる。」

 

仲間には及ばないが、かなり強い気が多数存在している。それに、なんだか不思議な感じのする気だ。

一番近いのは…こいつか。

 

「ここでじっとしていても仕方ない。どうなってるのか知るためにも行ってみるか。」

 

ふわりと体を浮かばせ、その不思議な気の持ち主のもとに向かう。

しばらくして森を抜けると、一面の向日葵畑が広がっていた。その中心に日傘を差した女性が佇んでいる。

にわかには信じられないが、不思議な気は彼女から感じられる。

少し離れたところに降りてその女性に声をかける。

 

「すみませーん!少し伺いたいことがあるのですが…」

 

女性はくるりとこちらに向き直り、いぶかしげにしながら視線をこちらに向ける。

 

「あら、ごきげんよう。見ない顔だけど何か御用かしら?」

 

よし、とりあえず話は聞いてくれそうだ。

 

「え、っと、とりあえず、はじめまして。俺はヤムチャといいます。実はこの先の森で気を失ったみたいで記憶があやふやで…」

 

「へぇ?それは災難だったわね。それで?」

 

品定めでもされているような視線を感じながら事情を説明していく。

 

「はい、その…まずここはどこなんでしょう?記憶にある場所とはずいぶんかけ離れていて」

 

「ふーん…迷い込んだのかしら?まあいいわ。ここは太陽の畑。普通の人間はまず近寄らないわね。」

 

「太陽の畑?ああ、この場所の名前か…、ええと、じゃあ西の都ってどちらの方向ですかね?」

 

「西の都?聞いたことがないけれど」

 

マジかよ…、よっぽどの田舎なのだろうか…。

 

「そうですか、まいったなぁ…」

 

腕を組んで考え込んでいると女性は得心がいったという表情を浮かべ

 

「なるほど、あなたは外来人というわけね。ふふ、どうりで」

 

くすくすと小さく笑いながら女性は珍しい物を見るような顔でこちらを見つめる。

 

「え?」

 

「そうね、この世界は『幻想郷』そしてあなたはこの世界とは別の世界から来た外来人…かしらね?」

 

幻想郷?外来人?何を言ってるんだ?やっぱりあの世なのか?

 

「何言ってるのかって顔ね。さっきも言ったけれどここは太陽の畑。普通の人間はまず近寄らない危険地帯よ?

そんな場所にそんな無防備にのこのこやってくるなんて、普通の感覚ならまあ自殺行為と考えるでしょうね。」

 

「は、はぁ…そんなに危険な場所なんですか?ここ…」

 

見渡してみるが、一面の向日葵が咲き誇る至って綺麗で平和な場所にしか見えないが…

 

「そうは見えませんけどね。こんな綺麗な場所じゃないですか」

 

そっと、近くにあった向日葵に触れようとする。その瞬間、向日葵と指の間に何かがひゅんと割込み

 

「誰に断って触ろうとしているのかしら?」

 

気が瞬間的に膨れ上がり、女性が底冷えするような表情で日傘を突き付けながらこっちを見つめていた。

 

「は?あ…すみません?」

 

急な態度の豹変に吃驚しながらとりあえず腕を下ろし、ひとまず女性に会釈を返す。

 

「……ふぅ、まあいいわ。許してあげる。命が惜しければ迂闊なことは慎むのね。」

 

高まっていた気が抑えられた。あれはかなりデカい気だったな…

目の前の女性を若干警戒しつつ

 

「はは、そうですね。ところでさっき言っていた外来人とか幻想郷とかってのは…?それに、あなたは何者です?」

 

「私は風見幽香。四季のフラワーマスターなんて呼ぶのもいるけど。ただの妖怪よ。

幻想郷は外の世界と結界で隔離された隠里ってとこかしら。外来人は幻想郷の外の世界の人ってこと。」

 

「あなたが妖怪?それに結界…外の世界…か」

 

ピッコロとデンデ(神様)が見た限り確かに地球人は絶滅したはずだ。天界にいた俺たちと天津飯と餃子、サタンなどの一部を除いて。

こんなにたくさんの人間が生き残っていれば流石にわかる。それに幽香やそこら中から感じられる気の持ち主が前から居たとなれば気が付かないはずがない。

 

「なるほど…ちなみに少し前に空から光が降ってきたとかそんなことあったりしましたか?」

 

「空から光?弾幕のことかしら?ここにはめったに降ってこないけど、まぁ、なくはないわね」

 

「なくはない、ですか。」

(あんなん何度もあってたまるかって話だな…)

 

諸々の説明でなんとなく状況が呑み込めてきた。どうやら本当にその結界内に飛ばされてしまったようだ。

とはいえ、なぜ自分がそんなところに来てしまったのかはさっぱりわからないが。

なんてこった…こうしている間にもみんなが殺されちまう!

 

 

「…で? 他に用がないならお引き取り願いたいのだけど」

 

幽香は興味をなくしたかのように向日葵を世話したり愛でたりしている。

 

 

「…風見さん! なんとか幻想郷から出ることはできませんか!?

俺は元の世界に帰らないと…いや、俺が帰っても何にもできやしませんけど…それでも!」

 

幽香の両肩に手を乗せ、帰る方法を聞き出そうとする。

ザワリと周囲の空気が変化し、プレッシャーが全身を射抜く。

 

「迂闊なことは慎むよう…言ったわよね?」

 

先ほどよりも禍々しい気配を纏った彼女が冷たくそう言い放った。

 

 

 

 




次回は戦闘をちょこっと


うまく描写できるかなぁ?
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