RDがISを動かしました   作:オールドクイーン

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六話 全てを焼き尽くす暴力

セシリア「やった…?」ゼェゼェ

 

 

 ヴェンジェンスを中心に砂煙が立つ。そしてそれは音もせず、不自然な煙の動きさえ無く、ただ砂煙が漂う。倒したのだろう。そう彼女は思った

 

 

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 RDは、ヴェンジェンスは見知らぬ空間にいた。そこの空は曇り、銃声や爆音が聞こえ、空には飛行機が、爆弾を地上に落とす。そしてヴェンジェンスの周りには赤の線が入った板状の人工物、そして建物がある

 

 

RD「ここは…」

 

 

 RDは困惑した。先程までセシリアとアリーナで戦っていた筈だ。ここは?何故銃声が?この人工物は?まるで別の世界に来たかのような気持ちになる

 

 

RD「…」

 

 

 RDは黙る。ここに居ると懐かしい気持ちになる。居るべき場所にいるかのように、不思議な感情が心に込み上がる。この銃声こそ、この爆音こそ、そしてこの恐怖こそが、まるで赤子を包み込む母の手のように、身体にこびりつく

 

 その時、建物の上に一人の女性が現れる。

 

 

「今度は途中で辞めたりしない。最後までよ」

 

 

 女の声がする。ノイズ混じりの声からはまるでここにいる事を楽しんでいるかの様に言う。

 

 

RD「……」

 

「昔話をしてあげる。世界が破滅に向かっていた頃の話よ」

 

「神様は人間を救いたいと思ってた。だから手を差し伸べた」

 

「けどその度に、邪魔者が現れた。神様の創り出す秩序を、壊してしまう者」

 

「神様は困惑した。人間は救われる事を望んでいないのかって」

 

「けど、神様は人間を救ってあげたかった」

 

「だから、先に邪魔者を見つけ出して殺す事にした」

 

 

 彼女は淡々と言葉を出す。それが何を言っているのかは分からない、何を指しているのかも。けれどRDは、それに聞き入っていた

 

 

推奨BGM Day after day

 

 

「そいつは「黒い鳥」って呼ばれたわ。何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥」

 

「これは本当の話よ。私の、何代も前のお婆ちゃんが見た見た出来事」

 

「最初の黒い鳥、その人が生まれたのを見たのよ」

 

RD「アンタは…それになりたいっていうんスか?」

 

「本当はそうなのかもね、でも私は…私は、もう負けたくないだけ。何にも、誰にも…」

 

 

 そして建物の上の女性が背を向ける。何処かへ行くかのように上を向き、そしてこちらに言葉をかける

 

 

ヴェンジェンス「始めましょう。信じるわ、貴方を」

 

その瞬間、RDはその世界で気を失った

 

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 煙の中が光出す。ガシャン、ガシャン。そう音が鳴り、アリーナへ響く。煙の中がどうなっているか分からない。しかし、彼はヤラれていない。

 

ガシャン!!

 

 そしてその中から轟音がした。まるで鉄と鉄が激しくぶつかり合ったかのような。そして一つの声が響く

 

 

「不明なユ…ットが接続……ました。直…に使用を………てくださ……」

 

 

 その瞬間、セシリアの機体が地面へと飲まれ、1メートルまで機体が落ちる。最初セシリアはそれをPICの故障だと思った。しかしそれなら地面に激突する筈、何故多少ながら浮いているのだろう。

 

 当然アリーナは騒然とした。そりゃそうだ。煙の中から奇妙な音が出て、意味のわからない音声ボイスが流れたとすればセシリアのISが地面に吸い込まれたのだ。

 

 

セシリア「な、なんですの?!これは…何故飛べないんですの?」

 

 

 セシリアの顔から汗が流れる。彼は倒した筈だ。あの攻撃を浴びて無事で居られる筈がn

 

 

キュイィィィィイィィィン!!

 

 

 その時煙の中から歯切れの悪い音がする。チェーンソーを使った時の音のような、何か嫌な予感がする音

 

 そして煙の中から赤く、丸い光がこちらの顔を微かに照らす。

 

 

セシリア「なんですのなんですの?!なんですのこの音は!」

 

 

 心の中で危険信号が鳴り続けてる中、セシリアは距離を取る。砂煙とは最低でも10m、そしてセシリアの両隣にはブルー・ティアーズが。こうすれば突撃しても最低限の対応はできる。

 

 しかし砂煙からは奇妙な音と、薄気味悪く光る赤い光だけが、ただ此方に対してまるでその時を待つかのように静止している

 

或いは、まるで捕食者が、獲物を見つめているような

 

 

 そしてそれに恐怖を抱き、セシリアが後ろへと移動しながらスターライトを構え、引き金を弾こうとする、がその時

 

 

キュィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!

 

 

 その音が此方に向かってくる。そう思った瞬間、砂煙が晴れ、それが現れる。奇妙な、それでもって当たれば一瞬でバリアーが消え去るであろうその武器と、それを右手に持つ、1つ目の悪魔を

 

 

 それを見たセシリアは、その一瞬の中で死を覚悟し、目の前が暗転した

 

 

 

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セシリア「んっ…ん?ハッ!私は一体何故ここに…確かあの時…痛ッ頭が…」ズキンズキン

 

 

 思い出した。あの1つ目の悪魔を見た瞬間に私は気を失って…

 

 

一夏「気がついた?」

 

セシリア「貴方は、確か織斑先生の…妹さん、でしたかしら」

 

一夏「そうだよ。にしても、貴方4時間寝てて大変だったんだから」ニコニコ

 

セシリア「そ、そうでしたわ、あの後どうなったんですの?!」

 

一夏「ん、じゃあ説明するね。あの後どうなったか」

 

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 ヴェンジェンスはセシリアのIS、ブルー・ティアーズの右半身(幸いセシリア自身は無傷)を削り取り、それでは止まらなかったのか、アリーナの壁を削り、やっと止まる

 

「試合中止!」

 

 アリーナに声が響く。その声は山田真耶の声であり、その後アリーナに教員の部隊がアリーナへ入る。セシリアはその後保護される。

 

ヴェンジェンスの周りには炎が立っている。後に生徒の話題となる「全てを焼き尽くす暴力」とは良く言ったもので、肩のエンブレムの焼き焦げた鳥と、この一件により付けられた異名である

 

 

 ピットにいた一夏は絶句していた。レイの勝利ではなく、そのレイが勝利をつかむ為に使った武装をまじまじと見ていた

 

 バリアーを瞬時に削り取り、それで飽き足らずISの装甲の右半分を破壊し、その上アリーナの壁さえ削り取った。下手すれば彼女の単一能力の、零落白夜以上である。

 

 流石野郎共の浪漫の塊。下手なウサ耳付けた天才よりトチ狂った方法での、バリアー破壊の武装を作り上げたのだ。勿論加減なんてできないし、下手をすれば相手は死ぬ。

 

 

一夏「レイ…」

 

 

 彼女はその時何を思っただろう。それは私の語るべきものではない。しかし、その後から彼女は彼に対し態度を変えたのは、確かである

 

 

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一夏「そういう事で、大変だったのよ?セシリアが五体満足で良かったよ」

 

セシリア「そ、そうでしたの…恐ろしくて手が震えますわ…怖いだなんて」ガタガタ

 

一夏「確かに怖いだろうね。けど、多分それはレイだって同じなんだよ。あんな力を持って怖くない人なんていないからね」

 

 

 一夏は話を続ける。遠目で見ればそれは彼の為でもある。この一件で彼は恐れられるだろう。だからこそ、私が近くにいて助けなきゃいけないんだ。できる限り、彼の為に尽力する。けど、私一人では限度がある。だから…

 

 

一夏「だから、貴方もレイの近くにいてほしいんだ…無理、かな」

 

セシリア「ごめんなさい。気持ちの整理ができてから答えを出しますわ…今は、色んな事がありすぎて」ペコリ

 

一夏「良いよ、結局は私の無理だから。あ、そうだ。セシリアが起きたから千冬ね、織斑先生に報告しに行ってくるね」

 

セシリア「えぇ、いってらっしゃい」

 

ガチャ

 

セシリア「…」

 

 

 彼女は外を見る。綺麗な夕日が眼前に映し出される。

 

 

セシリア(あの時、あれが目の前に出てきた時には私は負けていました。馬鹿にしていた彼に…)

 

 

RD『言いましたよね、アンタは。俺が取るに足らない相手だって。そんな奴にこんな事されて、どう思うんスか?実際』

 

 

 その時、彼の言葉が脳裏に過る。あぁ、男性というのは、女性とは違う強さがあるのだと、私はそれを見て見ぬ振りをしていたのだと、彼女は思う。

 

 

セシリア「私に、彼の心を助ける力があるのでしょうか…」

 

 

 セシリアは夕日に向けて独り言を呟く。それは、誰にも届かずに消えたが、言った本人には届いていた

 




御朗読ありがとうございます。駄文の作者です。
一言言わせてください。その場のノリでマギーを出してスイマセンでした。彼女がヴェンジェンスのコアの中の人です。
後、セシリア戦の後半が凄く短くなってしまいました。本当許してください。
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