暦の運命はいかに!?
竹林で行われた宴会を明けて朝日が昇る...
幻想郷にある大神神社の一室で大神暦が布団から身を起こす...
「...とうとうこの日が来ちゃったか」
彼女は溜息をつきながら自身の長い金髪をなでる...
そう...本日は異変に協力してしまった大神暦が博麗神社への呼び出しがかかっている日である...
異変に加担してしまった以上彼女も罰を受けなくてはならない...
どんなお仕置きが待ち受けているかは神でもわかるはずもない...
「...行きたくないなぁ...何の罰があるの?」
暦が時計を見ると朝の7:00を指している...
彼女は布団から出て寝間着の着物から普段着である白と黒の着物に身を包む...
帯を締め終え彼女は拳を強く握る...
「仕方ない!お腹をくくろう!!私は紛い物でも神!!人の子のお仕置きなんて...なんて...どうということも...」
力なく決意をした暦は神社から飛び立ち博麗神社へ向かう...
side暦
「...とうとうここまで来てしまった」
遠くに見えるのは博麗神社...
すっかり元通りになっているようで一安心だが...私の心は晴れない...
これからお仕置き受けるとなると気が重いよ...
「...私は神...神だもの...人の子のお仕置きなど...たかが知れてる...」
自分に大丈夫と言い聞かせ神社の境内に着地し歩を進める...
「ようこそ!博麗神社へ!!」
「...」
突如私の前に現れたのは青い長い髪をして黒い桃のついた帽子を被り巫女装束を来た人物...
比那名居天子がいた...
「...」
「...」
「何か言いなさいよ...」
「どうしたの?その格好?」
私の返答に天子はクルリと回る胸を張る...
「現在進行形で!お仕置き中よ!どう?似合ってる?」
「...お仕置き?それが?」
てっきり拷問か何かを予想していたんだけど、出鼻をくじかれた...
ある意味安心したけど、別の意味で心配が...
「来たのね暦!」
神社の方から霊夢が現れる...
何か楽しそうに笑みを浮かべており、少し嫌な予感がする。
「おはよ...あの?これは一体?」
私が天子の方を指さすと霊夢は私の手を引っ張り神社へと連行する...
「ほら!アンタも!着替えるの!」
「...着替えるって?私が?」
「いいから!!!」
霊夢に連行され神社の居間へ通される...
霊夢は置いてある葛籠を開け中身を出す。
「これがアンタの!着替えなさい!」
霊夢が出したのは真っ白な巫女服に真っ白な袴...
私はそれを手に取り彼女を見る...
「...着るの?」
「ええ!!あと狐耳は隠して髪は白くしなさい!それの方がそれっぽく見えるから」
「それっぽく!?理由を説明...」
「いいからする!!」
霊夢に一喝され私はしぶしぶ着物の帯を緩ませる...
「はいはい...」
「...」
私が着替えようとしているのに霊夢は部屋を出ていこうとしない?
「あの?霊夢?私着替えるんだけど?」
「ん?別に気にする必要ないわよ?」
「私が気にするの!!いいから出てって!!」
流石にも裸体を他人に見せる趣味はないわ!
私は霊夢を居間から追い出して障子を閉める...
「...はぁー」
とりあえず着物を脱ぎ出された巫女服に着替える...
「あまり袴とか慣れていないんだけどな...」
ぼやきながら袴の紐を結び私は居間から出る...
「ああ...髪も白くしないとね」
髪を白く戻し神社の境内へ向かうと霊夢が待ちくたびれたように箒を持ってくる...
「はい!これ!今日は神社でのお仕事をしてもらうわ!」
「...何となく天子を見て察しはついたけどさ?何でわざわざ着替えたり髪の色まで変える必要が?」
霊夢はずいっと前に出る...
「アンタがいるからよ!」
「??」
言っている意味が良く分からないが...霊夢から箒を受け取り天子と一緒に掃除をすることにした...
「ふ~ん♪ふ~ん♪」
「...」
境内をそうじしていると天子は機嫌がいいのか鼻歌を歌っている...
現在進行形でお仕置き中だというのに...
私が彼女を観察しているのが分かったのか天子は私の方を向く...
「何よ?」
「いや...只楽しそうだなと思ってさ?」
私の言葉に天子は笑みを浮かべる
「それはそうよ!こんなこと天界では経験できないもの!」
「へ?」
私達が行っているのは境内の掃除だよね?
掃除くらい天界でもできると思うのだけど?
私の反応を見たのか天子は少し考える仕草をする。
「...あー...何となく思っていることは分かるわ...多分理解はできないと思うわ」
「...うん...何で楽しいのか理解ができないわ」
「...天界での生活は食べては飲んでは踊っての繰り返しのだらけた毎日なのよ...それに私は飽きただけなのよね」
「私は楽しいと思うけどね...」
...確かに天界の暮らしはそんな感じだと聞いたことがある。
それに飽きてお仕置き(境内掃除)を楽しむなんて...変わった子ね...
「まぁ...今は普段できないことが出来て充実してるし私としては異変起こして良かったとすら思っているわ」
「...私はもう勘弁だけどね」
私達は話をしながら境内掃除を終わらせる...
そういえば何で私がこんな格好することになったのだろうか?
霊夢の思惑はこの一時間後に分かる...
一時間後...
「...」
「...」
掃除をしている私達の目に映る光景は沢山の人だかり...
あれ?博麗神社ってこんなに参拝客来たっけ?私の記憶ではそんな感じはしなかったような?
「おかしいわ...私が聞いた話ならどうせ誰も来ないって話だったけど?」
「...うん...急に参拝客が増えるなんて私でも知らない...あ...」
その時何故霊夢が私をここへ呼んだか理解した...
霊夢の奴...私の能力を利用したのね...
うどんちゃんが無理矢理私に看護師をさせた時だって、うどんちゃんの思惑通り平和に一日が終了したんだった...
「...私の能力がここまで影響があるとは」
「...アンタの能力?そういえば良く分からなかったわね?」
天子が私の方を興味深々といった目で見つめる...
「天運を身に纏う程度の能力とDNA情報を読み取る程度の能力だよ」
「...?」
「簡単に言うと運を操る力とDNA情報を読み取る力を持っているわ...強運を持っている力と能力の強奪・進化と退化を操ることができるってわけ...」
「へー...強運を持っている割にはお仕置きというわけ?」
「...勝手に作動する力だからね」
神社の方を見ると霊夢が機嫌がよさそうにこちらへ来る。
「暦ー♪よくやったわ!!」
彼女は私に抱き着く...
「れ...霊夢?これを狙ってたのね」
「言ったでしょ?いるだけでいいとね♪」
霊夢は私から離れて機嫌がよさそうに鼻歌を歌っている。
とりあえず機嫌がいいのは私としても助かるわ...もっとも神である私を客寄せに使うなんてよく考えたわね...
「暦さーん!」
「うあ?」
声の方を向くと私のところへやってくる緑髪の少女こと四季映姫ちゃんがそこにいた...
あれ?お仕事は?休みなのかな?
「こんにちは映姫ちゃん♪今日は休みなのかな?」
「ええ!!本日は暦さんに会いに有給を使って来ました!」
映姫ちゃんは目を輝かせながら私に抱き着く...
よく見ると映姫ちゃんの後ろには部下である小町がだるそうにしながら彼女についてきている。
「映姫様~!別に休日だからってここに来なくても~」
「...小町...何か私のやることに文句でも?」
映姫ちゃんは小町の方を向く...
顔は見えないけど小町が青い顔をしているのを見る限りすごい怖い顔をしているみたいだ...
小町はうつむきながら弱弱しく返答する。
「な...なんでも」
「宜しい...」
映姫ちゃんは再度私の方を向き笑顔を見せ、神社の方にいる霊夢の方へ向かう...
霊夢も映姫ちゃんに気づいたみたいだ...
「あら?珍しいのが来たわね」
「博麗の巫女...暦さんを客寄せパンダに使うとはなんたることですか!」
映姫ちゃんは霊夢に懺悔棒を向けるが霊夢は涼しい顔をしている。
「今日は暦のお仕置きだもの...どう使っても別にいいでしょ?」
「!!貴女!!!私の恩人をこんな!」
映姫ちゃんは霊夢に殴りかかりそうだが彼女は気にしない...
「その客寄せパンダに来たアンタがそんなこと言えるのかしら?」
「!!わ...私は!只暦さんに会いに来ただけです!!!本日は...たまたまですから!!」
何故か映姫ちゃんは狼狽える...
そんな彼女に霊夢は不敵な笑みを浮かべて神社の方を指さす
「ほら!せっかく来たんだからお賽銭箱はあっちよ...」
「ぐぐぐ...覚えてなさい!小町!行きますよ!」
「...はいはい」
映姫ちゃんと小町はそのまま神社の方へ向かう...
私の力が彼女達をここへ呼び出してしまったか...
この様子だと他のも来るよね...
「あら?珍しいこともあるものね」
「うわ!人が沢山いる!」
声の方向を見ると今度は紅魔館の当主であるレミリアとその妹のフランドール...そして従者の咲夜が私達の方へやってくる...
彼女たちは私の姿を見て笑みを浮かべる。
「絶賛お仕置き中じゃないの...良い恰好ね暦」
「お嬢様...ふふ!笑ってはいけませんよ」
「うわー!暦!真っ白じゃん!」
とりあえずフラン以外の二人は悪意のある笑みを浮かべている...
こいつら私を馬鹿にしているな!!...私の力を身をもって分かったはずなのに!!
「ふふ!良い絵になっているじゃない...神社に使える白き狐って感じでね」
レミリアは私の袴の紐を引っ張る
「ちょっと!脱げちゃうから!!」
「お仕置き中だしそれもあっていいじゃないの?じゃあ私達は参拝でもいくわ」
「では私達はこれで」
「暦ー!バイバイ!」
紅魔館一行は神社の方へ向かう。
「もう!」
私は袴の紐を結びなおす...
参拝客は増える一方だし...こんな姿家族にも見せられないわ...
「あら?お母様」
「あれ?何してるんッスか?」
「!!!」
声のする方を振り向くとそこには娘である銖理と潤香がいた...
彼女たちは私の姿を見て苦笑いを浮かべる。
「お仕置き中ですか...大変ですね」
「銖理に比べてまだマシな方だと思うッス」
「うん...とりあえず頑張っているからさ...今日のことは記憶から消してくれない?」
娘たちは頷き神社の方へ向かう。
...聞き分けの良い娘たちでママ嬉しいわ!!
「家族ならまだマシか...」
「...暦?暦じゃない!」
「...え?」
また声のする方を見ると今度は永遠亭のうどんちゃんがいた...
何でこの子がここに!?
「...何でうどんちゃんが?」
「...何でって...師匠が偶には外で気分転換するのが良いっていうから...仕事のついでに師匠と...」
「永琳が!?え!彼女も来てるの!?流石にもこの姿は!!」
うどんちゃんに詰め寄るが彼女は笑いを堪えているような顔をする。
「もう遅いと思うっ!!!」
「...」
うどんちゃんが指さす方向を見ると、そこには驚愕したような顔をしている永琳がいた...
彼女は私に近づき体をじっと見つめる。
「...可愛い恰好をしているわね」
「うん...どうも...」
彼女は私に抱き着き、耳元でとある言葉をつぶやく...
「...お金が厳しいなら私の方で工面するわよ」
「え!?」
永琳は私から離れ神社の方へ向かう
「頑張りなさいよアルバイト」
「違うからね!!違うって!永琳!!」
私の言葉も空しく永琳達はそのまま神社の方へ行ってしまう...
お金には困っていない!!
仮にも幻想郷のパワーバランスの一角だよ!?
お仕置き中だというのに別の誤解が生まれてしまった!!
「...はぁ」
「...まだ知り合いがいるからアンタの方が被害が大きいわね」
天子は同情したのか私の肩をたたく
なんだろ...涙が出てきそう...
「...大丈夫今日限りだから」
折れそうになりそうな心を抑えながら私達は自分の仕事をすることにした。
18:00...
神社の掃除をしていると日が落ち始め、参拝客も疎らになってきた。
「そろそろ本日の営業も終わりね...」
天子と後片付けをしていると神社の方から霊夢がスキップをしながらこちらへ来る。
「2人ともお疲れ様!!今日のお賽銭はすごかったわ!!」
「喜んでもらってよかったよ」
とりあえずお仕置きは終了...早く帰ろう...やっと肩の荷が下りるというもの...
「じゃあ...天子のお仕置きはこれで終わりね...ご苦労様」
「...私としては物足りないけど...いいわ!お疲れ♪」
天子はそのまま空へと消える...
あれ?私の許可は!?
「...あれ?私は?」
「アンタはまだ!!」
ほっとしたのもつかの間...どうやらまだお仕置きは続くらしい...霊夢に押されて私は神社の中へ入る。
「で?今度はどうすれば?」
「今度は夕飯の準備ね!美味しいの期待しているわ!」
...掃除の次は食事の準備か...
「はいはい...じゃあ待っててね」
私は一人台所へ向かう...
2人だけだしそんな量つくらんでもいいでしょ...
30分後
とりあえず一通り夕飯の準備は完了したかな?
お吸い物・稲荷寿司・お野菜サラダ...
本当に簡単なものだ...
「...質素な感じだけどこれでいいかな?」
ちゃぶ台に夕食を置き霊夢は目を輝かせている...
「いいわよ!!美味しければなんでもいいわ!!」
霊夢は台所からお酒の一升瓶を沢山持ってくる。
「それは?」
「今日の奉納にあったのよ!良いから付き合いなさい!暦!」
神に祭るお酒を飲んでいいか微妙なところだが彼女の機嫌がよくて何よりね...
「つきあうよ♪」
私達は遅めの夕食を取ることにした...
2時間後...
「うー...うー...」
私の目の前には酔いつぶれている霊夢の姿...
夕食を取り終えてサシで飲んでたけど彼女が先に潰れてしまった...
「...あらら大丈夫?」
「...うー」
ダメだこれは...早いところ寝させた方がいいわ...
「よいしょっと...」
私は霊夢を抱えて彼女の寝室に向かい敷いてある布団に彼女を寝させて外を見る。
辺りは真っ暗ね...霊夢の事を見なければいけないし今日中に戻ることは難しいかもしれないね...
「とりあえず...片づけと明日の準備をしないとね」
私が居間へ向かおうとすると袴の裾が引っ張られ...その方向を見ると霊夢が掴んでいる姿が目に映る。
「どうしたの?気分が悪い?」
「ここにいて...」
「いいけど?」
霊夢に言われた通り私は彼女の布団のすぐ横に座るが霊夢は布団から身を出して私の体を引っ張る。
「??」
「最後のアンタのお仕置き...今日は一緒に寝て」
「え?」
有無を言わさず霊夢に引っ張られ私は布団に入れられ彼女は布団の中で私の体を抱きしめる。
「霊夢?」
「...暦...アンタ温かいわね」
「そう?煌炉の方が温かいと思うけど?」
「...いいから...私を抱きしめなさいよ...アンタは私のお気に入りなんだから...スンスン...ああ...甘い匂いがするわ...」
しばらくすると彼女は寝息を立てる...
その寝顔は子供のようにあどけない...
「...意外ね...神である私を下したのに...まるで子供みたい...」
強くても人の子か...やはり子供と変わらないわね...いつぞやの巫女を思い出すわ...
「...おやすみ霊夢」
私のお仕置きはまだ続くか...明日の準備を考えましょうかね
私は彼女を抱きしめ眠りにつく...
今年最後の投稿です
良いお年を!!