白玉楼にて
白玉楼では完全体となった大神銖理の騒音...もといラストライブが開かれていた。
彼女の音響兵器に妖夢・幽々子は苦戦を強いられており、徐々に押され始めてきている。
side妖夢
「BOOOOOOO!!!」
「うぅ!!」
辺りに騒音が響き渡る!!
頭が痛くなるというのに、騒音に混じって弾幕までこちらへ飛んでくる。
只でさえ銖理さんは本気の姿で戦っているし油断はできない!
この戦い...長期戦になるとこちらが不利になる!!
「はぁぁぁ!!」
私は捨て身の覚悟で銖理さんに切りつける!
師匠だって銖理さんを切ることができた!私にもできるはず!!
「踏み込みが甘いッス!!」
銖理さんが斬撃を装甲で防ぐ!!
硬い!これでは両断なんて不可能!!
「今度はこっちから向かうッス!!」
アンプが私の方を向く!!
「私がいること忘れてないかしら?」
幽々子様の声が響き大量の蝶が銖理さんの体を包み込む!
「うげ!?見えねぇッス!!」
私を視認できなくなった銖理さんは音声を中断して首を振る...
幽々子様の蝶は大神家の者には聞かないし体に触れただけで消滅してしまうけど、装甲で体を覆っている銖理さんは別...
直接触れたわけではないから体にまとわりつくことができる!!
幽々子様を見ると霊力を溜めている。
「幽曲(リポジトリ・オブ・ヒロカワ)」
大量に生まれた蝶が銖理さんの元へ飛ぶ!
視界不良の銖理さんはそれを避けることが出来ずに次々と被弾していく!
「いてぇ!!!いてぇッス!!」
蝶が消えて銖理さんの姿が露わになる。
装甲には傷・凹み・焦げなどがあり、すでにボロボロだ...
私にはできなかったというのに幽々子様がやり遂げるとは...
「妖夢!攻撃なさい!!今なら刃が通るわ!!」
「は...はい!!断迷剣(迷津慈航斬)」
刀を銖理さんの頭部へと叩き付ける!
銖理さんの頭部の装甲は割れて彼女の頭部が露わになる!
「っ!!!うごぉ...」
銖理さんは後退して頭を振る。
白い毛並みの頭部は赤く染まっており、彼女にダメージを与えたようだ!!
...少しやり過ぎました
「きついの食らったわね...」
「...やってくれる!!」
幽々子様が微笑むと銖理さんの金色の目が激しく光る...怒らせたみたいです...
銖理さんの体から禍々しい妖気があふれ出してくる。
そしてアンプが私達の方を向き、銖理さんは息を吸う...
「私のラストソングだ!!死ぬなよ!!最大音響(デスメタル・ハウリング)」
銖理さんが遠吠えをするとアンプから最大量の音波が私達に飛んでくる。
空間が震え、音量で思考が!!
私達は立っていることもできずに吹き飛ばされる!!
「ごは!!!」
目を開けると白玉楼の食糧庫の中に私はいた...
壁の穴を見るとさっきまでいたところが遠くに見える...相当吹き飛ばされたみたいです。
「ぐっ!!」
体を動かそうとすると悲鳴が走る。
音波とはいえ、あれを直に食らいましたし体のダメージが大きい...
頭をガンガンします...
「...!幽々子様は!?幽々子様!!」
私は辺りを見回すと幽々子様を発見する。
「...きゅ~」
お米の俵に頭を突っ込んで気絶しているみたいです...
幽々子様がこんな状態!!どうすれば!!
「まだ!終わってないぞ...ごら!!!」
遠くでは銖理さんがこちらへと向かってきています!!どうすれば!!!
「むー!むー!!!」
「!?」
突然響く声に私は食糧庫の奥を見る。
ああ...そういえば彼女がいたのを忘れてた...
奥には縛られた状態で猿ぐつわをされている夜雀こと、ミスティア・ローレライさんがいました...
幽々子様がさっき捕まえてきて、夕食にどうとか言っていました...
私はミスティアさんの猿ぐつわを取ると彼女は怯えた顔で私を見つめる。
「いや~!食べないで!!」
「食べませんよ!早く逃げてください!銖理さんが暴れて大変なのですから!!」
私の言葉にミスティアさんはキョトンとする。
「え?銖理いるの?」
そういって彼女は食糧庫の穴かた外へ出る。
「ちょ!!危ないって!!」
私も彼女を追って外を出る...
外に出るとミスティアさんは銖理さんと対峙していました...
ただ...
「あれ?銖理?何でここにいるの?」
「ひっ!!?何でミスチーが?」
何故か銖理さんの方は怯えるように体を縮めている...
一体何が起きたのでしょうか?
「あれ?どうしたの?私のこと怖がっているということは何かやったの?」
ミスティアさんの顔が少し険しくなる...
銖理さんは否定するように顔を横に振るが...
「あれ?確か?」
(己が秘密を守るため~♪ミスチーのお仕置きだけは受けたくない~♪)
「とか言ってましたよね?」
確かに大神家は何かの理由で今回の異変に関わっていました...
ということは銖理さんの動機はミスティアさんが関わっているのでしょうか?
銖理さんは余計なことを言うなという顔で私をにらむがミスティアさんが立ちふさがる...
「銖理?秘密って何?」
「ひぎぃ!!」
銖理さんはあまりの恐怖からか妖狐の姿から元の半獣の姿へと戻る。
頭に攻撃を受けたため、額から血を流しており、只でさえ白い顔を恐怖からか更に蒼白にしています。
「まさか...浮気?それともイーティング・ザ・チキン?」
ミスティアさんの問いかけに銖理さんは目を回している...
「...参加したくない異変を受けたのに!!結局バレるなんて...何で...こんな...」
銖理さんは目を回してその場に倒れこむ...
まさか...こんな形で勝負がつくとは...
ミスティアさんは銖理さんの尾を掴んで私の方を向く...
「銖理がお世話になりましたー私の方でお仕置きしますのでー♪」
銖理さんの引きずりながらミスティアさんは門の中へと消える。
「...」
我ながら呆気ないと思う。
でも穏便に済ますことができてよかった...本気の大神家の皆さんと戦いたくありませんし...
「...あ!幽々子様を助けなくては!」
私は食糧庫へ向かう...
一方魔法の森
魔法の森では、完全体となった大神華楠と助っ人の永江衣玖が雷を放出しながら、霧雨魔理沙・アリス・マーガトロイドを追い詰めていく...
華楠は一度戦って勝った相手だが今度は心の底からの本気...
そして能力が未知数の相方である永江衣玖がいるため、魔理沙の方も戦いし辛い状況に陥っていた。
side魔理沙
華楠と衣玖の雷撃を避けながら牽制する私とアリスだが、どんどんジリ貧になってきている...
「アリス!距離をとるぞ!!」
「わかってる...わ!!」
アリスの方は消耗し始めている...
これ以上華楠の相手は厳しいか...
「華楠さん...詰めていきますよ?」
華楠の体の上で指揮を執っている衣玖の存在...
華楠と同じく稲妻を操ることができるみたいだが油断はできない!
何かしら特殊な力を持っているはず
「お...おい追い込むのか?追い払うだけでいいと思うが?」
「...」
狼狽える華楠に対して衣玖はトランクを持ったまま微笑むだけだ...
華楠は衣玖の方を向くのをやめる。
「死ぬなよ!君ら!!!最大雷鳴(アレクサンダー)」
華楠が口を開くと巨大な稲妻が私達の方へ向かう!!
まずい!私はともかくアリスが逃げられない!!
やるしかない!!
私は八卦炉を華楠に向ける。
「ちくしょー!!マスタースパーク!!」
華楠の放つ雷撃と私のマスタースパークが相殺して辺りに余波が流れる。
「くああ!?」
「きゃ!」
私とアリスは吹き飛ばされ、華楠達は距離を詰めていく。
「あらあら...すごい...」
衣玖は風で帽子が飛ばないように手で押さえており、華楠は目を閉じる。
「何故...抗うのだ...」
衣玖は華楠の様子を見て溜息をつく。
「これ以上は厳しいでしょうね...仕方ありません私がやりますか...」
羽衣を私とアリスへ伸ばす、羽衣は私達の手に絡みつくが...もうこちらは余力がない...
「何だぜ?」
「うっ」
「少し眠っててもらいましょうか?びりびりっと!」
羽衣から軽い電気が通り私達の体を巡る!
「うぐ?」
「...っ」
ダメージはないが...体の力が抜けていく...
ちくしょ...ここまでなのか...
衣玖は羽衣を戻して溜息をつき、通信機を取り出す...
「とりあえず...これをやっておけば上からは何も言われないでしょう...」
「...おい...約束を忘れるなよ」
「分かっています...これで貴女は自由ですよ...」
華楠は衣玖に言うと彼女はトランクの鍵を開ける...
...と同時に空から光弾が彼女達に発射され、華楠が尾を盾にして防ぐ。
「何です?」
「...これは」
衣玖は困惑しており、華楠の方は何かに気づいたのか顔を真っ青にしている...
光弾を放ったのは私達じゃない...一体誰が?
「大丈夫ですか!魔理沙さーん!!」
空から降りてきたのは予想外の人物だった...
緑色の長い髪の巫女...東風谷早苗が私の前に降りてきた。
「東風谷早苗です♪」(バチコーン)
「...あ!早苗?何で?」
早苗は私とアリスに回復の術を掛ける
「強力な力を感じましたのでここに来たんです...やはり妖怪に襲われていましたか...」
早苗は華楠・衣玖の方を見てお祓い棒を向ける。
華楠の方は口を開けたまま慄いている...
「なんで...なんで?...なんで...さなえが?」
「!?魔理沙さん!何ですこの妖怪?私の名前を知っているみたいですが?」
そうだった...早苗は華楠の妖怪の姿を知らなかったんだよな...
華楠の奴の方を見るとショックを受けたのか頭・体に矢印が刺さっている。
「早苗...あれは...華楠だぜ?」
「え?」
早苗は信じられないように華楠を見た後、アリスを見る
「...真実よ...現実を受け止めなさい」
「...華楠さん?」
「うぐ...」
華楠は半獣の姿に戻る...
そして急に戻った所為か...華楠に乗っていた衣玖はバランスを崩して地面に尻餅をつく...
「痛い!!急に戻らないでくださいよ!」
衣玖の言葉が届いていないのか、華楠はその場に立ち尽くすだけだ...
「えっと...これは...その...」
「何で華楠さんが魔理沙さん達と戦っているのですか?冗談ですよね?」
華楠は目を泳がしながら冷や汗をかいている...
恐らく言い訳を考えているのだろう...
「こ...これは...何か...間違えが...おい!!衣玖!!トランクを閉めろ!!」
「え?」
衣玖の方を見るとトランクが開いており、中から写真のようなものが地面に広がっている...
「あ!!すみません!!」
衣玖は慌ててそれを回収しようとするが風が吹いて2枚の写真が早苗の方へ飛んでいく...
それを見た華楠が慌てて早苗の方に向かう
「早苗!見るな!!」
「...」
早苗の方は写真を凝視しており、顔を真っ赤にしている。
そして華楠の方へ写真を見せる
「か...華楠さん?これは一体?」
「!!!!」
私達の方では見えないが華楠は写真を見て固まり、その場にへたり込む...
衣玖の方はあたふたしている...
「あー!何てこと!!そんなつもりでは!!!」
何やら取り返しのつかないことが起きたみたいだ...
華楠の方を見ると体を震わせている...
「...うっく!!ひっく!!」
「!!!」
華楠は大粒の涙を流していた...
何が起きたんだ?
早苗は早苗で混乱しているみたいだ...
「か...華楠さん?泣かないで下さいよ!?誰だって過ちは...」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ...ぁああああ!!」
早苗の言葉を聞いた華楠は慟哭を上げる...
そして彼女は立ち上がる
「ああああぁぁぁぁ!!!」
そして彼女は魔法の森の奥へと消える。
「か...華楠さーん!!」
早苗は力なく木に寄りかかり衣玖の方を向く...
衣玖は顔を真っ青にしている...
「貴女が華楠さんをいじめたんですね!?」
「わ...私じゃない!!わ...私だって被害者なんですよ!!」
衣玖は怯えながら弁明するが早苗はユラリと近づく...
私達の方からでは確認できないが早苗は今どんな顔をしているのだろうか?
「問答無用です!!八坂の神風!!」
早苗の周りに空気の渦が出来て衣玖に放たれる!
「ひぃやー!!!」
衣玖はトランクの中身をばら撒きながら空へと消える...
辺りに散らばるのは写真の雨...
その中央では立ちすくんでいる早苗の姿があった...
side衣玖
「ああ...もう!」
打ち上げられて私は真っ青な空を見る...
華楠さんに悪いことしちゃいました...こんなはずではなかったのに...
私は落下しながらまた森へと落ちていく...
「大神の皆さんには後日お詫びをしないと...」
「うぁぁぁぁ!!!」
声を聞き下を見るとそこには泣きながらへたり込んでいる華楠さんが!!
いけない!!このままでは私と衝突します!!
「か...華楠さん!避けてください!!」
「ふぇ...?」
残念ながら時すでに遅し...私達は頭で正面衝突を起こして倒れる...
「...うぐぐ...すみません!華楠さん!」
「...きゅー」
...華楠さんは気絶していますか
本当に悪いことばかりしています...
ぷるるる...
私の懐から電子音が響き私は通信機を取る...
「...はい...永江です」
(もしもーし!衣玖~?お疲れ~!)
...この声まさか
「...総領娘様ですか?」
(他に誰かいるのかしら?)
間違いない...総領娘様だ...
何で急に連絡を?
「...すみません総領娘様...只今ぼこぼこにされて連絡どころでは...」
通信機から息をのむ音が聞こえる...
(ぼ...ぼこぼこ?大丈夫なのアンタ?)
「ええ...しばらく休みをもらいたいくらいです」
(悪いわね...私の為に...それの件は...掛け合うからゆっくり休みなさいよ?)
「はい...では...」
通信機を切り私は目を閉じる...
軽いとばっちりを受けたわけですが...これを聞いて後悔はなくなりました...
少しは私も救われたかも...しれませんね...
大神家2名脱落
残り2名...
ではこれにて