銖理・華楠が災難に会っている頃...
妖怪の山の麓では大神家の境奈・煌炉の2人の激闘が行われていた。
どちらとも本気の覚醒妖狐モードになっており、辺りは戦場と化している。
境奈は土狐を大量に量産し、煌炉は獄炎を吐き出す...勝負の行方は誰にも分からない...
「銀弾(未鎖射流土狐)発射!!」
境奈の尾から銀色の土狐が煌炉へと放たれる。
高速で放たれた土狐を尾を盾にして防ぐが土狐が爆発し後退する。
「未鎖射流土狐...姉さんの式神の中では最強の部類のモノか...」
境奈は頭に乗った王冠を弄りながら笑みを浮かべる。
「アタシの本気だものね...そりゃぁ作品にも力が入るというものよ...次無礼土狐」
境奈の尾からは今度は銅色の土狐が現れて煌炉へ放たれる。
先ほどより速度が遅いため煌炉は尾でその土狐を薙ぎ払う
「さっきの方がまだよかったと思うけど?」
「おバカさん♪」
境奈が妖気を噴出させると煌炉が薙ぎ払った土狐に爆発する...そしてガラス片が刃のように煌炉へ突き刺さる。
「!?なるほどね...でもこの程度では大したダメージにもならないわ」
煌炉は尾を境奈に向けて伸ばそうとするが途中で動きがピタリと止まる。
「な?」
「これで貴女はアタシのマリオネットよ♪」
煌炉に刺さったガラスの破片から妖気の糸が出て境奈の爪につく
「この子たちは殺傷を主にした式神ではないわ...対象にアタシの妖力を流し込み操り人形にするのが目的の物よ...油断したわね煌炉...」
「っ~!」
煌炉は体を動かそうともがくが微動だにしない...
境奈は尾から銀色の土狐を出す
「さぁて!ここからがアタシのターンよ!未鎖射流土狐!」
尾から銀色の土狐が発射され煌炉は避けることが出来ずに被弾する。
ボン!!
爆発が響き煙が辺りを包む...
境奈は勝ちを確信し踵を返す
「さて...早く紫を追わないとね...」
煌炉に勝利し一息つく境奈だがすぐに異変に気付く...
辺りを覆う煙が全く晴れないことに...
「...火薬の量が多かったかしら?...いや...これはまさか!!」
境奈が後ろを向くとまだ煌炉が立ち上がっていた...
そして煌炉の体から灰色の粉塵の煙が噴き出し辺りの空間を覆う。
「最大爆炎(エクスプロージョン・パウダー)」
煌炉がその煙に火の粉を飛ばすと辺りの空間が大爆発を引き起こす
「...はぁはぁ」
辺りに再び煙が舞う中、傷だらけの煌炉は地面に臥して荒い息を吐いていた...
煌炉の大爆発により辺りは草原だったその場所は焼け野原になって戦場の後のように変貌した...
「とりあえず...境奈姉さんは無事には済まないだろう...あの完全態の姿は打たれ弱いからね...」
煌炉の言う通り境奈の完全態は小さな子狐の姿であり、華楠・煌炉・銖理のような大型の姿を持っていない...
それ故に強力な力を持つ分耐久力が低いのだ...
この爆発に巻き込まれたら彼女は無事に済まないと確信があったのだろう...
「...!」
だが煙が晴れ行く中大きな影を見つけて煌炉は再び臨戦態勢になる...
煙が晴れ辺りの視界が安定し始める
「可燃性の粉を辺りにばら撒き爆発させるアンタの必殺技...なかなかやるじゃん...でも範囲が広いみたいだけど爪が甘いのよねアンタは...」
煙が晴れ煌炉の目に映るのは大きな土狐...
その口が開いて中から境奈が頭を出す...
「土狐の中に隠れたのか」
「そうねぇ...アンタらとは違いアタシは繊細だからね...」
「なら!今度はそれごと破壊してやる!」
煌炉は再度爆撃を行うが境奈は土狐から出て地面の中へ入りそれを避ける...
「ほらほら!こっちよ!」
境奈は地面から顔を出し煌炉の周りの穴から次々と顔を出す...
一種のもぐらたたきになっている...
「なら!これならどう!?」
煌炉は穴の中に粉塵の煙を入れて発火する...
大爆発が起こり地面にひびが入る。
「はい!残念...そろそろ時間が惜しいし終わりにしますかね...」
境奈は別の地面の穴から飛び出して煌炉に尾を向けると尾の中から金色の土狐が顔を出す。
「最高作品(裁きの金土狐)」
9匹金色の土狐が口を開けるとレーザーが煌炉へと飛び彼女の体を貫く...
「かはっ!?」
「はい...まだいくわよアンタが倒れるまでね...」
駄目押しのレーザーが乱射され煌炉の体を次々と貫いていく...
急所を避けているのは境奈のせめての情けだろう...
「う...ぐぁぁ...」
そのダメ押しのレーザーで限界を迎えたのか煌炉は半獣の姿へ戻り地面に臥す...
「...頑張った方じゃない?」
境奈は妖怪の山の方を見つめて歩を進める...
脅されているとはいえ本気を出した境奈は任務は忠実に行う...
煌炉を倒した今彼女の次の標的は八雲紫になった...
「さてと...過去ではあいつらにぼこぼこにされたし...ここでリベンジとでもいきますかね...」
「...させるわけ...ないだろう?」
背後から何者かが境奈を抱きしめる
「!?あ...あんた...」
境奈の目に映るのは煌炉の姿...
彼女は嬉しそうに境奈を見つめる
「捕まえた♪...これで式神は使えないでしょう?」
「あ...」
境奈と煌炉が密着しているため、攻撃範囲の大きい境奈の式神は完全に使い物にならなくなった...
それに気づいた境奈は冷や汗を流す
「あ...あのさ?煌炉?取引しないかしら?お姉ちゃん...負けを認めるからさ...家に帰るからさ...痛みつけるのだけ勘弁してくれない?」
境奈の言葉に煌炉は笑みを浮かべる
「だーめ!一緒に爆発してもらおうか♪」
「いやだー!!!!!」
ボン!!
煌炉が爆発して彼女たちは地に臥す...
「引き分けか...我ながら...頑張ったほう...かな?」
煌炉は気絶し、境奈は完全態から半獣の姿へ戻り天を仰ぐ...
「...はは...罰があたったのかなぁ...」
境奈も目を閉じ戦いが収束する...
残りの大神家は暦のみ...
side暦
一方そのころの暦は妖怪の山の中におり、フランからもらった飴を舐めながら登山を行っていた...
「へっくし!!...あれ?」
妖怪の山の中で私は大きなくしゃみをする...
何だか嫌な予感が...
「虫のしらせってやつかな...念のため他の子がどうなっているか...確認を...」
華楠=リタイア
境奈=リタイア
煌炉=リタイア
銖理=リタイア
潤香=ノーマル
あれ?ほとんど全滅?
「嘘でしょ?あの子達本気出すって言ったのに!!」
私はとっさに潤香に連絡を入れる...
この危機的状況!彼女なら何とかしてくれる!!
(大神潤香です...)
「あ!潤香!ちょっとお願いが!」
(只今電話に出ることができません...要件をどうぞ...)
ピー
...留守電か
これでは私が何とかするしかないじゃない!!
「はぁ...ついてない...ん?」
ふと向こうを見ると霊夢の姿が見える...
彼女もここに来てしまったのね...
仕方ないわ...私の未来のため...霊夢には...
side霊夢
「異変の元凶が近いわね...」
私は山の頂上を見上げて先へ進む
独自に調べた結果だけど天界というところにその元凶はいるみたいね...
私の神社を倒壊させた罪...償わせてあげるわ!
「おーい!霊夢ー!」
「ん?」
声の方向を見ると暦が手を振りながらこちらへとやってくる...
完全態の姿になっているけど...随分とボロボロね?
「暦...どうしたのよ?そんなにボロボロで」
「...まぁ少し事故に巻き込まれた感じでね」
彼女は目をそらす...
まぁいいわ...暦がいればこの先何とかなるものね...
私は上の方へ進んでいく
「アンタも役目は分かっているんでしょ?先へ進むわよ...」
「うん!分かっているよ!自分の役目はね...」
「霊夢!気をつけなさい!!」
誰かに腕を引っ張られて私はバランスを崩して倒れる
そして私の真上にチップが飛び木に刺さる...
その弾道の先には暦がいる...このチップも暦の物だ...
一体何が?
暦の方は嫌そうに溜息をついて辺りを見回している
「邪魔が入ったね...出てきなよ紫!」
「ええ...まさか貴女とこうやってまた対峙するなんてね...」
スキマから紫と藍が出て来て私の横に立つ...
自体を呑み込めていない私は暦と紫達を交互に見るだけだ...
「紫?どういうこと?何で暦が?」
紫は溜息をつく
「今回も暦達大神が異変に関わっているのよ...」
「え?」
暦の方を見ると彼女も嫌そうな顔をしている
「弁明するなら...私達も不本意なのよね...それだけはわかってよ?」
「暦!!アンタね!!」
暦は耳をふさぐ...
「ごめんって...悪いとは思っているよ...とりあえず終わったら何らかの形で償いはする...でもその前に...」
暦は剣を取り出して私達に向ける...
「大神家として...貴女たちの前に立ちふさがるわ」
...暦の奴本気ね
...また戦うことになるなんて
紫は私の横に立つ
「暦の本気よ...気を抜いたら危ないわ」
「分かってるわ!暦!これが終わったらこき使ってあげるから覚悟なさい!!」
私達は暦へ向かう
前の異変の時とは違い今度は本気の姿...
苦戦を強いられるわね...
次回暦戦
ではこれにて