五条悟が最強であることは理解していたが、まさか封印されるとは思ってなかったんだ。 作:のれん(-_-)zzz
硝子さん個人的に大好き。
冬の寒さも完全になくなり、心地よい暖かさになった今日、前回の任務から3日ほど経っていた。特に任務もなく、授業や、自主練をして過ごしていた1年生3人だが、昼休憩中に乱入者が現れた。
「おー、いたいた。やっほー。」
教室のドアから、顔を出したのは、五条千代と似ている男子生徒。ツンツンとした白髪に怪しげな丸いサングラスをかけている。
突然の来客に一瞬動きが止まる3人であったが、灰原と七海はその後、五条千代とその男子生徒を見比べた。
五条千代は席から立ちあがり、驚いた表情で言葉を漏らす。
「兄様?」
「おう、久しぶり。」
片手をあげて、返事をする五条悟。
「お久しぶりです。お元気そうで何よりです。兄様。」
久しぶりに会う兄に、笑顔を向ける千代。普段はここまで微笑むことはない。
他の1年二人は、その間に入ろうか入らまいかを迷っていた。灰原は我慢できなくなりどういう関係か尋ねようとしたとき、五条悟の後ろから声が響いた。
「おーなになに、感動の再会ってやつ?」
「いや、そこまで重くないでしょ。悟、いきなり1年のところに押しかけたら、向こうも困ってしまうよ。」
一人は、黒髪のショートで右目下のほくろが特徴的な女子生徒。
一人は、以前千代と共に任務に行った夏油であった。
「別にいいじゃん。後輩になるわけだし。」
「後輩?」
五条悟の言葉に、反応し頭をコテンと傾ける灰原。
「ああ、私たちは2年生、君たちの先輩だよ。」
灰原の疑問に答えた夏油。
夏油の言葉を聞き、灰原は先輩という存在に目をキラキラさせる。一方七海は特に表情も変えずに先輩の方を見ていた。
2年生3人は順に自己紹介を行う。
「俺は五条悟、そいつの兄だよ。」
五条は千代を指さして言う。
「夏油傑、よろしく。」
五条に続き、手をひらひらさせて夏油も挨拶する。
「私は家入硝子。みんな先輩だからってこいつらをわざわざ尊敬しなくてもいいからね。」
なぜか二人を貶す言葉を付け加える家入。
「おい、どういうことだよ(ですか)」
家入の挨拶に二人が突っ込む。
そんな、上級生を見て、灰原が笑う。
「あははは、面白い先輩ですね!僕は灰原雄といいます。よろしくお願いします!」
「七海健人です。」
続いて七海も挨拶をした。
二人の挨拶を聞き、最後に、千代も自己紹介をした。
「兄様と傑先輩は良いとして、硝子さんは初めましてですね。五条千代です。よろしくお願いします。」
五条悟は千代の「傑先輩」という言葉にピクッと反応して、鋭い視線で夏油を見遣る。夏油も五条悟の視線に気づいているが、素知らぬ態度を通している。
夏油は五条弄りをひそかに楽しんでいた。
また家入硝子は千代に興味津々のようであった。
「へえ、君が悟の妹か。顔は似ているけど、全然性格違うね。五条と違っていい子そ~。」
「おい、硝子さっきから、一言余計だぞ。」
「あっはは~、まあいいじゃん、怒ってばっかだと禿げるよ。」
「うるせえ。」
互いの紹介も終わったのに、先輩たちがまた、がやがやと話を進めていく。
千代はというと、
(え、兄様禿げてしまわれるの?)
真剣に硝子の言ったことを考えていた。
話が進まず、結局しびれを切らした七海が2年生に問うた。
「あの、それで先輩方はどうしてこちらに?」
その問いに夏油が答える。
「ああ、そうだね。要件を言い忘れていた。この後、2年と1年で任務に入るよ。まあ、交流目的みたいなものだ。そんなに気負わなくていい。私と灰原、五条悟と七海、硝子と千代ちゃんでペアになって当たってもらう。」
「そうですか。」
七海は顔には出さないが、少々嫌そうであった。急に入った任務に対してではない。そんなものは前回にも経験した。ペアになる五条悟と自分の相性が良くなさそうであると直感的に感じたからである。
「分かりました!よろしくお願いします!夏油さん!」
一方で灰原は元気よく答える。やはり先輩というものに憧れを感じているようだった。
「よろしく。じゃあ、あとは各ペアで移動してね。行こうか。灰原」
「はい!」
灰原は夏油についていく。それを見て、五条たちも動き出す。
「おし、こちらもぼちぼち行きますか。七海君。」
「了解です。」
「もっとテンション上げていこうよ~」
至極真面目に対応する七海に五条が不満を漏らす。
「いえ、自分のペースが一番なので。」
ダルがらみされるのを嫌そうにする、七海。五条はそれを面白がって更にからかいながら、二人は教室の外に出ていった。
教室に残ったのは、家入と千代の二人。先ほどの騒がしい様子とはかわって随分と静かになってしまった。
「家入さん、私たちはどうするんですか?」
千代が家入に尋ねた。
「硝子でいいよ。うーん特に決まってないんだよねえ。」
家入は、千代の隣の席に腰掛けながら言う。
「へ?」
「私さあ、反転術式を使うから戦闘にはそんなに参加しないんだよね。今日は一応千代ちゃんと組めとは言われているけど、急患がいない限りやることはないかな。ほら、千代ちゃんも座って、座って。」
そう言われて、千代自身も自分の席に着く。せっかくなので聞いておきたいことは聞いておこうと思った千代は質問をする。
「なるほど、では、硝子さんの反転術式について教えてもらってもいいですか?」
千代自身も反転術式を使う。他の使用者の意見も知りたいところだった。
「えー、前に五条からも教えてって言われたけど説明下手って言われたよ。」
五条悟は、まだ無下限呪術の術式反転「
「兄様から?因みにどんな感じに説明したんですか?」
(兄様のセンスは悪くないはずだけど。どんな教え方をしたのだろう?)
千代はもともと無意識下で反転術式を習得したため、学んで身に着けることに関してはよく分からなかった。そのため、千代は反転術式の発動の仕方について教えることはほぼできない。
「んー、こうぴゅうっとやって、ばあとして、ちょいちょいっとしたらできるでしょ。」
そう言いながら、人差し指を突き出し、空を切るようにして動かす家入を見て、千代の顔が引き攣る。
。
(ごめんなさい、兄様。兄様のセンスを疑ってしまいました。これは無理ですね。)
圧倒的感性の問題だった。
「どうして、私の反転術式について聞いたの?千代ちゃんもチャレンジしてるから?」
「いや、私は自分自身のみを対象にした反転術式は使えますけど、他の人には使えないので。一応参考にと。」
縛りによるものだとは言わずに答える。
「ふーん、真面目だね~。もうちょっと肩の力抜いたら?」
「いえ、これが通常なんですけど。」
千代は曖昧に笑う。
「私的には、何となく五条と同じ匂いがするんだけどなあ。」
(におい?)
千代は気になって自分の袖をクンクンと嗅いでしまう。何も臭いがせず、顔を顰める。
「あはははっ、千代ちゃん意外にピュアだね。それをもっと前面に出せばいいのに。」
家入さんの言っていることがよく分からないといった表情をする千代。
「つまりはさ、もう少し自分のことを考えたらいいんじゃないってこと。」
千代はその言葉を聞いた瞬間、家入の言葉が心臓の奥に突き刺さったのを感じた。何か言い返さなければと考えるが、何も出てこない。
「あの…、硝子さ…「家入、千代いるか?」」
取り敢えず何かを言おうとしたとき、1年の担任の荒縫がやってきて千代の言葉を遮断した。
「あれ、荒縫先生じゃないですか?どうしたんです?」
「どうしたんです?じゃないだろ。お前、急患が入るまで任務はないとは言ったが、念のため医務室で待機してろと言われたろ。」
荒縫の言葉に動き、表情が固まる家入。これは完全に忘れていた顔であった。
「一般人が呪霊の被害に遭って、応援要請に来た補助監督員が医務室に行ったが、お前らがいなくて探し回ってたぞ。」
「あ、やば。」
案の定の反応に、荒縫は深く溜息を吐く。
「そんなこと言っている暇あるなら急いで向かえ。」
「はーい、じゃあ千代ちゃん行くよ。早く行かないとあとで夜蛾先生にどやされる。」
「手遅れだよ。もう夜蛾の耳にも入ってる。」
荒縫が追い打ちをかける。
「ええぇ、そこは黙っていてくださいよ。千代ちゃん、ダッシュだよ。」
「は、はいっ」
走る家入についていく千代。
しかし、その心の中では先ほどの家入の言葉が反芻する。
(私自身のこと…)
走りながらも思案している千代を横目で見た家入は少しだけ口角をあげた。
(男は気づきにくいよね、女のこういうとこ。)
ここまで読んでくれてありがとぅ。
少しリアルが忙しくなってきたのとストックが切れたので次の投稿まで2,3日空ける。
ごめんよ。