鬼狩り? 私は一向に構わん!!   作:神心会

38 / 42
タイトルどおり、遊郭編第一ラウンド開幕です。
原作では苦戦からの怒り爆発で堕姫に対抗できていた炭治郎ですが、当作では少々異なる展開が起こります。
ご了承ください。


36 炭治郎vs堕姫

 

 

 

 

 

吉原遊郭。

 

 

人々の欲が強く渦巻く、日本最大規模の色町。

 

 

その熱気は夜にこそ最大限に高まり、多くの者達が浮かれ遊ぶ。

 

 

 

 

しかし、その欲望の地において。

 

 

 

色欲情欲とはかけ離れた熱を放つ者達―――即ち、闘争に臨む者達がいた。

 

 

 

 

 

「ハァ、ハァッッ……!!」

 

 

 

 

隊士、竈門炭治郎。

 

 

漆黒の日輪刀を構え、強い眼差しで眼前に立つ敵―――鬼を見据えていた。

 

 

 

 

「ッッ……!!??」

 

 

 

彼と相対するは、露出度の高い着物―――もはや着物と呼べるものですらない域である―――を身に纏う、若き女体。

その瞳に宿るのは、確かな二文字―――陸、そして上弦。

 

 

そう、烈海王達の推測は的中していた。

彼女こそが、この吉原に潜んでいた鬼。

 

 

 

上弦の陸―――堕姫。

 

 

 

 

「ッ……死ねェェェッ!!!」

 

 

 

堕姫が雄叫びをあげると共に、その腰に巻かれていた帯が炭治郎目掛けてうねり伸びた。

 

これが彼女の戦法、彼女の持ち味。

 

 

 

 

身に纏う帯を自由自在に操り、敵を切り刻み蹂躙するッ!!

 

布特有のしなやかさと、人体を容易く切断可能な切れ味を兼ね備えた凶器ッッッ!!!

 

古代インド武術で用いられる長剣ウルミに近い性質を持つが、決定的に違うのは帯自体が肉体の一部でもあるという事ッッッ!!!

 

 

 

即ち、手足同様の精密操作が可能ッ……これが堕姫の、柱を含む多くの隊士達を葬り去ってきた妙技ッッッ!!!!

 

 

 

 

(なのにッ……どうしてッッ!!!)

 

 

 

 

しかし。

 

 

 

その妙技を相手に、炭治郎は……圧倒していたッッ!!

 

 

 

 

 

(いける……この速度なら、十分ッッ!!)

 

 

 

迫りくる帯の数は実に八本。

左右から三本ずつ、頭上より二本。

それも同時ではなく、一本毎に速度をずらした時間差攻撃。

 

 

どの帯が最も速く迫るかを瞬時に見極め、且つその全てに間に合う反応速度が無ければ防御は叶わない。

 

 

 

「オオォォッ!!」

 

 

 

だが、炭治郎はそうはしなかった。

 

もっといい方法を知っているからだ。

 

 

 

 

(全方位攻撃への対処は、極めて単純だッ……!!)

 

 

 

 

先日の烈海王対冨岡義勇戦において。

 

 

義勇は烈海王の打撃をも利用し、激流を彷彿とさせる流流舞いを放った。

その旋回速度によって、どこから攻撃を仕掛けるかの察知を困難とさせたが……烈海王は、極めて単純かつ合理的な手段でこれを破った。

 

 

 

そう……どこから攻撃が来るのかが分からないのならば。

 

或いは、全方位より攻撃が放たれるというのであれば。

 

 

 

 

(全方位に、俺も攻撃を放てばいいだけの事だッッ!!!)

 

 

 

 

 

 

――――――水の呼吸 陸ノ型『ねじれ渦』ッッ!!!!

 

 

 

 

 

上半身を右に、下半身を左にッ……肉体の上下を正反対に捻り、そして解き放つッッ!!

 

開放された肉体が生み出すは、強烈な回転ッ……その勢いに乗せて繰り出される、全方位への斬撃ッッ!!!

 

 

 

 

――――――ガキィィンッッッ!!!

 

 

 

迫り来る帯の尽くを、全身渦と化した炭治郎は容易く弾き飛ばしていくッッ!!!

 

 

 

それは正しく、義勇の攻撃を片足を軸とした超高速回転撃で防いだ烈海王の如くッッ!!!

 

 

 

 

 

 

二人の試合を間近で視て、活かす事ができた……その確かな成果であるッッッ!!!!

 

 

 

 

 

 

(嘘でしょッッ……なんなの、こいつはッ!?)

 

 

 

 

この有様に、堕姫は強い焦りと……恐怖を覚えずにはいられなかった。

 

何せ、『開戦』からずっとこうなのだ。

 

 

 

力で押そうとしても、手数で押そうとしても……炭治郎は、その剣技で的確に防ぎ切っている。

既に十数分経過しているにも関わらず、今に至るまでほぼほぼノーダメージなのだ。

 

いくら分身体―――帯の一部を切り離す代わりに、自我を持つ別個の存在として確立させる堕姫の血鬼術である―――を切り離した状態で、力が落ちているとは言ってもッ……!!

 

 

 

 

 

 

「ッッッッ!!!!???」

 

 

 

 

 

そして、恐怖が思考を覆ったその刹那であった。

 

 

堕姫の身体が、大きくバランスを崩した。

前方の空間へと、頭から急にのめりこんでいった……引き込まれていったのだ。

 

 

 

炭治郎のいる方向目掛けて、彼女の意に反して真っ直ぐにッッ……!!

 

 

 

(どういうことッッ!!??

 急に、あいつの方向に引っ張られてッッ……帯ッッッッ!?)

 

 

 

 

それを引き起こしたのは、炭治郎のねじれ渦ッ……!!

彼は堕姫の放った帯をただ弾いたのみならず、巻き込んだのだッッ!!!

 

帯の内一本を刺し貫き、そのまま回転する事で……帯と繋がる堕姫を、自らの射程範囲に引っ張り寄せたのであるッッッ!!!!

 

 

 

「オオオオォォォォォォッッッ!!!!」

 

 

 

 

更に、水の渦は……火の螺旋へとその姿を変える!!

 

 

水の呼吸とヒノカミ神楽の呼吸との合わせ技ッッ……水の呼吸の柔軟さとヒノカミ神楽の破壊力ッッ!!!

 

 

 

 

 

 

――――――水の呼吸 陸ノ型『ねじれ渦』ッッ!!!!

 

 

 

 

そしてッッ!!!!

 

 

 

 

――――――ヒノカミ神楽の呼吸 『灼骨炎陽』ッッ!!!!

 

 

 

 

 

 

二つの呼吸を合わせた必殺の一撃が今、堕姫の首に迫るッッッ!!!!

 

 

 

 

 

「ッ~~~~~~!!!!!!

 舐めんじゃないわよ、この不細工ゥゥッッッ!!!!」

 

 

 

しかし、堕姫とてここで易々と倒されるほど柔な鬼ではない。

炭治郎は帯を巻き込むことで己を引き寄せている。

 

 

ならば、逃れる手段は簡単だ……帯を肉体から切り離せばいい。

 

 

 

 

 

――――――ブチィィッッ!!!!

 

 

 

 

 

巻き込まれていた帯を自切ッ!!

そうして拘束を脱した堕姫は、すぐさま新たな帯を前方へと射出……地面に突き立て急ブレーキをかけるッッ!!!

 

 

 

「アンタなんかにアタシの頸が……!!」

 

 

 

結果、炭治郎の刃を回避に成功ッ……切っ先が僅かに首元を掠める程度の距離で、肉体は静止ッッッ!!!

斬られたのは僅かに薄皮一枚……後コンマ1秒遅ければ切断は免れない、ギリギリのタイミングであったッ……!!

 

 

 

 

「斬れるわけないでしょッッ!!!」

 

 

 

そして、地を強く蹴って後ろ向きに跳躍すると共に、地面に突き立てていた帯を伸ばす!

結果、堕姫の肉体は瞬時に遥か後方へ……炭治郎との間合いを急激に離していくッ!!!

 

 

 

 

(一旦距離をとって、仕切りなおすッ……貯蔵庫の分身と合流できれば、こんな糞餓鬼ッッッ!!!)

 

 

 

このまま闘っていても勝機は薄い。

悔しいが、堕姫にはそう認めるほかなかった……だからこそ、彼女は動いた。

今の自分で勝てないならば、戦力を増強すればいい。

切り離していた分身体との融合で、完全な力を取り戻すのだ。

 

 

分身体は今、この吉原の地下空間―――食糧貯蔵庫にいる。

捕らえた人間の管理をそこで任せていたが、それもここまでだ。

折角の食料を野放しにしてしまうが、背に腹は代えられない。

すぐさま思念を送り、地上へ這い出るように伝える。

 

 

 

 

(ッ……何、鬼狩りがそっちにもいるッ……!?)

 

 

 

 

しかし、ここで誤算が生じる。

分身体から届いた返答は、同じく『戦闘中』との事であった。

別の鬼殺隊士が、食糧貯蔵庫に潜り込んでいるというのだ。

それも、すぐには片付けきれない相手……実力者と言うではないか。

 

 

(構わない、離脱しろッ!!

 悔しいけど食料は諦めるッ……こっちを最優先にッッ!!!)

 

 

だが、それでも尚堕姫は離脱を命じた。

当然といえるだろう……分身と本体とでは、どちらが重要かなど比べるまでもない。

ここで分身体が倒されては、本体たる自分までもが力を取り戻せず終わってしまう。

なんとしてでも、逃げてもらわねば困るのだ。

 

 

(アタシも、兎に角遠くッ……貯蔵庫になるべく近い地点までッッ!!!)

 

 

堕姫は、離脱速度を更に上げた。

帯を伸ばす勢いを強め、スピードをより速める。

 

最終的な敗北よりかはずっといい。

融合さえ叶えば、確実に目の前の相手を倒せるッッ……!!!

 

 

 

 

 

「……えッッ!!??」

 

 

 

 

 

しかし、それは。

 

 

 

 

 

「逃がすかァァァァァッッ!!!!!

 

 

 

 

無事に、炭治郎から逃げ切る事が出来ればの話ッ……!!

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

それは、二ヶ月前の事。

 

ヒノカミ神楽の完成度を高めるべく、基本の五大呼吸について学ぶ事を決めた炭治郎は、ある人物の元を訪れていた。

 

 

 

 

雷の呼吸の育手にして、かつての鳴柱。

我妻善逸を育て上げた師―――桑島慈悟郎である。

 

 

 

雷の呼吸を知りたいならばと、善逸が炭治郎を紹介したのだ。

勿論、慈悟郎はこれを快諾。

炭治郎が次の任務に赴くまでの短い期間ではあったものの、熱心に指導に当たった。

 

 

 

その中で……特に、彼の心に深く染み入った言葉があった。

 

 

 

 

 

―――よいかな、炭治郎よ。

 

 

 

―――人間は、自分の身体の寸法や筋肉の一つ一つの形と言うものを、案外把握できておらん。

 

 

 

 

 

―――それら全てを正しく認識してこそ、本物の全集中なりッ……!!

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

筋肉の繊維一本一本、血管の一筋一筋まで。

 

隈なく空気をめぐらせる。

 

 

 

力を足だけに溜めて、溜めて。

 

 

 

一息に、爆発させるッッ……!!!

 

 

 

 

 

 

――――――ドンッッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

空気を切り裂く、雷鳴が如くッッ!!!!

 

 

 

 

 

 

「なッ……嘘、でしょッッ……!!??」

 

 

 

堕姫の視界に飛び込んだのは、信じられない速度で驀進してくる炭治郎の姿であった。

 

 

 

その脚部に纏うは、青白く輝く稲光!!

 

その刀に纏うは、紅蓮の爆炎!!

 

 

 

 

――――――ヒノカミ神楽・雷の呼吸『円舞一閃』ッッ!!!

 

 

 

 

 

ヒノカミ神楽に雷の呼吸の要素を組み合わせた、超速の一撃ッッ!!!

 

その速度は、逃げる堕姫を遥かに凌駕ッッ!!

 

 

 

両者の間合いが、見る見るうちに詰まっていくッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

――――――陽炎を纏う刃。

 

 

 

 

――――――花札の様な耳飾。

 

 

 

 

――――――額に浮かぶ痣。

 

 

 

 

 

(これは……アタシの記憶じゃない。

 細胞だ、無惨様の細胞の記憶ッ……!!)

 

 

 

 

堕姫の脳裏に過ぎる、覚えがない記憶。

鬼舞辻無惨より血を与えられた事で受け継がれた、彼の細胞に焼き付けられた記憶。

 

その命脈を絶つまで、後僅かのところに迫った剣士の記憶。

 

 

 

かの姿が今……目の前の炭治郎に、重なるッッ……!!!

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

(視えた……隙の糸ッッ!!!)

 

 

 

 

炭治郎の瞳は、刀の切っ先より出て堕姫の首に繋がる線―――隙の糸を確かにとらえていた。

 

相対する敵に生じる確かな隙……それがまず匂いとなって嗅覚に伝わり、やがて視界に像を結ぶ。

炭治郎のみが感知する事が出来る、勝機の具現化した糸。

この糸の繋がる先を斬る事は即ち、敵の確かな急所を斬る事。

 

 

 

それが今、はっきりと堕姫の首筋に視えている。

 

 

 

 

 

鬼の精鋭、上弦の陸を前にして……炭治郎は、確かな勝機を掴んだッッ!!!

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

上弦の陸―――堕姫と、炭治郎が熱戦を繰り広げている最中。

 

 

 

そこから少し離れた地に一人、立つ者がいた。

 

 

 

 

 

「むぅッ……!!」

 

 

 

 

竈門禰豆子である。

 

 

遡る事数分前、炭治郎vs堕姫の開戦時。

堕姫はその帯で―――身体に傷を負わせる事こそ叶わなかったものの―――彼が背負う木箱の背負い紐を切断していた。

 

その為、炭治郎は木箱……即ち禰豆子を背負ったままの戦闘は不可能と判断。

すぐさま箱ごと彼女を下ろし、自らの身に危機が迫った時のみ出てくる様に伝えた上で、戦いに再度赴いたのである。

 

 

 

では、彼女が現在箱の外に出ているのは、その身に危機が迫っているからであろうか?

 

否。

堕姫は今、炭治郎以外に意識を向ける余裕など全くない。

その分身体も、地下空間に潜んでいて襲い掛かる事など到底不可能―――しかも、奇しくも同じこのタイミングで伊之助と天元の両名が突入していた―――だ。

つまり、危機的要素は皆無といっていい。

 

 

ならば何故、禰豆子は外に出たのか?

 

 

 

 

それは……彼女自身にも、はっきりとは分からなかった。

 

 

 

 

「むううぅぅッッ……!!??」

 

 

 

 

 

ただ、外に出なければならなかった。

 

そして、急いで兄の元へと駆け付けなければならない。

 

 

 

理屈では示す事が出来ない直感―――野生の勘。

 

このまま、兄に不幸が降り注ぐのではないかという……そんな悪い予感であった。

 

 

 

故に、彼女は走った。

兄が戦っているであろう場所へ。

 

どうか、この嫌な予感が外れていて欲しい。

そう願って、全力で駆けた。

 

 

 

 

 

しかし……鬼故の鋭敏さか、或いは長男との強い絆故か。

 

 

 

外れてほしかったその勘は、見事に的中してしまっていた。

 

 

 

 

 

 

「ッッッ!!!???」

 

 

 

 

 

駆け付けた禰豆子の視界に飛び込んできた風景。

 

 

 

 

 

 

「むううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッッッッ!!!!????」

 

 

 

 

 

 

それは、赤黒い多量の刃を全身に受ける兄の姿であった。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

(ッッッ!!!???)

 

 

 

 

隙の糸を辿り、刃が堕姫の頚を捉えようとした瞬間。

炭治郎は、その異変に気付いた。

 

 

 

(匂いがッ……違うッッ!!??)

 

 

 

異臭。

強い血と、凄まじい敵意……そして、鬼特有の邪気を伴う匂い。

 

それが今……何処かから徐々に漂ってきたのではなく。

何の前触れも無しに、いきなり目の前に発生したのだ。

 

 

あまりにも濃い臭気が、眼前―――堕姫の肉体からッ……!!

 

 

 

(匂いが変わったッ……いや、そうじゃないッ!!

 ありえない……二つに増えている。

 二種類の匂いが、同時に出ているッッ!?)

 

 

一体の鬼から同時に、別種の匂いが同じ強さで発せられている。

こんな事、普通はあり得ない。

 

そこに、鬼が二人いない限りはッッ……!!

 

 

 

 

そして、何よりッッ……!!

 

 

 

(隙の糸が切れていない……はっきりと、この鬼の隙は感じ取れているッ!!

 なのに、なんだ……この、嫌な感じはッッ!!??)

 

 

 

隙の糸が視えたままなのだッ……!!

 

確実な勝機がある時こそ糸は紡がれるが、逆に言えば勝ちの目が無ければ糸は途切れてしまう。

それが視えたままという事は、炭治郎は依然優勢という証拠。

 

 

それにも関わらず、突如湧き出たこの異臭……あまりにも、不気味ッッ……!!!

 

 

 

 

(まずい……このままいったら駄目だッ!!

 何か……何か、とてつもなく危険な気がするッッ!!!)

 

 

 

これ以上踏み込んではいけない。

全身を駆け巡る悪寒から、炭治郎は咄嗟に両腕両脚に力を込めた。

 

円舞一閃の急停止。

全力で振るわれた両腕と両脚を無理矢理止めようというのだから、その反動は決して小さくはない。

 

 

「ッ~~~!!??」

 

 

筋肉が悲鳴を上げる。

急ブレーキの衝撃が全身に伝わり、痛みを走らせていく。

骨まで響くとはまさにこの事だ。

 

 

 

 

だが……それで、正解であった。

 

 

ここで、肉体へのダメージを覚悟のうえで静止を掛けていなければ。

あのまま、堕姫の懐により飛び込んでいたならば。

 

 

 

炭治郎は、この後に襲ってくる攻撃に耐えられなかっただろう。

 

 

 

 

(ッッッ!!??

 三本目の……腕ッッ!!??)

 

 

 

反動に耐える炭治郎が見た物。

それは、腕であった。

 

帯ではなく。

堕姫の胴体より、突如として生え出てきた……鎌を携えた、三本目の腕ッ……!!!

 

 

 

 

(そ……そういう事かぁッ……!!)

 

 

 

 

一人の鬼から、二人分の匂いが感じ取れた事。

その答えは単純明快だった。

 

 

 

鬼は、二人いたのだ。

 

 

堕姫の体内に、もう一人ッ……!!

 

 

 

 

(だから、隙の糸が視えたままだったんだ……この鬼の隙はそのままだから。

 体内の鬼の隙とは、違うからッッ……!!)

 

 

 

咄嗟に刀を身体の前に引き戻して備える。

体内に別の鬼がいたというのなら、このタイミングで出てくる理由なんて一つしかない。

 

 

 

来る……攻撃がッッッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「ったくよぉ……しょうがねぇなぁ、お前は」

 

 

 

 

次の瞬間。

 

 

堕姫より発せられた『男の声』が、炭治郎の耳に届くと共に。

 

 

 

 

 

 

――――――血鬼術『飛び血鎌』ッ!!!

 

 

 

 

 

大量の刃が、炭治郎へと襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

 




Q.炭治郎、相当強くなってない?
A.各育手の元で鍛錬を積んだ結果、帯鬼合流前の堕姫レベルなら圧倒できるくらいになってます。
 匂いでの動作察知こそまだ習得してませんが、刀鍛冶の里編に近い領域にまで既に達しています。
 基本呼吸からのフィードバック効果でヒノカミ神楽の性能も上がっており、円舞一閃も前倒しで体得してます。

Q.ヒノカミ神楽の連発は可能?
A.立て続けに使うと身体にダメージはいきますが、他の呼吸と織り交ぜる形でならば連射しても大丈夫なくらいに練度が上がってます。
 

Q.お兄ちゃんの出現が早まった?
A.一体化状態でも堕姫の首が落ちるのは流石にまずい&ヒノカミ神楽は鬼特攻なので、首を落とされたら原作同様くっつける事が出来るか怪しいと判断したため、慌てて腕だけですが出現させました。
 実際、縁壱に斬られた無惨は「首が落ちないように腕で首の固定をする」という惨状だった為、ヒノカミ神楽でぶった切られていたらやばかったと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。