東方五行大神伝   作:ベネト

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今回は大神家の日常です


大神家の日常

緋色の雲+神社倒壊異変が終了を迎え幻想郷の住民は元通りの日常へ戻り、大神家のメンバーも例外なく平和な日常を送っていた。

 

 

 

大神家...当主である大神暦を筆頭とし彼女の5人の娘達で構成され...当主の暦は神に近い存在とされる空狐であり、彼女の娘達全員が九尾の狐であるという少数ながら大きな戦力を持った組織である。

 

今回のお話は大神家のメンバーのちょっとした日常をお送りしよう...

 

 

 

 

 

 

 

○月×日...23:00...大神家屋敷にて...

 

闇に包まれた大神家のとある部屋では一人の女性が布団の中で天井のシミを深いクマの入った目で観察している。

 

彼女の名は大神潤香...黒い長い髪をした大神家の一員である。普段はお淑やかで温厚な人の姿をしている彼女であるが本日は半獣の姿であり少々気分が優れないようす...

 

 

 

 

side潤香

 

「...眠れないです」

 

私は布団の近くにあった本を手に取る...

 

この前お母様に永遠亭に無理やり連れていかれて、八意様に極度の不眠症であると診断されてしまいました...

 

少々問題があるとのことでしばらく寝るときは半獣の姿にしなさいとの指示があり私としては正直億劫です...

 

かなりのお薬を頂きましたが効果はありません...まぁ...かなりの長い年月に渡り不眠症とともに生きてきましたし私は別に構わないのですがね...

 

 

私の読んでいる本には不眠症に関することが書かれている...暇つぶしに手に取ったのに...

 

原因の欄に目を通すと(悩みやイライラ・精神的ストレス・年齢・カフェインの接種)などが挙げられている...

 

「...コーヒー控えますかね」

 

本から目を離し外を眺めると庭の池には満月が映りこんでいます...

 

毎日見慣れた光景ではありますがこの光景は少しだけ心が安らぎますね...

 

 

 

 

ぼごぉ!!

 

 

「ひっ!!?」

 

夜の静寂を破るかのように突如壁に大穴ができ咄嗟に私は壁際まで下がる...

 

これには見覚えがあります...

 

 

「はーい!お邪魔娘々♪」

 

穴の開いた壁から犯人が登場...青い髪に水色のフリルのついたワンピースに身を包んだ女性...霍青娥がいました...

 

彼女は悪びれもなく私に近づく...

 

 

「ここには来訪してもらいたくなかったのですが...」

 

「いいじゃないですか!屠自古様もお相手してくださりませんし...芳香ちゃんもどこか行ってしまいましたし私としては暇なのですから!...?」

 

...何故か逆切れする青娥ではありますが、すぐに私の方を興味深々といった目で見つめ始める?

 

 

「何か?」

 

「いえ?珍しく狐さんの姿してるなーっと思いまして...」

 

...この姿をこの人には見せたくなかったのに

 

「...医者から不眠症対策として寝る時はこの姿をしなさいと言われたのですよ...」

 

青娥はニマーっと笑みを浮かべる...

 

「可愛らしくていいと思いますけどねぇ...」

 

「喧嘩売っているなら買いますが?」

 

私が言うと青娥は私から離れてユラユラと辺りを歩く...

 

 

「...別に気にすることではないと思うけどね~!...幾らあのお方にその姿を見られて驚かれたくらいで...」

 

「...!!」

 

「幾らその時のことが辛かったからって自分を嫌いになるのはダメ...仮にもあの方に認められたんだから猶更よ!」

 

青娥は私に指を突き付ける...何で私がお説教を受けなくてはいけないんでしょうか...

 

青娥は独り言のようにぶつぶつ続ける...

 

 

「全く...貴女が居なくなってあの方は仙術の授業の時だって上の空状態が続きましたし...って!そうだわ...お説教しにきたわけではないのに...」

 

「...言いたいことは分かりましたから...とりあえずお母様達が気づく前に帰った方が...」

 

私の言葉に青娥はブンブン首を横に振る!

 

「私を独りにするんですか!!!誰もかまってくれないからここに来たんですよ!今宵は!娘々に構って下さいな!!!」

 

青娥は私に抱き着く...

 

全く...暇つぶしにここに来られては困るというのに...

 

 

「...!」

 

...あ...あら?何で眠気が急に?

 

今頃になって薬が効いてきたのでしょうか?...ダメです...寝るのは青娥を追い出してからでは...ないと...

 

 

 

 

 

 

 

side青娥

 

「~♪~♪」

 

ん~♪芳香ちゃんに抱き着くのもいいけど半獣の潤香も中々手触りがいいわ♪

 

中々潤香は狐の姿を見せてはくれませんし丁度よかったわ...

 

「...あら?」

 

「...すぅ...すぅ」

 

...寝ちゃったわね?疲れていたのかしら?

 

まぁ...不眠症だったみたいだし彼女にはゆっくりと休んで頂かないとね...あのお方達の復活のために潤香には働いていただかなくては...

 

私は潤香を布団に戻して一緒に入る...

 

「今宵は私が貴女を癒してあげるわ...ゆっくりとお休みなさい...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○月△日...16:00...竹林夜雀亭...

 

竹林にある一件の小料理屋...夜雀亭...そこは一人の夜雀が経営している知る人は知る幻想郷の穴場スポットである。今日もミスティア・ローレライと仕事の手伝いをしている大神銖理の姿がそこにはあった...

 

 

sideミスティア

 

「フンフンフンフン~♪」

 

おでんの鍋の火を止めて私は座敷に座り一息つく...これで仕込みは完璧ね!!後は夜お客様が来るのを待つだけよ!

 

「ミスチーこっちももう少しで終わるッス~!」

 

「ありがとー!」

 

調理場の方を見ると白い着物姿でほっかむりを被った長い白い髪をした女性こと大神銖理が私に合図を送る...

 

今日は銖理にお仕事のお手伝いしてもらっちゃったわ...普段の彼女は白い髪を氷柱のように固めた髪型で派手なメイク・ロッカーファッションに身を包んでいる彼女ではあるが化粧を落として格好も変えれば偉い見違えるわ...まさに女将さんになっている...

 

「やっぱり素材がいいのよね...」

 

銖理の方を見ると料理に使うお野菜を刻みながら外を眺めている...

 

 

「夕日が沈むッス...お客さんどれくらい入るッスかね?」

 

「そうね...竹林のウサギ一行が来るとか言ってたわね...まぁ遅い時間だと思うけど...」

 

私は銖理の方を見る...彼女は相変わらず手元を見ないで包丁を動かしており危ない気がする...

 

 

「銖理...集中しないと怪我するよ?」

 

「...刃物の扱いは楽器より慣れてるッスよ」

 

確かに銖理の本業は音楽家だが能力の影響か刃物の扱いなどにも長けている。本人が心配ないとは言っているけど何か嫌な予感がする...

 

 

 

 

 

 

「まぁ...それならいいけど...」

 

サク...

 

「うぎゃあああああ!!!」

 

調理場から銖理の叫び声...ああ!言わんこっちゃない!!

 

私は飽き飽きと調理場へ向かい、手を抑えて跳ねている銖理を見つめる...

 

「痛いッス!!!」

 

「もう...見せなさい」

 

銖理の左手を見ると中指に切り傷がある...酷い怪我ではないみたい...

 

「...もう...んっ」

 

私は彼女が怪我した指を口に含む...

 

...血の味がする。

 

狐の姿はしているけどやっぱり銖理は妖怪であり人間でもあるのよね...

 

私も妖怪だから人の肉は食べたことはあるけど銖理を食べようとは思わないわ...

 

だって...もう手放せないし...

 

「///...はい!ほら!手当するからついてきて!」

 

「はいッス...」

 

私は銖理の手を引っ張り奥の部屋へ向かう...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

×月□日...14:25...迷いの竹林...

 

とある昼下がり迷いの竹林の開けた場所には竹林の案内人の藤原妹紅と大神煌炉が対峙していた...

 

どちらの体にも濃厚な妖気が漂っており辺りの空気は殺伐としている...

 

「師匠...準備はできてるか?」

 

「...いつでもいいけど?」

 

煌炉の言葉を聞き妹紅は笑みを浮かべて片手に火を灯し彼女の方へ駆ける...

 

 

 

 

side妹紅

 

「私の実力見てくれよ!」

 

私は煌炉師匠の方へ向かい火拳を繰り出す...師匠は軽くそれを手でいなした後距離を開ける...

 

「...昔よりは速くなったかな」

 

師匠は煙草の煙を吐き出しながら虚空を見る...ダメだ...まだ本気ではない...まだ人の姿だし集中すらしていない!!師匠が本気を出すときはテンションが上がってヘラヘラし始めるから分かりやすいんだけど...

 

「今日は本気で来てもらうからね!」

 

私は火炎弾を師匠へと放つ...

 

師匠はそれを蹴りで薙ぎ払い相殺する。

 

 

 

 

 

 

 

「...まだ甘い...これでは火がつかない...ん?」

 

「少し油断したね!」

 

すでに私は師匠の懐に入っていた!さっきの火炎弾はただの目くらまし...幾ら師匠が速くてもここまで近ければ!!

 

私は師匠に火拳を放ち胸を打つ...師匠は軽く後ろへと後退し口から煙を漏らす...

 

 

「...ぐ...ぐぅ...」

 

「どうよ!これが成長した私だ!!」

 

「...やるようだな...ふふ...昔よりは楽しめそうだ!」

 

師匠は目を輝かせる!

 

...少しは本気になったらしい...

 

長い紅い髪は炎のようにユラユラ動き...師匠は人の姿から九尾の姿へと姿を変える...

 

だが!手は抜かない!こちらも本気で行く!

 

 

 

 

「フジヤマボルケーノ!!!」

 

私は大きな火炎弾を大量に精製し師匠へと放つ...

 

師匠は避ける動作もせずにその火炎弾の嵐に飲み込まれていく!!

 

 

 

「...ぐぁぁ!!!!」

 

「よし!!」

 

もう完全に火だるまになっているな!!これでなら勝負はあったはず!!

 

しかし?やりすぎたかな?師匠のうめき声しか聞こえない...

 

 

「...っふふふ」

 

「!?」

 

火だるまになった師匠が一瞬で私の目の前に現れ私の首を掴む!!

 

 

 

「ぐ...ぐぅ」

 

「...面白かったよ♪今回は次回に期待だ!!!」

 

煌炉師匠の体から粉のようなものが放出されそれが引火し大爆発をする...

 

 

今回分かった...師匠を超えるにはまだ時間が足りないと...そして私は意識を手放す...

 

 

 

 

 

 

side煌炉

 

「...ふぅ...中々楽しめたかな?」

 

黒焦げになった妹紅を寝かせ私は解けた自身の髪に櫛をいれる...

 

まさか攻撃を食らうだけでなく...追撃まで食らってしまうとは...妹紅の成長ぶりには関心する...

 

「それがいつになるのやら?...あ」

 

煙草を吸おうとするが懐にあったものは燃え尽きてしまったようだ...

 

それどころか私の衣服も完全燃焼してしまったみたいだ...

 

「あー...しまった...これじゃあ...帰るにもまずいよね?」

 

...万が一このことが知り合いにでも知られたら明日の新聞に竹林に痴女発生!みたいな記事が一覧に乗ってしまう...楽しくなったからって後先考えればよかった...

 

 

「...とりあえず...気づかれないように神社へ」

 

「あらあら?随分とお困りのようね?」

 

「!?」

 

後ろを振り向くとそこにはスキマに座って私の方を笑みを浮かべてみている八雲紫の姿...ああ...さっそく知り合いに見つかった...

 

「...いや?違うからね?別にそういう趣味があるわけではないからね?」

 

「分かってるわよ...一部始終は見てたもの...とりあえず藍を呼んで何か服でも...」

 

紫がスキマを開くとそこからは何やら大きな足音が聞こえてくる...

 

「こー!!」

 

「...あれ?」

 

何これ?前にもこんなことがあった気が...

 

 

「煌炉ー♪」

 

「ぐほっ!!」

 

スキマから藍が飛び出してきてミサイルのように私に直撃し...私達は3メートルくらい後ろへ飛ぶ...

 

 

「...こほ」

 

「まさかお前の裸を見られるとは今日はラッキーだな!!」

 

藍は私の体の上で尾をブンブンと振りながら私の体を観察する...

 

「...全く女の子なんだから綺麗にしないと駄目だぞ!...っん...ん!!」

 

「っ!」

 

藍は私の体を舐めて土汚れを消す...ここでそこまでせんでも...紫の方を見ると真っ赤な顔で両手で顔を覆っている...

 

そして藍は一通り済んだ後私を両手に抱える

 

 

「ほら!屋敷に帰るぞ!手当の方とその他はそこでやってやるからな!!」

 

「えと...お願いします」

 

藍は私を抱えてスキマへと入り後ろからは紫の声が聞こえる

 

「ま...待ちなさい!!私もやる!!」

 

...とりあえず危機は脱したかな?...多分

 

 

 

 

 

 

 

 

×月×日...23:00...妖怪の山

 

深夜遅く妖怪の山のとある民家では小さな宴会が開かれていた...

 

民家の和室はちゃぶ台が置かれその周りには飲み終えたお酒の空瓶やら酒のつまみなどが散乱している...そこには民家の主である犬走椛とその上司の射命丸文...そして大神家の一人大神境奈がそこにはいた...

 

彼女達はちゃぶ台を囲み辺りに置いてあるお酒をあけながら談笑をし長い幻想郷の夜を過ごす...

 

 

 

side椛

 

「あややー♪境奈の大きい胸ー♪」

 

お酒に酔った文様が境奈様の胸に顔を埋める...

 

「もう...文ったら...」

 

いつもはこういうことは嫌がる境奈様もお酒が入っているのでいつもよりはオープンですね...開始からもう3時間経過しており、ここにいる全員ができあがっても仕方ない...

 

「...ふんふーん」

 

とりあえず私はおつまみの干し肉を千切って口の中に放り込み傍にあった文々。新聞を広げる...

 

新聞には新しくなった博麗神社のお参りについて書かれている...

 

最近起こったことといえば博麗神社倒壊異変が挙げられる...まさかアレが倒壊するとは俄かに信じられませんでした...

 

「...」

 

新聞の写真部分には境奈様のお母様である暦様が巫女の格好になり神社を掃除している姿が映っている...

 

しかし境奈様のお母様は何か子供っぽいんだよね...まだ境奈様の方が大人っぽいというか...

 

「...」

 

私は境奈様の胸を見る...

 

...あまりも大きい肉塊...女性誰もが夢見る宝箱というべきでしょうか?

 

...まぁ...私は要りません...剣を振るのに邪魔になりそうですから...

 

文様はまだ境奈様の胸に頭を突っ込んだままだ...

 

「...zzz」

 

...寝息が聞こえる...文様落ちたか...あまりにも感触が良かったのでしょうか?

 

文様が寝たことに気づいた境奈様は私を手招きする

 

 

「椛...布団かけてやって」

 

「はい」

 

私は隅に置いておいた布団を一枚とり文様にかける...

 

「むにゃ...きょうな~!」

 

...完全に文様は夢の中みたいです...楽しそうな夢を見れて羨ましいですね...

 

 

 

 

 

「...あ」

 

...ある意味チャンスかも!今なら文様はいない!!境奈様を独り占めできるチャンス!!

 

境奈様の方を見るとお酒が回ってきたのかうっつらしており、警戒が薄い...

 

ここを逃したら一生の不覚だぞ!犬走椛!!さぁ!やるしかない!!

 

 

「失礼!!」

 

私は境奈様の胸に顔を埋める...境奈様が使用している甘い香水の匂いが鼻孔をくすぐる...

 

「っ!?あら?」

 

境奈様もお酒が入っているため少しオープンだ...少し驚く位で私の行動を咎めたりはしない...

 

「...今日は...私だけを見てください...文様ばかりずるいです」

 

「...もう...いいわよ?今日はアンタだけを見たげるわよ♪」

 

境奈様は私を優しく抱く...

 

「!!...~♪」

 

私は境奈様の温かい抱擁を心置きなく味わうことにした...

 

 

 

 

 

...もっとも翌朝文様に怒られましたが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△月×日...11:00...太陽畑...

 

 

とある日の晴天が降り注ぐ太陽の畑...

 

大量の向日葵畑が咲き誇る庭にはパラソルの下で紅茶を嗜む太陽畑の主である風見幽香と客人の大神華楠と秋静葉・穣子の4名がいた...

 

彼女達は紅茶の香りを楽しみながら太陽畑に咲いている大量の向日葵を見つめている。

 

 

 

side幽香

 

「秋以外は興味なかったけどここの景色は絶景ねぇ...穣子?」

 

「そうだね!お姉ちゃん!」

 

秋姉妹はクッキーを咥えながら向日葵達を見つめている。

 

 

気に入ってくれて何よりね...あの一件から彼女達とは仲良くなれたわ...中々いい子だと私は思う!

 

「...褒めてもらって嬉しいわ」

 

私が言うと二人は笑顔で手を挙げる

 

「素晴らしいですよ!幽香さん!」

 

「秋の景色以外にも興味がわきました!」

 

...健気でいい子達ね

 

そして私は華楠の方を向く...

 

華楠は紅茶のカップを片手にうっつらとしている...

 

 

「...眠いのかしら?」

 

「...ああ...こうもいい天気だと眠くなるものだ」

 

華楠は軽く欠伸をしてクッキーを口に運ぶ...

 

しかしこの状態の華楠が許せないのか秋姉妹は華楠を揺さぶる

 

 

「ほら!華楠!しゃきっとしなさい!!」

 

「お昼寝の時間には早いよ!!」

 

「分かった...頑張るから...」

 

揺すられて華楠は普段の凛々しい顔に戻るがしばらくすると目が閉じてテーブルに突っ伏す...

 

 

 

 

 

「...」

 

「華楠?」

 

「...ねぇ?」

 

「...zzz」

 

秋姉妹の援護も空しく華楠は夢の世界へと旅立つ...

 

「疲れていたのかしら?」

 

私は自分のベストを脱いで華楠にかける...秋姉妹は残念そうに彼女を見つめている

 

 

 

「...華楠酷い...せっかく頑張って家から来たのに」

 

「仕方ないわ穣子...華楠も色々とあるものね...あの緑の巫女にね」

 

少し秋姉妹の顔が黒く染まる...この子たちこんな顔もできたのね...

 

しかし...華楠とあの巫女のことは仕方のないことね...

 

 

 

「...まぁそんなにツンケンしなくてもいいじゃない...華楠とあの巫女はちょっと特別な関係だからね」

 

私は意にも関せず紅茶を口に運ぶが秋姉妹は私の体を掴んで揺さぶる!

 

 

「特別な関係!?どういうことですか幽香さん!!」

 

「私達の方がずっと前から!一緒だったでしょ!!?」

 

「ぶほぉ!!!」

 

あまりにも強く揺さぶるものだから紅茶を戻してしまった...止めないと!!

 

 

「話すから落ち着いて...」

 

「落ち着けるものですか!!ぽっと出の巫女に華楠を取られて!!」

 

「落ち着...」

 

「華楠はみんなの者だよ!!一人独占はダメ!!」

 

「落...」

 

「「幽香さんは取られて悔しくないんですか!!」」

 

 

...ブチ!

 

 

 

 

 

ゴイン!!

 

 

ゴイン!!

 

 

私の拳骨が秋姉妹双方の脳天を捉える...

 

 

 

 

 

 

 

「...ごめんなさい」

 

「...熱くなりすぎました」

 

「...宜しい」

 

庭で正座している秋姉妹を見下ろしながら私はパラソルをくるくる回す...

 

確かに華楠を取られて私としても面白くはないけど...こればかりはね...この子たちは知らないみたいだし華楠の過去を教えておいたほうがいいわね...

 

 

 

「...少し貴女たちに華楠の過去を教えましょうか?」

 

「本当ですか?」

 

「マジで?」

 

秋姉妹は正座をしながら顔を輝かせる...

 

「...そうね...私も華楠から直に聞いただけだから詳しく知らないけど...あの巫女の祖先と関係があるのよね」

 

「...祖先?」

 

「ということは...ずっと昔ってこと?」

 

穣子は首をひねる...

 

「...そうね...華楠も特殊な育ち方をしたから家族以外の付き合いなんて全くなかったらしいわよ?そしてある時...あの巫女の祖先と出会い友達になったというわけ...」

 

「...華楠にとっては初めての友達ってわけ?」

 

「...うう...だからそんなに仲がいいのね...」

 

秋姉妹は悔しそうな顔をする...でもまだ話は終わってないのよね...

 

 

 

 

「...それが永遠に続くことはなかったけどね」

 

「「...え?」」

 

彼女達は呆けた顔をする...

 

「...分からないのかしら?華楠は人間に見えるけど長く時を生きる妖狐よ?巫女は人間...寿命は圧倒的に短いわ...いつかは分かれの時が来たということよ...」

 

「「...」」

 

秋姉妹は黙ってしまった...少しは華楠の事が理解できたのかしらね?

 

「...話を進めるわ...当然別れの時が来て巫女が死に華楠はその時のトラウマが原因で他人との干渉をやめた...もう二度と失う思いはしたくなかったのでしょうね...」

 

「...」

 

「...そんなことが」

 

「...それで幾千の時が流れて華楠達大神家が幻想入り...それにより少し奇跡が起きたのよね...」

 

「...奇跡?」

 

「...その巫女の子孫が外の世界から幻想入りしたのよ...華楠はその子を見たときにあいつの生き写しだ...とか言っていたわね...あの巫女も華楠の過去の事は知らないけど何故か華楠に懐いているみたいだし...時を超えた奇跡が起きたとしか...言えないわね?」

 

...奇跡とか運命とかそういう類は信じたりはしないけど...私はこれで良かったとは思っている。

 

 

 

 

 

 

秋姉妹の方を見ると彼女達は寝ている華楠へと向かい彼女に抱き着く...それにより華楠は目を覚まして驚くように彼女達を見つめる。

 

「!?ど...どうした?二人とも?」

 

「...華楠!私達は永遠に友達だからね!!」

 

「何があっても友達だからね!!」

 

二人の決意に満ちた力強い目を見て華楠は驚きを隠せないままの表情だったが彼女たちに優しく微笑む...

 

「...ああ...いつまでもな」

 

その微笑みを見た秋姉妹は感極まって華楠に詰め寄る

 

 

「「華楠ー!!!」」

 

「ごふ!!」

 

彼女達に押し倒され華楠は椅子ごと後ろへと倒れ土煙が舞う...

 

「...ふふ」

 

私はその光景を見てつい笑みを浮かべる...

 

華楠は独りではない...私達がいる...私達が貴女が辛い時手を差し伸べてあげるわ...

 

「ほら!お風呂へ行くわよ!」

 

私は土汚れまみれになった3人を服の襟をつかんで引きずり家へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△月○日...23:30...永遠亭にて...

 

深夜の永遠亭の診察室には大神家当主である大神暦と永遠亭の医者である八意永琳の2名がいた...

 

永琳は暦の腕に電極を当てており、謎の機械に映し出される数字を見ながらカルテに目を通している。

 

 

 

 

 

side永琳

 

「...体に異常はないみたいね...バイタル指数に霊力ともに正常よ」

 

私はカルテに数字を入れて棚にしまう

 

「...別に調べなくてもいいのになー」

 

子供の姿の暦は不服そうな顔をしながら足をパタパタするがそうもいかないわ!暦の体のメンテナンスは私の仕事だもの!

 

...そう...本日は3か月に一回の暦の健康診断の日...毎回こうやって暦の体に異常がないかチェックしなくてはいけない...何かあってからでは遅いもの!

 

「何言ってるの!何かあってからでは遅いの!いいからつべこべ言わないの!ほら!次の姿になりなさい!」

 

「...分かっているよーだ!」

 

暦は軽口を叩きながら大人へと姿を変える...

 

着物の上からでも分かる大きな胸ね...流石5児の子を持つ母親だけあるわね...

 

「...大人しくしてなさい」

 

電極のスイッチを入れると端末に暦の霊力の数字が次々と画面に表示される...

 

やはり子供の時と比べるとどの数字も高くなっているわね...

 

 

 

 

「異常は見受けられないわね...相変わらず力は強くなってきているけどね」

 

「そりゃそうでしょ?子供の時と比べて能力の質が高くなってきているんだからさ?」

 

暦の能力ね...彼女の能力は2つある...

 

天運を身に纏う程度の能力...簡単に説明すると自分に運を向かせる力...これが彼女の力の源なんだけど勝手に発動する力だから暦自身は制御できていないのよね...

 

そしてもう一つはDNA情報を読み込む程度の能力...これは生物のDNA情報を読みとることが出来る力...能力を持っているものの力を奪うこともできる上...暦自身の進化・退化を操ることもできるのよね...

 

「その割には色々と巻き込まれているみたいだけど?」

 

「...うっ...ただ運がなかっただけだよ」

 

暦は目を泳がしている...色々と異変に巻き込まれているみたいだけど大丈夫かしらね?

 

 

「じゃあ次の姿...退化いってみましょうか?」

 

「えー...力が抜けるからあまり使いたくないんだけどな...」

 

暦はしぶしぶ鎖を出現させ鎖の先端についている刃を自身の差し込むと彼女のお尻に金色の尾が4本生える...

 

「姿だけは神様に見えるわね...」

 

「一応神です!」

 

私は電極のスイッチを入れると端末に数字が次々と現れる...

 

 

 

「...?」

 

...数字が非常に低いわね?子供の時と比べてみてもそれ以下の数字だわ?

 

「...健康状態には問題はないわ...数字は異様に減少したけど?」

 

「天狐の時の姿だもの...空狐の姿とは力は雲泥の差はあるよ...まぁ...通常時と比べては体が動きやすくなったけどね」

 

確かに感じる力は弱弱しいわね...まぁこの形態は後で調べる必要があるわね...

 

 

「では次...貴女の本気の姿...」

 

「えー...あれも?...もう」

 

暦が力を高めると彼女の髪は金色をベースに緑・黄色・赤・白・黒と所々メッシュの入ったような髪になり着ている着物もカラフルな物へと変わる。

 

「この姿疲れるんだよね...」

 

「文句言わない!これで最後だから!」

 

電極にスイッチを入れると端末の画面に数字が映る...

 

 

 

「...?」

 

端末の画面の数字はどんどん上昇しており止まる気配を見せない?120...300...500?

 

500を超えた辺りで端末の画面には測定不能という文字は映り画面にひびが入る...

 

 

「...どうしたの?」

 

暦は心配そうに私を見つめており、私は彼女に端末の画面を見せる...

 

「測定不能...かなり元気みたいね」

 

確かこの姿の暦は依姫を圧倒するほどの力を持っているはず...本人がこんな軽い性格だから、そう思う人がいるのは少ないと思うけど脅威であることには変わりはないわ...

 

暦は端末を見て少し困惑したような顔をする...

 

「うわ...流石にも私の力を測ることはできなかったか」

 

「その姿はできる限り使わない方がいいわね...流石にも危ないし...」

 

「そうしとく...」

 

「出来れば貴女の娘達の本気の力も測っておいたほうがいいわね...機会があればだけど」

 

「...うん...今度できるだけ連れてくるよ」

 

暦は元の子供の姿に戻る...

 

そして私は彼女に手招きをする...

 

「これで検査は御仕舞!さぁ...いらっしゃい暦!」

 

「!!~♪」

 

暦は嬉しそうに私に抱き着き私は彼女を優しく包み込む...

 

この子が元気であれば私は満足よ...もう二度と離さないわ..

 

 

「今日はもう遅いわ...うちに泊まっていきなさい」

 

「ふふ...そうする~♪」

 

暦は私の体に頬を擦りつける...何年も経っているけど甘えん坊なのは変わらないか...

 

私は彼女を抱えて診察室から離れて自室へ向かう...

 

 

 

 

 




長くなりすぎました

分割した方が良かったかな?

ではこれにて
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