とりあえず緋想天の異変は終了で
神社倒壊の異変の黒幕である比那名居天子は博麗霊夢・八雲紫の手により倒された...
彼女達は星になった天子の姿を一瞥した後、天界から出る準備をし始めていた。
side霊夢
「...これで終わりね」
「後は...もう一度天子を神社に呼びつけて今回の責任をとってもらわないと...」
私は気絶している暦を見る。
もちろん暦も今回の事については責任をもってもらわないと...
仲間だというのに異変側に回るなんて酷い裏切りよ...
「...帰るわよ紫」
「ええ...とりあえず暦はここにはおいてはおけないし...私が運びましょうかね?」
紫が暦に近づこうとすると辺りに霧が立ち込め始める。
「さっきまで晴れてたのに?」
「...あらあら...異変は終わったわよ?随分と遅い出勤じゃない?潤香?」
紫が霧に向けて言うと霧の中から暦の娘である潤香が出てくる。
「ええ...そのようで...」
潤香はあくびをし、クマのできた目で私達を見つめた後、暦の方を見る。
「何でアンタがここに?まさか暦のかたき討ちでも来たの?」
潤香は首を横に振る。
「いえ?只お母様の回収に来ただけです...私は今回の異変には全く関わりはありません...」
彼女は暦の体を抱えて私達に頭を下げる。
「今回は私の家族がご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません...後日お母様は神社に派遣します...好きに使ってくださって構いませんので...」
実の母親を好きに使っていいというのは問題発言だと思うけど...ここは潤香に任せておいた方がこちらとしても都合がいいわ。
「...暦のことは任せたわ」
「ええ...では私はこれで...」
潤香は霧の中へと消える...
日が経ってから暦には来てもらいましょう...
「...帰るわよ」
「ええ...私も煌炉の事が心配だし」
私達は来た道を戻り地上を目指す...
これで異変は終わり...残りは黒幕+aの処遇を考えないとね...
大神家にかかる大橋に暦を抱えた潤香が現れる...
彼女はその橋を渡りながら抱えている暦を見つめて溜息をつく...
その顔は疲れと焦燥を見せており、彼女は髪に着けているボロボロになったリボンに触れる。
side潤香
「...これがお母様の実力というわけですか」
今回の異変を影ながら観察して分かったことは、お母様の底知れない実力というものを理解できたということです...
紅魔館では当主とその部下を纏めて倒し、我々と同等の力を持つ八雲藍を力をセーブした状態で体術のみで倒す・今回の異変の黒幕である比那名居天子を弱体化させるなどのことをやってのけた。
体術を使ったお母様というのは見たことがありませんが、速さ・力ならまだ煌炉お姉様の方が上の感じがします...
しかし気を付けるのは紅魔館で放った術と天界で放った術の2種類...
どちらとも違う力でしたが強力なものです...
覚醒九尾状態の私でも...耐えられるものではありません...
一度はお母様に勝ったとはいえ、あの時はまだ自身の力を取り戻して間のない頃...
本気での戦いになったら私が本気を出しても...とても手に負えるものではありません...
「...私は...約束も守ることはできるのでしょうか...」
あの方が眠りについて約1400年経過しました...
復活がそろそろ来るみたいですが...幻想郷においてそれは異変の部類でしょうね...
そうしたら霊夢・魔理沙の一行に私の家族が異変に向かうはず...
彼女達を私が止められるのでしょうか...
「...様」
心配になっている場合ではありませんか...
私に出来ることをしないといけません...
その問題に対応すること...それが私の役目なのですからね...
屋敷に辿りつき、私はお母様の部屋へ向かい...敷いてある布団に彼女を寝せる...
いつもは飄々としているお母様も疲れが溜まったのかぐったりしています。
「まぁ...無理もありませんか...紅魔館一行・博麗一行・天界...一日にこれだけやればこうもなります...」
私はお母様の部屋を後にし自室へ向かう...
他のお姉様の回収はしなくても良いでしょう...
自室に戻る途中...廊下に飾ってある大鏡を見て歩を止める。
「...」
鏡に映るのは私自身の姿...
黒い長い髪に金色の瞳...
女にしては少々高い背をもった私の姿...
「...」
ブラウスのボタンを外し、左胸のところをはだけると3本の大きな傷が目に映る。
私の罪の証...
あの方の元に最後まで居られなかった...私の...
「...!」
鏡を見ると私の姿が半獣になっていた...
少々気分が昂ってしまいましたか...
「ふふふ...ふふふ!!!」
駄目ですね...どうしてもこの姿を見てしまうと...
いらいらする...
ガシャァァァーン!
「...はぁ...はぁ!!」
気が付くと私は鏡に拳を叩き付けていた...
辺りには鏡の破片と...拳から流れる私の血...
「...ふふ...いけませんね...ふふ!あはははは!!」
何故か今の私が滑稽過ぎて笑いがこみあげてくる...
ここまで自己嫌悪できるのも私が堕ちるところまで堕ちた証拠でしょうか?
「あ...ははは...はぁ...」
笑い過ぎてお腹が痛い...私も休むとしますか...
「...」
左手から流れる血を舐めながら私は自室へ向かう...
いつか使う私の完全態...家族のことも考えなくてはいけませんからね...
緋想天異変終了
次回日常編へ
ではこれにて