五条悟が最強であることは理解していたが、まさか封印されるとは思ってなかったんだ。   作:のれん(-_-)zzz

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三人称の方が個人的に描きやすい。
≠上手




漆話

 

2006年 6月

 

呪術高専の結界を作り上げ、不死の術式を持つ天元の同化に際し、天元本人の適合する人間・星奨体(せいしょうたい)となる天内理子(あまないりこ)の護衛の任が五条、夏油に与えられた。

 

2人が任務に向かうと、早速、呪詛師集団『Q』が彼女の住まいを襲撃していたところだった。しかし、最強と言われている彼らは容易く呪詛師集団『Q』を撃破した。

 

その後、天内の希望により、彼女の中学校での最後の日常を守護することになった。

 

2人が中学校で、彼女の最後の生活を見守っていた時、もう一つの敵である盤星教の術師が現れた。特に苦戦することもなく、見事天内を守り切ることに成功した二人だが、彼女の唯一の家族ともいえる使用人の黒井が敵に捕まってしまう。敵が黒井の取引に利用した場所は沖縄であった。

 

その取引に応じるため、沖縄へ五条、夏油と希望により天内が向かう。

 

そして、警備には1年生3人組も駆り出された。

 

 

 

那覇空港に到着したのち、空港の警備を任されている1年生の3人は、周囲に注意を向けていた。

 

「はあ、どう考えても1年生に務まるような任務じゃないでしょう。」

 

伏し目がちな七海がため息交じりにぼやく。

 

本来、星奨体がこちらに来る予定はなかった。高専の中にいた方が数段安全だ。彼女の希望により、黒井の取引についてくることになったため、任務の重要性は格段に跳ね上がる。

 

「でも僕は燃えてるよ。なんたって夏油さんにいいところを見せたいからね。」

 

2か月前の、ペアでの任務から、灰原は夏油をいたく尊敬するようになった。毎回、夏油さんみたいに強くと言うほどだ。

 

「それに星奨体といってもいたいけな少女だ。先輩たちが身を削って、彼女を守るんだ。僕たちが頑張らないわけにはいかない。」

 

残り2人は灰原の背後にメラメラと燃えるような炎の幻覚が見えた。

 

「しかし、ここは沖縄ですよ?台風で空港が閉鎖されたらおしまいです。」

 

あくまで悲観的、現実的に物事を見据える七海が、星奨体がこちらにいるリスクを問う。

星奨体が天元と適合する日は決まっており、明日までには東京の高専に戻らねばならない。

 

「天気予報では、今日、明日ともに晴れなので多分大丈夫ですよ。」

 

そう答えたのは、千代だ。

 

「まあ…、そうですね。」

 

「私は、この後兄様と傑先輩のところに合流する予定なので、空港の警備お願いします。」

 

黒井の取引を刺激しないように、一旦空港で待機を言われていた千代。無事取引も終わったようなので、五条たちがいる海辺へと向かうように指示が来た。

 

「いわれなくてもやりますよ。」

「いってらしゃーい、千代ちゃん。怪我無いようにね。」

 

((怪我負わない方が難しいですよ。))

七海と千代の心の声がハモった。

 

なんせ、護衛するのはあの星奨体だ。文字通り身を挺して守るのが千代の役目だろう。

 

灰原はまだ千代の存在の意味をなんとなくでしか分かってないらしい。

 

(しかし、そう純粋なのが彼の良いところ。)

 

なんだかんだ言って、千代も同級生と共にいることに慣れて、彼らについてよく分かって来ていた。

せっかく言ってくれたのだ、きちんと答えよう。

 

「はい、行ってきます。」

 

千代は、彼らに微笑み出発する。

 

 

 

 

 

思っていたよりも、海辺への自動車道が混みあっており、千代が集合場所に指定された海辺に着いたときは、予定ではすでに星奨体を連れて空港に向かわなければならない時間であった。

 

(これは骨折り損だったかな。)

 

わざわざ来たのに、すぐにとんぼ返りをすることになって気持ちが落ちる千代。

 

海岸を見渡すと、遠目で五条たちの集団を見つけた

丁度、五条と天内が海から引きあげてきたところだった。

しかし、何やら話し込んでいるようだ。

 

取り敢えず近くまで寄る。

 

「兄様、傑先輩。」

 

「お、来たね、千代ちゃん。」

 

「はい、遅れてすみません。道が混んでて、もう空港へ向かう時間になってしまいましたね。」

 

「ああ、そのことだけど、帰るのは明日の朝に変更だよ。」

 

「えっと、どうしてです?」

 

「いろいろとね。」

 

そう言って夏油は天内のことを見遣る。

 

(思い出作りか。)

 

明日には天元と同化してしまう天内。

できるならば、最後まで悔いのないように過ごしてもらいたいということだろう。

 

千代は、呪術師界の礎としてその身を捧げてしまう彼女に何も思わないわけではなかった。ある種、自分自身と似ている部分もあった。

 

「…了解です。」

 

「ありがとう。」

 

2人が話していると、天内が我慢できなくなったように話し出した。

 

「お前はなんじゃ。どこか五条と似ているし、さっき兄様と…」

 

「そうそう、俺の妹だよー。」

 

天内の言葉を遮るように五条が答える。

 

「こんにちは、五条千代といいます。よろしくお願いしますね。」

 

千代は天内の方へ向き挨拶をする。

天内は千代のことをじろじろと観察する。

 

「ふむ、五条の妹か。うむ、似てないな。主に性格が。こいつよりお主の方が良い性格をしていそうだ。」

 

天内がどこかの誰かが言ったことと同じようなことを言う。

 

「その通りだね。」

 

天内の言葉に乗っかるように夏油もぽつりと言葉を漏らす。

 

その瞬間、五条は天内の首に腕を巻き付け、落とし込むように首を絞めた。笑顔になりながら天内に問う。

 

「誰の性格が悪いって?」

 

「ギブギブ、ギブなのじゃー。」

 

必死に五条の腕の中でもがく理子。

 

「五条さん理子様をお降ろし下さい!」

 

必死に五条を止めようとする黒井。

 

「兄様…」

 

兄の反応に千代はどのようにしてよいか分からず、おろおろとしてしまう。

 

 

なかなかにカオスになりつつある空間に夏油が助け舟を出した。

 

「ほらほら、明日に帰るなら、今日のうちにやることやっておかないとね。時間は有限だよ。」

 

夏油の言葉を聞いて、五条は天内を離し、不満があるかのように夏油を見つめる。先ほどの言葉は五条にもしっかりと聞こえていたようだ。

 

「どこにいく?」

 

夏油は五条の視線など気にも留めず行き先を検討する。

 

「うーん、そうじゃのー。」

 

天内は顎に手を当てて、思案する。

 

「残念、行き先はもう決めてるんだな~。」

 

五条はそう言いながら、ガイドブックを取り出す。所々のページに付箋がしてあった。

 

それを見て、天内が反応する。

 

「なぬ!?ずるいのじゃ。」

 

黒井と夏油は、

((いや、準備がいいな!?))

 

と五条の用意周到なことに驚いていた。五条がもともと予定を遅らせることも考えて勝手に計画していたのだろう。

 

一方、千代は、

 

(兄様なら何かする気がしていましたよ。)

 

血がつながっているだけあって、兄の行動を察していた。

だから、帰る時間を遅らせると言われた時、ろくに反論などしなかったのだが。

 

 

その後、昼食をとり、カヌー体験や水族館などを巡った。観光するには短い時間であったが天内にとっては貴重な体験となっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

沖縄にて、濃い一日が終わった。

急にとったホテルにて、天内は疲れ果ててすぐに眠ってしまった。

 

千代は天内の部屋の近くで警備している兄に話しかけた。

 

「兄様、」

 

「ん?なんだ?」

 

千代は、意を決したような表情で兄を見つめ、答えた。

 

「私の術式を兄様に使わせてください。ずっと兄様の術式を解いてないのでしょう?」

 

千代は五条が術式を使い続けているために溜まった疲労を取り除こうとしていた。

 

「へーきだよ。それにお前の今の仕事は星奨体の守護だ。俺に使う必要はない。」

 

しかし、断る五条。千代は兄が拒絶することを予想していたためここでは引き下がらない。

 

「しかし、完璧に任務を成功させることも考えるなら、回復させた方が…」

 

「くどいぞ。俺は大丈夫だと言っている。お前が数時間でも行動できなくなる方が痛い。」

 

無下限呪術と六眼を並行して使用する五条の忍耐力はとても高い。その分、疲労もそれなりに溜まる。ある意味傷は誰が受けても等しいものであるが、疲労は個人が受けることのできるキャパシティがある。昔、千代が兄の疲労を請け負ったときは、反転術式を使っても回復するのに時間をかけていた。今では、そのことも五条は知っていた。

 

五条の言葉に口をつぐむ千代。

そして、絞り出すように答えた。

 

「出過ぎたことを言いました。必要ならお申し付けください。」

 

身を翻し自分の部屋へと戻る。その後ろ姿をみて、五条はつぶやく。

 

「…しまったな。」

 

そう言って、頭を掻く。

 

五条は以前夏油に指摘されたように千代に強く当たるきらいがある。(シスコンではあるのだが。)

先ほども強く言ってしまったことを後悔し、しゃがんで落ち込んだ。

 

丁度その時、夏油がやってきた。

 

「どうしたんだ、悟?」

 

しゃがんでいる五条を見て言う。

 

五条は深く息を吐き、立ち上がって頬を自分の平手ではたく。今、集中するべきなのは護衛任務だ。

 

「なんでもないさ。」

 

貼り付けたような笑みを浮かべて答えた。

 

 

 

 

 

 

 

次の日、同化当日の午後3時、無事に一行は天内を連れて、高専に到着することができた。高専に来てしまえば、天元の結界の内側だ。

 

「これで一安心じゃな。」

 

安全圏内に来れたことに安堵する天内。

 

「そうですね。」

 

浮かない顔で天内に同意する黒井。

 

「悟、お疲れ。」

 

夏油も終始術式を発動し、睡眠も削っていた五条を労わる。

 

「二度と餓鬼のお守はごめんだ。」

 

「あ?」

 

軽口をたたく五条に天内が突っ込む。

 

 

千代も大きく息を吐き、緊張をほぐした。

 

(なにも起きなくてよかった。あとで兄様を治そう。)

 

 

一行は無事に任務が終了する兆しが見え、気が緩む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、次の瞬間。五条が背後から刀で突き抜かれた。

 

 

「兄様っ!」

 

刺された兄の姿を目の当たりにした、千代が叫ぶ。

 

五条の後ろには黒髪で口元に傷がある男性がいた。

 

 

その男を視認すると五条はかすかに笑いながら尋ねた。

 

「アンタどこかであったか?」

 

男はにやりと笑い答える。

 

「気にすんな。俺も苦手だ。男の名前覚えんのは。」

 

 




急に原作に入ったよ。個人的にはやっと入れたって感じ。

ただ、特に話の何が変わってるとかはないけどね。
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