東方五行大神伝   作:ベネト

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緋想天...

始まりです


大地震と緋色の雲
突如の異変


○月×日...

 

幻想郷のいたるところにセミの鳴く音が響きわたり、幻想郷に夏が来たことを告げる...

 

そんな暑中、大神家当主である大神暦は一人、ゆったりとした足取りで博麗神社へと向かう...

 

いつもの何気ない日常だと彼女は思っていたが、悲劇の引き金は刻一刻と迫りつつあることを彼女は知らない...

 

 

 

 

 

side暦

 

「あ~!...幻想郷に移り住んで10年経とうとしてるけど...この暑さは変わらないな...」

 

博麗神社へ向かう道中...私はこの猛暑に愚痴を漏らす...

 

毎年の事だが、こればっかりは私の力であってもこれはどうにもならない...

 

暑さで省エネモードの子供の姿にならんといけないし色々と不便だ...

 

 

幾ら幸運が舞い込んでこようが、どうあがいても、気候までは私の力は及ばない...

 

分かりきったことだけどね...

 

 

 

 

 

「とりあえず博麗神社で冷えたお茶でももらおうかな?千円あれば足りるでしょ...」

 

そんなことを考えながら、いつもの通りに私は神社の石段に足をつける...

 

 

 

 

 

 

ごごごご!!

 

石段に足をつけた瞬間、地面が大きく揺れる!?

 

「地震?」

 

私はその場に体勢を崩してしゃがみこむが、思っていたより激しい地震みたいだ...

 

動くことすらままならない!

 

「...今まで経験したことがないくらいの地震かも...まぁ...すぐにおさまるでしょ...」

 

その時の私はそう考えていた...

 

とある音を聞くまでは...

 

 

 

 

ごごご...ががが...がっしゃーん!!

 

 

「!?」

 

何やら上の方でとんでもない破砕音が響く...

 

何かが壊れた音?

 

にしても随分と重い物が破壊されたような音だ...

 

「いや~な予感...」

 

しばらくすると揺れがある程度おさまり、私は神社の方へ向かう...

 

何か嫌な予感がする...

 

私の勘だけど...

 

とんでもない事が起きた気がする...

 

 

 

 

 

 

「...」

 

神社の境内に到着し私は目の前の光景を見て言葉を失う...

 

目の前には倒壊した博麗神社...

 

柱が折れ、屋根が落下し元の博麗神社の面影は全くなかった...

 

只の瓦礫の山だ...

 

「あれあれ?おかしいな...私の目のチャンネルが違うな?」

 

目をこすって目の前の事態を逃避しようとするが、やはり駄目...

 

境内に座りこんでいる霊夢が目に映りこんだからだ...

 

 

 

 

 

「...」

 

彼女は崩落した神社を唖然と見つめている...

 

恐らく何が起きたのかまだ理解できていないのでしょう...

 

「れ...霊夢?大丈夫?」

 

私は彼女の傍に近寄り声をかけるが彼女はわなわなと震えるばかりだ...

 

「あ...あああ!!」

 

「怪我は無い?...見えないけど...」

 

霊夢に触れようとするが彼女は私の手を振り払い立ち上がる...

 

 

 

 

「わ...私の神社がー!!!!」

 

 

彼女の絶叫が幻想郷中に響く...

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢をなだめてしばらくすると、空から霧雨魔理沙がかけつけ、スキマから八雲紫が登場する...

 

彼女たちは無残な神社を見て顔をしかめる...

 

「これは...酷いな...」

 

「...」

 

そして魔理沙はざめざめ泣く霊夢に近づき頭を撫でる...

 

 

「うん...何というか...運がなかったな...全く...久しぶりの晴天だというのにとんだ災難だな...」

 

「ぐす...ぐす...」

 

「まぁ...自然の力だし...」

 

「...キッ!!」

 

私がフォローの言葉を入れると霊夢は私を睨む...

 

「う...や...やめてよ...そんな目で見るの」

 

「...よ」

 

霊夢は立ち上がり何かをつぶやく

 

 

 

「何だぜ?」

 

「異変だって言ってるのよ!!この地震は誰かが仕組んだものよ!!」

 

霊夢は私と魔理沙に一喝する...

 

 

「いくら何でも...」

 

私の言葉に魔理沙も薄らと頷く...

 

どうあがいたって自然災害に遭われたとしか言いようがないような?

 

私たちが冷や汗を流していると目の前のスキマが開く...

 

 

 

「どへ!?」

 

スキマから落ちてきたのは伊吹萃香...

 

「お?萃香じゃねえか?」

 

「何で急に?」

 

スキマを出したであろう、紫の方を見ると彼女は神社の方を見ているだけで、こちらには向かない...

 

 

「おいおい!!何だよ!いきなり!!」

 

萃香はキョロキョロと辺りを見回す...

 

そして神社の方を見て動きを止める...

 

 

 

 

「あちゃ~!これは派手にやったな...」

 

萃香は神社をしばらく観察した後、紫の方を向いて何かを悟ったのか頷く...

 

「あいよ...とりあえず時間をくれ」

 

「頼んだわ...」

 

「これは貸しだからな!うまい酒でも持ってきてくれよ!」

 

萃香は霧散して神社の奥へと消える...

 

今の会話で何が行われたのだろうか?

 

私はそっと紫に近づく...

 

 

 

 

「何を頼んだの?」

 

「神社の修繕よ...あの子に任せとけば、ほぼ元通りになるわ...」

 

紫は私の方を振り向く...

 

その表情は特に感情を感じさせないが、少し嫌な予感がする...

 

 

「ほぼ...ね」

 

まぁ...彼女の言うことが本当なら神社は元に戻るだろう...

 

過去の思い出を除けばの話だけど...

 

紫はスキマを開きその中へ入り口を開く...

 

「暦...霊夢の言うとおり、これは人為的何かを感じるわ...」

 

「人為的?」

 

「ええ...私はそれを調べるから貴女は別の所から調べて頂戴...」

 

彼女はそう言い残し、スキマを閉じる...

 

人為的何かって...

 

というか...巻き込まれた気がする...

 

 

 

「はぁ...どうしろと...っ!!」

 

(じーっ!!)

 

霊夢の方を振り向くと彼女は私に近づきじーっと睨んでいた...

 

近い近い!!

 

 

「近いって!霊夢!!」

 

「ほら!紫だって異変だって言ってるじゃない!!」

 

「確かにそうだけど~?」

 

(ジトー!!)

 

彼女は更に私に詰め寄る...

 

「うぐぐ...」

 

体中から冷や汗が流れてくる...

 

この炎天下が原因ではない!

 

これは恐怖から来るものだ!!

 

この私が...永琳以外の人物に臆するなんて!!

 

 

 

 

 

 

「ま...魔理沙~!」

 

そっと魔理沙の方を見るが彼女はすでに箒にまたがり上空にいた...

 

 

「よ~し(棒)分かったぜ~(棒)私も最近雨が酷いと思うからそれを調べてみるぜ~(棒)」

 

彼女は見事な棒読みでそのまま逃げるように飛び去る...

 

神よ私を見捨てたか...

 

 

「で?アンタはどうするの?」

 

「う...分かったよ...とりあえず私の方でも調べてみるからさ...」

 

私は大神家に転移の術をし、博麗神社を後にする...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大神家

 

 

「はぁ...」

 

神社の大橋に着陸し私は大きなため息をつく...

 

異変って言われても、どこから手を付ければいいのさ!!

 

全く...娘たち全員召集させて調べさせたほうが早いかな?

 

「とりあえず...通信機に連絡入れて...それから...」

 

 

「あの~?すみません?」

 

「はい?」

 

後ろを振り向くと、そこには見慣れない人物が私を心配そうな顔をして見ていた...

 

紫色の髪に長いリボンのついた帽子に羽衣・黒のロングスカートを身に着けている女性...

 

何というか不思議な雰囲気がするな...

 

 

彼女は私と目線が合うようにしゃがんで微笑む...

 

「急に現れてごめんなさいね?私は天界から来た永江衣玖と申します」

 

彼女は名刺を私に差し出す...

 

 

(竜宮の使い 永江衣玖)

 

...竜宮の使い?天界?なんだそれ?

 

とりあえず私は名刺が無いので頭を下げる...

 

「こ...これはご丁寧に...」

 

「本日は大神の主様に要件がございまして...主様と面会を希望したいのですが?」

 

 

 

 

「大神の主は私だけど?」

 

「え!?」

 

衣玖と名乗った女性は少し表情を引きつらせて私を見つめる...

 

そうだ...今子供の姿だった...

 

私は体を成長させて大人の姿へと変わる

 

 

 

 

 

 

「失礼...大神家当主...大神暦です」

 

「え...」

 

衣玖は鞄から何やら書類のようなものを取り出し、それを眺めた後に頭を深々と下げる...

 

やはり子供だと勘違いしていたか...

 

 

「これは失礼いたしました!大神の当主さまでありましたか」

 

「いえ別に?...そういえば先ほど私に用があるとかなんとか?」

 

彼女は申し訳なさそうな顔をしながら頷く...

 

 

 

 

 

「ええ...実は私の主である総領様からとあることを頼まれまして...」

 

総領?

 

さっき天界とか言っていたし、その世界の重鎮なのかな?

 

まぁ...異変探しに忙しいけど、客人を返すわけにはいかないか...

 

 

扉を開けて私は衣玖を中へと通す...

 

「とりあえずここではアレなので中へどうぞ...」

 

「恐れ入ります...後!もう一つお願いが...」

 

「何でしょ?」

 

「貴女の娘様達もご出席を願いたいのですが?」

 

...私だけではなく娘まで?

 

 

「ええ...すぐに呼び出しますとも」

 

何か違和感があるが問題はないか...

 

スケジュール上は全員屋敷にいる予定だ...

 

私は衣玖を屋敷に通して娘たちを呼び出すことにした...

 

異変の探索はその後で良いでしょ...

 

 




お待たせしました...

緋想天を開始します

ではこれにて
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