side魔理沙
私・煌炉・暦は奥へ進む、かなり進んだし、そろそろゴールしてもいい気がする...
私は煌炉に肩車してもらっている暦をちらりと見る。
私よりすこし小さい体...おそらく歳も下に見えるがこれで子持ちとかにわかに信じられねえ...
暦の娘の煌炉だって10代後半の女性に見えるし、さっき別れた潤香も同じようなものだ...何も知らない奴がこれを見たら暦を娘と思うやつが100%だと私は思う。
暦は私の目線に気づいたのかニタっと笑う。
「どうしたの魔理沙?肩車してもらいたいの?」
「ちげえって!!暦は本当に母親なのかよ?」
「そうね~5児の母といっておくよ!!」
5児?煌炉と潤香の他にまだいるのか?
というよりこいつの正体が気になってきたところだ...
「母親って...信じられねぇ...」
「まぁ...他の子とは後々会うでしょう~さぁて~あと少しかな?」
暦がいうと前方から何やら爆発音と何かが崩れるような音が聞こえてくる。
そろそろ終点か...やっと霊夢に追いついたぜ...
私たちは扉の中に入る
入った先は大広間だ...
玉座が奥にあり、辺りの物はボロボロになっている。そして上を見ると2人の人物が戦っていた。
1人は紅白の巫女こと博麗霊夢...私の相棒だ...
そしてもう1人は水色の髪に桃色のドレスを身にまとった少女...
背中には蝙蝠のような翼があり、片手には桃色に発光している槍のようなものを持っている...
霊夢が戦っているとなると...彼女がこの異変の黒幕のようだ...少女はキッとした目で私たちをにらむ
「フン!!また...ゾロゾロと...咲夜仕事しなさいよ...っ!!危な!!」
急に飛んできた札を少女は槍で防ぐ
「よそ見している暇があるのかしら?...レミリア?」
霊夢は気だるげに話し、レミリアと呼ばれた少女は霊夢をにらむ
「すぐに終わらしてあげるわよ...スピア・ザ・グングニル!!」
レミリアは槍を霊夢に投げる...霊夢はそれをよけるが槍は霊夢をホーミングする!
「なっ!?」
「私のグングニルは一撃必中よ!!どこへいこうが無駄よ」
霊夢はスペルカードを構える
「あっそ...夢符(二重結界)」
霊夢がスペルカードを宣言すると彼女の周りに結界ができ、槍は弾かれる。
「な...なんですって!!!」
「一撃必中というけど...こうすれば問題ないわ...この間にアンタを倒せばいいもの...神霊(夢想封印)」
霊夢は2枚目のスペルを宣言し光の球が沢山現れてレミリアを覆う...彼女はそれから抜け出そうとあっちこっちを見るがどこも囲まれている
「そんな...この私がー!!ぎゃー!!」
光の球が炸裂しレミリアは吹き飛び、その体は玉座の中へすっぽりと収まる...彼女は目を回しており、戦闘の続行は不可能と見える
レミリアが戦えないとわかると霊夢は下に降りてくる
「やったじゃないか~霊夢~!」
私が駆け寄ると霊夢は私をジトーっと見る
「遅いわよ...魔理沙...」
「わりぃ...道に迷ってよ...」
「全く...あ!アンタは!!」
霊夢は暦の方を見るなり驚くように指を向ける...暦は笑顔で霊夢に拍手しながら近づく...
「ん~!久しぶり霊夢~!今回の異変お見事だったよ!!」
「何でアンタが...」
「ん?知り合いだったのか?」
「少しね...私のお賽銭に多くお金入れてもらったのよ...諭吉3枚ほど...」
3万!?賽銭にしてはすごい金額だ...全く~今日は色々とあった一日だったぜ...大きな図書館に変わった家族構成の大神一家...中々収穫の多い一日だった
「ま...これで異変は終了だな...」
「それはどうかな?魔理沙?」
暦が目を閉じたまま答える。先ほどの陽気な話し方ではなく何かを警戒しているようだ...
霊夢も何かを感じ取ったようだ...
「暦も気づいたようね...レミリア同様の力が近づいてくるのを」
「気づいていた...というより知ってたかな...現在進行形でもう1人の私が苦労しているみたいだし...」
暦は自分の金色の長い髪をくしゃくしゃと掻き、煌炉が反応する...
「母さん...ここは私が...」
「いや?私だけで充分よ...リハビリにはなるだろうし、皆は端に下がってて」
暦は1人大広間の中央へ行く...そして大広間の中央の床に大きくヒビが入る
ドゴオー!!!
大きな破砕音と共に床が割れ、中から2人の人物が大広間に現れる...
そのうちの一人は金髪をサイドテールにした。赤い服の少女色とりどりの宝石のような羽を持ち、赤い目をキラキラさせながらもう一人の人物を追っている...
「こ...暦!?」
霊夢は中央にいる暦と飛び回っている暦を交互に見る。煌炉から話を聞いていたから私はそんなに驚かなかったが...やはり似ているな...変わったところ1つもない...
空中の暦は少女からの剣の攻撃をいなしている
「あっ!!助けてよ!私~!」
「わかったよ~今行くからさ...」
暦たちは自分自身と会話している...何ともシュールな光景だ...
地上にいる暦は玉座の方を見る...そこには先ほど霊夢に撃墜されたレミリアが玉座の上で震えていた...
「フラン!?何で地下から?」
フランと呼ばれた少女はレミリアを見て笑う
「あら~お姉さま!ボロボロ~!随分と久しぶりだね!ナンデ ワタシ 二 コンナ オモシロソウナ コト オシエテクレナカッタ ノ ?」
「だって...貴女は!!」
「キ ガ フレテイル ダッケ? ワタシハ キ ガ フレテナンカ イナイ!! 禁忌(レーヴァテイン)」
「ちょ...待って...い...嫌ー!!」
フランは燃えている剣をレミリアに振り下ろす!やばい!!流石に救助に間に合わない!!
「「DNA(ゲノム・チェーン)」」
赤と青の鎖がフランの持っている剣に絡みつき動きを止める...
暦たちを見ると2人とも同じスペルを宣言していた...
「コヨミ...ジャマ シナイデヨ...」
フランは詰まらなそうに暦たちを見るが彼女たちは同時にヘラっと笑う。
「私たちの相手がまだでしょ?貴女のお姉ちゃんとの姉妹喧嘩は私たちが終わった後で~!」
フランは鎖を引きちぎり、赤い瞳で暦たちをにらむ
「アッソ...ナラ コワレロ...禁忌(フォーオブアカインド)」
フランは4人に分裂する!
只でさえヤバい力を出しているのにそれが四人?
幾ら暦でもこの数は捌けない!!
「おい!マジかよ!!」
「っ!」
霊夢が暦の方へ向かおうとするが暦は唇に人差し指を当てて微笑む
「大丈夫...只の遊びに過ぎないから...」
暦達は奇襲をかけるフランの火の剣の攻撃をたやすく避けていく...
全て紙一重で...
笑みを浮かべていることからしてまだ余裕が見える...
まさに遊び...わざとしか言いようがない...
「ナンデ?コワレナイノ?」
先ほどまで笑っていたフランも焦りの表情を見せる...
「私と貴女では生きている時間が違うからね...クロスゲーム(ハピネスチップ)」
暦の周りにカジノで使うようなコインが大量に現れフランの方へ飛んでいく...
フランはそれを避けていくがコインは不規則な動きをしながらフランの分身を1人、また1人と撃ち抜いていく
そしてフランは1人になり辺りを慌てて見回す...
「アラ?ウソ?」
「「どうやら本物だけが残ったみたいだね?」」
暦達は嬉しそうにフランの周りを回り、フランを挟んで左右に囲み空中に静止する
「2タイ1ネ...オイデヨ ドコカラデモ キナヨ」
「クロスゲーム(バトルビリヤード9)」
フランが笑うと暦たちはスペルを宣言し、赤と黒のキューを手に取り、懐から番号の書いてある色とりどりの球を取り出す。
「ナニコレ?」
フランは宙に浮いている球を見る。あれってビリヤードの球だよな? 2人いるから20個球があるけど、特に何も起きない
「ではゲームスタート!!」
暦たちがキューで白い球を弾くと球は他の球とぶつかりあいながら反射しあらゆる方向からフランを攻める
「フン!」
フランは球を全て剣で弾き飛ばすが球はスピードが増して洋館の壁を反射しながら、フランのところへ帰っていく
「ナッ!?」
「「まずは①」」
暦たちがつぶやくと1と書かれた黄色の球が二つフランの体にあたる
「ゲフ!?」
「「②③④」」
次は2番3番4番の球が2球ずつフランにあてる...フランはその次の弾幕から逃れようとするがその先には5番6番7番8番の4球が待ち構えていた
「ゲェー!!??」
「「⑤⑥⑦⑧」」
もちろんその4球もものすごい速さでフランにヒットする...おいおいこれは
「すごいわね...数字の順番通りにあててるじゃない」
「ナインボールだな...」
ナインボールはビリヤードのゲームの1つ...
1~9のカラーボールを番号順にポケット(穴)に落として最終的に9を落としたら勝利となる...まさかこんな弾幕ごっこがあるなんて...
「ひぃいー!」
フランはすでに満身創痍だが、まだ一球残っている9番のボールが...
「「フラン~?まだ9番が残っているよ~!」」
暦たちは白いボールを弾き9番の球を発射する
「やめてー!!私の妹に手を出すなー!!」
フランの前にレミリアが手を広げ現れる?
「あ...あいつ!そこにいたら9番の餌食に!!」
フランはきょとんとした顔でレミリアを見る
「お姉さま?」
「フラン...これが姉である私ができることよ...今までごめんね...」
「お姉様っ!」
レミリアとフランは抱き合うが今はそれどころではない!!
「そんなことしてる場合か―!!!ピチュるぞ!お前らー!!」
2発の9番の球は彼女たちに近づいている!!駄目だ!!ピチュる!!!
と私は思っていたが2発の9番の球はレミリアの目の前で急に互いにぶつかり別の方向へ飛び洋館の窓を突き破り消える...
暦たちの方を見ると2人はキューを肩にあて窓を見ていた
「「ファウルボール...私のスペルは終了ね...」」
ファウルボール...カラーボールがフィールドから飛び出したりした時のペナルティ...暦の奴
「お姉さま...お姉さまー!!!」
「ちょ...フラン!!うぎゃあああああ!!」
フランはレミリアに突撃するように抱き2人は大広間の端からへと吹き飛ぶ
「はは!!!これで完全に終了だな~」
「そうね...」
霊夢はだるそうに伸びをし、私は暦たちの方を見る。2人は軽くハイタッチをすると煙がボワンとあらわれ、次の瞬間暦が1人に戻り、煌炉が暦に駆け寄る
「お疲れ様...母さん」
「うん...お疲れ」
暦は煌炉のことを見ないで大広間の端で目を回しているレミリアと泣いているフランを見ている。その目は彼女たちを微笑ましく見ているがその表情はどこか寂し気な雰囲気を醸し出していた
次回で紅魔郷終了です
ではこれにて