五条悟が最強であることは理解していたが、まさか封印されるとは思ってなかったんだ。 作:のれん(-_-)zzz
おひさしぶりです。文章変わっていたらごめんなさい。新章に入りますが、この話は原作のままです。
拾捌話
2018年、10月31日19時00分、渋谷の東急百貨店、東急東横店を中心に半径400mの
この異常事態に術師たちは渋谷に集合。その中で判明した帳の結界の効力は“一般人のみを閉じ込める”であった。帳の副次的な効果により電波も内外で遮断されている。ハロウィンであるにも関わらず駅前のスクランブル交差点には人っ子一人おらず、散り散りになった一般人たちは帳の縁にてこう叫ぶ。
「五条悟を連れて来い!」と
非術師たちがその名を知っているはずがない。何者かによって言わされている。
帳を下す呪詛師たちを倒し、この現状を打開しようと考える場面でもあるが、呪術界上層部は五条悟を敵地に単独で送る判断を下した。これは、術師の被害を最低限に抑えるための決定であった。他術師は帳の外にて待機し、不測の事態に備える運びとなった。
20時31分、五条悟が渋谷駅に到着。そこでは渋谷駅地下を中心に外と同じ一般人を閉じ込める帳がさらに展開されており、駅構内は一般人がひしめき合っていた。また、その地下に特級呪霊の気配。そして五条悟をおびき寄せる声。確実に呪霊側にとって有利な状況が作られていると予想できる。
しかし、五条悟はその明らかな罠ともいえる誘いに乗る。
自分自身が最強であるとう自覚から。誰であっても負けないという自負から。
20時40分、東京メトロ渋谷駅、地下5階の副都心線ホームの線路上に、五条悟は降り立つ。駅のホームも多くの人間があふれている。外へ通ずる出入口、天井は樹木により塞がれてしまった。同じ線路上には、特級呪霊で一つ目で頭が火山のような形をした漏瑚、同じく特級呪霊で目元が枝であり、巨体の花御、特級呪物「呪胎九相図」の1番を受肉した張相が待ち構える。
彼らが互いに軽く言葉を交わした後—
戦いの火蓋は切られた。
呪霊側は大勢の人間を殺し、盾にし、隠れ蓑にし、五条へと攻撃を仕掛ける。これは五条の力が一番抑制される戦いである。五条悟が最も強い場面は、彼がひとりでいる時。五条の術式「無下限呪術」の術式反転の「赫」の最低出力は順転の「蒼」の二倍。一般人がいる上ではまず出せない。「蒼」も本来の出力を出せずに守りに徹するしかなくなる。領域展開の「無量空処」でさえ、この閉鎖された空間では悪手となる。非術師を巻き込まないように領域から外せば、周りの壁で圧死、領域の中に入れれば、呪術に抗うこともできずに死。あらゆる選択肢が封じられる。
更に敵方は五条に直接攻撃をする手法を会得していた。
「
自分だけを包む液体のような領域。領域展開とは違い必中効果は薄まるが、相手の術式を中和する効果が大きくなるというメリットがある。
五条は驚く。それは、敵の強さ・対自分へ練られた緻密な作戦について…
ではない。
この程度で自分を倒せると思っていた敵の脳みそに対してだ。
領域展延にはもう一つデメリットが存在する。展延は生得術式との併用が出来ないという点だ。
五条は無下限呪術を一時的に解除、それに対し花御は体に纏う展延を解き、攻撃を仕掛けようとする。しかし、展延を解いてしまえば、確実に五条の攻撃が当たる的となる。そして花御の弱点は先の交流会襲撃事件の際に割れている。
一瞬、
五条は一瞬で花御の弱点である目元の枝を引きちぎる。そして、漏瑚が助ける間もなく、五条の術式により花御の体は粉々になった。
闘い始めて20分ほど経った頃、ホームに存在する人間は闘いが始まる前よりも明らかに少なくなっていた。非術師が五条を避けることが出来るほどに。スペースが出来れば、五条は漏瑚を確実に捉えられる。既に犠牲者は多く出ている。これからもまだ出るであろう。全員を生かすことは出来ない。ある程度の犠牲は考えなけてばならない。
「そのかわり、絶対祓ってやるよ。」
五条がそう意気込んだ後、駅のホームに電車が到着した。
ホームに生き残っている非術師たちは逃げの手段がやってきたと喜びを見せる。
しかし、その歓喜もすぐに混沌へと変わる。
電車の中には、特級呪霊・真人に改造された元人間の呪霊、約1000体がぎゅうぎゅうと敷き詰められていたのだから。ドアが開かれ、改造人間が開放されると人間を次々と襲い始める。
わざわざ、五条の障害である非術師たちを殺すような行動に五条は戸惑っていると、同じ電車に乗ってやってきた真人も五条に攻撃をしかけた。
五条にその攻撃を無限により弾く。その瞬間、ホームの天井を塞いでいた根が開き、新たな人間が投入された。呪霊側に与する呪詛師によって。
新たにホームに入れられた人間の命は呪霊たちの手により消耗品のように容易く消えてゆく。
特級呪霊たちは、改造人間、非術師が入れ乱れ、虐殺が繰り返される状況下でおいても、五条悟が領域展開を出来ないと考えていた。五条悟が考えるある程度の犠牲は呪霊による死であって、五条悟自身の手による犠牲ではないと考えていたからだ。
しかし、特級呪霊たちのその予想は崩される。
五条悟は領域展開「無量空処」を発動する。
一か八かの0.2秒領域展開——
一般人に影響を与えないギリギリの時間を五条悟は勘で見出した。
0.2秒の間に改造人間、非術師の脳には半年分の情報が流し込められ、全員が立ったまま気を失った。特級呪霊たちも同じく領域展開をうけて動けないでいた。
そして、領域展開解除後、299秒で五条はすべての改造人間、約1000体を倒した。
相手の策を潰し、一気に五条悟が優勢にたったと思われた。その時—
「
五条の目の前に正方形の箱が置かれていた。そして、「開門」の声に反応して、箱の四角が拡がり、真ん中に瞳が現れる。その瞳は目の前の五条を写す。
さらに、
「や、悟。久しいね。」
袈裟を着た男が現れる。黒の長髪で頭の後ろに団子に結われており、何よりその額に縫われたような線が目立つ。
五条はその男を知っていた。
男の名は夏油傑。五条悟の親友であった者だ。彼とは10年前に袂を分かち、一年前に五条悟自身の手で止めを刺したはずであった。
本来なら存在せぬ人間.であるのに、五条悟は彼を本物であると彼の六眼をもって認めてしまった.故に,五条悟の頭の中に彼との青い春の記憶が浮かぶ。親友であった男との高校3年間の記憶が.
これこそが敵方の狙いであった。
敵方は先日、呪術高専襲来時にある物を盗んでいた.
「獄門彊」、呪術師最強と言われる五条悟を封印できる代物。
その封印発動条件は―
獄門彊開門後,封印有効範囲約4メートル以内に,脳内時間で一分、彼を足止めすること。
死んだはずの夏油傑との邂逅時に、五条悟の脳内では既に数年分の時が過ぎていた。
刹那、五条悟は獄門彊により捕らえられた。悟は封印を抜け出そうと試行するが,呪力も抑えられ,詰んだのだと理解する。
諦めた五条は目の前の夏油傑を見る。
「誰だよ、お前。」
「夏油傑だよ、前に会ってから一年しか経ってないのに忘れたのかい?悲しいね。」
「肉体も、呪力もこの六眼に映る情報はお前が夏油傑だといっている。
…だが、俺の魂がそれを否定している!お前は誰だ!」
「キッショ、何で分かるんだよ。」
夏油傑はそう言って、額に手をやる。額の縫い目のような線は糸であり、糸が引かれるとパカリと頭が開き、異常な脳が露わになる。
目の前の男は夏油傑ではなかった。肉体を転々と出来る術式。夏油傑の体を乗っ取りその肉体に刻まれた術式をも使用できる。
その事実に五条は歯噛みする。
偽夏油の目的は五条の封印。彼が強すぎる故に、邪魔だった。
数回言葉を交わした後、偽夏油は五条に言う。
「おやすみ、五条悟。新しい世界でまた会おう。」
「僕はな。お前はそろそろ起きろよ。何時まで良い様にされてんだ。傑。」
五条の言葉に偽夏油の手が反応する。偽夏油の手はそのまま偽夏油自身の首を絞め始める。
自分自身であり、自分ではない者が自身を殺そうとしている。本来死んでいるはずの夏油傑本人が。この現象に偽夏油は笑う。
そこに真人がやってきた。真人はヒトから生まれた呪霊。その思考には常に魂と肉体の関係性が入っていた。真人は肉体の先に魂があるという考えを持っていたが、夏油はたった今の現象から、肉体は魂であり魂は肉体であるという自論を示す。
五条は目の前で、そのように偽夏油と呪霊の真人が話しながら自身を見下ろしている姿を胸糞悪く感じていた。その旨を吐き出したら、敵側はご親切にも封印を完成させようとする。
偽夏油が「閉門」と唱えた瞬間、獄門彊は閉じられた。
獄門彊が閉じられる瞬間、五条の視界が狭まる。
(やっぱり強いだけじゃダメだ。)
昔、親友の挫折を通して、経験した悔いがここで活きる。自分だけが強くても、周りが弱かったら、意味がない。均衡が崩れれば、あとは秒読み。
だから、五条は今まで育ててきた。強く、芯のある生徒たちを。
(みんな。僕がいなくても頑張ってよ。)
五条は思い浮かべる。信頼のおける元担任、後輩、生徒達の闘う姿を。
外界の一筋の光すら見えなくなるその瞬間、五条はある思慕を抱く。
ひどく、ひどく懐かしく、記憶にない愛しさを。
(ああ、これは…)
五条は暗闇の中に囚われた。
読んでくれてありがとう。遅れてごめんなさい。
でも、他の呪術の二次創作増えてて、私的にほくほく。