東方五行大神伝   作:ベネト

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風雲大神屋敷最後です




病み暦

side霊夢

 

暦の元に辿りつくために私たちは暦の娘の1人、潤香を仲間に引き入れる...

 

彼女ならこの広い大神家の迷宮を知り尽くしているはず...

 

難なく彼女の元に辿りつけると思っていた...

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴロゴロゴロ~!

 

 

 

「ぎゃああ!!?」

 

「死ぬ死ぬ!!死ぬ~!」

 

「...あら?こちらの道ではなかったようですね」

 

現在私たちは罠に引っ掛かり大岩に追いかけられて廊下を全力疾走している...

 

潤香が仲間に入っても決して楽にはならなかった!

 

「潤香!アンタ!道を全て知っているんじゃないの?」

 

「この方向であっていますが罠まで全ては把握できてはいません...お母様ぐらいじゃないですか?安全に通れるのは...」

 

潤香は澄ました顔で私の横を並走する...

 

こんな時によくもそんなに余裕な顔できるわね!!

 

 

私たちが走っていると早苗の速度が落ち始めてくる

 

 

「はひ...はひ...れ...霊夢さん...私もう...駄目」

 

「早苗ー!止まったら死ぬわよ!!」

 

私が叫んでも早苗の速度は上がらない...

 

「もう...駄目...潤香さん?華楠さんに...私の最後の言葉を...お伝えください...」

 

早苗の速度が下がっていく...このままでは...

 

「...お二方...決して後ろを振り向かないようにお願いします」

 

潤香がその場に止まり岩と対峙する...

 

 

「潤香!」

 

「振り向かないで...」

 

私が振り向こうとすると潤香の鋭い声が響き私たちは振り向くのを止める...

 

落ち着いた口調だが...何故か畏怖を感じてしまうわ...

 

「はひ...はひ...」

 

「早苗!走りなさい!」

 

私は無理やり早苗を押して先へ走る...

 

そして背後から濃厚な妖気を感じ始める

 

 

 

 

「っ!」

 

これは潤香の妖気?

 

彼女が戦っている姿は見たことがないけどこれは...華楠の半獣の姿の妖気と似ている?

 

 

 

ばごぉ...

 

破砕音が背後から響く

 

 

「はい!振り向いて大丈夫ですよ♪」

 

 

潤香の明るい声が響き私たちは後ろを振り向く...

 

 

「...え!?」

 

「...」

 

早苗が素っ頓狂な声を上げ私は黙って目の前の光景を見るしかできなかった

 

 

潤香の背後には真っ二つになった大岩が転がっていた...

 

断面から見て綺麗に切り開かれており、彼女が本気を出したことが伺える

 

「さて...行きましょうか...この先ですよ」

 

潤香は私たちを先導し奥へと進んでいく

 

 

「何があったのでしょうか?」

 

「...大神の本気よ...ん?」

 

私は床に落ちていた黒い毛の束に気づきそれを拾う

 

 

 

 

 

「狐の...毛?」

 

黒いから恐らくは潤香の物かしら?

 

 

ということは彼女はやはり半獣の姿になっていたのだろうか?

 

そういえば...彼女の半獣の姿を見たことは一度もないわね...

 

紫も知らないとか言ってたし、普段から使わないのかしら?

 

もしくは...

 

「...」

 

「霊夢さ~ん!行きますよ」

 

早苗に呼ばれて私は廊下の奥へ進む...

 

 

 

 

 

 

しばらく進んでいくと広い空間に出る...

 

中央にはパイプオルガンがありそれ以外は殺風景だ...

 

潤香はパイプオルガンの椅子に座り鍵盤を鳴らしとある曲を弾く...

 

「良い曲ですね~」

 

早苗はうっとりし潤香は一曲引き終わり伸びをする...

 

 

「ふぅ...腕は鈍っていないようですね」

 

そうするとオルガンの横の壁が開き先に進む道が現れる

 

 

「どうぞ...この先がお母様の部屋ですよ...この先は簡単な罠しかありません」

 

潤香はその先に進み私たちはその先を進む

 

 

 

 

 

残りは直線の廊下だけのようだ...

 

特に罠らしいものはないし警戒する必要はなさそうだ

 

 

しばらく進むと大きな戸がある空間に辿りつく...

 

大きな戸には大きな土狐の像の装飾が施されている

 

「ここがお母様の部屋です...」

 

潤香は戸を指差し進んでいくと物陰からとある人物が現れる...

 

 

「あ...貴女たち...」

 

「あ...アンタは!」

 

物陰から現れたのは暦の生みの親である八意永琳だった...

 

 

服はボロボロで何やら疲れ切っているみたいだ...

 

 

「な...何で貴女たちが?」

 

「暦に会うためよ...塞ぎこんでいるとか...」

 

私が言うと永琳は目を背ける...

 

 

「...そうなの...わ...私もそんな感じよでもこの先の扉が出す問題が答えられなくてね...」

 

問題?

 

潤香の方を見ると彼女は頷く

 

 

「ええ...確かにドアのロックを解除するためには門土狐の出す問題に正解しないといけませんが?」

 

何やら彼女は首をひねっている...

 

 

しかし問題か...

 

天才である永琳でさえ解けない問題となるときついかもしれないわね...

 

早苗は疲弊しきっているし彼女の奇跡も役にはたたなそうね...

 

仕方ない...

 

私は門の前に立つ...

 

どんな問題でも来なさいよ...

 

私の勘をなめんじゃないわ...

 

 

しばらく待つと戸についた土狐が口を開く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お医者さんでうっているものはな~に!?」

 

「...」

 

まさかの問題に全員が沈黙し永琳は喚く

 

「こんな問題わかるわけないわ!置き薬?麻酔?風邪薬?それとも蓬莱の薬?永遠亭で売っている物全て答えたのに正解がないのよ!?」

 

成程...頭が固いみたいね...

 

「注射...」

 

「...正解!」

 

 

土狐が門の鍵を開くと永琳は口を半開きする...

 

 

「な...何で?」

 

「売っているものとは言ってないわ...医者なら注射ぐらい打つでしょ?」

 

永琳は納得しないような顔をし潤香は先を指差す

 

 

「この先です...」

 

私たちは部屋の中に入る

 

 

 

 

 

中は普通の和室であるものといえば机に遊戯道具がある程度だ...

 

そして彼女は部屋の中央にいた...

 

 

 

 

 

 

そう暦だったものが...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「?お姉ちゃんたち...誰?」

 

「!!?」

 

私たちの目の前には白い長い髪の子供がいた...

 

私は見たことあるが力を失った暦とそっくり...いや...本人か...

 

私は潤香に耳打ちする

 

 

 

「暦よね?これ?どうしたの?」

 

「幼児退行...ですか?とある日を境にこうなってしまって...」

 

「うわぁ...」

 

早苗が頭を撫でると暦は懐いた狐のように大人しく気持ちよさそうに身を任せている...

 

そして犬がやる足で頭を掻くしぐさをしている

 

「...野生化してません?」

 

「お恥ずかしながら...」

 

早苗は暦の傍による...

 

 

「暦ちゃん?今何歳?」

 

「...5歳!」

 

幼児退行しているのは間違いないようだ...

 

記憶もそのときのままになってしまっている

 

潤香は自分の母親の痴態に頭を抱え早苗はその場に座り込んでしまう...

 

これは...重症ね...何が起きた?

 

 

暦の変わりように驚いていると永琳はわなわなと震えている...

 

 

「どうしたの?」

 

「こ...暦っ!ごめんねっ!!」

 

彼女は泣きながら暦に抱き着く

 

 

「ふぇ?」

 

「えぅ...えぅ!」

 

泣いている永琳の顔を見て暦の赤い瞳に光がこもり始めてくる

 

「...?あれ?永琳?」

 

「!!?」

 

暦が声を発すると全員が彼女を見る

 

 

 

 

「暦?私が分かるかしら?」

 

「...霊夢だよね?あれ?ここ数か月に記憶が...」

 

暦が回りを見ていると永琳はざめざめと泣き始める

 

 

 

 

「こよみ~!!」

 

「え...永琳?いだだだ~!!」

 

永琳は暦に抱き着き暦の叫び声が部屋に響く...

 

 

どうやら事態の収束は出来たみたいね...

 

 

 

彼女達の方を微笑みながら見ていた潤香は私の方を見て頭を下げる

 

 

 

 

 

「ありがとうございます...色々とご迷惑をおかけしました...」

 

「いいのよ...知った仲だし...」

 

「良かったです...神奈子様達に何とお伝えすればいいかと考えていましたから...」

 

 

私たちが個々に言うと潤香は私たちを交互に見て寂しそうな笑みを浮かべる

 

 

 

「ですが...お母様が羨ましいです...大切に思ってくれる人がいる...自分を思って泣いてくれる人がいる・心配して来てくれる人がいるということにね...」

 

「潤香?」

 

潤香は再度私たちを見る

 

 

 

 

 

「博麗の巫女・守矢の巫女...もし私が変な気を起こしてしまったら...そのときは...私を退治してくださいね...」

 

「アンタ...何言ってるの?」

 

「そうですよ!潤香さんは幻想郷のパワーバランスの一角の大神家のうえ人々に慕われているじゃないですか?」

 

まさかの潤香の言葉に私たちは言うが彼女は薄く笑みを浮かべるだけだ

 

 

 

「...聖人と言われてますが所詮は生き物...善・悪のバランスも50:50です...決して世の中100:0・0:100というのはありませんからね...では私はこれで...」

 

潤香はそのまま部屋を出ていってしまう...

 

 

彼女が言っていた意味は何なのか私には分からない...

 

 

彼女が何を起こすかなんてこと...

 

 

私たちは言われたことを胸に秘めながら目の前の光景を見ているしかなかった...

 




案外早く終わりました

次回日常

ではこれにて
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