その上評価までつけてもらって。嬉しい限りです。
それと毎度ですが、誤字脱字は許してやってください
朝、それは素晴らしい物だ。一日の始まりを教えてくれる。この時だけは珍獣として見られる事を忘れさせてくれる。
学園に来てから少し経った。セシリアとの代表決定戦も残り4日となり、自分に気合を入れる。しかし自分の専用機がその決定戦の当日に来るというがどんなISなのか殆ど情報が入ってこない。強いて言えば千冬先生から
「相当気合が入っているらしくてな、奴ら浪漫の塊というのをコンセプトに作っているらしい。数日後にそのISの情報は届く。私経由で渡すから目を通しておけ」
との情報をいただいた。
RD(浪漫の塊って何ッスか、もしかしてデカい大砲でもつけるんスか?!嫌っすよ、無理無理無理!そんなの扱える訳ないじゃないっすかぁ!)
そんな事を考えていると一夏が起きる。あぁ、もうこんな時間か、と思いつつ時計を見る。時計は6時を指しており、7時の学食の時間までは随分と暇がある。
一夏と話でもしようかな?と一瞬思ったが、外の空気でも吸いに行くか、と決めて着替え始める
一夏「ふわぁ。あ、レイ、おはよう。着替えてるけどどうしたの?」ポワポワ
RD「あ、おはようッス。少し外の空気でも吸いに行こうと思って、少し部屋を開けるッスよ」
一夏「ん、分かったよ。いってらっしゃい」
一夏が手を振る。眠そうな細い目でこっちを見ている彼女はこれまた眠そうにベッドから起き上がり、身体をほぐす。
RD(さて、着替えも終わったし、行くッスか)
RD「じゃ、行ってくるッス」ガチャ
RDが部屋を出て、一夏だけになる。時間があるなと思い、何をしようかと辺りを見回す。そうして目に止まった小説を拾うとベッドに腰掛けて読み始める
一夏「ん〜、まぁ、7時位に帰ってくるでしょ」
呑気な声で喋りながら本を読む。その小説は元々RDの物であり、お気に入りの一冊だった。それを無断で読むのだから見つかったら嫌だな。と思いたがらもページを捲る
一夏自体、RDについて多少なりと興味を持ち、あのおどおどとした性格を心配していた。そしてそんな臆病な彼が読む本に多少の興味があった。だからこのチャンスを待っていた、と言わんばかりに読み進める。
一夏(へぇ、レイってこんな本が好きなんだ。ロボット物って言うんだよね?こういうの)
その物語の主人公は強く、無愛想で、どんな依頼もこなし、自身を持っていた。どんな敵が来ようと任務を遂行し、アリーナのトップを勝ち取った。
他者を引き寄せない絶対的な力、そこに彼が惹かれたのかな、と想像しながら一夏は本を読み進める。
一夏(強くなりたい、ね)
一夏はその小説をそっと閉じ、元の場所に戻す。どんな物を読んでいたのか、ざっとであるが把握したし、バレたら困るし。そう思っての行動だった
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RD(ふぅ、やっぱり朝日を浴びて歩きながら外の空気を吸うのは良いっスねぇ)
RDが学園の外周を歩く。生徒が殆ど見えず、気楽に歩ける、という点でRD自体この時間が結構好きだった。
RD(というか俺の専用機ってどんなの何スかね?やっぱり、一撃必殺?それとも、カッコいい奴ッスかねぇ、けど浪漫の塊って言われたって、分からないっスよ。ピーキーな操作のなんて乗せられても困るし)
RD(ん?そういえば一夏さんの専用機って代表候補性でもないのになんで持ってるんだ?やっぱり、姉の力?装備も同じって言ってたし。ま、後で聞けば良いか)
RDはそう思いながら腕時計を見る。歩いてる間に随分と経っており、帰ったら丁度7時になっているだろう
RD(そろそろ帰るッスかねぇ)
RDが歩を進める。今日も珍獣として見られるのか、と思いつつも、もう慣れたとも感じだ。こうも四六時中見られてたら慣れざると得ないので、諦めた
ガチャ
RD「帰ったッスよ〜」
RDが部屋に戻る。目の前には一夏がおり、既に着替え、準備も万端だった。早く食堂に行こうと急かすような目で見られては、少し困るッス
一夏「おかえり、そろそろ食堂に行こうよ」
RD「少し待ってくださいッス。というか俺と一緒に行く意味なんてあるんスか?ほら、他の女性達と行けば良いじゃないッスかぁ」
一夏「ん〜、友達と一緒にご飯を食べちゃだめなのかな?」クビカシゲ
一夏はニコニコとした顔でこちらを見る。そんなの言われたら拒否できないじゃないッスか。と心の中に言いつつ仕方ないと諦めた
RD「ま、まぁ良いッス。元々嫌だって訳じゃないんで。」
一夏「なら良かった。じゃ、行こう行こう」ググイ
RDの腕が引っ張られる。仮にも異性、一夏は何も思わないのだろうか、と心の中で言う。そして覚えているだろうがここは女の園であるIS学園、女性と男性が一緒にいると嫌でも注目される訳で
RD(何だか視線が痛いッス。一夏さん、お願いだからこれは恥ずかしいので辞めてほしいッス。本当)
RDがそう思っている中で、一夏はというと
一夏(今日の日替わり定食は確か〜)
RDの思い悲しくそんな事を全く思っていない。流石原作朴念仁、女性化して鈍感は多少なくなっても、本筋はそうそう変わらないのだ。その上無意識にこんな事をしている訳で
一夏(何だかこっち見てる人が多いなぁ、何でだろ。レイが余程珍しいのかな?)
RD(あぁ、もう終わりッス。こんな所見られたら、有る事無い事言われるんスね…目立ちたくないのに…ハハ…)
RDの平穏な理想的な日常は、一夏ちゃんによって、犯人の無自覚な上でボロボロに壊れていった
食堂にて
RD(食堂のご飯は美味いッス。ハッキリ言って姉さんのご飯よりも美味いッス。日替わり定食にしたって、何にしたって。ん?今寒気が…)
一夏「どうかしたの?レイ。なんかちょっと震えてるけど」
RD「い、いや、なにもないッスよ、料理の旨さに驚いただけッス。」
RD(この寒気、絶対に姉さんに勘付かれてるよ。女の勘は恐ろしいって、レオンさんも言ってたし…どうしよう)
RDにとって姉さんであるロザリィは、優しい反面怒ったら怖い人、として刷り込まれている。特にこういう小言には煩く、何かと痛い目を見てきた。それがなければ弟思いの良い姉である
一夏「そうなら良いんだけどさ」
RD「そういうもんなんスよ。そういえば一夏さんって何で代表候補性でもないのに専用機を持ってるんスか?」
そうそうこれだ、これが聞きたいんだと、RDは興味津々にそれを聞く
一夏「これね、私自身はそんなに欲しいって思ってなかったんだけど、千冬姉の友達が作ったらしくって…」
RD(その友達って一体ナニモンなんスか…いや、地上最強の友達だ、深くは思わない方が得策ッスね)
一夏「千冬姉も一応って事で、ね?」
RD「そ、そうなんスか、ハハハ…」
RD(一応で専用機渡されたって事が他の生徒にバレたらどうなるんスかね、実際。努力って言葉をかなぐり捨てて暴動でも起こしそうッスね)
一夏「ま、そんな事で私も専用機持ちって事。驚いた?」ニコニコ
RD「えぇ、そりゃあ、まぁ」
一夏(本当はバレたくなかったけど、特別だからね)
尚、特別とは言っている物の、実際はうっかりと口に出して戻るに戻れなかっただけである。後日、これを姉である織斑千冬に相談した所、
「隠すって言って二日目でバラすのかぁ?お前は…」
と、呆れられながら言われたそうな
時は流れ2日後の放課後
千冬「あぁ、レイ。良い所に、お前に渡す物がある。ついてこい」
放課後、織斑千冬はレイを呼びつける。レイは一瞬何をやらかしたんだ?!と頭をフル回転させたが、後半の言葉で安堵の息を吐いた
RD「あ、はい。分かりました」
RD(もしかして専用機のデータッスかね?)
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千冬「これだ。想像の通り、お前の専用機のデータ。確認してみろ」
千冬にデータの入った端末をこちらに渡され、電源を入れる。小さなパソコンのようなものの画面が光り、データの画面が出てくる
RD(ん?何何?な、何スかぁ?!これ、全身装甲?!関節部分もカバーで見えなくってて、完全にロボットじゃないッスか。それに武装も…うわぁ、授業で聞いた事ない武器ばっかり)
RDの驚くのも無理はない。何せ野郎共の浪漫の具現化とも言えるロボットのようなISの機体データを見ているのだ。全身装甲の名の通り肌の露出がなく、カスタム・ウィングすらない。その明らかな鈍重な機体のデータを見ている内にとある単語がでてくる
RD「せ、先生…一つ聞いて良いッスか?」アセアセ
千冬「何だ?手短に頼むぞ、レイ」
RD「…ISって空を飛ぶのが普通なんスよね?」
千冬「まぁ、その為のPICだからな。当たり前だろう」
RD「じゃあ、ここに表示されてる地走型って…何スか?」ガメンユビサシ
千冬「…は?」
その3文字を見た瞬間地上最強は困惑した。地走型のIS?何だそれ。ISをどう解釈すればこうなるんだ?PICはどうなってる?ん?ふむふむ、ジャンプ程度しかできない、か…これが浪漫の塊か?レイ、お前はとんだだじゃじゃ馬を掴まされたな
千冬「レイ…」
RD「何スか?先生」
千冬「とんだ暴れ馬を掴まされたな、諦めろ」ハァ
RD「え、それどういう事ッスかぁ!」
御朗読ありがとうございます。
元が失踪前提で書いた物ですので、設定の後付が酷いですね。申し訳ありません。
結局セシリア戦まで行きませんでした。この有言不実行が後何回続くやら、次こそはセシリア戦までは…