博麗神社への召集前日...
大地震+a異変が終了し...異変に加担してしまった大神家のメンバーが大変な目にあっている頃...
天界にある民家でもある人物が自責の念と戦っていた...
その人物の名は...永江衣玖...
彼女は真っ暗な部屋の天井を見ながらビールをチビチビと飲み深いため息をつく...
side衣玖
「はぁー...」
無事に天界の異変は終了しましたが私としましては気が晴れません...
幾ら仕事とはいえども、大神家の皆さまに脅しをかけて無理矢理従わせたことは褒められたことではありません...
それに異変に参加した皆様は大変な目にあっているとか?
それに大神家の一人である華楠さんも...私の目の前で自身の秘密がばれてしまいましたし...
「これはいけません...やっぱり何らかのアフターケアをしませんと...」
私は部屋の隅に溜まったチラシを見る...
何か良い案が出ればいいのですが...
少女考え中...
「...これにしますか」
開始5分...
色々と考え、ある案が浮かんだ...
これでうまくいけばいいのですが...
「...やってみますか!」
私は机に向かい筆と便箋を手に取る
その数時間後...大神家
大神家の庭には当主である大神暦がロリポップを口に咥えながら池をぼーっと眺めていた...
その表情はどこか暗く...
何か悩んでいるように見える...
side暦
「後...一日か...」
後一日で博麗神社への呼び出しがある...
私は霊夢に何のお仕置きを受けるのであろうか?
確かに私が悪いけど...私も一種の被害者だというのに...
「...悩んでも仕方ないよね...考えたって何かが解決するわけではない...私の力を信じましょう...」
私の能力は天運を身に纏う程度の能力だったよね?
最近全くと言って良いほど不運が続いている気がする...
少しは仕事しろ!私の力!!
私は庭にあるポストへ向かう...
せめて何かの朗報でも聞きたいくらいだよ...
ポストを開けて新聞を取り出す...
中には新聞と手紙が入っていた...
「...手紙?」
宛先は大神家の皆さまへと書いてある...
差出人は...永江衣玖?
「...何であの人が手紙を?」
とりあえず新聞は後回しにしましょうか...
手紙の封を開けて目を通す...
手紙の文面は達筆な字で書かれており、見る限りそこまで長い文章ではないみたいだ...
(拝啓大神家の皆さまへ...異変以来になります永江衣玖です...今回の異変では皆様には大変なご迷惑をお掛け致しました...皆さまにお詫びと致しましては、本日夜に宴会を開きますので、ご参加して頂けたら幸いです。これで許されるとは思いませんが...永江衣玖)
手紙と一緒に地図が入っている...
地図は迷いの竹林の中を指しているみたいだ...
場所からして夜雀亭かな?
「...宴会ねぇ」
私達のために宴会を開いてくれたんだ...
だったら行かない手はないね...
皆さまへと書いてあるし、みんなも参加だね。
「あっ...でも...皆の予定あうかな?...今夜開始みたいだし...確認に行きますか」
私は神社へ戻り娘たちを探す...
15分後
大神家の居間には銖理を除いた家族全員が集まる...
「...あれ?銖理は?」
私は辺りを見回すが銖理の姿が見えない?
「さぁ?異変以降見てないけど?」
境奈は椅子に踏ん反りかえって爪の手入れをしながら答える...
確かに異変以降...姿を見ていないような?
「ちょいと心配かも...」
妖気を放出し銖理の居場所を探る...
私ほどになれば何処にいるか探し出すのは容易いことだもん...
「...あら?」
すぐに銖理を発見できた...
どうやら銖理はすでに夜雀亭にいるみたいね?
もう飲んでいるのかしら?随分と気が早いわね...
「で?話とは?」
「家族全員揃わせるなんて珍しいですね...」
煌炉は煙草に火をつけ、潤香はコーヒーを啜る...
おっと...本題に入らないとね
私は手紙を机に出す。
「今夜天界の永江衣玖さんから宴会のお誘いが入ったのよね...」
「...天界~?何でアタシらにお誘いが?」
境奈はコンパクトを出してメイクをしながら椅子をキコキコと揺らす...
「異変の時に迷惑をかけたお詫びだって...それで皆に参加するかどうか聞きたかったんだけど?どう?」
「別にいいわよ?アタシは飲めればいいわ...」
境奈は口紅をつけ終わり返答する...境奈は参加か...
「他は?」
「すまん...今夜は無理だ...予定が」
「...左に同じく教会でやることが」
煌炉・潤香は首を横に振る...
この二人は不参加っと...
銖理はすでに向こうにいるし...後は...
「華楠は...どうする?」
「...」
部屋の端でどんよりしている華楠に話しかける...
目は潤香以上にクマがあり、何か話しかけづらいな...
何故か体から淡い虹色の光が彼女からほんわりと出ているのが気になるけど...
「...ど...どうする?」
「...酒で記憶を消してしまいたい」
華楠はそれだけを言い自室の方へと消える...
肯定ということでいいのかな?
「では参加は華楠・境奈・銖理ということで決定ね♪」
「はいはい...では後程~」
「失礼する」
「では私はこれにて」
娘たちは次々と消えこの場には私一人になる...
「明日への景気づけかな?夜を待ちますか...」
人里の古本屋で借りた本で時間をつぶしましょうかね...
19:00
「...ふむむ...あっ!!」
ふと外を見るともう暗くなっている!
しまった...熱中しすぎたかな?
私は本を机に置いて居間へ急ぐ...
「母さん~!遅い~!」
「...はぁ」
すでに居間には華楠・境奈の2人がいた
どうやら準備はできているみたいだ...
「ごめん!!待たせたね!!じゃあ行こうか!!」
先に銖理がいるみたいだし、私達が行けば問題はないでしょう!
華楠・境奈と共に私達は竹林にある夜雀亭を目指す。
「...ここだね」
竹林の夜雀亭につく...
辺りはすっかり真っ暗になってしまった...
私達は暖簾を潜り中へと入る...
「は~い!いらっしゃいませ~!」
奥から夜雀亭の主ミスティア・ローレライが現れる。
いつもの茶色い着物に青いほっかむりを被っている
「えーと...一応予約したんだけど何か聞いてる?」
ミスチーはにっこりとする
「聞いてますよ~♪永江様から大神家の皆様への宴会と聞いています」
...一応話は通ってるみたいだ
私達が応対していると奥から永江衣玖が現れる。
「大神家の皆さま!お待ちしていました」
彼女は深々と頭を下げる
「う...うん...でもそこまで改まらなくても?」
彼女は私を強いまなざしで見つめる
「いえ!今回は色々とご迷惑をお掛けしましたので!お気になさらず!」
「...うん」
やり辛いけど...いいか...
娘達を見ると境奈が辺りを見回している
「そういや...銖理は?確かここに来ているはずだけど?...え?...」
「ん~?どうしたの...は?...」
「どうせ飲んだくれてるに決まっている...ん?...」
私たちはカウンターを見て言葉を失う...
そこにいたのは...
「いらっしゃいませー!夜雀亭へようこそー!!」
そこには白い着物を身に纏いほっかむりを被った長い白髪の女性...私の娘である大神銖理の姿を見て私達は言葉を失う...
「...銖理どうしたの?」
「お姉ちゃん相談にのるよ?」
「...バイトか?ライブでは辛いか?」
私達の言葉に銖理は頭を振る
「ちげーッス!!別にお金に困っているわけでも!人生を迷走しているわけでもないッス!!!」
「...」
「うぐ!」
銖理はミスチーの方を見た後口を閉じる
「...本当にどうしたの?」
「...絶賛お仕置き中ッス...ミスチーが(銖理の女将姿見てみたい♪)って...」
「...頑張れ」
「応援してるわ...お姉ちゃんは銖理の味方よ!」
「辛いときは誰でもある...」
私達の言葉に銖理は項垂れる
「...銖理を助けてくれっス」
「銖理ー!お酒の準備してー!」
「はいはい!!!」
銖理は慌てて厨房へ向かう...
これは尻に敷かれるね...
私達はそれぞれ席に座りメニューを見る...
鶏肉以外色々な物があるね!これは目移りしそう...
「本当に鶏肉以外なんでもそろっているわね~」
「ここの方針なのだから仕方あるまい...」
私達がメニューを選んでいるとおしぼりが三人前机に置かれる...
「どうぞ」
「はい!ありがと...」
その人の方を見ると長い黒髪の綺麗な女性...
黒い着物にほっかむり...見たことないけど...アルバイトかしら?
「...」
人間...いや...少し混じっている感じかしら?
そうね...人里から離れているここで働くとなると妖怪が限定されるわ...
彼女はしばらく私とずっと見つめる
何やらぶつぶつ聞こえる
「この人が...の...おかあ...でも...じゃない...いえ...人は見かけに...」
「どうしたの?」
私が声をかけるとその女性はビンと体を直立させる
「い...いえ!なんでも!!ご注文決まりましたら!お知らせくださいー!!」
女性は厨房へ引っ込む...
顔が赤かったけど大丈夫だろうか?
そして衣玖がこちらへやってくる
「少々お待ちください...本日は貸し切りですので思う存分楽しんでくださいね...」
「...お言葉に甘えようかな?」
...まぁ...華楠・境奈の3人だけだし...いつもの家飲みと変わらないわ
「まぁ!これ美味しいじゃない!」
「...はぁ」
境奈は出された料理に手をつけ、華楠は奥のカウンターに突っ伏してお酒を浴びるように飲んでいる...
そんな彼女達を見て衣玖は顔を曇らせる
「...境奈さんはともかく華楠さんが心配です...私の所為で色々と...」
「あの子は強い子だし時が解決してくれるわ...気にしなくてもいいわ」
「そうですか?」
彼女の言葉に私は頷き、彼女にグラスを渡す
「ほら!衣玖も飲んで!楽しまないと損だよ!」
「...はい!お言葉に甘えます!」
衣玖は迷ったような顔をしたが自分の分のお酒を注文する
隔たりなくお酒を交わすのも昔では考えられないこと...そう...異変が起きてもすぐに仲良くなるのが一般的ね...
まさにゆかりの言葉を借りるなら幻想郷は全てを受け入れる...か...
「...楽しむなら今のうちだよね」
...明日は博麗神社への呼び出し...何のお仕置きを受けるかわからない...今を楽しまないと損かな?
「...衣玖?今夜は付き合ってね?」
「お望みとあらば!付き合います!!」
「宜しく~♪」
私は衣玖のグラスに乾杯する...
今日という日を楽しもう...今日という日を...
一方博麗神社ではその神社の巫女である博麗霊夢が黒い笑みを浮かべながら葛籠の中にあるものを入れる...
「...明日は暦が来る日ね...たっぷりお仕置きしてあげるから...楽しみにしてなさい!!ふふふ!!!」
彼女は高笑いし、いつもは静寂に包まれている神社が騒がしくなる...
暦の未来は...どうなるのであろうか?
それは神でもわからない...
今年は後一回くらいかな?
ではこれにて