五条悟が最強であることは理解していたが、まさか封印されるとは思ってなかったんだ。   作:のれん(-_-)zzz

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すみません。今回もほぼ原作の説明回です。




拾玖話

 

 

10月31日、渋谷駅地下五階にて、五条悟の封印が為された。

 

 

 

その直後、ある者の術が発動する。

 

 

 

ある者の名はアルティメットメカ丸—本名・与幸吉。

 

元呪術高専京都校の2年生で、準一級呪術師であった者だ。自分の意志とは関係なく、先天的に身体に課される縛りである「天与呪縛」の持ち主で、体が不自由で全身に包帯が巻かれた状態である建物の地下室で暮らすが、その代わり、広大な術式範囲と強大な呪力放出能力を有していた。

 

本人としては、この不自由な体が治るのならば、今ある術式がなくなったとしても構わないほど、この天与呪縛か憎たらしく思っていた。

 

そこに敵方からアプローチがあった。

 

彼は、特級呪霊・真人の『無為転変』で体を治すことと、京都校の人間には手を出さないことを条件に、偽夏油達の内通者をする縛りを結んだ。しかし、呪霊たちが先の交流会襲撃事件にて、京都校の人間も同時に襲撃したため、縛りが破られる。

 

交流会後、偽夏油達が縛りを破った代償として、与幸吉は体を治させた。そして万全の状態で、とある山中のダムにて、偽夏油と真人と戦った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして死亡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

与幸吉は完全に呪詛師側に与した訳ではなかった。京都校での生活は彼にとってかけがえのない時間だった。裏切り者と言えど、本来ならば生きて、渋谷襲撃の情報を高専に届けたかった。

 

それが叶わなかった場合に備え、与幸吉は自分が死ぬ前に、五条が封印された場合に限り、自身の作成した3体のメカ丸が作動する死後の術を保険として作っていた。

 

この術は正常に作動し、明治神宮駅の地下線路にて敵の呪霊と交戦していた特級術師・冥冥とその弟・憂憂、そして両面宿儺の器・虎杖悠仁に五条悟の封印の旨が伝えられた.

 

メカ丸が彼らを選んだ理由―それは呪詛師との繋がりの有無だ。

 

メカ丸が内通者であったように、未だ呪詛師を手引きしている存在の可能性があった。

虎杖悠仁は両面宿儺の器であり、比較的最近呪術師となったことと、索敵に長けている冥冥が渋谷に派遣されず、敵が仕向けられていることからメカ丸は彼らがシロであると判断した。

 

 

 

現在、渋谷には四枚の帳が降りている。渋谷駅を中心に、一般人を閉じ込める帳、五条悟を閉じ込める帳、術師を入れない帳、一般人を閉じ込める帳だ。

 

冥冥たちは帳の外だが、他の術師の班は帳の中に入っており、電波の遮断により連絡が付かない。さらに外の補助監督員たちにも連絡が付かないことから、帳の内外で事が発展している可能性が大きい。

 

この状況から、メカ丸が虎杖と冥冥たちに作戦を提案する。

 

虎杖は明治神宮から地上を通って、渋谷へ向かい、五条悟封印の旨を全術師へ連絡すること。

 

冥冥は虎杖の地上への脱出のサポート、その後は線路にて待機。相手の出方に応じた対応を取ること。

 

二人はこの提案を了承する。因みに冥冥の弟の憂憂は当然のように姉とともにいることを選択した。

 

そんな3人のもとへ準一級並みの呪霊が続々とやってくる。

 

虎杖は冥冥の補助を受けながら呪霊を躱し、地上へ無事脱出。渋谷へ全速力で向かっている途中、メカ丸から新たな情報が齎される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―封印された五条悟の獄門彊が渋谷地下から動かせないでいると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五条悟封印後、無量空処の影響を受けていた特級呪霊たちが目覚め、偽夏油の下に集まっていた。

 

「全員起きたね。さて、今後の―」

 

偽夏油が話す途中、その手に持つ獄門彊がカタカタと震えだした。

 

「…?どうした?」

 

話途中で口を閉ざした偽夏油に漏瑚が問いかけたその時、獄門彊は急に重みを増し、偽夏油の手では支えきれなくなった。そのまま地面に獄門彊が落ちると、ゴンッと音を立ててめり込む。

 

「なんて奴だ。」

 

偽夏油はそうこぼす。

 

「なにこれどういうこと?」

 

真人がしゃがみ、獄門彊に顔を近づけて聞く。

 

「封印は完了している。だが、獄門彊がまだ五条悟という情報を処理しきれてないんだ。暫くは動かせないね。」

 

そう話す敵陣営をこっそりと天井から聞く者がいた。三体の内の一体のメカ丸だ。すぐに、真人によって壊されるがその情報は既に残りのメカ丸によって伝えられる。

 

 

 

 

 

その情報を聞いた虎杖は一瞬何故と思ってしまうが、五条悟故という理由を提示されあっさりと納得した。この情報により術師を入れない帳を上げさせ、渋谷駅周辺の術師たちを渋谷駅地下へ向かわせ包囲網を作り出すことが作戦の主軸となった。

 

しかし、他の術師たちと連絡を取ろうにも、その連絡の要となる補助監督員の伊地知とも連絡が取れないでいた。どのようにして自分が知り得る情報を伝えようかと思案していた時、虎杖は冥冥との会話を思い出す。

 

 

 

 

「ねぇねぇ、渋谷には誰が来ているの?」

 

「んーとね、確か…」

 

 

 

 

 

虎杖は会話にでた人物を脳裏に浮かべると同時に、一番外側の帳、一般人を閉じ込める帳を抜けた。中に入るとそこは既に地獄。改造人間たちが一般人を襲い始めていた。

 

虎杖は目に見える敵を瞬殺し、壁を伝ってとあるビルの頂上へ辿り着く。そして、息を吸い込みその名を叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

「ナ・ナ・ミーン!!!ナナミンいるー? 」

 

 

 

 

 

 

虎杖の渾身の叫びは伏黒、伊野を率いる七海班に届いた。伏黒と伊野は一級術師である七海が「ナナミン」と呼ばれていることに衝撃を受けていたが、虎杖の続きの一言でその衝撃も吹き飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

「五条先生があ、封印されたんだけどー。」

 

 

 

 

 

 

「封印!?」

 

驚く伏黒。しかし、七海は即座に判断を下す。

 

「予定変更です。今すぐ虎杖君と合流します。もし、封印が本当なら―

 

 

 

終わりです。この国の人間すべてが。」

 

 

 

急いで七海たちは虎杖のいる場所へと向かい合流した。そして、詳しい現状が伝えられた。

 

裏で糸を引く夏油傑の皮を被った何者か。特級呪霊と付随する呪霊達。夏油側の呪詛師。改造人間と一般人。正に混迷を極めた空間になった渋谷駅。

 

その場所に攻め入るには、渋谷駅の隣駅からが都合が良いが、まずは帳を解かなければならない。やるべきことは山ほどある。四の五の言っている暇はない。

 

呪術師最強の封印.それは呪術界の終わりを意味する.それは七海からみても明確な真理であった.一刻も早く救出に向かうべき.しかし,この情報をここだけのものにして動いて良いわけでもない.呪術界の上層部また現場にいるほかの術師と連絡を繋げ,総力を以てして五条悟奪還に動かねばならない.

 

七海健斗は今いる中で唯一の一級術師である。その彼にしか出来ない要請がある。そのため、七海自身は一旦分かれて、補助監督員の元へ向かい、残り三人には、今渋谷を覆う術師を阻む帳を排除するために呪詛師の捜索、そして五条悟の奪還に向かうことを指示した。

 

こうして五条悟奪還作戦が始動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人と別れた七海健斗は補助監督員を統括している伊地知が配置されている場所へ向かう。

 

虎杖からは伊地知と連絡が取れないと聞いていた。

 

伊地知は元術師を志した者。補助監督員としても優秀。何人もの術師を現場に送り出していた。不測の事態への対応は慣れている.連絡は取れなくてもと、安心していた部分があった.

 

しかし,伊地知の配置場所へ辿り着いたとき、七海が見たものは、ある意味で想定外の光景であった.

 

地に血を流して倒れ伏す伊地知.ポニーテールの呪詛師であろう男.その呪詛師が持つ刀には血がべっとりと付着しているため,彼が伊地知を刺したのであろうと容易にわかる。

 

そしてこの場で,七海にとって最もイレギュラーな存在は伊地知を庇うようにして間に立つ女の姿であった.

 

女の姿に七海は既視感を抱く.つい先ほど封印されたと聞いた男によく似た白の髪色と顔、額の上にかかる黒いバンダナ。

 

頭の中でカチリと何かが当てはまるような感覚に陥る. 恐る恐るといった口調で言葉に乗せる。

 

「…ちよ…さん?」

 

七海が呟いた言葉はその女に届いた.女は振り向き、少々顔を顰める。しかし、すぐに思いついたように答える.

 

「七海君…?」

 

10年前と同じ背格好。高専の頃からそのままタイムスリップしたかのような彼女に酷く懐かしさと苦しみを抱く。淡い気持ちが溢れ出す。忘れた後悔が迫り来る。

 

ただ、全く同じではなかった。

 

 

 

 

 

 

千代と呼ばれた女の表情は、七海が知るかつての五条千代よりも朗らかで、そして冷たかった。

 

 

 

 

 

 

 

 





読んでくださりありがとうございます。

最近は毎週本誌が阿鼻叫喚だそうで、大変そうですね。


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